Bluetoothプロトコルの多用途化を目指すTempowが$4Mを調達、すでにLenovoなどが採用

フランスのTempowが、400万ドルの資金を調達した。この投資を仕切ったのはBalderton Capital、これにC4 Venturesが参加した。同社は、Bluetoothのプロトコルを改良して、その用途を広げようとしている。

スマートフォンやスピーカー、それにさまざまなコネクテッドデバイスは、それぞれいろんなやり方でBluetoothを利用している。しかしBluetoothのチップセットを作っているのは、QualcommやBroadcomなど、ほんのひとにぎりのメーカー企業だ。Bluetoothのチップはすばらしく効率的になり、電力消費も前よりずっと少なくなったが、ソフトウェアは進歩が停滞している。

ソフトウェア企業であるTempowは、Bluetoothのソフトウェアスタックを完全に書き換えようとしている。同社はまず、オーディオのプロファイルからスタートした

Tempowの技術を使うと、スマートフォンを複数のBluetoothスピーカーに同時に接続できる。ソフトウェアの改良だけで、それができる。Bluetoothのチップセットやオーディオデバイスは従来のものでよい。

このアイデアを気に入ったLenovoはTempowの技術をライセンスして、Moto X4ハンドセットに使った。その、TempowのBluetoothスタックを使ったデバイスは、500万台以上売れた。

今回得られた資金で同社は、ユースケースを拡大したい、と思っている。そのために必要な低レベル技術が、ペアリングプロセスの最適化、プロトコルのセキュリティの強化、電池寿命のアップなどだ。協同ファウンダーでCEOのVincent Nallatambyは、“そのうち、NFCよりBluetoothを使った方がペイするだろう”、と言っている。

同社は今、複数のメーカー企業に技術を売り込んでいる。今後はもっと多くのデバイスが、TempowのBluetoothソフトウェアを使っているだろう。

同社は今、7つの特許を出願しており、先週最初のひとつが認可された。今後はBluetoothのエキスパートチームを作って、同社のプロトコルをさらに普及させたい、と考えている。

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FBI、暗号化でアクセス不能な端末数を水増し報告

暗号化された携帯電話に関するFBIの嘘がまた発覚した。昨年12月、FBIのChristopher Wray長官は、アクセス不能の携帯電話が2017年だけでほぼ7800台あったと推定した。実際の数字はその1/4以下だった可能性が高いことをThe Washington Postが伝えた。

情報筋が示した内部記録によると、暗号化された端末の実数は1200から最大でも2000台で、FBIは同紙に「初期評価の結果プログラムのエラーによる著しい数え間違いがあることがわかった」と声明で語った。端末数を追跡するデータベースが3つあり、複数回カウントされたものと思われる。

あまりに初歩的なミスであり、どうすればそんなことが起きるか考えにくい。これは裁判記録でもメモでも取るに足りない証拠品でもなく、シリアルアンバーと名前がつけられた物理的デバイスだ。議会証言のために台数を伝える際、誰一人重複チェックをしなかったという事実が、陰謀あるいは重大な無能さをものがたっている。

後者でる可能性が高い。監察官室のレポートによると、FBIはロックされたiPhoneをアクセスするために自身で努力する代りにAppleを訴え、根拠(テロ攻撃に関わるロックされたiPhone)がなくなると急いで取り下げた。自らの能力を軽視あるいは無視することで、暗号化の普及はバックドアがないと法律執行にとって危険という物語を追求しようとしたのだろう。

FBIでは、実際に何台の端末がアクセス不能であるか、できればなぜこんなことが起きたかを突き止めるために監査が行われている。

FBIの目的が、完全に暗号化された端末を当局がアクセスできない、という問題を強調することにあるのは明らかだ。そこまで公共の場で話している。これは当局にとって深刻な問題だが、FBIは作られた物語を広めるためには、喜んでずさんにも欺瞞的にもなる、ということも明白だ。

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マイクロソフトのXbox Adaptive Controllerは「インクルーシブデザイン」の刺激的なお手本

障害をもつゲーマーは、さまざまな理由で特有の課題に直面している。アクセシビリティー対応のゲーム機周辺装置の少なさもそのひとつだ。Microsoft は、Xbox Adaptive Controller(XAC)でこの問題の解決に向けて大きな一歩を踏み出した。このデバイスは通常のゲームパッドが選択肢にないゲーマーのニーズに答えるべく開発された。

XACは最近のイベントで正式公開されたが、数日前にリークもされていた。デバイスは2つの巨大なプログラマブルボタンと大型の十字ボタンからなっている。後部の3.5 mmポートには、ブローチューブ、ペダル、Microsoft製のアクセサリーなど実に様々な種類のデバイスを接続できる。

これはオールインワンのソリューションではなく、障害をもつゲーマーが最小限の手間で自分専用の操作環境をつくるためのハブのようなものだ。自分のもつ能力、心地よいもの、すでにもっている道具など、どんなものでもXACなら生かしてしてくれる。

本来なら私が詳しく紹介するところだが、Microsoftの驚くほど興味深くて詳細なXACの紹介記事を超えられそうにない。記事にはハードウェアの起源、テスト担当者や開発者の逸話などが満載されている。間違いなく時間を割いて読む価値がある。

このシステムについて、あるいはユーザーがどのように使うかについて追加情報をたのしみにしている。インクルーシブやアクセシビリティーがこのように実用的かつ慎重に研究された形で追求されるところを見るのはうれしいものだ。

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太陽光とレーザーの力で羽ばたく昆虫ロボットRoboFlyは電力供給の無線化に成功

飛ぶものを作ろうと思うと、いろんなトレードオフを克服しなければならない。大きければ燃料や電池を多く積めるが、しかし図体が大きすぎると必要な揚力が得られないかもしれない。小さければ必要な揚力も小さいが、小さすぎて必要な大きさの電池を詰めないかもしれない。昆虫サイズのドローンも、この問題に悩まされてきたが、しかしここでご紹介するRoboFlyは、レーザーの力で空に飛び立つ。

虫のように小さい空飛ぶロボットは前にもあったが、しかしRoboBeeなどのそれらは、ワイヤーをつけて電力を供給する必要があった。今の電池はどれも虫用には大きすぎる/重すぎるので、これまでのデモは、‘もっと大きくすれば…電池を積めれば…自力で飛べる’というものばかりだった。

でも、外部からワイヤーを使わずに電気を供給できたら、どうだろう? ワシントン大学のRoboFlyは、それに挑戦した。RoboBeeの精神を受け継いだ同機は、搭載した太陽電池セルとレーザーから動力を得る。

“重さを増やさずにRoboFlyに大量のパワーを素早く送るには、それがもっとも効率的な方法だった”、とペーパーの共著者Shyam Gollakotaが述べている。彼が電力効率をいちばん気にするのも当然だった。彼と仲間は先月、ビデオを従来より99%少ない電力で送信する方法を公開したばかりだ。

レーザーには、ロボットの翼を駆動するのに十分以上のパワーがある。正しい電圧に調節する回路があり、状況に応じてマイクロコントローラがパワーを翼に送る。こんなぐあいだ:

“ロボットの翼が素早く前へ羽ばたくために、一連のパルスを早い間隔で送り、その頂上近くになったらパルスを遅くする。それからまた逆方向に羽ばたいて別の方向へ行く”、とペーパーの主著者Johannes Jamesが説明している。

現状ではこのロボットは、とにかく離陸して、ごくわずかに飛行し、そして着陸するだけだ。でも昆虫ロボットをワイヤレス送電で飛ばせる概念実証としては、十分だ。次のステップは、オンボードのテレメトリー(遠隔測定)を改良して、自分をコントロールさせること。また、レーザーに操縦性を持たせて本物の虫を追わせ、その方向に向けて継続的にパワーを放射できるようにしなければならない。

チームは来週オーストラリアのブリスベンで行われるInternational Conference on Robotics and Automationで、RoboFlyをプレゼンする。

画像クレジット: Mark Stone/University of Washington

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Microsoft、Surface Hub 2を発表

Surface Hubを覚えているだろうか? 存在すら忘れているに違いない。しかしMicrosoftは、新バージョンのSurface Hubを発表した。仕様や価格は何も発表されておらず、発売は2019年以降だ —— 一部の顧客は今年中にSurface Hub 2のテストに参加する予定。

Surface Hubは超高価なデジタルホワイトボードで、ビデオ会議から文書作成の共同作業まであらゆる仕事をこなす。現在5000社がSurface Hubを使っていて、その中にはFortune 100企業の半数が含まれている、とMicrosoftは言っている。

それぞれの企業が1台ずつ買ったのか、1000台買ったのかはわからない。しかし、次期バージョンに取り組むだけの関心があることはたしかなようだ。つまるところこれは、タッチスクリーン付巨大ディスプレイにすぎない。Windows 10が動きSurface Penに対応している。

前のバージョンと比べてMicrosoftはベゼルを大幅に削減した。モダンなテレビのような外観になったがアスペクト比は3:2だ。ビデオカメラが本体からなくなったのには驚いた。ビデオ会議のためにはウェブカメラを接続する必要がある。

いちばん興味深いのはコンセプトビデオだ。さまざまな利用場面が紹介されている。壁にかけたり、カートに乗せたり、Surface Hubで壁を作ることもできる。

ユーザーは指紋センサーに指をおいてログインする。そうすることで、自分のアカウントの文書やデータを利用でき、通話も受信できる

Microsoftはことコンピューターにかけては力が入る。これは会社のワークフローによくフィットする革新的フォームファクターだ。この会社がじっとしていないところを見るのは楽しい。Macに劇的な進化が見られない中、Microsoftにはまだ大胆なアイデアがありそうだ。

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少年ジャンプ50周年記念ファミコンは、アメリカのNESファンにスペシャルエディションの期待を抱かせる

日本のゲーマーと熱烈なマンガファンとその両方の人たちには、この夏すてきなプレゼントがやってくる。NES Classic Editionに週刊少年ジャンプの作品をテーマにしたゲームが満載されて発売される。人気のマンガ雑誌は50周年を祝って、この純金ファミコンも記念に作られた。

このジャンプをテーマにしたNESがアメリカで発売されるチャンスはゼロに等しい —— 第一に(わずかな例外を除き)ここに出てくるマンガを読んだアメリカ人はいない。第二にそれに関連するファミコンゲームをプレイしたことのある人はさらに少ない。

Familiar… and yet…

しかし私の中では、いつかほかのテーマのNES Classicが出来るのではないかという希望が育まれつつある。もちろんオリジナル機はすばらしいコレクションだが、やりたいゲームはまだ何十もある。

比較的簡単なハックでNESライブラリーにあるゲームの半数は走らせることができるが、Nintendoの公式バージョンはテストされ、おそらく完璧に動くように微調整もされている(ただしNESゲームではエミュレーション問題はあまり起きていない)。

レビュー:NES Classic Editionと全30ゲームを試してみた

もっと重要なこと。そんな仮想的テーマのコンソールには、私が喉から手が出るほど欲しかった新しいアクセサリー、たとえばNES AdvantageやZapper(どう使えるのかわからないが)やNES Maxがついてくるかもしれない。もしかしたらPower Gloveも?

ところで、最初のチャンスに買い損なった人も6月末には買うことができそうだ。

NintendoのNES Classic、6月29日に米国小売店舗で販売へ

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この三軸ツールビロン機構は驚異的な3Dプリントだ、しかも美しい

三軸ツールビロン(トゥールビヨン)は、時計の複雑なメカニズムの中でも、もっとも複雑なもののひとつだ。時計メーカーのAbraham-Louis Breguetが最初に作ったこのタイプのツールビロン、通称“つむじ風”は、時計の各部に対する重力の悪影響を打ち消すために、時計のテン輪(balance wheel)を回転させる。それは巧妙複雑で、原子時計とナノ素材の時代には無用な仕組みだが、でもすごくクールだ。

オリジナルの、もっとシンプルなモデルに基づく、この新しい三軸ツールビロンはここでダウンロードできる。複雑な部品が70あり、簡単なモーターで動く。

ご覧のように主な部位はテン輪であり、それが行ったり来たりして時計を動かす。テン輪はスパイクのような形のかごに収められ、それが複数の軸の上で動く。テン輪がスピンのスピードをコントロールし、このようなデバイスはもっと複雑で高価なツールビロン時計の上で中古品として使われていることが多い。ツールビロンは元々、時計が乗馬用ベストのポケットなどに入っているとき、時計の精度を良くすることが目的だった。時計に、水平でなく垂直の動きが加わるときには、重力が時計のテン輪をおかしな方向に引っ張る、と考えられていた。三軸で回転させることによりテン輪は、ありとあらゆるすべての姿勢に対応でき、見てて楽しい、少々やり過ぎの時計製造技術が完成する。

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ペンシルベニア州立大の研究員が本物のクローキングデバイスを作った

ペンシルベニア州立大学の研究員Amanda D. Hanfordが、音波を迂回させる(反射しない)ことによって、一部の感知技術に対してオブジェクトを不可視にする、本当のクローキングデバイス(cloaking device, 物を隠すデバイス、忍者デバイス)を作った。

報告記事は曰く:

Hanfordのチームは、音波が、反射せずに迂回して進むようなメタマテリアルの開発に取り組んだ。メタマテリアルは一般的に、密度が負である、など、自然界に存在しない特異な性質を示す。そのために、メタマテリアルの最小の構成部位であるユニットセルは、この研究の場合、音波の波長よりも小さくなければならない。

Hanfordは、水面下で音を偏向させる音響学的なメタマテリアルを作った。それは、難しい開発テーマだった。テストではその素材を水中に置き、それをねらって発射した音波を測定した。水中のエコーは、音波がその素材から反射していないことを、示していた。したがってその新素材は、ソナーにとって不可視だろう。

まだ初期的段階の技術なので、オブジェクトが完全に不可視にはならないが、しかし水中では検出がきわめて困難だ。これからは、水平線上にレーザー銃を備えた潜水艦が現れたら、船の船長は“クローキングデバイスをonにせよ!”、と叫ぶようになるかもしれない。そう考えると、なかなか楽しい技術だ。

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認知症の人が自分で着替えができるようにするニューヨーク大のスマートドレッサー

毎日の生活の中で、服を着ることは重要な作業のひとつだが、長年の経験で第二の天性になっている。しかし認知症の人などはその天性を失い、うまく着ることができないことがある。ここでご紹介するニューヨーク大学で作られたスマートドレッサーは、そんな人たちの服を着る作業を助けるとともに、介護者の苦労と負担を減らしてくれる。

臨機応変な人間に換えてロボットのドレッサーを使うことは、無神経なやり方に見えるかもしれない。しかし介護施設などでは介護者がタイムリーに特定の人の世話をできないこともあるし、また居住者自身もプライバシーと独立性を重視して、このようなソリューションの方を好む場合もある。

“目標は認知症の人びとを介助して、彼らが今いる場所でもっとおだやかに老いていけるようにすることだ。また理想としては、要介護者が着替えをしているときには、介護人が休めるようにしたい。そのためにこのシステムは、着替えが終わったら介護人に通報し、手伝いが必要なら合図できる”、とプロジェクトのリーダーWinslow Burlesonがニューヨーク大学のニュースリリースで述べている。

このデバイスはDRESSと呼ばれ、引き出しが5つある化粧だんすで、上には鏡ではなくタブレットがある。タブレットは、表示とカメラの役を演ずる。そして、服を着替える人の様子を観察しながら、正しいやり方を教える。

正しくない着方はたくさんあるが、正しい着方はひとつだ。シャツは上に頭と首を通し、前を胸と腹側にする。ズボンは前開きを前にして着る。靴下は両足に着ける。などなど。服にはタグが付いているので、DRESSはそれを見て正しい着方をしたことが分かる。ズボンを着る前に靴を履いた、という間違いもチェックできる。引き出しの前面についているライトが、次に着るべきものを知らせる。

しかし、要介護者が迷ったり、使い方が分からなくなると、介護者に通報が行くので助けに駆けつけられる。しかし完全に正しい着替えが終了したら、それは、完全に自力でやった着替えだ。それは、以前は不可能なことだった。

DRESSは現状ではまだプロトタイプで、概念実証のような段階だ。今後はシステムの視覚系をもっと改良したり、衣類のたたみ方/広げ方の標準化、衣類につけるタグの改良などが課題だ。

画像クレジット: ニューヨーク大学(NYU)

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このロボットはあなたに代わって壁にペンキを塗ってくれる

部屋の壁にペンキを塗ったことのある人なら、隙間なく塗るのが簡単でないことを知っているだろう。MISTの作ったロボットなら、抽象画家のジャクソン・ボロックのようにペンキを塗ってくれる。

ロボットはマッピング・テクノロジーとエレベーター風の台に乗ったノズルで壁を上下にわたってスプレーしていく。ウォータールー大学出身の開発チームはプロトタイプを完成させ、Marverickと名付けた。チームにはApple、Facebookといった有名企業に在籍したメンバーもいる。

Maverickにとってこれはまだ始まったばかり。開発チームは使いやすくするために機能を追加していく予定だ。

「スプレー機の後ろにカメラをつけて、画像処理によって塗装するかどうかを判断することを考えている。そのためのソフトウェアロジックは完成していて、塗装品質の検出アルゴリズムもある。ただ、ビデオに写っているものにはカメラがまだ設置されていない」とチームは言った。

ビデオにあるように、プロジェクトは土台とアームとスプレーシステムからなる。ロボットは部屋のマップを作ったあと、塗るべきところを塗り、そうでないところを避けていく。必要に応じてマスキングテープを貼ることにはなるだろう。ペンキを買いに走る時間があればMarverickは何層かペンキを塗ることができるだろう。

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AlexaがデジタルアートフレームMeural Canvasを統合、声で次の絵を表示できる

Alexaは、正しい質問を正しく訊けば、何でもやってくれる。そして今日(米国時間4/25)覚えた新しスキルは、デジタルアートを鑑賞するためのフレーム、Meural Canvasの操作だ。

この595ドルのデバイスを使って、新人アーチストたちの作品を閲覧できるだけでなく、一般公開されている古典の名作も鑑賞できる。

この製品のクールな特長のひとつが、ジェスチャーでコントロールできることだ。フレームの前で手を振れば、次の作品が現れる。お客が来ているときや、デバイスが身近な場所に置いてあれば、こんな体感的なコントロールはとても良い。逆に、手の届かない壁にかかっているなら、Meuralが提供しているモバイルやデスクトップのアプリケーションが便利だ。

今回のアップデートで、スマートホームのファンにとってはさらに便利になる。それに、スマートペインティングを買ってる人なら、家中あちこちに音声アシスタントのハブがあるだろう。今それはAlexaだけで、Google AssistantやHomeKitのユーザーは待たなければならないけど、美術作品のスワイプをEchoに命じるだけでできるのだ。

デジタルアートの会員制サービスでは、Meuralはかなり名が知れている。最初は、デジタルフォトフレームの高級機だったけど、やがて同社には、デジタルアートの月額会費制、というアイデアがひらめいた。けっこう難度の高いサービスなので、競合他社は多くない。たとえばElectric Objectsは、昨年そのハードウェア事業を閉鎖して、ソフトウェアやコンテンツの資産をGiphyに買収された。

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Apple、MacBook Proの一部を対象にバッテリーを無料交換

Appleは、13インチMacBook Pro(Touch Bar非搭載モデル)ノートパソコンの不良部品を含む可能性のある機器を対象にバッテリーの無料交換を行う。

最近同社は、同機種の少数の個体で部品不良のために内蔵バッテリーが膨張する可能性があることを発表した。Appleはこれを安全性の問題ではないとしているが、無料バッテリー交換によってできるだけ早く問題を解決したい意向だ。

問題の起きる可能性があるのは2016年10月から2017年10月の間に製造されたモデルだ。

自分のMacBook Proが対象になるかどうかを知りたい人へ:
Appleは交換プログラムのウェブサイトを用意しているのでユーザーは機器のシリアル番号を入力すれば交換の対象になっているかどうかを確認できる。

Appleがバッテリー交換プログラムを提供するのはこれが初めてではない。昨年同社は、古いバッテリーを保護する目的で旧型iPhoneの速度を低下させていることがユーザーに発覚し、苦境に立たされた。AppleはiPhoneのバッテリー交換を29ドルで提供することで対応した。

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IKEAの家具を組み立てるロボットをMITとシンガポールNTUが開発

世の中には2種類の人間がいる。IKEAの家具を組み立てるのが嫌いな人と狂人だ。しかし今ではIkeaBotのおかげで狂人をリプレースできる。〔IKEAの家具を組み立てるのが好きな人は狂人だ、という意味〕

こちらのIkeaBotは、シンガポールNTU(南洋理工大学)Control Robotics Intelligenc(CRI)グループのプロジェクトだ。チームはロボットに、ピンを挿入してIKEAのパーツを扱うやり方から教え始めて、それから徐々に、ロボットに家具の扱い方を教えていった。結果は、Billy〔IKEAの書棚〕の組み立てで誰かと競争したことのある人を、元気づけるものだった。

以下はIEEE Spectrumより:

CRIの組み立て工程は必ずしも自律的ではない; “すべてのステップが自動的に計画され制御されるが、それらの順序は相当量の技術的努力によりハードコードされた”。研究者たちによると、“順序の自動的決定を、組み立てマニュアルや、人間監督者の自然言語による対話や、最終的には椅子の画像から行うことは構想可能である”。しかしわれわれは、彼らがRoss Knepperとチャットすべきだったと感ずる。彼の方のIkeaBotは、そういうことをいっさいせずに、上手に仕事をするからだ。

つまり、そのNTUのロボットは半自動だが、無駄な努力ではない。そして、ベーシックなヒューリスティクスにより、次のステップを見つけ出せる。そのロボットは今、椅子を約20分で組み立てるが、それは誰にでも真似できる偉業ではないだろう。最後のダンスは、ロボットが自分をほめているようだ。

ベストシーンは? ロボットもいらついて部品を放り投げることがある:

ぼくとしては、IKEAの椅子作りロボットに人類が支配されてもよい、と思うね。

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AmazonのAlexa Blueprintsを使えば誰でもカスタムAlexaスキルが作れる

本日(米国時間4/19)Amazonは “Alexa Blueprints” を発表する。Alexaオーナーが、自分専用のAlexaスキルをプログラミングなしで作れるシステムだ。Alexaオーナーがトリビアゲームやベッドタイムストーリーなどの独自の音声アプリを作り、決められた通りに回答するようAlexaに教えこむことができる —— たとえは「世界一のママはだれ?」といった具合だ。

ベビーシッターの役に立つ情報を入れておくこともできる。”Alexa, open My Sitter” というコマンドで呼び出せるようにするとよい、とAmazonは言っている。

「Alexa Skill Blueprintsは、Alexaに自分や家族だけのためにパーソナライズされたスキルを教えるまったく新しい方法だ」とAmazon AlexaのSteve Rabuchin副社長が発表に関する声明で言った。「スキル構築やプログラミングの経験がなくても始められる。私の家族は自分のジョークスキルをものの数分で作った。全く新しいパーソナルな方法でAlexaと話せるのはとても楽しい体験だ」

自分だけのスキルや、Alexaのカスタムレスポンスを作るには、blueprints.amazon.comのサイトに行ってテンプレートを選ぶ。

スタート時点では20以上のテンプレートがあり、Fun & Games、At Home、Storyteller、Learning & Knowledgeなどの分野に分かれている。

テンプレートは、項目を埋めていけば自分のニーズに合わせてパーソナライズできるように作られている。ややこしい手順も、技術的知識も必要ない。しかも、テンプレートはそのままでも動作するので、カスタマイズする前に試してみることもできる。

自分のコンテンツの穴埋めが終わったら、名前をつけて公開する。これで、あなたのAmazonアカウントに紐付けされた全Alexa対応デバイスで新しいスキルやレスポンスを利用できるようになる。

Echoデバイスのある家庭は、Alexa Blueprintsが特に力を入れているターゲットだ。子供たちはすでにAlexaを受け入れていて、子供向けに作られたAlexaスキルが500近く公開されている。家族でジョークを言い合うときや、おやすみ前の習慣もAlexaの出番だ —— 「おやじギャグを言って」とか「アンナの話を聞かせて」など。そして何よりAlexaはホームコンパニオンとして設計されている —— スマートデバイスの制御や音楽の再生、タイマーの設定からニュース、天気予報などの情報提供までさまざまな仕事をこなす。

しかしAlexa Blueprintsが役に立つのは家族だけではない。大学生なら単語帳(flash cards)スキルを勉強に使えるし、友達やルームメイトと一緒に自分たち専用のトリビアゲームを作ることもできる。Airbnbオーナーが、ハウスゲストのためのスキルを用意しておくこともできる。

作ったカスタムスキルはBlueprintsサイトのSkills You’ve Madeページで公開される。スキルを有効や無効にしたり、削除することもできる。

同機能はAmaznがEchoスピーカーを消費者に売る際の差別化になるかもしれない。このレベルのカスタマイズが可能なプラットフォームは現在これだけだからだ —— AppleのHomePodはまさしく音楽愛好家向けにデザインされているので、サードパーティーアプリに対応していない。Google Homeもこの種のカスタマイズを提供していない。

3製品とも家庭で使うボイスアシスタントの座を争っているが、今のところAlexaが大差をつけてリードしている —— 現在スマートスピーカー市場の約70%を占めている。

Alexa Blueprintsは米国でのみ利用可能。

スタート時に利用できるAlexa Blueprintsの全リストは以下の通り。

At Home

  • Custom Q&A: Customize responses to your questions
  • Houseguest: Make your guests feel at home with quick access to important info
  • Babysitter: Help your sitter find things, remember steps and get important info
  • Pet Sitter: Help your pet sitter care for your favorite animal

Fun & Games

  • Family Jokes: Create a list of your favorite jokes for when you need a laugh
  • Trivia: Create your own multiple choice trivia game on any topic
  • Inspirations: Curate a list of your favorite inspirational quotes
  • Family Trivia: Play together and brush up on family history
  • Bachelorette Party: Play to find out how well the bride’s friends know her
  • Birthday Trivia: Play to see who knows the birthday girl or boy best
  • Burns: Roast your friends and family with lighthearted burns
  • Compliments: Flatter your favorites with a list of custom compliments
  • Double Trouble: Find out which couple knows each other best with this customizable game
  • First Letter: Play a game of categories starting with a certain letter

Storyteller

  • Adventure: Write an adventure story where your child is the hero
  • Fairy Tale: Customize an interactive prince and princess-themed tale
  • Sci-Fi: Create an interactive story with a far-out theme
  • Fable: Create a short narrative with a moral of the story

Learning & Knowledge

    • Flash Cards: Study, test yourself, and master any subject by voice
    • Facts: Keep a list of facts on your favorite topic, all in one place
    • Quiz: Challenge yourself and others with a customizable quiz

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イーロン・マスク、今度は風船とバウンスハウスでロケットを回収か

Elon Musk は日曜日(米国時間4/15)夜に、SpaceXの上段ロケットの新しい回収方法をTwitterで発表した。風船 —— Muskの表現を直接引用すると “giant party baloon” —— がロケットの一部を空気で膨らませたバウンスハウスへと運ぶ。これは冗談ではない。

他の誰がこのアイデアを提案したとしても無視されただろうが、最近のElon Muskは狂気のアイデアを現実にする術を持っている。

SpaceXが初めてロケットを打ち上げたのは、ついこの間の2012年だったが、その後ロケットはどんどん大きくなっていった。そして今年SpaceXは、高速ボートと巨大な網でロケットの一部を捕獲する方法を試みた —— ただしまだ成功はしていない。

ロケットの回収に風船が使われるのはこれが初めてではない。伝説のプログラマー、John Carmack のロケット会社が、2012年に風船を使ってロケットの本体とノーズコーンを取り戻そうとした。計画どおりには進まず、 当時の関係当局によると、ロケットはニューメキシコ州のSpaceport America敷地周辺に「ハードランディング」した。

SpaceXの自動着陸ロケットや巨大ネット船と同じように、目的は部品を再利用してロケット打ち上げコストを削減することだ。この最新計画がいつ実施されるか明らかではないが、将来SpaceXが少なくともテストしてみる可能性は高い。

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セガ、『メガドライブ ミニ』を今年中に発売

Nintendoに続き、Segaも同社を象徴するゲームシステム、Mega Driveのミニバージョンを発表した。商品は2018年中に発売予定。さらに同社は、Mega Drive発売30周年を祝って、Segaの名作ゲーム15タイトルをNintendo Switch向けにこの夏発売する予定だ。

Segaは新ハードウェアの開発をAtGamesに依頼した。AtGamesはかつて少々出来のわるいSega Genesis Flashbackを作った会社で、今回はもっといい製品になることを願いたい。Nintendoは自社のレトロシステムの細部にこだわった製品を作っている。mini NESとmini SNESは最高の過去を現在に持ってきたすてきな先祖返りだ。コントローラーのコードさえもう少し長くしてくれればよかったのだが。

子供のころ私はSNES派だった。両親がSegaのゲームは暴力的すぎると思っていたからだ。基本的に、Mortal KombatよりもKiller Instrinct。今ならScorpionのラストの動きにも対応できるかもしれない。

これでもノスタルジアが不足という人たちのために、Sega Agesシリーズのプロデューサー、下村一誠氏は、Sega DreamcastのゲームもSwitch向けに発売されることを示唆した。そうなればPhantasy Star OnlineやJet Set RadioがNintendoのシステムで動くようになる

なお本誌のイラストレーターの星、BryceはGenesiが北米以外ではMega Driveと呼ばれていたことを知らなかった。もちろん彼だけではない。

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カリフォルニア州が自動運転車の完全無人テストを許可、Waymoはさっそく申請か

Alphabet/Googleの自動運転車事業Waymoが、セーフティードライバー不在でカリフォルニアの公道に出られる、州が新たに設けた許可を、二番目に申請する企業になった。San Francisco Chronicleの記事が、そう報じている。これにより同社の車–ミニバン–が、マウンテンビュー周辺の路上に出ることになる。そこは同社が(Google時代も含めて)、大量のテストをして大量のデータを取得した地域だ。

同社はすでにフェニックスで、人間運転者のいない自動運転車を走らせ、先月は宣伝のためのビデオも撮った。だから今回のは、同社が自分の自信を示す初めての公開デモではない。

カリフォルニア州がセーフティードライバーが同乗しない自動運転車の許可を認めたのは、つい先日の4月2日からだ。あと一社申請しているようだが、それがどこかは分からない。今度の新しい許可では、従来的な手動制御がまったくない車でも認められる。ただしWaymoが申請したのは、Chrysler Pacificaの改造車だ。既存の商用車なら、実用化も早いだろうな。

最近はUberの自動運転車が歩行者に当たって死亡事故を起こし、Teslaも半自動モードでで人を死なせたから、セーフティードライバー抜きで公道を走ることには、ためらいの雰囲気があった。ただしどちらの事故も、事故時には運転席に人がいた。人がいなかったから事故が起きた、のではない。

申請が許可されたら、Waymoの車は走行範囲をマウンテンビュー地区に限定される。そこは、同社がGoogleの研究プロジェクトだったころから利用してきた場所だから、テスト地として理にかなっている。詳しいデータも累積している。地元当局とも顔なじみだから、万一の事故時にもあわてる必要がない。

テストの目的や内容はまだ明らかでないし、われわれプレスを乗せてくれるのかも分からない。今は、じっと待つだけだ。

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ドローン撃退銃DroneShieldがピョンチャンに次ぎ全米ストックカーレースNASCARで採用

NASCARレースの実況で、ドローンから撮ったすてきな画面を見たくても、そのクァッドコプターは不思議な力によって地上に釘付けになっているだろう。DroneShieldのそのドローン退治技術は、Texas Motor Speedwayで行われるNASCARのイベントで起用される。

同社が作っている数種類の製品はどれも、飛ぶべきではないところを飛んでいるドローンを見つけて安全に停止させる。もちろんこの問題は激化しており、しかも場所は空港や空軍基地だけではない。大きなスポーツイベントに現れた迷子のドローンが、落ちてゲームの邪魔をするかもしれない。人に当たるかもしれない。カーレースなどでは、重大事故の原因になるかもしれない。

同社の手持ち型ドローン捕獲銃“DroneGun”の最新バージョンはUAV(無人飛行体)のシグナルをスクランブルするから、ドローンはおとなしく駐機してるしかない。最初からそのようにプログラムしておけばよい。それは、個人が買うと違法だが、警察は買える。

最近DroneShieldの技術は、ブリスベーンで行われたイギリス連邦競技大会やピョンチャンのオリンピックで起用された。そして同社の発表によると、今度はテキサス州の当局により、ストックカーレースNASCARの警護に採用された。

ピョンチャン冬季オリンピックで起用されたDroneShield

“有名なイベントをアシストできて光栄だ”、とDroneShieldのCEO Oleg Vornikが発表のメールで言っている。“しかもこれは、弊社の三機種(DroneSentinel, DroneSentry, DroneGun)すべてを警察がひとつのイベントで実際に使う最初の機会になる”。

もちろんそれは、同社にとっても市場拡大のチャンスになるだろう。ドローン市場は今後もまだまだ右肩上がりだから、その機会をうまく捉えたスタートアップだと言えるね。

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自動運転車からヒントを得た大型コンテナ船の自律航行化プロジェクトMassterly

ロジスティクスは自動運転車のもっともエキサイティングな応用技術ではないかもしれないが、もっとも重要な、に入ることは確実だ。とくに、想像するかぎり世界で最古の産業と言われる海運業は、それを待っている。いや少なくともノルウェーの大手海運企業二社は、Massterlyと名付けられた海運自律化ベンチャーを無から立ち上げようとしている。

“Massterly”は単にmass(大量輸送)の駄洒落ではない。“Maritime Autonomous Surface Ship”(海運用自動航行水上艦)はWilhelmsonとKongsbergの二社が、明日の海を行き来する自己統率船を言い表すために作った言葉だ。

彼らのビデオによると、二社は合わせて360年の経験を有し、今、海運業の次のフェーズへ跳躍しようとしている。その手始めは、世界初の全電動自律航行コンテナ船Yara Birkelandの建造だ。それは全長250フィート(76メートル)、積載量コンテナ120基とほどほどの大きさだが、荷積みと航行と荷下ろしを無人で行う。

(万一の事故等に備えて少数の人間が同乗または随航する。上部に手すりがあるのも、そのためだよね?)

大型のレーダーとライダーがあり、可視光カメラとIRカメラがある。通信衛星に、接続している。

コントロールセンターは陸上にあり、航空管制の場合と同じく、船はそこから管理される。船を人間による操船に切り替えることも、可能である。

もちろん最初は小規模な試行だ。Yara Birkelandはノルウェーの海岸から12海里以内にとどまり、Larvik, Brevik, そしてHerøyaを行き来する。速度はわずか6ノットだから、翌日配達は無理だね。

“ノルウェーは世界一の海運国だから、自動航行船の開発でも先頭に立ちたい”、とWilhelmsonグループのCEO Thomas Wilhelmsonがプレスリリースで語っている。“次のステップとして、設計と操船のためのインフラストラクチャおよびサービスを確立し、また、海運の自律運用にふさわしい、ロジスティクスの高度なソリューションにも取り組みたい。Massterlyはあらゆるレベルのコストを削減し、輸送を必要とするすべての企業の利益になる”。

Yara Birkelandの実配備は2020年になるが、そのときはMassterlyも独立の企業になっているはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大きさが1ミリ弱でエネルギーを光から得る撮像素子はカメラをどこにでも隠せるやばい発明

今の世界に、これだけ大量のカメラがあっても、まだ足りないと主張する研究者たちが、今度は顕微鏡的サイズで電力を自給できるカメラを作った。それは、どこにでも埋め込むことができて、しかも寿命は永久的だ。確かにクールな技術だが、これによりアルミ箔の売上が急増するかもしれない(後述)。

技術者たちはこれまで、カメラセンサーが自分に当たる光を動力源にする方法を研究してきた。必要なのは、光電池が持つ二つの機能、自分に光として降り注ぐエネルギーを保存する機能と、どれだけのエネルギーが得られたか記録する機能だ。

問題は、電池が一つのことをしているときは、他のことができないことだ。だから、一定サイズのセンサーが必要なら、面積の一部を電力収集用にするか、または高速に役割を交替するかだ。

ミシガン大学のEuisik YoonとポスドクのSung-Yun Parkは、そのどちらもしなくてすむ方法を思いついた。よく見ると、感光性ダイオードは完全に不透明ではない。むしろ、かなりの量の光が透過している。だから画像センサーの下にソーラーセルを置いても、光は十分得られる。

この天啓によって彼らの、“撮像とエネルギー収穫を同時に行う”センサーが生まれた。それは、アルミ箔の上で動作するのだ。

彼らが作ったプロトタイプのセンサーは、大きさが1平方ミリメートルより小さくて、太陽光の中では完全に自己発電できた。そして、15fpsで十分良質な画像を撮れた:

左のベンジャミン・フランクリンは7fps、右は15。

彼らが書いたペーパーには、センサーを改良すればもっと良い画質が得られる、とある。そしてParkがIEEE Spectrumに書いているところによると、消費電力もまだ最適化されていないから、今後はもっと暗いところで高いフレームレートで撮影できる、という。

究極的にはこのセンサーは、誰にも見つからないカメラとして利用でき、電池もワイヤレス送電も要らずに、永久に動き続ける。すごいね!。

もちろん隠しカメラを作るなら、ストレージや通信機能も要る。しかし、それらの顕微鏡的バージョンも今どこかで開発中だから、それら周辺装置を組み込むのも時間と努力の問題だ。

チームは彼らの成果を、今週のIEEE Electron Device Lettersに発表している。

画像クレジット: ミシガン大学

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa