Facebookは、TwitchやYouTubeに対抗してビデオゲームのライブストリーミング機能を強化すべくPC向けの新しいGames SDKを公開した。Facebookは、デベロッパーのBlizzardが作ったOverwatchなどのゲームで2016年からライブストリーミングをテストしてきたが、このたび全デベロッパーがPCゲームのライブストリーミングをニュースフィードに流せるようになった。さらにFacebookは、ストリーミングを見たファンにゲーム内アイテムやボーナスを報酬として渡せるしくみも提供する。たとえば、コメント欄の下に「Paladinsのストリーム中継を見てゲーム内で使えるコインをもらおう」などの広告がでてくる。
バイラルな成長と売上増加が見込めることから、多くのゲームデベロッパーがFacebookの新SDKを採用する可能性がある。一方プレーヤーはシンプルな公開機能を使って多くの視聴者を得ることができる。視聴者はFacebookで見れば賞品をもらえるので選ぶ理由がある。Facebookにとってはゲームストリーミングはニッチだが魅力的なコンテンツなので長時間の視聴セッションが期待できる。つまり、広告を載せたコンテンツで収益化するとともに、ユーザーを長期的に囲い込むことができる。
Facebookは、カスタム「アプリイベント」で高度な分析機能をデベロッパーに提供しており、今回Webとモバイルに続きPCでも利用できるようになった。ゲームデベロッパーがFacebookの拡張Friend Finderを統合すれば、ユーザーは友達とプレーしたり、ほかのプレーヤーのデータを見て一緒にプレーする仲間を見つけることもできる。SDKを利用したいデベロッパーはここで登録できる。
Facebookはゲームストリーミングの世界では遅いスタートだったが、急速に新機能を開発し、提携を結ぶことで視聴者ベースやコンテンツカタログを拡大してきた。昨年Eスポーツ分野のトップであるESLと提携し、つい最近Counter-StrikeとDOTAといったトップゲームのトーナメントをストリーム中継した。FacebookはMessngerゲームにもライブストリーミングを導入している。現在視聴者がスタープレーヤーに投げ銭するしくみをテストしているほか、ゲーム開発チームのメンバーとして何人かのプレーヤーも雇った。
あらゆるものに手を出す巨大ソーシャルネットワークが、このニッチなコンテンツ部門で果たして成功するのか? 毎月8億人がFacebookとつながったゲームをプレイしているが、ゲーマーのリアル世界の友達がビデオゲームに興味があるとは限らないし、友達がプレイしているところを見たいかどうかもわからないの。ゲーム愛好者の特別な集団を見つけられなければライブ中継は失敗に終わるだろう。 Twitch のようなネットワークやYouTubeの片隅には、ゲームストリームを見るために集まっている人たちがいる。Facebookがゲームストリーマーや視聴者やデベロッパーを引きつけるためには、新機能を早く開発し、ユーザーの規模を生かして視聴者を拡大する必要がある。そうでなければゲーマは居心地のよい今の場所を離れないだろう。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )