企業の営業活動を自動化するPeople.aiが$7Mを調達、営業の全過程の可視化が鍵

People.aiは、売買が成立するための最良の方法や道筋を示す予測的指針をAIを利用して作成し、企業の営業部長に提供する。同社は今日(米国時間5/30)、Lightspeed Venture PartnersがリードするシリーズAの投資ラウンドにより、700万ドルを調達した。Index VenturesとShasta Venturesが新たに参加したほか、これまでの投資家Y CombinatorとSV Angelもこの投資に参加した。LightspeedのパートナーNakul Mandanが、People.aiの取締役会に加わる。

この営業管理プラットホームが解決しようとする問題は、営業の教育がデータではなく直感に基づいて行われている現状だ。People.aiは、すべての営業活動と、営業が商談締結までに行うアクションを見渡す全体的な視野を提供することによって、これを解決したい、と考えている。同社のソフトウェアによって、営業がどの部分でいちばん時間を消費しているかを突き止め、何が成功に導く要素かを同定する。営業は、体を使うより頭を使え、というわけだ。

目標は、営業マン/ウーマンの営業活動過程を完全に視覚化して、成績トップの者はどの段階で多くの時間を費やしているか、もがいている営業はどこで、成功へ導くやり方から逸脱しているかを見極める。取引の特定の段階に、あまりにも足をとらわれていないか? (客先の)プロダクトマネージャーや役員やそのほかの意思決定者と、十分な時間をとって話をしていないのではないか? そもそも、正しい見込み客にアプローチしているのか? これらの質問に、People.aiのアルゴリズムは答えようとする。

そのソリューションは、営業とクライアントとのあいだの、コミュニケーションのさまざまなタッチポイントにおける活動を調べる。そのために、メールや電話履歴、ミーティングのカレンダーなどを調べて、商談の各段階でどれだけの時間を費やしているか、誰にコンタクトして結果はどうだったか、を示すダッシュボードを作り出す。

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昨年People.aiがローンチしたとき、CEOで機械学習のベテランOleg Rogynskyyは、営業活動をファンクションとして自動化したい、と望んだ。その後同社は、このようなソリューションの提案は大企業に向いている、と考えるようになった。

こういう、問えば答える会話的なAIは、Chorus.aiや VoiceOpsなど競合他社も多いが、People.aiはこれらの企業を単なるデータソースと見なし、自分たちのソリューションはすべてのタイプの営業活動を読み取る、営業のバックボーンだ、と考えている。

Rogynskyyによると、最近では大企業やFortune 500社からの引き合いが増えている。今度の新たな資金は、プロダクトと同社営業チームの規模拡大、そして大企業向けR&Dへの注力に充てたい、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

【ポッドキャスト】交通政策の研究者が予見する自動運転車が普及したときの都市交通

今週のTechnotopiaでは、ニューヨーク大学Rudin交通政策研究所のアシスタントディレクターSarah Kaufmanにお話をうかがった。Kaufmanは、ニューヨーカーのための、そして世界の、新しい交通手段について研究しており、未来はきわめておもしろいものになる、と予想している。

彼女の予言はこうだ。自動運転車の普及とともに、これまでになかった新しいタイプのパラトランジット(paratransit, さまざまな補助的交通手段)がいくつも登場する。これまでの公共交通を利用できなかった人たちのためのサービスも、生まれるだろう。そしてそれらの新しいサービスは、効率が良くて、私たちをA地点からB地点へ安全にはやく、より安い費用で運んでくれるだろう。ぜひ、彼女の予言を聴いてみよう。

Technotopiaは、John Biggsによる、より良き未来に関するポッドキャストだ。SticheriTunes、あるいはMP3をここでダウンロードして聴ける。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

大企業のあちこちに転がっている無駄なSaaS契約を掃除するMeta SaaSが$1.5Mを調達

Meta SaaSは、プロダクトの断捨離を手伝ってくれるプロダクトだ。CardlifeCleanshelfなどと同じく、Meta SaaSはユーザー(人や企業)のSaaS契約をすべて調べて、実際に使っているものと、さらに重要なこととして、使ってないものを教えてくれる。

Arlo GilbertとScott Hertelが作ったこのプロダクトは、Mark Cubanがリードし、Barracuda Networks, Capital Factory, Deep Space Ventures, BazaarvoiceのBrett Hurtらが参加したラウンドで150万ドルを調達した。Gilbertはかつて、iOS用の初めてのVoIPプラットホームを作り、HertelはDellのeコマース部門にいた。

同社は今、RetailMeNotをはじめ6社の顧客、計10000名の社員をサポートしている。そして同社が調べることのできるSaaSは、数百万にものぼる。

“うちの顧客は中から大ぐらいの企業が多い。そんな企業は、SaaSのライセンス管理が、大きな経費節減につながるからね。中には、毎年数百万ドルを溝(どぶ)に捨てている企業もある。最近の新しい競合他社は、小企業をターゲットにしてるところが多いけどね”、とHertelは語る。“ほかの競合他社はOktaなどのサードパーティからデータをもらってるところが多い。だからログインを調べるだけだし、ひとつのプラットホームに限定される”。

Gilbertが同社を創ったのは、自分自身がSaaSに無駄金を使いすぎていることに、気づいたからだ。

“2012年にiCallを売って、オフィスをたたもうとしたとき、Salesforce CRMのライセンスが40あることが分かった。社員が20人以上いたことは、ないのにね”、と彼は言う。

このプロダクトは“幽霊IT”を管理する。誰かが買って、忘れてしまったITツールのことだ。売って忘れられることは、SaaSのプロバイダーにとっては好都合だが、企業にとってはおそろしい。Meta SaaSは大企業にSaaSの断捨離サービスを提供する、初めてのプロバイダーのひとつだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Chromeブラウザーの企業採用を増やしたいGoogleがアドミンのためのChrome Enterprise Bundleをローンチ

Googleが、企業内でのChromeブラウザーの展開と管理をより容易にしようとしている。今日(米国時間5/23)発表されたChrome Enterprise BundleはアドミンにChromeブラウザーの単一のインストーラーを提供し、またChrome Legacy Browser SupportエクステンションはActivXウィジェットの使用をサポートし、このほかにも、いくつかのアドミン用ポリシーテンプレートが提供される。

Chrome 58からはCitrixの仮想化プラットホームXenAppと、ターミナルサービスのWindows Serverがサポートされる。Chrome 58はさらに、Citrix環境でGPUアクセラレーションをサポートし、ローミングプロファイルとWindows Server自動検出のサポートを提供する。今後は、このバンドルの提供ツールをさらに増やしていく、とGoogleは言っている。

これらのアップデートにより、企業内でのChromeのデプロイがより容易になる。現状ではまだ、企業におけるChromeの採用は…大企業ほど…本格化していない。代わりにInternet Explorer(Windows 10採用企業ではEdge)が彼らのスタンダードだ。

でも今日のGoogleによると、過去二年間でChrome採用企業は倍増した。しかし実数を明かさないところを見ると、まだごく少ないのだろう。なお、Googleの“企業ユーザーの定義”は、コンピューターの構成の属性に基づいている。たとえばマシンがActive Directoryドメインに加わっていて、アドミンが構成ないしデプロイするポリシーでChromeが管理されていることだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、4Kタッチスクリーンの巨大ホワイトボードを5000ドルで発売

GoogleのJamboardはレシピを集めるためのキッチンアプリではない ―― 55インチのデジタルホワイトボードで、ペンおよびタッチ入力、専用iOS/Androidアプリ、Nvidia Jetson TX1プロセッサーと4K解像度を備える。この怪物は企業をターゲットにしたコラボレーションツールで、3色の楽しいカラーバリエーションがあり、ハーマンミラーのカタログから出てきたようなスタンドがついている。そしてアメリカに住んでいる人なら今すぐ4999ドルで注文できる。

Googleにしては珍しい分野に進出したと思うかもしれないが、G Suite製品群の幅広い浸透を考えれば、Googleはエンタープライズソフトウェアの第一人者と言える。Jamboardは、Googleの顧客であるDow Jones、Whirlpool、およびPinterestでテストされていることから、何か面白いことをする奇抜なサイドプロジェクトの類ではないことは明白だ

むしろ、Google Jamboardはオフィス向けのGoogle Homeだ ―― ビジネス世界の中心に入り込むことで、さりげない形で職場に融合するための手段だ。これはサービスビジネスでもある。Jamboardのサポートと管理には年間600ドル(早期顧客は300ドル)の費用がかかり、JamboardでDriveファイルをアクセスするためにはG Suiteのプランが必要だ。

Googleのハードウェア会社としての独自性は常に進化を続けている。Jamboardも風変わりだが同社の全体戦略の巧な拡張であり、エンタープライズ分野のどの会社よりも、サービスとデバイスの密な結合に成功している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プログラムのコードがやることを視覚化して初心者にプログラミングを理解させるDeep Algoのクラウドサービス

今週行われたTechCrunch DisruptのStartup Alleyで、ルックス的にもすばらしかったスタートアップのひとつが、Deep Algoだ。このフランスのチームは、C++やC#、JavaScriptなどのプログラミング言語を、WYSIWYGエディターでHTMLを書いて/見ていくときのように、大衆的で分かりやすいものにするSaaSを提供している。

それはかなり大胆な主張だが、同社は、この方法で、複雑なプログラミング言語を初心者でも十分に扱えるようになる、と自信を示している。

CEOのXavier Lagarrigueはこう語る: “IT以外の社員でもプログラムのコードを理解できるようにしたい。テクノロジーにとってはプログラムのコードが入力であり、あとはすべて自動的に処理される。うちはコードからまずビジネスのコンセプトを取り出して、それから質問を構築する。ユーザーは質問をセレクトし、その答をコード中に見つける。プログラマーでない人でも、この形なら十分理解できるはずだ”。

同社のシステムはまずユーザーにソートのフォームを見せて、これに対しプログラムが何をするのかを理解させる。それから今度は処理の各段階をフローチャートのようなもので表し、コードが作り出すアクションを理解させる。学習する社員たちは、その処理の中に自分たちのビジネスの別の側面を見て、システムを自分独自の(仕事よりの)見方で見れるようになる。

ぼくは最初、同社の高邁な約束に対し懐疑的だったが、Lagarrigueによると、単純で堅牢なものを示されるとユーザーは、それに対する“アクション”を作れるようになる、という。“入力としては、何をしたいのかを説明する。それがこのフォーマットの強みだ。コードがやることを、なんでも表現できるから”。

でも、まだ何もかもが初期的段階だ。今4つの企業の協力のもとに、パイロット事業を展開している。今後は、パートナーをさらに増やしたい。課金は、ユーザー一人あたりの単価×ユーザーの数、という形になる。

完全な初心者にプログラミングを教えることには、いろんなトラブルがつきものだ。昔は、誰もかれもがGeocitiesで自分のWebサイトを作っていたけど、でもいちばん多いのは、MIDIによる音楽をバック‘under construction’(ただいま制作中)のGIF画像が表示されるサイトだった。

同社は今後、対応言語をもっと増やしていく予定だ。Lagarrigueによると、その拡張作業は一つの言語につき数週間ぐらいだ、という。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Scope ARの拡張現実コンテンツ制作ツールWorkLinkがMicrosoft Hololens用バージョンをローンチ

Microsoftの3000ドルもするHoloLens開発キットは、去年から今年にかけてたくさん出た消費者製品よりも多くの関心を集めてきたが、忘れてならないのは、その拡張現実ヘッドセットが、企業の空間的コンピューティングの新たなスタンダードを目指していることだ。

今日(米国時間5/11)、カナダ、アルバータのScope ARは、拡張現実のコンテンツ制作プラットホームWorkLinkの、HoloLensバージョンを立ち上げ、たとえば企業の遠隔地の作業員に、複雑な機械の修理や組み立て方法をAR画面で教えられるようにした。

Y Combinatorが支援している同社のツールは、それを使ってCADのモデルを実物オブジェクトの上にオーバレイできる。そしてそれにより、専門家からの指示や助言を受けられる。問題が起きても、手の施しようを迅速に教えてもらえる。そんなARベースのコミュニケーションはタブレットとマーカーを使って行われることが多いが、同社がねらっているのは、今後はそれをヘッドセットベースで行うことだ。

2010年に創業された同社は、誰も知らない間に多くの有名企業を顧客に抱えるようになっているが、守秘義務のためにその名を明かせないことが多い。今ここで勝手に挙名できるのは、NASA, Boeing, Lockheed Martin, Toyotaなどだ。

HoloLensの問題は、それがコンテンツを載せやすいハードウェアではないことだ。デベロッパーにとってそれは、UnityでHololensボタンを押すほど簡単な作業ではない。技術的な難関を、乗り越えなければならない。

WorkLinkは、HoloLensの外向奥行きセンサーを利用して作業対象のオブジェクトの上に粗いメッシュをかぶせ、そこにARによる手取り足取りのインストラクションを付ける。それは同社によると、“PowerPointでプレゼンテーションを作るぐらい易しい”そうだ。顧客サポートに伝えるべきARコンテンツを、非技術系の社員でも容易に作れるようになる、という含意だろう。今そのためのユーザープラットホームとしては、iOSとAndroidとWindowsをサポートしている。

“HoloLensにコンテンツを載っけるのはこれがいちばん簡単”、とScope ARのCEO Scott Montgomerieは宣伝も怠りない。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

農薬や化学肥料の濫用を防ぐCeresのハイパースペクトル農地画像分析技術が$5Mの資金を獲得

カリフォルニア州オークランドのCeres Imagingが、Romulus Capital率いるシリーズAの投資ラウンドで500万ドルを調達した。同社は、カメラとセンサーとソフトウェアを使って、農家の農地に作物のストレスを見つけ、そこにタイミング良く除草剤や殺虫殺菌剤、灌水などを投じられるようにする。

Ceresは、最近多い、ドローンの農業利用に着目したスタートアップのひとつだ。しかしCEOでファウンダーのAshwin Madgavkarによると、専業農家の農地面積は数千エーカーもあり広すぎるので、ドローンでは仕事にならない、とすぐに悟ったそうだ。

そこでMadgavkarたちは、セスナのような通常の航空機に搭載する独自のセンサーとカメラを開発した。それを毎日、広大な農地の上空に飛ばすのだ。

同社はさらに、撮影した画像の中に作物のある農地だけを特定できる画像分析ソフトウェアを作った。それにより、裸の土地や影などは分析対象から外す。“農地の画像から読み取れる特殊な“署名”を、そこで起きている事象に翻訳する”、とCEOは語る。同社はカリフォルニア大学デービス校の研究者たちやデータの助けを借りて、分析技術を完成させた。

