Facebook、ゲームのライブ中継機能を一般公開、視聴者への報酬も可能に

Facebookは、TwitchやYouTubeに対抗してビデオゲームのライブストリーミング機能を強化すべくPC向けの新しいGames SDKを公開した。Facebookは、デベロッパーのBlizzardが作ったOverwatchなどのゲームで2016年からライブストリーミングをテストしてきたが、このたび全デベロッパーがPCゲームのライブストリーミングをニュースフィードに流せるようになった。さらにFacebookは、ストリーミングを見たファンにゲーム内アイテムやボーナスを報酬として渡せるしくみも提供する。たとえば、コメント欄の下に「Paladinsのストリーム中継を見てゲーム内で使えるコインをもらおう」などの広告がでてくる。

バイラルな成長と売上増加が見込めることから、多くのゲームデベロッパーがFacebookの新SDKを採用する可能性がある。一方プレーヤーはシンプルな公開機能を使って多くの視聴者を得ることができる。視聴者はFacebookで見れば賞品をもらえるので選ぶ理由がある。Facebookにとってはゲームストリーミングはニッチだが魅力的なコンテンツなので長時間の視聴セッションが期待できる。つまり、広告を載せたコンテンツで収益化するとともに、ユーザーを長期的に囲い込むことができる。

Facebookは、カスタム「アプリイベント」で高度な分析機能をデベロッパーに提供しており、今回Webとモバイルに続きPCでも利用できるようになった。ゲームデベロッパーがFacebookの拡張Friend Finderを統合すれば、ユーザーは友達とプレーしたり、ほかのプレーヤーのデータを見て一緒にプレーする仲間を見つけることもできる。SDKを利用したいデベロッパーはここで登録できる。

Facebookはゲームストリーミングの世界では遅いスタートだったが、急速に新機能を開発し、提携を結ぶことで視聴者ベースやコンテンツカタログを拡大してきた。昨年Eスポーツ分野のトップであるESLと提携し、つい最近Counter-StrikeとDOTAといったトップゲームのトーナメントをストリーム中継した。FacebookはMessngerゲームにもライブストリーミングを導入している。現在視聴者がスタープレーヤーに投げ銭するしくみをテストしているほか、ゲーム開発チームのメンバーとして何人かのプレーヤーも雇った

あらゆるものに手を出す巨大ソーシャルネットワークが、このニッチなコンテンツ部門で果たして成功するのか? 毎月8億人がFacebookとつながったゲームをプレイしているが、ゲーマーのリアル世界の友達がビデオゲームに興味があるとは限らないし、友達がプレイしているところを見たいかどうかもわからないの。ゲーム愛好者の特別な集団を見つけられなければライブ中継は失敗に終わるだろう。 Twitch のようなネットワークやYouTubeの片隅には、ゲームストリームを見るために集まっている人たちがいる。Facebookがゲームストリーマーや視聴者やデベロッパーを引きつけるためには、新機能を早く開発し、ユーザーの規模を生かして視聴者を拡大する必要がある。そうでなければゲーマは居心地のよい今の場所を離れないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

トランプ選挙陣営のデータ分析会社、Facebookユーザー5000万人のデータを不正アクセスか

先週Facebookは、トランプ選挙陣営と密接に関係するデータ分析会社のアカウントを停止したことを発表したが、実際にアクセスされたデータの規模をFacebookが大幅に低く見積もっていた可能性があることがNew York Timesの最新記事でわかった。

New York Timesによると、Campbridge Analyticaはケンブリッジ大学の心理学教授、Dr. Aleksandr Koganと協力して “thisisyourdigitallife” というアプリを開発し、最大5000万ユーザーの個人情報を収拾した。Facebookは27万人のユーザーがそのアプリをダウンロードしたことを認めている。このアプリはFacebookのログイン情報を使ってユーザーの地理的情報をアクセス可能にする —— New York Timesによると5000万人のプロフィール情報を取得したという。しか一人のユーザー(友達が数百人)がこのアプリを通じて個人情報へのアクセスを許可することのの影響は、2014年当時の方がいまよりずっと大きかった可能性がある。

サービス開始当初はどの会社もポリシーが厳格ではなくAPIの保護も十分でなかったためにこの種の情報が流出しやすい。Facebook幹部らは、これを不正行為ではないとTwitterに書いており、実際従来の基準では違反と言えないかもしれない。Facebookのセキュリティー最高責任者、Alex Stamosは次のように書いている。

[Koganが不正侵入やソフトウェアの不備を利用したことはない。彼は収拾したデータの使い方を誤ったが、だからといってデータの取得がさかのぼって「違法」になるものではない。]

アップデート: Stamosはツイートを削除した。上に貼ったのはツイートのスクリーンショットだ。

Stamosは一連のツイートを削除する前、長いスレッドで状況の詳細を説明した。それによると、当時のFacebook APIは今よりずっと広範囲のデータを取得することが可能だった。APIは2015年に改訂され友達データの取得が制限され、当時はアプリ開発者の間で議論を呼んだ。20億人のアクティブユーザーがいるFacebookでは、ポリシーは常に改訂が続きいたちごっこ状態にある。トランプの勝利は僅差だったため、的の絞られた5000万人の情報は大きな違いを生んだ可能性がある。

Facebookは公開企業であり、2014年当時の株主に対して、大失敗をせずこの種の情報を責任をもって厳重に管理する信認義務があった。不正アクセスを防ぐガードレールの欠落はUberやLyftなど他社でも数多く見られる。企業が成長モードにあるとき、この種のガードレールの設置は優先順位が下がることが多い。データが膨大になりそれを管理すること自体に膨大な労力が必要になればなおさらだ。Facebookは2014年Q4末に13.9億人のアクティブユーザーを抱えていた。

米国時間3月16日、FacebookはStrategic Communication Laboratoriesおよび傘下の政治データ分析会社であるCambridge Analyticaのアカウントを停止したと声明で発表した。しかしFacebookは今も問題を軽視している。

本誌はFacebookに追加情報を要求しており、情報が入り次第続報する予定だが、現時点ではFacebook幹部らは、流行にあわせてTwitterで弁明している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Lens、iOS版も公開

先週のAndroid版公開に続いて、GoogleのAIを利用した新テクノロジー、Google LensがiOSにもやってきた。この機能はGoogle PhotosのiOSアプリに内蔵されている。写っている物体、建物、ランドマークなどを認識してその場所の電話番号、住所、開店時間など様々な情報を表示する。本や美術館の絵画、植物、動物なども認識する。対象物の種類によってはアクションを起こすこともできる。

たとえば、チラシや看板の写真を基にカレンダーにイベントを追加することもできる。あるいは、名刺を撮影して電話番号や住所を連絡先に登録することもできる(写真を連絡先データに変えるといえば、Microsoftがつい最近Pixアプリに追加した機能で、LinkedInでその人を探すこともできる)。

Google Lensは昨年のGoogle I/Oデベロッパーカンファレンスで初めて発表された。最近の機械学習と画像認識技術の進歩によって可能になった機能だ。最終目標は、スマートフォンのカメラを使ってどんな種類の写真に写っているものも認識し、必要なら電話をかけたり連絡先情報を保存するなどのアクションを起こしたり、カメラの向こう側にある世界について学ぶことができる。