Romulus CapitalのファウンダーKrishna K. Guptaによると、Ceresがほかのアグテック企業より優れているのは、ハイパースペクトルな〔==可視光以外も含む〕画像分析によって、地上で作物や土壌を実際に調べたときと変わらない洞察を農家に提供できることだ。競合他社の多くは、NDVI(normalized difference vegetation index)に頼って作況の分析をしている。それは一定面積における作物の葉の測度だ。しかし、“Ceresは農家の作況や灌水、土壌栄養などに関してもっと細かい粒度の情報を提供できる”、とKrishnaは語る。

Ceresはすでに、世界最大のナッツとぶどうの栽培農家上位10軒(10社)のうち6社と契約していて、ほとんどの仕事をカリフォルニアとオーストラリアで行っている。同社が画像分析を提供しているアーモンドの樹園面積は、全世界のアーモンド作付面積の10%あまりに相当する。

今回のシリーズAの資金は、社員増と、営業マーケティングの拡大、そして画像分析の対象をコーンや大豆など、中西部のそのほかの商品作物にも広げることだ、とCEOは述べている。

競合他社はTerrAvionIntelinairなどだが、PrecisionHawkのようにドローンを使っているところもある。

シリーズAの前には、ウォーターテックのアクセラレータImagineH2Oや、Laurene Powell JobsのEmerson Collectiveが支援しているNPO Elemental Exceleratorなどから、100万ドルの非希釈的助成資金を(non-dilutive grant funding)獲得している。

規制はスタートアップの邪魔になることもあるが、Madgavkarによると、Ceresの場合は需要増に貢献している。“農家に対する規制はますます厳しくなって、以前のように化学物質や肥料などを大量に使えなくなっている”、と彼は語る。農地の航空写真を見て、作物がストレスを経験している箇所や、窒素やカリウムが欠乏している農地を素早く特定する同社の技術は、農薬や化学肥料の無差別的な濫用を防いでいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Nvidiaの利益、前年の2倍以上と絶好調――機械学習、ディープラーニングが追い風

Nvidiaのビジネスは絶好調だ。GPU事業は急拡大を続けており、自動運転テクノロジーなどへの巨額の投資も成功しつつある。先ほど発表された四半期決算を受けて株価は時間外取引で10%以上アップした。

2017年第1四半期の決算でNvidiaは5億700万ドルの純利益を上げたと発表した。これは前年同期の2億800万ドルから2倍以上の大幅アップだ。これと同時に売上も前年同期比で48%増加した。Nvidiaの急速な成長の原因は、自動運転や自然言語理解のようなディープラーニングによるコンピューター処理を担うGPUの需要が急増した点にある。

これによってNvidiaの前には、まったく新しい成長市場が開かれた。ウォールストリートはこの展開に強い好感を抱いたようだ。Nvidiaは以前からグラフィックスとゲーム用ボードの代名詞だったが、今や多くの企業、ことに人工知能を利用しようと試みるスタートアップにとって必須のハードウェア供給元になっている。膨大なデータを利用し、その場で効率的に処理するモデルにはNvidiaのカードが欠かせない。

AI以外の分野でもNvidiaのビジネスは好調だ。特にTegraプロセッサの売上は3億3200万ドルと倍増した。これには任天堂Switchのリリースが大きく貢献しているはずだ。

当面Nvidiaは投資家にとって金の卵を生む存在だ。もちろん現在の経営が順調だということは将来に渡ってGPUビジネスでライバルに脅かされずに済むことを保障しない。たとえばGoogleは機械学習のアルゴリズムを直接実行できるTPUチップの内製に取り組んでいる。人工知能全般に対する需要は高まっているが、そのうちで自動運転のような特定の分野に特化していくのがNvidiaの方針だ。

ちなみにここ1年のNvidiaの株価の動きは下のグラフのようになっている。

Nvidiaの今期の決算はウォールストリートのアナリストの予想を上回った。売上19.4億ドルの売上に対して1株あたり利益0.79ドルをもたらした。アナリストは19.1億ドルに対して0.67ドルだった。Nvidiaによれば「データセンターにおけるGPUコンピューティングは対前年比でほぼ3倍になっている」という。これはNvidiaの将来について重要な指標だろう。同社はディープラーニングが必要とするハードウェアの供給で(すくなくとも現在のところ)トップに立っていることは間違いない。

画像: David Becker/Getty Images/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GEはどのようにしてKodakの運命を避け得たのか

1888年、ニューヨークのロチェスターでジョージ・イーストマンがKodakを創業した。そしてその4年後、200マイル離れたニューヨークのスケネクタディで、トーマス・エジソンとその仲間たちがGeneral Electric(GE)を創業した。この2つの19世紀大企業は、その後100年以上に渡って着実に業務を続けて来たが、GEがいまだに2500億ドルの時価総額を保っているのに対して、 Kodakの時価総額は4億6600万ドルと、かつての面影はない。ではGEはどのようにしてそのような運命に陥るのを避けたのだろうか。

今月初め、GEはニューヨークのニスカユナにあるGEグローバル研究センターの見学に、私を招待した。この研究センターはスケネクタディにエジソンが建設した工場のすぐ近くにある、実際、会社を設立してわずか8年後の1900年に、研究所を開設したのはエジソンとそのパートナーたちだった。おそらく同社の創業の父たちが、絶えることなく自分自身を変革する必要があることを理解していたのか、あるいはエジソン自身による実験への拘りの産物だろう。

どのような理由であろうとも、117年後の今日、研究所はニューヨーク州の美しい丘陵地帯に広がる広大なキャンパスとなり、2000人に及ぶ賢い人びとが、どのような形になるにせよ製造業の未来を見据えるために集められている。世界がデジタル化される一方で、物理的な領域にしっかり留まる基本的なものもある。例えば飛行機のエンジン、列車の機関車、原子力発電所、ガスタービンなどだ。

GEは、Kodakのように経済的基盤のほとんどがゆっくりと(そして最後は非常に速く)崩壊していくのを、指をくわえて眺めていたわけではない。GEは、もし自分自身を繰り返し再評価し続けなければ、Kodakと同様の運命になってしまうかもしれないということを、本質的に理解しているようだ。そのように同社は、過去125年の間に作り上げて来た巨大な工業製品が、データとデジタルに交わる未来を見据えているのだ。

デジタル世界への移行

世界はデータを中心にした大規模な移行の途上だ。もしそれを疑うなら、現代的データ駆動型組織の典型的な例としてTeslaを見てみよう。Teslaは車のビジネスに参加しているが、CEOのイーロン・マスクは最初の段階から、車から得られるデータと物理的な車両自体との間には切り離すことのできない関係があることを認識していた。Teslaがそれらのデータを収集するにつれて、同社はより良く、よりスマートで、より効率的な車を生産することが可能になる。そしてそのデータをさらに収集し、好循環を生み出すことができるようになるのだ。

GEも自身が製造し販売する産業機械とデータとの間に同様の認識をしている。センサーはよりスマートで安価になって行くので、マシンがどのように動作しているかについてデータが示すものから得られるものだけでなく、エンジニアリングとデザインの両方の観点から得られるマシンの詳細な理解に基づいて、新しいビジネスモデルを構築することができる。

GEグローバル研究所の副社長であるDanielle Merfeldは、GEの産業界に対する幅広い業績を示すために以下のように述べた。「現在GEは、世界中の様々な業界に対して、およそ2兆ドルに及ぶ資産を投入しています。このことで、(私たちの)成功に不可欠なシステムとプロセスに対する膨大なノウハウへアクセスすることが可能になります」。

Merfeldは、デジタルと物理を組み合わせれば、強力なことが起き得ると付け加えた。彼女は、そうした物理的資産が世界でどのように働いているのかに関する、会社の深い理解から全てが始まると語った。「私たちは物理的世界の上にただデジタルの層を重ねようとしているのではありません。そして私たちの物理的世界を、それに対するデジタルの解釈で置き換えようとしているのでもありません。そうではなくて、私たちがこれまでの経験から得ることができたり、専門性を持っていたりする個別部品の、単なる総和を上回るものを得るために、デジタルとフィジカル(物理的世界)を組み合わせようとしているのです」。

最先端を探る

GEグローバル研究センターに置かれたトーマス・エジソンの机。写真:Ron Miller、TechCrunch

GEと、ニューヨークに加えて世界中に4つの姉妹ラボがあるグローバル研究センターにとって、これは自身を大胆な実験の場として表現したものだ。それが意味するところは、最先端(edge)から沸き起こり始めた技術を見極め、その未来の技術をGEの工業製品に取り入れる手法に取り組むことを意味する。

同社の最も野心的なプロジェクトの一部は、その名もふさわしいEdge Lab(最先端ラボ)で行われている。Edge Labは今年1月に開所し、次々に登場する実験的テクノロジーに対する作業に取り組んでいる。彼らが現在取り組んでいるものには、拡張ならびに仮想現実、ロボットやブロックチェーンなども含まれる。

「Edge Labの目的は、技術を実現可能性の境界線上で探求し、何が可能かを示すことです」と語るのはEdge Labグロースリーダー(growth leader)のBen Vershuerenだ。彼によれば、彼らはそうした実験をGEのドメイン知識と組み合わせて、どのように会社のプロダクトセットに組み込むことができるかを見出そうとしている。

Edge Labは、限られた期間だけ継続するプロジェクトたちのために存在し活動するもので、個々のプロジェクトのメンバーは、それぞれの専門性を限られた期間(すなわちプロジェクトの生存期間)の間持ち寄って参加する。つまり、プロジェクトの変化に伴い、研究スタッフも時間とともに変化していくのだ。

「ミッションを発見してその目的を決めたら、そのミッションのための適切な技術専門家を見出し、ミッションが必要とするものを得ることができるまでLabで作業をしてもらいます。その後彼らは(GE内の元のポジションに)戻り、私たちはまた別のプログラムに移行します」とVershuerenは説明した。

大胆な実験

Edge Labのツアー中、そしてGEグローバル研究センターでの1日を通して、私はそうした実験のうちの幾つかを見ることができた。

そのうちの1つは、 Microsoftの複合現実ヘッドセットであるHoloLensを利用して、超音波装置によって正しい臓器の特定を訓練するものだった。人口過疎地では、そうした超音波装置を使うことのできる、訓練されたプロフェッショナルを見つけるのが困難だろうという考えと、拡張現実が訓練デバイスとして使うことができるだろうという考えに基づいている。

まず最初に、HoloLensを装着し、仮想的な超音波プローブを手に取って、指示された正しい臓器を特定するまで動かす。例えば、心臓と肝臓が提示され、肝臓を選択する必要があるとする。もし間違った場合には、間違ったものを選択したことがデバイスからフィードバックされる。

最終的には、HoloLensで仮想的トレーニング環境を提供しつつ、実際のプローブを用いるものと同程度のレベルのフィードバックを返すことをチームは目指している。GEが超音波装置を販売していることを思い出して欲しい、もしそれらを通常は売られていない地域に持ち込んで、特定の医学的バックグラウンドを持たない人間がそれを利用できるように訓練できるとしたら、GEは更に多くの装置を販売することができる。

また別のアイデアとして、ロボット、仮想現実、そしてストリーミングデータをミックスするものがあった。ここでは彼らは、海洋の真ん中にあるオイルリグや風力タービンのような危険な場所にロボットを設置することができるようにすることを考えている。保守のために、人間を荒波の海上に船で送る代わりに、人間は安全な岸からロボットを制御して、修理を指示するのだ。

それを使うにはまず、左右それぞれの手にコントローラーを握って、HTC Viveヘッドセット装着する。仮想世界に入ると、2つのコントローラーと一緒にロボットの表現を見ることができる。コントローラの1つがロボットの動きを制御します。コントローラーの1つはロボットの動きを制御する。もう1つは仮想iPadへのアクセスを提供し、そこから“Drive”、“Teleport”、そして“Arm”モードのツールを選ぶことができる。Driveを選ぶとロボットの動きを制御することができる。Teleportは仮想世界の中での動きを制御し、Armはロボットの腕を制御して修理を行ったり破片を拾ったり(あるいは必要のある他のことを何でも)することができる。

今回のツアー中に見たすべてのタスクとプログラムは、最終的にはこれらの高度なテクノロジーを使用して、GEがその大きな機械を使って物理的世界でやっていることを向上させたり、何故特定のテクノロジーがいまくいかないのか(少なくとも実験上では)を理解するといった目的を持っていた。

同社は、グローバル研究センターの力を結集し最新テクノロジーを継続的に調査することで、ロチェスターにある製造業の従兄弟(Kodak)の運命を回避したいと願っている。1つのことだけは明らかだ。彼らは座して破滅を待つようなことはしない。125年前にトーマス・エジソンが会社を設立したときにように、彼らは先を見続けて、最新のテクノロジーを評価し、次の偉大なアイデアを探し続けるだろう。

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(翻訳:Sako)

Clouderaは株式市場へのデビュー初日を20%アップで終える、前途は明るいというが損失は続く

ビッグデータ分析のトップ企業Clouderaは、IPOで15ドルをつけ、その日の終値はそれから20%強増の18ドル9セントになった。これもClouderaの予測12〜14ドルを上回っている。

株価の上昇は新たな投資家にとって良くても、その結果は一部の社員にとっては大きな幻滅だ。彼らが同社の最後のプライベートラウンドの後でチームに参加した場合は、報酬株式の価額が下がったことになるからだ。Clouderaの時価総額は今約23億ドルだが、Intelが2014年に与えた41億ドルの評価額より相当少ない。この、最近ますます一般的になってきた現象は、“ダウンラウンドIPO”とあだ名されている〔IPOで評価額が下がること〕。

しかしCEOのTom Rileyは本誌TechCrunchのインタビューで、“今後の確実な成長が見込めるからそれは問題ではない”、と力説した。株式市場におけるパフォーマンスは良いから、いずれ40億ドル+には達するだろう。2015年に上場したSquareは、上場前の市場評価額の半分でスタートし、その後株価は倍増した。

同社は2008年以来10億ドルあまりを調達している。Intelが最大の株主で、IPOの前には同社の22%を所有していた。Accelが16.3%、そしてGreylock Partnersが12.5%を握っていた。

Clouderaは、銀行や通信企業など、幅広い業種部門に顧客を抱えている。同社は、テロ対策のためのインテリジェンスサービスも提供している。

“弊社の顧客は、それまでアクセスできなかった新しいデータを活用して、彼らの顧客に関するより良いインサイトを得ている”、とRileyは語る。

Clouderaの売上は伸びていて、1月に終わった会計年度の売上2億6100万ドルは、前年度の1億6600万ドルを大きく上回った。

損失は1億8632万ドルで、前年度の2億300万ドルから減少した。しかしIPO申請書のリスク要素の節には、“今後もしばらくは継続的に純損失を負うことが予測される”、とある。

今後は競合がClouderaにとって大きな障害物になると思われるが、Releyは“うちは大企業専門だから大丈夫”、と言う。しかし同社のS-1申請書には、競合他社の長いリストがあり、そこにはHP, IBM, Oracle, Amazon Web Services, Hortonworksなどの名が挙げられている。

IntelとClouderaは協働して、データ処理のスピードとセキュリティの改善に努めている。両社が共同で“パフォーマンス向上のためのソフトウェアとハードウェアを設計している”、とRileyは語る。IntelはClouderaの上場に際してその株式を買い増しした。

Morgan StanleyとJP Morgan、そしてAllen & CompanyがIPOの引受銀行だった。同社は“CLDR”の チッカーでニューヨーク証券取引所に上場した。

先月はSnapが2017年のテクノロジー企業のIPOの口火を切り、市場を覚醒させた。そしてその後は、MuleSoft, Alteryx, Yext, Okta, Netshoes, Carvanaと公開市場へのデビューが続いた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

レガシーアプリケーションをコンテナ化するDockerの新サービスModernize Traditional Applications

今日(米国時間4/19)オースチンで行われたDockerConカンファレンスでDockerが、Modernize Traditional Applications(MTA) Program(従来型のアプリケーションを現代化する事業)と呼ばれるサービスを発表した。それは、現役の古いアプリケーションをDockerのコンテナに収め、Docker Enterprise Editionの管理下に置き、それらに現代的なインフラストラクチャを使わせるようにするサービスだ。

同社はアプリケーションをそのように移行させる能力に自信を持っていて、アプリケーションが一定の基準を満たしていれば良い結果を‘保証する’とまで言っている。

Dockerがこのツールを作っていた最近の半年間で気づいたのは、顧客たちがコンテナ化をやりたくてうずうずしていることだ。彼らは必ずしも、マイクロサービスに全面的に移行できるほどのスキルや意志は持っていないが、コンテナ化がもたらす数々のメリット…ポータビリティ、効率、セキュリティなど…をいつまでも指をくわえて見ていたくはない。DockerのCOO Scott Johnstonはそう説明する。

“アプリケーションを本格的なマイクロサービスのプロジェクトに移行しなくても、弊社の技術で既存のアプリケーションをコンテナに入れられることに、彼らは喜んでいる”、と彼は語る。

これまでのアプリケーションは、全体が一つの一枚岩のようなものとして配布されていた。しかしコンテナ化のキモであるところのマイクロサービスアーキテクチャでは、アプリケーションを、マイクロサービスと呼ばれる個々の離散的なピース(小片)の集まりへとモジュール化し、それによってデプロイと管理を大幅に容易にする。そんな形の環境では、デベロッパーはプログラミングに集中し、アプリケーションのデプロイをオペレーションのチームが担当できる。これがいわゆる、DevOpsと呼ばれているやり方だ〔※1※2〕。今日発表された新しいサービスにより顧客は、マイクロサービスへの全面的な移行をしなくても、コンテナのメリットを享受できる。

そのためにDockerのチームは、Avenade, Cisco, Microsoft, HPEなどのパートナーの協力を仰ぎ、彼らのレガシーアプリケーションの一部をコンテナ環境へ移行させた。しかもこれらのベンダが抱える多くの企業顧客は、そうした方が良さそうなアプリケーションをたくさん動かしているから、Dockerの市場開拓という面からも都合がよろしい。

同社は、一定の基準を満たしているレガシーアプリケーションなら、そのコンテナ化の成功を期間限定一定料金で保証できる、と感じた。この一見大胆な約束は、このサービスのベータ期間に得た所見に基づいている。レガシーアプリケーションの中には、簡単にコンテナ化できるものもあれば、あまり良い候補とは言えないものもあった。そしてそのような体験から、保証は可能、と確信した。

“われわれとして言えるのは、エンタープライズのアプリケーションスイートは何千ものアプリケーションで構成されていて、その中には必ず、その基準を満たすものもある、ということだ。確実に、そう言えるね”、とJohnstonは語る。

彼によると、今の企業の中には、IT予算の80%近くをレガシーアプリケーションのサポートに費やしているところもある。Dockerなら、大げさなことをしなくても、それらを現代的なアーキテクチャへ移行して、サポート費用を軽減できる。しかも保証対象のアプリケーションなら、その工程は超簡単だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Workplace by Facebookが大幅にパワーアップ―、他社サービスとの連携やボットの導入も

本日(現地時間4/18)行われたF8カンファレンスで、FacebookはWorkplace by Facebookのさまざまなアップデートに関する発表を行った。数々の新たなパートナーシップやボットの導入などが含まれていた発表内容からは、大企業のニーズを満たすために成長を続けるWorkplaceの様子がうかがえた。

Workplaceは、Facebookのサービスをビジネスの世界に応用するという試みとして、昨年の秋にローンチされた。しかし、消費者とは違う法人顧客のニーズを満たすためには、他社製のソフトともシームレスに連携できなければならない。Workplaceの主要なライバルのひとつであるSlackのチームは、当初からその重要性を理解しており、他のソフトとの連携を意識しつつSlackの開発を行った。

ファイル共有ツールとの連携やボットの導入、コンプライアンス・ガバナンスツールの統合など、本日発表されたアップデートの内容を見ると、FacebookがWorkplaceをSlackと同じレベルの統合システムに進化させようとしているのがわかる。Workplace担当VPのJulien Codorniouは、他社製のツールとの連携はWorkplaceの開発の初期段階から検討されていたと言う。

「コミュニケーション手段、そしてさまざまなツールを見つけるためのディスカバリ・プラットフォームとしてのWorkplaceという構想は当初からありました」と彼は語った。「私たちはWorkplaceを全てを繋げるアプリにしようとしているのです」

ファイルサービスとの連携

まず、FacebookはBox、Microsoft、Quip(Salesforce)の3社とのサービス連携を発表した。これにより、今後WorkplaceのユーザーがFacebookグループでファイルを共有すると、リンクの代わりにファイルのサムネイルが表示され、それをクリックすると直接ファイルの保存先に飛び、ファイルの編集・コメント付けができるようになる。

出典: Facebook

Quipの共同ファウンダーでCEOを務めるBret Taylorは、異なるサービス間の連携は企業にとってますます重要になってきていると話す。ちなみに、Quipはプロダクティビティ・ソフトウェアを開発している企業で、昨年夏にSalesforceに7億5000万ドルで買収された。

「クラウドソフトに関する問題のひとつは、社内で使うソフトの数が急増するということです。これが、データの置き場や各ファイルへのアクセス方法が分からなくなるといった(問題を)助長しています。(各サービス)がシームレスに連携できるようになれば、ユーザーはさまざまソフトを行ったり来たりせずに仕事を進められるようになります」とTaylorは説明する。

これはWorkplaceに限ったことではない。Salesforce/Quipも、Workplaceの競合にあたるソフトに似たような連携機能を組み込んでいるが、顧客がWorkplaceを使っているのを見て、歩み寄るしかないと判断したとTaylorは言う。「結局のところ、自分たちのソフトが顧客の使っているツールと連携できなければ、顧客がいなくなるだけです」

ボットの導入

さらにFacebookは、Workplace上のMessengerとグループチャットにボットを導入することを決めた。これでWorkplace上でも、ユーザーはSlackと同じように強力なボットの力を借りられるようになる。例えば、機材が故障したときに@repairbotを呼び出せば、ボットがその機材を修理する人を探し出してくれる。ボットはユーザーのリクエスト内容を理解できるほか、手が空いている機材の担当者を特定し、その人の名前をユーザーに送り返すことまでできるのだ。

メッセージの解読・送信、アクションの実行という機能の組み合わせは大変強力で、単調なタスクであれば、ボットの方が人間よりも速く片付けられるかもしれない。これらのボットは、1対1のMessengerだけでなく、グループチャットにも対応している。

出典: Facebook

「なぜここまでカスタムボットの導入に私たちが興奮しているかというと、Facebookには日々のタスクの手助けをするためのボットが100種類以上も存在するからです」とCodorniouは話す。

Facebookはボットの導入にあたり、Converse、PullString、The Bot Platform、kore.ai、Avaamoを含む、多数のボットプラットフォームとタッグを組んでいる。

エンタープライズ級のコンプライアンスツール

Facebookのような企業がエンタープライズ向け市場に参入する際の大きな問題のひとつが、既存のコンプライアンス・ガバナンスシステムとのリンクだ。これができなければ、大企業のIT・セキュリティ担当者の信頼を勝ち取るのは極めて難しい。というのも彼らは、消費者向けサービスとして有名なFacebookのツールは信じられないと思い込んでいるかもしれないのだ。

Facebookはこのことに気づいていたようだが、自分たちで専用のツールを開発する代わりに、既にこの分野で名が知られている企業とパートナーシップを結ぶことに決めた。これは賢い選択だと言える。

そもそもWorkplaceのようなシステムのことを信用していない可能性のある大企業のIT担当者も、Facebookが開発したものよりは、よく知られた企業のツールを使う方が安心するだろう(将来的にFacebookが自前のツールを開発するかどうかは別として)。

コンプライアンス周りのパートナー企業には、CSDiscoやNetskope、Smarsh、Skyhighなどが含まれている。

昨年10月にローンチされたばかりのWorkspaceだが、Facebookによれば、既に1万4000社が同システムを利用しており、作成されたグループの数は40万を超えるという。ちなみに、Slackが発表したDAUの数は500万人だった。

今回の発表内容は全て、Workplaceをビジネス環境に馴染みやすくすると共に、同システムに競合のSlackと張り合えるような機能を盛り込むためのものだった。しかしこれは同時に、法人顧客のニーズを満たすためには、ツールを一式揃え、他サービスとの連携や他社とのパートナーシップにも力を入れなければならないということを、Facebookが認めたことの表れでもある。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

SisenseのPulseは機械学習を用いてデータ異常に警告を発する

Sisenseは米国時間12日より、特定の指標値に関して正常なパラメータを逸脱する結果を検出した際に、警告を発するPulseという新しいツールの提供を開始した。このツールには機械学習が活用されている。

利用者はPulseに対して、営業活動や成約率などの、メトリクスやKPIをモニタリングし警告を出すように設定を行う。機械学習コンポーネントは、選択されたメトリクスを監視し、何が正常な状態かを時間をかけて学習する。そして異常を検出した際に、ユーザーに対して警告を送る。更には、メトリクスが時間とともにどのように変化して来たかを判断することができるため、新しい正常パターンに対して警告トリガーを出し続けることもない。

このアプローチは、ビジネスインテリジェンス(BI)を簡単にするというSisenseのミッションの一部であると、同社のCEOであるAmir OradがTechCrunchに語った。昨年彼の会社は、Amazon Echo Skillを導入し、ユーザーがSisenseのデータについてAlexaを介して質問できるようにした。Pulseはそうしたユーザーたちに、意識的な検索を行うことなくデータへのアクセスを行うことを可能にする。

「これはこれまで私たちがやってきたこと、すなわち利用者の手に洞察を届ける『どこでもSisense』というコンセプトの、直接的な延長線上にあるものです。Pulseはその方向への一歩なのです。私たちは、興味深いものに警告を割り当てる機能から始めました」と彼は説明した。

Sisenseのようなツールを使用するときには、まずそのツールを起動してデータを検索するのがこれまでのやり方だ。このプロセスの一環として、特に興味深かったりあなたにとって重要な何かを見つけることがあるだろう。そのときあなたはPulseに設定を行い、メトリクスが異常を示したときにシステムに警告を送らせるようにすることができる。Oradは、これは人びとがBIツールを使用してきた典型的な方法とは、逆転したやりかただと語る。

写真提供:Sisense

「従来のやり方では利用者がコンピューターに向かい、質問を発して、報告を得ていました。しかし、もしその情報をシステムがプッシュしてくれるなら、より興味深いものになるのです」と彼は言った。特にツールが機械学習を使って、特定のメトリクスに関連する過去の数字を見張ってくれるのならば、確かにより簡単になるだろう。

「時間をかけて曲線をプロットし、曲線の典型的な形を理解します。その曲線から逸脱し、大きな差異が見られる場合には、警告を受け取ります」と彼は言う。

Oradによれば、Pulseはただ警告を発するだけではないと言う。アクションのための、あるいはワークフローを開始するためのトリガーを出すこともできるのだ。Sisenseは、IFTTTに似通ったワークフローツールであるZapierと提携している。ワークフローツールを用いてユーザーは、特定の条件にアクションや、アクション群に対してトリガーを出すことができる。Sisenseの場合には、新規顧客や在庫補充(その他任意の業務プロセス)のためのワークフローを開始することができる。

現在Sisenseは、何かが大きく変化した際に、ツールに明示的な指示を出さなくても利用者に対して警告を出すことができる機能に注力している。「私たちは自分たちのミッションをシンプルなものと捉えています。すなわち、ビジネスユーザーがいつでもどこでも価値を得ることができるように、複雑なデータを単純化するということです。それを行うための唯一の方法は、ユーザーたちの手に価値ある情報を届けることなのです」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: SCIENCE PHOTO LIBRARY/GETTY IMAGES

UbuntuのCanonicalがスマートフォンから撤退、デスクトップはUnityからGNOMEに戻る

人気の高いLinuxディストリビューションUbuntuを作っているCanonicalは、スマートフォンやタブレットでモバイルの世界に進出したい、という願いを持っていた。今やUbuntuで動くスマートフォンを買うのは(少なくともアメリカでは)容易ではないが、しかしここ数年、さまざまな機種が出たり消えたりを繰り返した。そしてCanonicalのファウンダーMark Shuttleworthの今日(米国時間4/5)の発表によれば、同社はスマートフォン事業への投資を終了する。

さらに、Ubuntuに関しては、18.04のリリースからGNOMEデスクトップに戻り、独自に開発していたUnity8デスクトップ環境を捨てる。

そしてCanonical自身は今後、クラウドとIoTに注力する。ただし、“数百万もの人びとが依存しているUbuntuデスクトップへの情熱と投資と責任感は今後も継続することを強調しておきたい”、とShuttleworthは書いている。“弊社は世界でもっとも使いやすいオープンソースデスクトップの生産を継続し、既存のLTS〔長期サポートバージョン〕のメンテナンスも怠らず、多くの商業的パートナーと協力してそのデスクトップを配布し、それに依存している企業顧客をサポートし、そしてそれらの上でイノベーションを志向する何百万ものIoTとクラウドのデベロッパーたちを喜ばせたい”。

今やパブリックとプライベートのクラウドの大半がLinuxの上で動いており、またその多くがUbuntuを使っている(もちろんRed Hatなどとの競合もある)。最近行われるクラウド関連のカンファレンスに、何らかの形でのCanonicalのプレゼンスがない、ということは一度もなかったと思う。同社はLinuxのディストリビューションがいちばん有名だが、UbuntuやOpenStackやコンテナを(多くの場合Kubernetesを伴って)自社のデータセンターで使う大企業顧客向けにサポートすることからも、収益を得ている。同社は数字を発表していないが、売上の大きな部分が、このようなエンタープライズ・サポートであり、しかもそれは急速に成長し利益も大きい分野だろう。

IoTの世界では、Ubuntu Coreと同社のSnapsコンセプト(サンドボックス化したアプリケーションをどのLinuxディストリビューションでもインストールし動かせる)が、徐々にユーザーを増やしている。たとえば先日のMWCでは、Shuttleworthが私を連れて、Canonicalのブースと、Snapsを使っているサードパーティ全社のブースを訪問した。このようなSnapsの人気には、Shuttleworth自身がかなり興奮していたようだ。

“究極の選択は、企業の成長に寄与している分野に投資することだ”、とShuttleworthは書いている。“それらは、デスクトップとサーバーとVMを提供するUbuntuそれ自身、弊社のクラウドインフラストラクチャ製品(OpenStackとKubernetes)、クラウドオペレーションの能力(MAAS, LXD, Juju, BootStack)、そしてSnapsとUbuntu CoreによるIoT路線だ”。

Unity8については、公平に言っても、多くのUbuntuユーザーがその消滅を悲しいとは思わないだろう。それを好きなユーザーも一部にはいるけど、なんといってもGnomeはLinuxのデスクトップ環境として長年、もっとも人気が高い(しかもこのところ、どんどん進化している)。分派行動で実装が多様化〜分裂していることもないから、デベロッパーにとっても使いやすいはずだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Cloud Native Computing Foundationが抱えるプロジェクトと会員を大幅増、最新コンテナ技術の教育/人材育成にも注力

人気続伸中のコンテナオーケストレーションサービスKubernetesや関連のオープンソースプロジェクトを管理提供するCloud Native Computing Foundation(CNCF)が、例年のデベロッパーカンファレンスを今日(米国時間3/29)から開催し、それを機に、DockerとCreOSのプロジェクト(containerdとrkt)を仲間に加えたことを発表した。

Dockerのcontainerdは同社のコンテナランタイムで、Dockerのコンテナ管理およびオーケストレーションサービスの中核的部分だが、Dockerとしては標準的なコンテナライフサイクル管理の機能を、コンテナの実行を担当するDocker Engineから切り離したかったため、ランタイムを別立てにした。しかし多くの企業ユーザーは、Dockerを使うことを通じて同時にcontainerdも使っている。DockerのPatrick Chanezonは今日からベルリンで始まったカンファレンスのキーノートで、同社がcontainerdをCNCFに寄贈することに決めたのは、その正しい世話役として中立的な機関を探していたからだ、と語った。

一方CoreOSのrkt(‘ロケット’と発音する)は、Linuxのクラスターのための同社のコンテナエンジンだ。containerdと違ってデーモンではなく単一の実行プログラムであり、Kubernetesなど、ほかのコンテナプロジェクトとの統合がねらいだ。CoreOSは最初、rktをDocker Engineの競合製品としてローンチし、同社独自のコンテナ形式を前提していた。でも今では、スタンダードに準拠したコンテナエンジンになっている。

CNCFのディレクターDan Kohnは、こう言う: “Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションにとっては、rktのような信頼性の高い、コミュニティベースのコンテナランタイムの方が便利だ。うちのような単一の機関の下にrktのようなコンテナランタイムと、コンテナクラスターの管理システムKubernetesの両方があると、業界に堅実なエンドユーザーソリューションを提供できる。それは巨大な便益だ”。

CNCFの新しい会員も発表された。Linux Foundationが管理しているすべてのプロジェクトと同様に、CNCFの場合も会費が資金源だ。まず、Dellが大型のプラチナ会員になり、年間37万ドルを提供する。そのほか、Cisco, CoreOS, Docker, Google, Huawei, IBM, Intel, Red Hatなどもプラチナ会員だ。SUSEは年会費12万ドルのゴールド会員、HarmonyCloud, QAware, Solinea, TenxCloudはシルバー会員だ(会費は社員数により7000から50000ドル)。

Dell EMCのテクノロジー担当VP Josh Bernsteinが、今日の入会ご挨拶でこう述べた: “今日の環境では、オープンソースがアジリティの鍵だ。環境が、ソフトウェアが求める迅速な変化と進化を支えなければならないからだ。CNCFに参加することにより弊社は、変化の促進にさらに深くコミットでき、エンタープライズITの戦略の核として、ソフトウェアをオープンでアクセス性と利用性の良いものにしていける”。

なお、CNCFは今後、Kubernetes Certified Administrator Exam(Kubernetes認定管理者試験)のカリキュラムを、オープンソースのライセンスで無料提供する。このところオープンソースの世界は、いろんな認定事業がトレンドになっている。OpenStackやCloud Foundryのようなオープンソースプロジェクトも、CNCFと同様の人材枯渇を解消するために、認定事業を検討している(Cloud Foundryの認定事業については別記事あり)。それらは、企業の既存社員の教育〜レベルアップだけが目的ではなく、明確なカリキュラムに基づいた事業により、新しい人材のプールを作ることもねらいだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MuleSoftは上場初日に46%アップで終わる、エンタープライズ系テク企業への市場の信頼厚し

今年最初のエンタープライズ系テクノロジー企業のIPOは、レースの始まりを告げた。

MuleSoftは企業顧客、たとえばNetflixやSpotifyなどが、いろんなサービスやアプリケーションのAPIを統合的に使って自らのビジネスニーズを満たすタスクを助けている。その同社は今日、17ドルのIPO価格に対して24ドル75セント、46%のプレミアムで引けた。その17ドル自体も、予想レンジの14-16ドルより上だった。

同社はIPOで2億2100万ドルを調達できたが、17ドルではなく20ドルだったらもっと調達できただろう。銀行家たちは通常、初日のご祝儀として20-30%の短期上昇を期待する。同社の価格が低すぎたら、彼らはお金を“テーブルの上に残した”(持ち帰らなかった)ことになる。

Snapの場合も同様で、やはり17ドルのレンジを超え、初日には大きく上がった。しかし2週間後の現在は、すでに20ドル以下になっている。

主に機関投資家と、引き受け銀行と仲の良い高資産の個人たちが17ドルでアクセスするのがIPOのスタンダードだが、今日(米国時間3/17)のMuleSoftは24ドル25セントで明けたから、24ドル75セントの仕舞いは、ふつうの投資家にとってかなり小さな儲けだ。

MuleSoftは金曜日(米国時間3/17)に、“MULE”というチッカーでニューヨーク証券取引所に上場した。NYSE(ニューヨーク証券取引所)にとってそれは、Snapの上場に続く再度の勝利だ。

MuleSoftは昨年の売上が1億8770万ドルで、2015年に対し1億1030万ドルの増、前年比では5760万ドルの増だ。純損失は4960万ドルで、前年の6540万ドルから減った。

【中略】

同社の最大の株主(17.1%)であるLightspeed Venture PartnersのパートナーRavi Mhatreによると、彼は初期からMuleSoftが良い投資対象だと認識していた。なぜなら同社は、ファウンダーたちが“明確なビジョンを”持っていたからだ。LightspeedはSnapとNutanixの最近のIPOでも投資したが、Mhatreが言う、勝者を見分けるコツとは、それが“スケーラブルで粘り強い”企業であることだ。

Battery VenturesのDharmesh ThakkerはMuleSoftへの投資の機会を逸したが、一般的にエンタープライズ系企業のIPOに対して楽観的だ。消費者向け企業のIPOと違ってエンタープライズ系のIPOは、“爆発的な上がり下がりがなくて安定成長が期待できる”からだ、と彼は言う。エンタープライズ系企業は、そのビジネスモデルに関しても、将来の予期不能の激変がないことが期待できる。だから、上場企業として適格なのだ。

【後略】

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MuleSoftのIPO価格は予想を上回って17ドル、エンタープライズ系スタートアップの上場ブームとなるか

エンタープライズソフトウェアのMuleSoftが明日(米国時間3/17)上場するが、そのIPO価格は17ドルとなり、提案されていた14-16ドルよりもやや高い。

明日の上場先はニューヨーク証券取引所で、チッカーシンボルは“MULE”になる。2006年に創業したMuleSoftは、いろんなところのAPIを駆使して複数のアプリケーションを統合化したい、という企業のビジネスニーズに奉仕する。

同社の獲得資金は約2億2100万ドルになり、MuleSoftは上場の一環として1300万株の普通株を発行する。これにより同社の総評価額は21億4000万ドルとなり、この前プライベートに資金調達をしたときの15億ドルを大きく上回る。

このところ、うまくいっているIPOが多いから、明日のMuleSoftも上々だろう。

Snapchatの親会社Snap Inc.は先週上場して39億ドルを発行、価格は予想を上回る同じく17ドルだった。SNAPは初日の売買で44%アップし、最近株価は下がっているものの、商い額はIPO価格より上だ。今朝はラグジャリーグッズのメーカーCanada Gooseが上場して2億2500万ドルを獲得、終値はIPO価格12ドルを25%上回った(その12ドルも予想域より高い)。

MuleSoftのIPOは、大手エンタープライズソフトウェア企業の上場としては今年初めてである。それが成功すれば、そのほかのエンタープライズソフトウェア企業も後に続くだろう。先週は消費者テクノロジー企業Snap Inc.のまあまあの成功を見ているだけに、なおさら気が逸(はや)るところだ。

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マイクロソフト、Slack対抗の “Teams” をOffice 365ユーザーに開放

Microsoftは、昨年限定プレビュー版を公開したSlackのライバルとなるコラボレーション&コミュニケーション・プラットフォームのTeamsを、Office 365の月間アクティブユーザー8500万人に向けて公開した。Office 365はMicrosoftのクラウドサービス群で、ウェブアプリおよびWindows、iOS、Androidのネイティブアプリとして提供されている。

今回の公開に合わせてMicrosoftはAsana、Zendesk、Hootsuiteを始めとするサードパーティーサービス150種との統合、およびチャット(人間あるいはロボット相手)、セキュリティサービス、カスタマイズオプションなどの新機能を発表した。

(TeamsがOffice 365エコシステム以外にも拡大されるのかどうかについて言及はない。「それについては検討したが、現時点ではわれわれの巨大ユーザー基盤に集中している」とMicrosoft TeamsのUX責任者、Mira Laneは言った)

公開範囲の拡大は、これまでのテストでそれなりの成功を収めてきた結果だ。Microsoftによると、Teamsプレビュー版には約5万社が登録してサービスを試用した。

プレビューのユーザーのうち、使い続けている会社がどれだけいるかについて、Microsoftは「多くの会社が」としか言っていない(同社は、Accenture、Alaska Airlines、Conoco Phillips、Deloitte、Expedia、J.B. Hunt、J.Walter Thompson、Hendrick Motorsports、Trek Bicycle、Three UKの名前を挙げた)

華々しく成長を続けるSlackをはじめ、FacebookのWorkplace、AtlassianのHipchatなどのライバルがひしめくこの分野で、Teamsの出遅れを指摘する向きもある。

Microsoftにとって有利なのはスムーズな導入だ。対象のユーザーはすでにExcel、Word、PowerPoint、OneNote、SharePoint、Power BI などのMicrosoftアプリを使っているので親しみやすく利便性も高い。しかも無料で試すことができる。

昨年11月にMicrosoftがこのサービスを披露した時にも指摘したが、Teamsは初めから非常に多くの機能をユーザーに提供している。WordかExcelを使ったことのある人なら、これを非常にMicrosoftらしいアプローチだと感じるだろう。

基本的インターフェースは、既存のコラボレーションツールから想像できる通りで、左カラムにディスカッショングループが並び、右に会話が表示されている。

Microsoftはこの中に実に様々なオプションを追加している。ダイレクトチャット、音声およびビデオ通話、スプレッドシートその他の文書の呼び出し、アナリティクスの実行などに加え、”evergreen”(常時表示)コンテンツのための場所も用意されている。

さらに、Microsoftはチャットボットのフレームワークを作っており、当初これはTeamsを使いやすくするためのものだと言っていたが、いずれはSlackやMessengerなどのチャットサービスと同じく、サードパーティーの様々なサービスを統合していくことになるだろう。

「オープンで透明であることが前提の近代的ワーキングスタイルへの移行は、ワンサイズでは足りない、という当社の基本的哲学の一環だ」とLaneはインタビューで語った。「ビジネスや協業のやり方は組織ごとに違う。例えば、CEOが全社に向かって話すときはYammer、もっと密なコラボレーションではMicrosoft Teamsという風に複数のツールを使う会社もある。流動的であるのは悪くないことだと考えている」

Microsoftはあまりに多くのオプションを提供しすぎているという懸念があると同時に、ユーザーを乗り換えさせるためにこれで十分なのかという疑問もある。

これはMicrosoft Teamsを他社製品と比較した場合の問題に限らない。Microsoft自身を見ても、Yammer、Skype などコミュニケーションとコラボレーションのためのツールはいくつもある。

すでにリードしているサービスもあるが(現在Slackのデイリーアクティブ・ユーザーは500万人、有料アカウントは150万件)世界にはまだ何百万という企業があることを考えれば、戦う場所も勝つチャンスもいくらでも残っている。「今はみんながあらゆるサービスを試していて、企業で使えるグレードのものを探しているところだ」とLaneは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

検索結果に位置データを入れるYextが赤字持続のままIPOを申請

検索結果に位置データをつけているYextが、IPOを申請したことを公表した。上場の予定は、4月と早い。

調達目標は1億ドルとされているが、それは今後変わるかもしれない。今後の方針変化等については、その都度お伝えしよう。

Best Buy, McDonald, Marriottなどが同社の顧客だが、Yextのおかげでこれらの企業の検索結果やソーシャルメディア、地図などには位置情報が入る。同社は当初、その企業のWebサイトへ行かなくても近くのお店の場所が分かることを、目標としていた。

昨年の、10月で終わる9か月の売上は8860万ドル、損失が2860万ドルだった。売上は前年同期の6400万ドルよりアップ、しかし損失も1820万ドルからアップした。

同社はIPO申請書のリスク要素のところで、“弊社はこれまで一貫して損失を計上しており、今後も利益を上げないこともありえる”、と言っている。サードパーティのリセラーへの依存にも言及しており、それが売上の大きな部分を占める、と言っている。

協同ファウンダーはその多くがSalesforce出身者で、Yextの一部の社員はカリスマ的リーダーHoward Lermanを尊敬し、SalesforceのトップMarc Benioffに似ている、と言っている。

2006にローンチしたYextは、数年前から上場の噂があった。これまでは、5億ドルの評価額で1億1700万ドルあまりを調達している。

Yextの23.6%を握るSutter Hill Venturesが、IPOの幹事会社となり、またInstitutional Venture Partners, Marker Financial Advisors, Insight Venture Partnersらの持ち分も大きい

この申請によりYextは、スタートアップから株式市場への旅路を歩んだニューヨークの数少ない企業の仲間入りをする。EtsyやOnDeckも、最近の仲間だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))