I/Oカンファレンスのデモで、GoogleはほかにもGoogle Lensの機能をいくつか披露した。たとえばWi-Fiルーターに貼られたシールを写真に撮って、書かれている情報をWi-Fi設定に貼り付けることができる。外国語の看板を英語に翻訳する機能のデモも行われた。

まだ約束した機能のすべてを十分果たしているとはいえないが、Google Lensの成長とともに可能になっていくのだろう。

Google PhotosのTwitterアカウントが発信したツイートによると、iOS版Google PhotosのGoogle Lensは、最新バージョン(3.15)をインストールしているユーザーに米国時間3/15から順次展開される。

来週のうちには展開が終了する見込みだ。

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Googleマップ、 乗り換え案内に車椅子対応オプションを追加

Google マップは目的地までの道順のデータはかなり充実しているが、身体障害のある人たちにとっては事態は簡単ではない。駅によっては、車椅子にやさしくなかったり、エレベーターが壊れていたりする。最新のアップデートで追加されたオプションでは、車椅子の利用に配慮した経路を選ぶことだできる —— ただし、まだ始まったばかりの段階だ。

ロンドン、ニューヨーク、東京、メキシコシティ、ボストン、およびシドニーのユーザーは、経路のオプションで車椅子が利用可能かどうかを指定できる。乗り換え回数や最短距離を指定するのと同様で、さらに機能が追加される予定だ。

これは、障害者やベビーカーを使っているひと、あるいは重い荷物を持ち歩くひとたちが、便利になることは間違いない。

しかし地図というものは、Googleマップのように著しく詳細なものであっても、身体障害のある人たちにとって不可欠な情報が著しく欠けている。歩道の状態やグレード、ガードレールの切れ目、横断歩道とボタン、建物の車椅子用出入り口、などもっと多くの事柄を考慮した徒歩経路などを、世界一使われている地図プラットフォームなら取り入れてほしい。

作るのが可能であることはわかっている。何人もの学生が夏休みプロジェクトで作っているからだ。たとえばAccessMapは、手作りのデータと公開データを組み合わせることで、歩道が安全か、移動には危険がともなうかどうかをラベル付けする。現在はワシントン州シアトル限定だが(学生に全国対応は望めない)コンセプトは有望だ。

Googleには、膨大なリソースを少しでも投入して、マップのアクセシビリティー対応を改善してくれることを願っている。喜ぶひとはいくらでもいる。

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アプリストアのデベロッパー虐待でフランスがAppleとGoogleを提訴へ

フランスの経済相Bruno Le Maireが、AppleのApp StoreとGoogleのPlay Storeのやり方をめぐって、両社を批判した。彼によると、GoogleとAppleはアプリのデベロッパーに対して揮う権力があまりにも強大すぎる。Le Maireはその判断を法廷に求め、必要なら巨大テクノロジー企業に罰金を課すつもりだ。

“デベロッパーがアプリを開発してそれらをGoogleやAppleから売ろうとすると、それらの企業が価格を決め、一部のデータを取得し、デベロッパーとの契約を一方的に変更することもある”、とLe MaireはRTLで述べている。“これらはどれも、受け入れられない。これは、われわれが望む経済ではない”。

フランスの政府高官がApp StoreとPlay Storeを問題視するのは、これが初めてではない。先月はARCEP(電子通信郵便規制庁)のSébastien Soriano総裁が、ネット中立性はキャリアとISPだけにとどまるべきでない、という記事を共有した。大手テクノロジー企業も、インターネットの中立性に関して責任がある、というのだ。

Sorianoはそのとき、“スマートフォンのユーザーが直面しているすべての制約を初めてリストアップした”、と述べている。“ユーザーの意味は、消費者と、アプリをストアへ提出するデベロッパーの両方だ”。

デベロッパーには、App StoreやPlay Storeのルールに従う以外の選択肢はない。AppleやGoogleに売上の30%(会員制のアプリなら会費収入の15%)を払う以外の選択肢はない。

AppleやGoogleがストアからアプリを削除しても、事前の契約があるから法に訴えることはできない。ただし契約内容を、交渉によって変えられる可能性はある。

“GoogleとAppleを虐待的事業実践の罪でパリ商業裁判所に訴えるつもりだ”、とLe Maireは言っている。罰金はおそらく数百万ユーロぐらいだから、GoogleとAppleにとっては痛くも痒くもない額だ。しかし、公的訴訟としてはなかなかおもしろい。

大手テクノロジー企業に対するEUの徴税計画は、Le Maireによると2018年の終わりごろに発効する。今月初めに彼は、数週間後に詳細を発表する、と述べた

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Alexa callingとメッセージがタブレットでも利用可能に

Alexa callingは、EchoなどのAlexaデバイスで音声通話やビデオ通話ができる機能だ。この機能がタブレットでも使えるようになる。Amazon の発表によると通話だけでなくメッセージ機能にも対応する。iPad、Androidタブレット、そしてもちろん自社のFireタブレットも対象だ。

Fire HD 10では、Alexa callingとボイスメッセージをハンズフリーで利用できる。Alexaに行動を起こすように話しかけるだけでよい。Fire 7とFire HD 8以前の世代のFireタブレットでは、ホームボタンを押す必要がある。Alexaデバイスをインターホンのように使えるDrop Inにも対応している。この機能を有効にすると自宅だけでなく友達の家でもデバイスと簡単に接続できる。

通話およびメッセージの機能を使うためには、Alexaアプリの最新バージョンのほか、電話番号の検証と連絡先のインポートも必要だ。

音声通話やメッセージ機能を拡張することで、AmazonはAlexaをEchoデバイスやスマートホームの制御以上のことに使おうとしている。

Amazonは1月に、Alexaアプリが音声統合に対応すると発表した。これはユーザーがAlexaデバイスだけでなく、専用アプリを使ってAlexaに話しかけられるという意味だ。Amazonのショッピングアプリは最初にAlexaが統合された)。

通話やメッセージ、音声コマンドに対応することで、Amazonはかつて自社ブランドのスマートフォン、Fireで失敗したモバイル分野での存在感を高める手段を手にすることになる。これまでAmazonが直接戦ったことのないソーシャルやメッセージングの分野への参入も可能だ。
Alexa calling機能は、iOSおよびAndroidアプリの最新バージョンで利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのビデオチャットアプリDuoに留守電ビデオ/ボイスメール機能がついた

メッセージングに関するGoogleの戦略は今も混乱してる、と感じる人が多いと思うが、Hangouts, Hangouts Meet, Hangouts Chat, Allo, Duoとたくさん並べたGoogleが考えているのは、Allo/Duoは消費者用、Hangouts Meet/Chatは企業ユーザー用、という分け方なのだ。Hangoutsそのものはどうなるのか、それは今やぼくにも分からないが、たぶんGoogle自身にも分からないだろう。しかしはっきりしているのは、AlloとDuoは立派なメッセージングとビデオチャットのアプリなのに、ユーザー数が伸びないことだ。でも、もしかしてDuoのユーザーかもしれない読者には、今日(米国時間3/7)良いニュースがある。電話をして相手がいない(または出ない)ときには、音声とビデオでメッセージを残せるのだ。

Duoのユーザーは30秒のメッセージを残せるし、相手はそれをDuoアプリで見られる。そして折り返し相手がかけてきたときには、ふつうに出てもよいし、ビデオメールを送らせてもよい。

Googleによるとすべてのメッセージはエンドツーエンドで暗号化されており、今回のアップデートは今日からAndroidとiOSのユーザーへ展開され、数日後には全世界のユーザーに行き渡る。

GoogleのAllo/Duoという二本立て戦略が有効だとは思わないし、メインストリームのユーザーはそもそも無関心だと思うが、ビデオチャットアプリとしてはDuoは良くできており、おもしろい機能もいくつかある。しかし、Alloと同じく、ぼくの友だちはだれ一人として使っていないし、ビデオチャットならHangoutsにすでに完璧なオプションがある。

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Googleのキーボードアプリ、Gboardが中国語、韓国語等に対応

サードパーティー製キーボードアプリへの消費者の関心が薄れる中、Googleはモバイル端末向けキーボードアプリのGboardを今も開発している。今日(米国時間3/6)同社はGboardの対象範囲を大きく広げ、新たに20言語に対応した —— とりわけ、中国語の繁体字および簡体字と韓国語が加わった点が注目される。新しい言語はまずAndroid版Gboardアプリに追加される。

昨日同社は、iMessageの新しいアプリ拡張機能を利用したGoogle検索のiMessageへの統合を発表したばかりだ。Gboardの対象ユーザーの拡大や、iOS版SafariとGoogle検索の密な統合も含め、Googleがモバイルユーザーにもっと検索エンジンを広めたいという意図がはっきり見て取れる。検索アプリをインストールしていないユーザーや、使用頻度の低いユーザーにもGoogle検索を使わせようとしている

この20言語を加えて、Android版Gboardの対応言語は300を超えたとGoogleは言っている。世界人口の74%をカバーしたという意味でもある。同社は広く使われている言語だけでなく、マン島語やマオリ語などの少数民族言語にも取り組んでいることを付け加えた。

これは、Googleの新興国市場戦略とも一致している。同社はアプリの低帯域幅バージョンとして、YouTube GoGmail Go(プレインストール済み)、Files Go、Google Go、Googe Maps Go、Google、およびAssistant Goを提供している。Googleは世界の次期モバイルユーザー層をAndroidに呼び込むために、オフラインでも電波の弱いところでも使えてバッテリー消費の少ないアプリでニーズに答えようとしている

Googleが新言語の対応でGboardを優先することは理にかなっている。デスクトップでGoogleを使ったことのない初めてのモバイルユーザーでも、Gboardの翻訳などの機能が役立つだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ELSAはAI利用の優れもの英語発音学習アプリ――資金調達に成功、創業者はベトナム出身女性

ELSAといっても『アナと雪の女王』のキャラクターではない。English Language Speech Assistantの頭文字で、AIを利用して各国の学習者が英語の正しい発音を習得する手助けをするアプリだ。このほどELSAは320万ドルの資金を調達することに成功した。

文法や語彙に重点を置く他の学習プラットフォームとは異なり、 ELSAではAIを利用した音声認識システムにより学習者の音声を解析してただしい発音を身につけられるようにする。

今回の320万ドルはいわゆるプレ-シリーズAで、シードラウンドとシリーズAの中間に位置する性格だ。ラウンドのリーダーはシンガポールに本拠を置き、東南アジアでこの種の投資を専門とするMonk’s Hill Venturesだ。同社の共同ファウンダー、パートナーのPeng T. Ongはこれを機にELSAの取締役に就任した。

ThELSAはサンフランシスコのスタートアップで、2015年にスタンフォード卒のVu Van(ELSA CEO)とDr. Xavier Anguera(AIと音声認識)によって創立され、2016年3月のSXSWでプロダクトがデビューした。その後、SXSWeduのローンチ・コンペで優勝している。

Vanは生まれ育ちともベトナムの女性だが、ELSAは自分が英語を習得した際の体験に基いて発想されたという。

Vanは「私はスタンフォード大学でMBAと教育学修士の資格を得るためにアメリカに移りました。スタンフォードでの最初の1年は語学の能力を身につけるための苦労の連続でした。言っているこを分かってくれないことがたびたびありました」という。

Vanは英語の読み書きにはあまり不自由しなかったが、通じる英語を話せるようになるために訛を減らす必要を感じた。ところがこれに適したプロダクトがほとんどなかった。

「ソリューションの数がとても少なかったのです。…スピーチ・セラピストに通えば発音を聞いて直してくれますが1時間に150ドルもかかります。 YouTubeやNetflixならそんなお金はかかりませんが一方通行で聞くだけです」という。

この経験がきっかけとなりVanはELSAの創立を思い立ったという。独自の音声認識テクノロジーを開発するためにこの分野の専門家、 Dr. Angueraが加わった。

ELSAアプリはiOSとAndroidからダウンロードできる。5分間の能力判定テストが用意され、ユーザーの学習段階に適したカリキュラムが作成される。

ELSAには600種類のレッスンがあり、家族や経歴などを含めた自己紹介や就職面接、ビジネス一般、旅行などさまざまな場面を想定し、3000語以上が用いられている。アプリは定期的にアップデートされ、季節(夏休みなど)や話題の映画(スターウォーズなど)に関連する話題が随時提供される。これは現実のコミュニケーションでも学習者を助けるだろう。

各レッスンは2分程度しかかからない。課題文は発音、語彙ともやさしいものから順次難しいものに移る。

ユーザーがマイクに向かって課題文を読み上げると、ELSAはAIで発音を解析し、一般的なアメリカ英語の発音をするためのヒントを示す。 ユーザーの発音の結果は赤、黄、緑などで成績が示されるのでわかりやすい。フィードバックには正しい発音をするための口の構えや舌の動かし方などのヒントも含まれる。

ELSAが開発したAIテクノロジーについてVanは「既存の音声認識テクノロジーは[ELSAとは]方向が違っていました。つまり話者の発音が違っていても意味をくみとろうとするわけです。ELSAが目指すのはその逆です」と説明する。

2年前に一般公開され以後、100以上の国で数百万のユーザーがELSAを使うようになった。現在ユーザーの半数は東南アジアから来ているが、ラテンアメリカや東欧などにも急速に普及しており、毎週数百万のレッスンが実行されている。

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今回調達した資金はELSAを教室で使えるように拡張するために利用されるという。このツールでは教師はカリキュラムに応じて新しい文や単語を追加できる。APIの開発に加えて英語以外の他の言語の発音習得に役立つプラットフォームの開発も始めるという。またAI分野における人材獲得も行う。

現在ELSAは7日間の無料トライアルの後、月額3.99ドル(29.99/年)の有料購読というビジネスモデルを採用している。

ELSAアプリはiOSAndroidで利用できる。

〔日本版〕アプリを最初に開くと使用法が表示されるのでよく読み、順次右へスワイプする。タップして課題文を表示し、画面の指示によってマイク・アイコンをタップして課題文を読み上げるとELSAが成績を判定し、改善を要する点があれば具体的に指摘する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramにポートレートモード発見――近くアプリ内から高度な人物写真が撮れるようになる

BoomerangやSuperzoomといった機能が大人気のInstagramではさらにSnapchatの上を行こうとして撮影モードのオプションを拡大するようだ。InstagramアプリのAPK(Android Application Package)の中に、Portrait というシャッターモードのアイコンが含まれていることがわかった。どうやらユーザーはStoriesのカメラを使って背景にボケなどの他洗練された効果を加えたポートレートを撮れるようになるらしい。

TechCrunchは読者のIshan AgarwalからAPK中に含まれているPortraitアイコンの画像を独占的に提供された。APKというのはWindowsでいえば.exeファイルに相当するファイルでAndroidで実行することによってアプリがインストールされる。PortraitモードのアイコンはInstagram Storiesでで撮影する際にオーバーレイされるオプションの一つになり、スワイプすることでそのモードを利用できるようになる。

われわれの取材に対してInstagramはコメントを控えたが、GiphyというGIF共有機能が1月に発見されたときも同じ対応だった。Giphyはわずか1週間後に正式に公開された。 もちろんInstagramは正式公開以前であれば(ベータテストの結果が悪かったり、戦略の変更があった場合など)波風を立てずしまい込むことができる。

われわれは先週もInstagramアプリ中にダイレクト・メッセージでビデオ通話をサポートする部分が隠されているのを発見している。

最新のiPhoneを含め、現在のスマートフォンはデフォールトのカメラでポートレート撮影モードをサポートしている。多くのユーザーがこのモードを使って撮影した写真をInstagramなどにアップしている。しかし最近はInstagramが高度なフィルターをサポートするにつれ、アプリ内のStoriesカメラを使う例が多くなっていた。

Snapchatもさまざまな撮影オプションを用意しているが、InstagramはPortrait機能で差をつけようとするらしい。Snapchatには現在アプリ内のポートレート・モードのオプションはない。Appleの場合はiPhone 7 plusに基本的な機能を実装して反響をみた後、iPhone 8 plus、iPhone Xで各種の照明効果を含むポートレート撮影機能を搭載するという手順を踏んでいる。

Instagramのポートレート機能の内容は詳しく分かっていないが、これまでもInstagramは高級一眼レフでないと撮れないような各種の効果を提供してきた。ただし実際に公開されるときはデバイスのカメラ自体のポートレート・モードとの混同を避けるためにPortraitではなく、別の名前になるかもしれない。

Instagramは常に話題となるような新しい機能を追加し続けねばならない。しばらく前にはセピア色のラテアートや彩度をむやみに高めた夕陽の写真がインターネットを席巻していたが、あっという間に時代遅れになってしまった。Instagram対Snapchatの軍拡競争はARやGIF機能の追加といった方向に進んでいたが、ポートレート撮影がサポートされればInstagramは「共有して楽しめる写真を簡単に撮れるようにする」という初心に戻ることになる。これは今後Storiesがどうなろうと、Instagram自体に価値ある機能となるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Airはホームビデオをクラウドに保存するアプリ――空き容量を気にせず赤ちゃんをどんどん4Kで撮れる

最近ではユーザーがビデオを撮影するときにビデオカメラよりスマートフォンを使う場合が圧倒的に多くなった。しかしスマートフォン、特にmicroSDカードを使えないiPhoneの場合、ビデオを撮影しているとあっという間にストレージの空き容量がなくなってしまう。

こうした悲劇を防ぐために止むなく低画質での撮影を余儀なくされた読者も多いだろう。iPhoneには4K撮影能力があるが、途方もなくスペースを食うため往々にして宝の持ち腐れになっている。 今回紹介するAirはこのジレンマに対して解決策を提供するのが目的だ。

Airアプリは動画ファイルを、ローカルではなくクラウドに自動的にアップする。 4K(Ultra HD)で撮影されたビデオファイルもクラウド上のプライベートなスペースに保存される。つまり高画質、長時間のビデオを撮影してもモバイルデバイスの空き容量を心配する必要がない。

もちろんビデオファイルをクラウドに保存するというのは新しいアイディアではない。iCloudは事実上iOSデバイスの一部になっているし、Googleフォトに加えてAmazon、Dropboxのサービスもユーザーに人気がある。

しかしAir Labsの共同ファウンダー、CEOのShane Hegdeは「こうしたライバルはビデオ録画に特化したサービスではないところが問題だ」という。

「ビデオには特有の問題がある。写真と比べてサイズがはるかに巨大でファイル構造も複雑だ。しかし現在市場にあるソリューションのほとんどはビデオを静止画と同様に扱っている。その結果アップロードすると画質が劣化し、再生すると悲惨なことになる。われわれのプロダクトはNetflixやYoutubeの最新のテクノロジーと同様のレベルにあり、ユーザーが簡単にシームレスにビデオを撮影できる方法を提供する」とHegdeはいう。

Airのサービスはデジタルビデオをアダプティブ・ストリーミングができるよう自動的にトランスコードする。つまり接続速度が十分でない場合はそれに応じてで画質を調節するので、ほぼリアルタイムで再生される、延々とロードを待つ必要がない。Airの大きなセールスポイントは、共有の際に勝手に圧縮をかけないことだ。ユーザーは友達なり家族なりにAirのギャラリーに保存されたビデオのURLを送るだけでよい。受け手はそれぞれの接続環境に応じて最適な画質で再生できる。

またAirにはReelsと呼ばれる共同編集の機能もある。これはカンファレンス、コンサート、フェスティバル、ウェディングなど大勢が参加したイベントのビデオ編集するためのスペースだ。Reelsには誰でも自分のビデオクリップを投稿できる。編集後の成果物は、ソーシャルメディアその他の場所で公開可能だ。

Airは月額4.99ドルの有料サービスで、無料のものもある他のエントリーレベルのクラウド・サービスの中では多少高めに感じられるかもしれない。たとえばiCloudの場合、50GBが月0.99ドルだ。Googleだと100GBが月1.99ドル(これにはGoogleフォトだけでなくGmail、Googleドライブも含まれる)。しかしひんぱんにビデオを撮影するユーザーなら月5ドルで無制限のビデオストレージにアクセスできるのは価値があるだろう。

Airが赤ちゃんや小さい子どものいる両親をターゲットして売り込みを図っているのはそのあたりに理由がある。そうした若い両親は大量のビデオを撮影する傾向にある。もちろんセミプロのビデオグラファーにとっても空き容量を気にせずに4Kビデオを長時間撮影できるというのは便利だ。

Airが提供するもうひとつのサービスは物理メディアへの書き込みだ。まず50ドルを仮払いする必要があるが、HDD、DVD、USBメモリーはもちろん、必要ならVHSテープや映画フィルムにも動画を記録してくれる。料金はデジタイズにかかった時間とターゲット・フォーマットによって異なる。

Hedgeはスタンフォード大学出身で、同窓のTyler Strand(CTO)と共同でAirを創業した。Hegdeによれば、このサービスを作ることを思い立ったのは、子どもの頃、両親がソニー・ハンディカムでたくさんのビデオを撮ったのに、テクノロジーが変化して簡単に見ることができなくなってしまった経験からだという。

「今私はカムコーダーを持っていない。最新のノートパソコンにはDVDプレイヤーが内蔵されていない。つまりビデオファイルはそこにあるのに時代遅れのハードに閉じ込められてアクセスができなくなっている。2016年後半には私は勤めを辞めてホームビデオを生き返らせる仕事を始めることにした。Airは実は私のこうした個人的体験の上に作られたものだ。容量やフォーマットを気にせずに貴重なシーンをホームビデオを撮影できるようにしたい」とHegdeはいう。

HedgeはAir以前にスタンフォード大学時代にSwapというスタートアップを立ち上げている。卒業後はHPS Partnersで投資に携わり、 ロサンゼルスのRevolt TVでは最高デジタル・テクノロジー責任者を務めた。共同ファウンダーのTylerはスタンフォード時代にhostess.fmを創業し、SFX Entertainmentに売却している最近ではPostlightの創立パートナー、取締役を務めた。

現在ブルックリンに本拠を置くAirは2017年10月にシードラウンドを実行し、メディア企業、テクノロジー投資家から資金を調達している。金額は明らかになっていない。

Airアプリは当面iOS版が公開されており、App Storeから入手できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Watchのさまざまなスキーアプリで楽しさと実力をアップ

スキーヤーよ、喜べ!

あなたが雪山で何をどうしたか、これからは正確に分かるようになる。

Apple Watchがアップデートされ、GPSと高度計を組み合わせて利用できるようになり、これからのスキーアプリはパフォーマンスを定量化できる。消費カロリーや滑降速度が分かるだけでなく、ほかにもいろんなデータを知ることができる。

その新しい機能は今日から使える。そこで、Ski Tracks, Slopes, Snocru, Snoww, そしてSquaw Valleyなどのスキー関連アプリがどれもアップデートされた。それらの多くは、Apple Watch Series 3およびOSのアップデートwatchOS 4.2と互換性がある。

本誌TechCrunchは、いくつかのアプリを試す機会があった:

Slopes

Slopesは私たちのお気に入りのひとつだ。高度差、距離、心拍を教え、また列に並んだりリフトに乗ったりの時間を除いた正味のスキーした時間も分かる。スキーだけでなく、スノーボードでもよい。トップスピードと平均スピードも教える。行程の地図も表示する。アイドル状態を自動的に検出するので、毎回停止/リスタートする必要がない。アプリは無料だが、年会費19ドル99セントを払って“Season Pass”にアップグレードすると、地形図や衛星地図などをもらえる。

Snoww

Snowwは、パフォーマンスを計るのによい。友だちと接続して競争する機能もある。最新のアップデートで、友だちのいる場所を見つけたり、ハンズフリー状態でSiriからアプリにアクセスする機能が加わった。後者は、凍(こご)えるほど寒いときに便利だろう。各回の滑走距離、成績などを一覧する表も作る。それらのデータを友だちなどと比較することもできる。そして優勝者は、仮想トロフィーをもらう。自己ベストなら、いつも自分が勝者気分かもね。

Squaw

スキーならタホ湖、という人は、今度行くときSquaw Valley(スクォーヴァリー)のアプリを持って行こう。あの山は1960年の冬季オリンピックの会場で、現代的なスキー体験の提供を心がけている。そしてこのアプリは、待ち時間やリフトの閉鎖情報などがリアルタイムでアップデートされる。友だちが今チェアリフトのどのへんにいるかも分かる。アプリからリフトのチケットを買ったり、グループにメッセージを送れる。平均スピードや高度差など、練習時のデータや成績も分かる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

優れたAlexaスキルにはお金を払うAmazon、今度は子ども向けスキルもその対象に

昨年Amazonは、デベロッパーが作ったAlexaスキルの、好評で人気の高いものにはお金を払う、と発表した。最初はゲームのスキルが対象で、それはAmazonがゲームに力を入れようと思っていたからだが、8月には対象カテゴリーがやや増えた。そして今日(米国時間2/27)は、さらに対象を拡大して、子どものためのスキルも、優秀作にはAmazonからお金が出る。

これで、秀作のスキルがお金をもらえるカテゴリーは全部で8つになった。それらは、ゲームに始まって教育(質問)、食べ物飲み物、健康とフィットネス、ライフスタイル、音楽とオーディオ、仕事、そして今度の子どもだ。

Amazonは、この事業の近況も報告した。例によって詳しい数字は挙げないものの、これまで22か国のデベロッパーに“数百万ドル”を支払ったそうだ。それらのスキルは、アメリカとイギリスとドイツで提供されている。

中には“数万ドル”を稼いだデベロッパーもおり、少数ながら10万ドルを超えた人たちもいるそうだ。

デベロッパーに直接お金を払うやり方は、音声アプリのエコシステムの成長に寄与するだろう。デベロッパーの標準的な収益源であるはずの、有料会員制スキル内購入が軌道に乗るのは、まだ先の話だ。良いスキルの中にも、これらの一般的な収益化の仕組みがなじまないものがあるし、またスキルのデベロッパーが勝手に広告を収益源とすることは、Amazonが禁じている

この、子ども向けスキルにお金を払うという発表は、賞金25万ドルの“Alexa Skills Challenge: Kids”の入賞スキルの発表にタイミングを合わせたようだ。この懸賞は、13歳以下の子どもが対象、とされていた。

Amazon Alexaは、子どもにも人気がある。Echoを買った親は、みなそう言っている。そこで今回Amazonがデベロッパーたちを奨励して、子どもをねらったアプリやゲームを作らせようとしているのも、理にかなっている。

昨年Amazonは、ネット上の子どもたちのプライバシーを守る法律COPPA(Children’s Online Privacy Protection Act)へのコンプライアンスのために、子ども用の音声アプリに親の同意機能を加えた。これによりNickelodeonやSesame Streetなどの有名ブランドが、子ども向けアプリを出し始めた。

なお、子ども向けアプリに対する法律の規制があるため、子ども向けAlexaスキルもアメリカでしか公開/配布できない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google AssistantのActionsからディープリンクが可能に――新たに7言語サポート

Actions on GoogleというのはAmazon AlexaのskillsのGoogle Assistant版と考えてよい。これは以前から公開されていたが、今日(米国時間2/26)、GoogleはActionsをさらに広い範囲から利用できるよう拡張すると発表した。多くの言語が新たにサポートされた他、いくつかの有用な機能も追加された。

今回のアップデートで重要な点は新たに7カ国語がサポートされたことだ。ヒンディー、タイ、インドネシア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、オランダの各言語が既存の英語、フランス語、ドイツ語、日本語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語、ロシア語に加わった。これでフルにサポートされる言語は16カ国語となった。同時にGoogleが提供する音声会話によるインターフェイス作成ツール、Dialogflowもこれらの言語で利用できるようになったことを意味する。

またGoogleでは、デベロッパーが多国語へのローカライズを助けるために、Actionsのディレクトリをファイルとして保存できるようにした。

また今回、すべてのデベロッパーが利用できるようになった機能には、Google Assistant ActionsからAndroidアプリにディープリンクを張ることが含まれる。Googleのプロダクト・マネージャー、Brad Abramsは今日の発表で、「今年中にAssistantは世界のAndroidスマートフォンの95%で利用できるようになる。Actionsはユーザーが音声でAssistanntと会話して必要な動作をさせることを可能にする。ただし複雑あるいは特定の作業をさせたい場合、別アプリを利用するのが効率的な場合がある。Assistantから音声で別アプリを起動できるようになったことは大きな助けになるだろう」と書いている。〔スクリーンショットはSpotHeroという駐車アプリを開いて駐車位置を確認している例〕

また今回のバージョンではデベロッパーはユーザーのロケーション情報を利用した検索が容易にできる。つまりActionsからGoogle Places APIを経由して対話的にロケーション情報を処理することが可能だ。つまりユーザーが音声で「スターバックス?」と質問した場合、Assistantはロケーション情報でユーザーの位置を把握して検索を行い、さらにそのうちのどのスターバックスに行きたいのかを重ねて質問することができる。

またユーザーが特定のActionsを頻繁に利用する場合、Assistantは通常の導入部を省いて直接Actionsを起動できる。これは処理速度のアップに役立つという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Samsungがデータ節約型モバイルブラウザーOpera Maxを閉鎖の瀬戸際で救う

Opera Maxは、Samsungがこのモバイルブラウザーを買収したため、消滅を免れた。

このブラウザーは、初期のいわゆるデータフレンドリーなモバイルブラウザーのひとつで、のちにプライバシーのための設定が加わった。たとえばそれは、安全でないWi-Fi接続に対する防御やVPNだ。人気は高く、50万以上インストールされたが、しかしそれでも、中国企業のコンソーシアムに買収されたOperaは昨年、その閉鎖を発表した

当時の発表声明はこうだった: “Operaはこのたび、Opera Maxの開発中止を決定した。このプロダクトの価値命題は弊社のブラウザープロダクトと大きく異なり、Operaにとって別のフォーカスを表していた。したがってこれからの弊社は、弊社のブラウザーと、今後のそのほかのサービスに注力していく”。

そこにSamsungが登場し、今日(米国時間2/23)、同社がそのサービスを拾い上げ、名前を“Samsung Max”にする、と発表した。— VentureBeatの特ダネ記事だ。

Samsung Max for Androidのスクリーンショット

Opera Maxのユーザーはアップデートにより、Samsungのバージョンに移行する。そのほかのユーザーはAndroidのアプリを入手したり、Galaxy Appsのストアへ行けばよい。ただし残念なことに、Androidアプリとは言っても前のOpera Maxと違って、Samsungのスマートフォンでしか使えない。

またAmazonは、新興市場向けにはデバイスへのプリロードを計画している。それらは、アルゼンチン、ブラジル、インドネシア、メキシコ、ナイジェリア、南アフリカ、タイ、そしてベトナムの市場だ。

Samsung R&D Institute IndiaのVP Seounghoon Ohは、声明の中でこう述べている: “Samsungで私たちは、すべてのデバイスで、全体的なデータ節約とプライバシー保護にコミットしてきた。そのために今回私たちは、弊社のミッドレンジのデバイスに独自のユニークなサービスとしてSamsung Maxを導入し、スマートフォン市場でSamusungのデバイスを優位に立たせようとしている”。

SamsungがOpera Maxの買収にいくら払ったのかは、明らかでない(買収なのかも)。しかし閉鎖に追い込まれていた製品だから、高い買い物ではなかっただろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Product Huntが通知がうるさくないテックニュースダイジェストアプリSipをリリース

「私たちは注意をひこうとうるさく通知するアプリケーションを増やそうと思ったわけではありません」と、Product HuntのCEOであるRyan Hooverは語る。ということで、新しいニュースや通知を垂れ流し続けるのではなく、本日(米国時間2月22日)Product Huntは、iOSAndroid向けにハイテク業界ニュースレターアプリSipをリリースした。Sipは、その日の目立ったニュースをTwitterのモーメント風のスライドショーにまとめて、(米国東部標準時の)午後5時に静かに配布する。

説明、解説ツイート、ニュースソースへのリンク、Product Huntのページ、そして世論調査などを束ねて、Sipは長々とした記事の代わりにひとくちサイズの情報を提供するものだ。例えば2018年の最もイノベーティブな企業の記事や、イーロン・マスクが火炎放射器を売ったこと、あるいはUberの新しいバスキラーといったニュースを、Sipを通して知ることができる。

「私たちの最終目標は、Product Huntがアピールしそうなのにまだ使って貰えていない人たちに対して、毎日チェックしたくなるような体験を提供することです」とHooverは説明する。これは2016年にAngelListに2000万ドルで買収された同スタートアップの、収益ドライバーというよりは、基本的にユーザー拡大の仕掛けである。「今年の初めにコミュニティで発表したように、私たちは収益性の強化を目指しています。様々な取り組みを通じて大きな進歩を遂げることができましたが、今のところSipはその一つではありません。私たちはユーザーベースの拡大に集中しているので、Sipを短期間のうちにマネタイズする計画はないのです」。

Facebookが意図的にフィード上に流れてくるニュースの量を減らし、Twitterはボットとトロールで溢れかえり、Google Readerがなくなってしまった今、人びとは世界のニュースに追いつくための、より良い方法を必要としている。HooverはProduct Huntを、まず第一にコミュニティでありながら「常にニュースを配信する役割も果たす」Redditのようなものとして捉えている。

よって、ここに更に力を入れることで、新しい利用者層を獲得することができるだろう。現時点では、最新のペータテスト、ハッカソンプロジェクト、Chrome拡張そして新規スタートアップを知るために、皆が皆このサイトに引き寄せられているわけではない。しかし、ハイテク業界の巨人たちや、ソーシャルメディア、そして最もホットな最新のアプリに関するトップニュースの数々は、多くの人たちにとって必読のものになっている。Sipは、Product HuntページのQ&Aを通してニュースを掘り起こすよりも、ユーザーを呼び込むことのできるゲートウェイになる可能性がある。

「Sipは実験です」とHooverは私に語る。「このアプリは私たちのチームのChadがデザインして作成したもので、Product Hunt todayに必ずしも掲載される必要のない、様々なタイプのコンテンツとストーリーを、目にするチャンスを提供してくれます」既に3000人がSipのベータ版にサインアップしている。このアプリは、伝統的なテックサイトとその電子メール、Twitterや他のソーシャルアプリからのコンスタントな流れ、Ha​​cker Noonのような様々なニュースレター、そしてFeedlyやFlipboardのようなリーダーアプリと競争しなければならない。しかしSipは、ニュースをひとくち大のサイズにすることで、差別化をしている。

Produnt Huntは、より若く気まぐれな技術者たちを、利用者の中核に引きつける方法を探し続ける必要がある。2013年にニュースレターとして始まったこのスタートアップが、最も話題になったのは2014年と、2015年にAndreessen主導のラウンドで700万ドルを調達し、Y Combinatorに受け入れらたときだった。同社がサンフランシスコで開催したパーティは伝説となった、その時は1000人以上の人びとが店の周りのブロックを取り巻いたからだ。

TechCrunch Disrupt SF 2014に登壇したProduct Hunt CEOのRyan Hoover(左)

何年もの間、そのサイトで毎日新製品の大衆人気ランキングを掲載し続けてきたが、AngelListがProduct Huntを買収して以来、疲労が入り込んできたようだ。よく整理されてはいるものの、権威あるテクノロジー業界の大人たちが関わることによって、Product Huntはそのクールさの一部を失った。昨年は、スタートアップたちが自社の製品をリリースすることを助けるShipを立ち上げ、Ask Product Huntというレコメンデーション機能も発表した。Hoover自身も彼自身による300万ドルのエンジェルファンドであるWeekend Fundを設立した。しかし、Product Huntの輝きは衰えている。これまでよりさらに華やかな場所で開催されたものの、この冬のProduct Huntパーティーではドアの外に続く列を見ることはなかった。彼らは招待状有無のチェックさえしていなかった。

次世代のProduct Huntユーザーたちは、携帯電話が身近な存在であるため、絶え間ない通知によって喜んだりはしないだろう。その代わりに、流れを断ち切らない、より注意深い技術の利用に重きを置くように見える。Sipはそうした人たちにアピールすることができる。「私の電話は通知のせいでしばしば温かくなるのです」とHooverは言う。「多くのアプリ作者は、1日を通して数多くのプッシュ通知や歓迎されていないテキストメッセージでユーザーたちを圧倒しています。私たちはこの混乱にSipを加えたいとは思っていません」。

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(翻訳:sako)

FacebookのARやVRそしてニュースフィードに3Dオブジェクトをポストできる…3Dが第一級メディアに昇格

たとえば上図のようなデジタルの3Dオブジェクトを作って、それをFacebookでシェアしたり、仮想現実の中で遊んだり、実際の世界に拡張現実として挿入できるとしたら、かなりすてきじゃないかな? Facebookは10月に、ニュースフィードに対話的3Dモデルをポストできるようにして、ユーザーがそれを動かしたり回転できるようになったが、今日(米国時間2/20)はそれを一歩も二歩も前進させた。

これからは、Facebookの3Dポストは業界標準のglTF 2.0ファイル形式をサポートするので、オブジェクトの質感や光の方向、オブジェクトのざらざら感やつるつる感などを表現できる。そして新しいGraph APIを使ってデベロッパーは、3Dモデルを作るアプリや、それどころかオブジェクトをニュースフィードで直接シェアできる3Dカメラ、3Dのポストを見せるWebサイトなどを作ったりできる。3Dオブジェクトは、ユーザーがドラッグ&ドロップでフィードに入れられる。またユーザーの3Dポストは、VRの出会いの場であるFacebook Spacesに持ち込める。

[指やマウスで動かせる3Dモデル]

たとえば、あなた独自のデザインでメタリックなチェスのピースを3Dモデルづくりのアプリで作り、ニュースフィードでシェアし、さらにFacebook Spacesに持ち込めば、そこで出会った人とチェスをプレイできるだろう。すでにLEGO, Jurassic World, Clash of Clans, Wayfairなどのブランドが3Dポストの実験をやっているから、ここでプレイしたり、あるいはこの記事の上でもプレイできる。

FacebookのソーシャルVRのクリエイティブ・ディレクターOcean Quigleyは、“3DをFacebookのエコシステムのネイティブな部分(基盤的な部分)にしたいんだ。今そのための基礎工事をしているところだけど、これからはFacebookとユーザーはVRやARの3D世界に自由に行き来できるようになるね”、と語っている。彼によると、ソーシャルネットワークが単純なテキストや写真やビデオなどから没入的なメディア(immersive media)に進化していくのは当然の歩みなのだ。

さて、3Dポストをシェアしたら、今度は背景色とか質感などを自由に選びたいだろう。Quigleyによると、そういったアップロード過程をなるべく簡単にして、高度なスキルのない者でもハイテクなポストを共有できるようにしたい。彼はglTF 2.0を“3DのJPEG”と呼び、GoogleやMicrosoftによるサポートを賞賛する。また別の形式の3Dオブジェクトを持っている人のためには、Facebookはコンバーター(変換ソフト)をGitHub上でオープンソースで提供しているから、ファイル形式を変換してFacebookへのポストも可能だ。

これがうまく行けば、Facebookにとって大きな強みになる。まずそれは、もっとも未来的なシェア方法だから、そのほかのソーシャルネットワークがずっと後方に置き去りにされてしまうだろう。Facebookのプロフィールが“3Dの自撮り”になったり、友だちから集めたオブジェクトでみんなと遊んだりできる。そして、サードパーティなども参加して優れた3Dのアバター制作ソフトを作れば、あなたの写真から作られたあなた自身の仮想バージョンがFacebook上を動き回る。おともだちもびっくり! FacebookがSnapchatのBitmojiアバターの競合製品を作るのも、時間の問題だ。

そして消費者であるFacebookユーザーが、単なる写真よりは拡張現実を試すようになれば、マーケターや広告主にとっても(魅力や説得力の点で)ありがたい。すでにSonyなどは、そんな拡張現実コマースをやり始めている。またWayfairでは、ユーザーが自分の家の写真に、買ってみたい家具の3Dの拡張現実を、‘試着’ならぬ‘試設’できるようにしている。

Facebookはこれまでも、360度写真など新しい形式のコンテンツを積極的に採用してきた。すでに14歳を過ぎたFacebookが、ティーンの心を捉えようとして、ライブのビデオやGIFも導入した。FacebookのプロダクトマネージャーAykud Gönenがこう書いている: “人びとがVRやAR、Facebookのニユースフィードなどで、そのような没入的な体験やオブジェクトをシェアできる、シームレスなデジタル世界を目指したい”。

もちろん現実世界のすべてを拡張現実でカバーするほどの大量の3Dオブジェクトは、Facebookだけで作れるものではない。サードパーティのデベロッパーと一般ユーザーの協力が不可欠だ。Quigley曰く、Facebookの中でオブジェクトを作れるような“3Dエディティングツール”を提供するつもりはない、と。でも外部のクリエイターがそんなものを比較的簡単に作ってインポートできるなら、スマートフォンやヘッドセットや、未来のARグラス(めがね)からのARVRの没入的体験が、とってもすばらしいものになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Android PayはGoogle Payに生まれ変わる――利用も開発も非常にシンプル

先月TechCrunchが報じたとおり、Googleは各種の支払ツールをGoogle Payという単一のブランドに統合した。しかしAndroidでは、アプリとしてAndroid Payが残っていた。

この状態は今日(米国時間2/20)から変わる。GoogleはGoogle Pay for Androidを発表した。これによりAndroid PayはGoogle Payにアップデートされた。旧Android Payになかった機能も追加されており、Googleでは新しいGoogle Payが現実店舗でもインターネットでも広く利用されることを期待している。

これに加えてGoogle はGoogle ウォレット・アプリに支払いの請求、受け取りができる新しい機能を加え、Google Pay Sendと名付けた。ただしアメリカとイギリスのユーザーは近くGoogle Payアプリそのもので請求、支払いができるようになる。新しいユーザーはGoogle Payアプリを今日からダウンロードできる。既存のAndroid Payユーザーは数日中にアップデートを受け取ることになる。

一見したところ新しいGoogle PayアプリはAndroid Pay のデザインを変更しただけに見える。新しいデザインは従来に比べてGoogleのマテリアルデザインのガイドラインに近いものとなっている。 機能についてはさほど新しいものは見当たらない。ただし新しい機能で特に目立つ点は、ユーザーが所在する付近のGoogle Payで支払いができる店舗がホームスクリーンに表示されるようになったことだ。店舗のリストはユーザー別にカスタマイズされる。ユーザーの所在地の周辺で過去にGoogle Payで支払をした店舗が優先表示される。またホームスクリーンで最近の支払の一覧を見ることができる。またアプリに店舗の顧客カードを追加する機能もある。


Googleの支払管理プロダクト担当副社長、Pali Bhatは私のインタビューに対して、「われわれのチームはオンラインであれ現実店舗であれ、Google Payを使いやすいアプリにすることを目標とした。ユーザーが使い方に迷うなどのフリクションを最小限にすることに全力を挙げた」と述べた。つまり、Googleが提携している銀行、アメリカならBank of America、ポーランドならMbankなどのスマートフォン・アプリ中からGoogle Payをすぐにセットアップできる。いちいち別アプリとしてインストールしなくとも、オンラインでも店舗でもGoogle Payを使って支払いができる、という。

同様にサードパーティーのスマートフォン・アプリやウェブサイトがGoogle Payを利用したいと考えた場合、デベロッパーはアクセスしてきたユーザーがGoogle Payを利用可能であるかGoogle APIを通じて簡単にチェックすることができる(Google Payを通じて決済する場合でもデベロッパーはStripe やBraintreeといった既存支払プラットームを経由する)。

Bhatによれば「われわれは支払処理そのものを実行するわけではないので、デベロッパーがGoogle Payを利用するためのAPIはこの上なくシンプルなものになっている。Google Payはセキュリティーを十分に確保した上で認証情報その他必要な情報を実際に支払処理を行うプラットームに取り次ぐ。 DoorDash、Airbnb、Hotel Tonightその他の有力サービスがすでにGoogle Payの利用を開始している」ということだ。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、軽量版「Gmail Go」をAndroid向けに公開

Googleは、主として新興市場向けに作られた同社アプリの軽量版、”Go” エディションに注目の製品を追加した。Gmail Goだ。他のGoアプリと同じく、スマートフォンのストレージ使用量が少なく、通常のGmailよりもモバイル通信のデータ量を節約する。

様々な記事のレポートよると、Gmail Goのダウンロードサイズは9.51MBで端末上で使用するストレージが約25MBなのに対して、通常のGmailはダウンロードが20.66MB、ストレージが47 MBだった。

アプリを試してみた一部ユーザーは、Gmail Goのスクロールは通常のGmailよりもスムーズでないと指摘している。また、同期の頻度を減らして通信料を節約している。

機能に関しては、GmailとGmail Goの間に大きな違いは見られない。

しかし,他のGoブランドアプリでは、必ずしもそうではない。たとえば、YouTube Goにはいくつか独自機能がありビデオをダウンロードしてオフライン視聴ができたり、ちかくの友達とシェアすることができる。Gmail Goの場合はAndroid Goで要求されているサイズと必要メモリーの条件を満たすように作られているだけのようだ。

Gmail Goは全ユーザー向けには公開されない。現時点で利用できるのはAndrod Oreo Goエディションの端末だけだ。

Goエディションアプリには他に、YouTube Go、Files Go、Google Go、Google Maps Go、Google and Assistant Goがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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Facebook、「有意義な時間」重視で、利用時間が「1ユーザー1日当たり2分」減少

Facebookは短期的利益にこだわっていないことを、口先だけではなく行動で示している。ユーザーの幸福度向上のためにバイラルなビデオの存在を減らしている。今日(米国時間1/31)Facebookの2017年Q4決算報告で、CEOの Mark Zuckerbergは、「すでに前四半期からバイラルビデオの露出を減らし人々の時間が有意義に使われるようにシステムを変更してきた。その結果Facebookに費やされた時間は、全体で1日あたり5000万時間減少した。

現在Facebookのユーザー数が14億人だとすれば、1日1人あたり約2.14分の減少だ。後にZuckerbergは、Facebook全体の消費時間が5%減少したと語った。

バイラルビデオを減らした結果、米国・カナダ地域では1日のアクティブユーザー数(DAU)が70万人減った。これは2004年のスタート以来成長を続けてきたFacebookにとって前例のない下落だ。Facebook CFOのDavid Wehnerは、これは一時的な現象でありトレンドではないと考えていると語った。それは、Facebookが今後何回こうした変更を行うかによるかもしれない。

Facebookは、仮に米国・カナダのデイリーユーザーを70万人減らさなかったとしても、四半期毎のDAU成長は2.24%となって過去最低だった。2.18%という数字は2016年Q4と2017年Q4の3%成長よりもかなり低い。

それでも、米国・カナダのDAUの減少がバイラルビデオと幸福度のための変更の結果だとFacebookが説明したあと、時間外取引きの株価は4%安から4%高へと急上昇した。投資家は、Facebookがこの変更でユーザー数を大きく減らすことはなく、全体的な成長傾向は続くと信じているのかもしれない。

Facebookは前四半期の決算会見でZuckerbergが話した「私たちのコミュニティーを守ることは利益を最大化するよりも重要」という約束を果たそうとしている。Facebookは、今月発表したビデオやニュースなどの受動的閲覧を減らし、親しい友人との積極的対話を推進するニュースフィードの大改訂を、着実に遂行している。

今日Zuckerbergは、人々に最も意味のあるコンテンツを見せることから、最も意味のある交流を促すコンテンツを見せることへと、社員への指示を変更したことを説明した。これは地味だが重要な変更であり、ユーザーが有益で楽しいと感じるコンテンツであっても、シェアしたりそれについて話したくなるほど特別でないものは露出が減るかもしれないという意味だ。Zuckerbergによると、今後は、「オンラインオフラインを問わず、人々が有意義だとわれわれに報告した交流の数」で会社を自己評価すると語った。

Facebookが、利益よりもユーザーの幸福を優先する意向を推進していることは、大企業としては異例だ。これを思いやりのある行動と見る向きもある。一方ではこれを、大がかりな「Facebookを捨てろ」運動が起きて今日発表された消費時間減少どころではない打撃を受けることを防ぐための、長期的戦略にすぎないと考える人たちもいる。

しかし今のところ投資家たちは、この会社がより意味のある、受動的ではないニュースフィードを機能させられると信じている。消費時間が短くなれば広告のインプレッションは減るが、誰もが見るような深い交流は入札競争を呼び広告費が高くなる可能性がある。Zuckerbergはこれについて、もし意味のないコンテンツに慣れてしまうと、ニュースフィードの中身をスキップすることが益々習慣になり、それが広告にも波及しかねない、と説明した。

つまりFacebookは、ユーザーの無意識なスクロール中毒への依存をやめても、変わらず収益を上げられるのかもしれない。

Facebookの〈有意義に過ごす時間〉への取組みの詳細については、本誌の特集記事、“The difference between good and bad Facebooking.”を参照されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook