ドメインを限定してより有能な音声対応AIを作ろうとするWluperがシードで$1.3Mを調達

音声アシスタントなどのシステムにその知識を与える、会話型AIを作っているロンドンのWluperが、130万ドルのシード資金を獲得した。ラウンドをリードしたのは“ディープ・テック”専門のVC IQ Capitalで、これにSeedcamp, Aster, Magic Ponyの協同ファウンダーZehan Wang博士らが参加した。

2016年に創業し、最初はJaguar Land RoverのInMotion Venturesが支援していたWluperの“会話型AI(conversational AI)”は、初めはナビゲーション製品を対象にしていた。同社のAI技術は自称“目標指向の対話(goal-driven dialogue)”と呼ばれ、目標を絞ることにより、従来よりも自然な会話でナビゲーションのさまざまなタスクを支援する。

それを可能にする‘秘密のソース’は、ナビのような音声アシスタントを支えるAIは特定の、狭い、専門的分野のエキスパートになった方が良い仕事ができる、というWluper独自の信念だ。

Wluperの協同ファウンダーHami Bahraynianはこう述べる: “AlexaやSiriのようなインテリジェントなアシスタントも、本当に良いなと感じるのは、それらがユーザーの意図を正しく理解しているときだけだ。しかし実際には、理解していない場合がほとんどだ。それは、音声認識そのものの欠陥ではない。それは、フォーカス(対象、主題、テーマの特定化)を欠いていることと、その種のシステムの共通的な欠陥である論理的判断能力(‘推理’)の欠如だ。彼らはみな、いろんなことをそこそこできるけれども、どれ一つ完全ではない”。

AIが“一般的な”会話能力を持つのは15年か20年以上先と思われるが、そこへ向かうための中途的な目標は、Bahraynianによると、目的を絞った“インテリジェント・エージェント”を作ることだ。

“われわれがやっているのは、まさにそれだ”、と彼は言う。“われわれは、ドメインエキスパート(特定分野の専門家)の会話型インテリジェンスを作っている。それは、一つのことしかできないし、理解しない。でも、たとえば、輸送に関することなら何もかも完璧に知っている”。

この分野特定により、WluperのAIは、ユーザーが言ってることに関する明確な…見当はずれでない…想定ができる。そのため、複雑な質問でも自然に理解する。ひとつのクエリに複数の意図が含まれている場合や、前の質問のフォローアップ質問も理解するので、“本当の”会話ができる、とBahraynianは言う。

さらにまたWluperは、NLPパイプラインの“理解能力”の次に来るべきものとして、マシンの“知識取得能力”に関してR&Dを継続している。会話型AIというパズルが完成するための重要な必須のピースがその能力だ、と同社は考えている。

“自然言語で尋ねられたユーザーのクエリを正しく理解したとしても、適切で有益な情報を正しい場所から取り出して提供することは、それよりもさらに難しい。現在多く使われているルールベースのアプローチでは、応用性がゼロなのでまったくスケールしない”、とBahraynianは付言する。

“この問題を解決するためにわれわれは、従来の手作り的な方法に別れを告げて、マシンの知識取得を最適化するための新しい方法を探している。もっと意味のある結果を返せるためには、定型データと非定型データとの正しいバランスを見つける必要がある”。

そしてWluperのシード資金は、エンジニアとリサーチサイエンティストの増員による、同社の研究開発能力の拡張に充てられる。

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優れたジャーナリズムを育てる育成事業Google News Initiativeがアジア太平洋地域でも活動を開始

Googleはアジア太平洋地域のメディアを支援するために、同社のGoogle News Initiativeを同地域で展開する計画だ。

GNIと呼ばれるこの事業は、“デジタル時代の優れたジャーナリズムを育成”するために、同社が将来性を認めたメディア企業や団体に助成金を交付する。2015年に始まったヨーロッパでは1億7000万ドル、そしてアメリカでは今年前半に3億ドルが投じられた。フェイクニュース防止のためにYouTubeも助成対象となり、GNIはそのために2500万ドルを確保した。

アジア太平洋地域に関してGoogleはその規模を明言しないが、新しくて革新的なビジネスモデルと収益源を開発しているパブリッシャーに最大で30万ドルを助成する、と言っている。

Googleで報道と出版関連のパートナーシップを担当しているKate Beddoeは、ブログ記事でこう述べている: “有料会員制や賛助制度、新しいデジタル製品やサービスなどで読者からの収益を増やそうとするプロジェクトの提案を募集している。Google内部とそのほかのテクノロジー業界の役員たちが申請を審査し、選ばれたプロジェクトには最大で30万ドルを出資、プロジェクトの総費用の最大70%を支援する”。

同社のスポークスパーソンによると、助成金は分割で交付される。交付が決定した応募者には助成金が何度かに分けて交付され、彼らの経験を広範なコミュニティと共有しなければならない。それは、オンラインやイベントにおける資料の作成配布の形でもよい。その情報交換のねらいは、アジア太平洋地域のメディアがお互いから学び合い、持続可能なアイデアや経験談をより広く共有することにある。

ファンドは今日(米国時間11/20)発表されたが、実際の交付は2019年からだ。

応募申込は、専用の窓口で、11月28日から1月9日までに行なう。Googleによると、12月11日に同社のシンガポールオフィスでタウンホールミーティングを行なうときに、詳細を発表する。それはここから、ライブでストリーミングされる。

アジア太平洋地域のメディアを助成金で支援しているのは、Googleだけではない。ブロックチェーンメディアのスタートアップCivilは最近、アジア対象の100万ドルのファンドを発表したが、同社はその後、予定のICOをキャンセルしたため、今後の動向が不明だ。

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クラウド通信のためのAPIを提供するAgoraがシリーズCで$70Mを調達、Twilioに負けない強みとは?

クラウド通信のためのAPIを作っているAgoraが、Coatue ManagemenがリードするシリーズCのラウンドで7000万ドルを調達し、新しい市場と業種分野の開拓をねらっている。これまでの投資家SIG, Morningside Capital, およびShunwei Capitalもこのラウンドに参加し、Agoraの総調達額は1億2500万ドルになった。

同社のAPIはMeet Group, Xiaomi, Hike Messenger, Momoなどに利用されていて、顧客はそのAPIを使って自分のアプリケーションに音声やビデオ、そしてグループによる通話機能を実装する。Agoraによると、そのSDKのインストール数は最近20億を超え、同社の世界中に分散する200のデータセンターを経由する毎月平均100億分(ふん)のコミュニケーションを支えている。

同社はその成長目標の達成を目指して、比較的速いペースで資金を調達している。この前の資金調達の発表は5か月前で、そのときは同社のシリーズBの3000万ドルの拡張が行われて、ラウンドの合計が5000万ドルになった。

Agoraは2014年にCEOのTony Zhaoが創業した。彼はオンラインコミュニケーションプラットホームWebExの創設技術者だったが、同社は2007年にCiscoに買収された。また彼は、中国のビデオライブストリーミングプラットホームYYのCTOでもあった。Agoraは本社がカリフォルニア州サンタクララにあり、上海にもオフィスがある。同社は、TwilioやTokboxなど既存のコンペティターがいる市場への、比較的新しい参入企業だ。

Agoraのメインのプロダクトは、デベロッパーが自分のアプリケーションに音声、ビデオ、そしてグループによる通話機能や対話的なブロードキャスティング機能を持たせるためのSDKだが、最近ではゲームデベロッパーとFacebookのReact Nativeフレームワーク向けのSDKも提供している。

画像クレジット: Agora

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MicrosoftはOffice 365をクラウド上の仮想デスクトップから提供、そのためにFSLogixを買収

9月にMicrosoftは、ユーザーがOffice365とその下のWindows 10オペレーティングシステムをクラウドで動かす仮想デスクトップを発表した。そのとき、それを支えるいくつかのパートナーも発表されたが、その一つ、ジョージア州アトランタの仮想デスクトップ企業FSLogixだ。今日(米国時間11/19)Microsoftは、FSLogixの買収を発表したが、買収価額は共有しなかった。

Microsoft Office 365の企業担当VP Brad Andersonと、Microsoft Azureの企業担当VP Julia Whiteが、今日のブログ記事でこう述べている: “FSLogixは次世代のアプリケーションプロビジョニングプラットホームであり、仮想化のサポートに必要なリソースと時間と労力を節約できる”。

9月に仮想デスクトップを発表したときMicrosoftが挙げたパートナーは、Citrix, CloudJumper, Lakeside Software, Liquidware, People Tech Group, ThinPrint, そしてFSLogixだった。どうやら同社は、その一つは同社自身による保有が必要と考えて、FSLogixを買収したのだ。

Microsoftは、FSLogixのソリューションを自社のサービスにすることによって、より良い仮想デスクトップ体験を顧客に提供でき、とくに Office 365 ProPlusの顧客には高いパフォーマンスと速いロード・タイムが可能になる、と考えている。

FSLogixのファウンダーでCTOのRandy Cookは、Microsoftとはすでに長年、良好に協働してきたから、この買収は有意義だ、と言う。Cookは、買収を発表するブログ記事でこう述べている: “Microsoftのいくつかのチームと協働を開始したが、最初の時点から、両者のミッションが完全にかみ合ってことを認識した。FSLogixとMicrosoftは共に、仮想デスクトップをデプロイすることによって企業に絶対的に最良の体験を提供することに、献身している”。

今では多くの企業が社員たちに、完全なスタンドアロンのPCではなく、ダムターミナルを与え、社員たちが必要とするツールだけを動かしている。Citrixは、そういうサービスを企業に提供している。社員たちは朝仕事を始めるときに、自分の認証情報でサインインし、仕事のために必要なツールを動かす仮想デスクトップを得る。そのMicrosoftバージョンでは、社員たちが得るのは、Azureの上で動くOffice 365とWindows 10だ。

FSLogixは2013年に創業され、Crunchbaseによればこれまで1000万ドルを調達している。Microsoftによると、今日の買収はすでに完了しており、先週のXoxcoの買収の発表に次ぐ発表だ。Xoxcoは、AIを利用する会話型ボットを作っていたオースチンのデベロッパーショップだ。

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コードの各所に関するデベロッパー同士の議論をコメントのように残せるCodeStream、最初はVS Codeをサポート

コードにコメントを入れることは、昔から誰もがやっているが、でも、コードの特定部分に関する同僚などとの会話スレッドを残せるとしたらどうだろう。Y Combinator出身のCodeStreamを使うと、まさにそれができる。

コンテンツに関する議論は、そのコンテンツの直後にある方がよい。Google Docsのアノテーション(注釈)やPowerPointのコメント、Wordのリビジョン(変更履歴)などは、だからとても便利だ。何もかもSlackの上で議論するのは、やめた方がいい。

しかしそれでも、二人のデベロッパーのコラボレーションは、Slackの上のプライベートな会話で始まることが多い。CodeStreamはgit commitやコード中に書くコメントに代わるものではなく、コードの上に便利な会話の層を加える。

誰かと関わりたくなったら、まずテキストをセレクトして議論を開始する。そして、当のコーディングブロックを最初のポストとするスレッドが作られていく。CodeStreamを今使ってるSlackにリンクしたら、Slackのチャネルの中でスレッドが始まる。誰かを@-mentionしたり、数行のコードをコピペしたりもできる。

mentionされたデベロッパーは、そのスレッドをクリックすると、CodeStreamはそのファイルをその行があるところで開く。二人のデベロッパーが同じブランチ上にいなくても、どちらもコードの同じ行を見る。どっちかに新しいコードがあっても。

数か月後にコードベースが進化していても、会話スレッドは残っている。いつでも、過去の会話を見て、なぜそこがそうなったのか、理解できる。

今は、CodeStreamはVS Code(Visual Studio Code)をサポートしている。CodeStreamをインストールしたら、IDEを縦2画面に分割して、左にコード、右にCodeStreamの会話スレッド、という状態にするとよい。

今後は、もっと多くのIDEをサポートしていく予定だ。Visual StudioやJetBrainsエディター、そしてAtomなども。今CodeStreamはベータなので無料だ。

同社は最近、S28 Capitalが率いるラウンドで320万ドルを調達した。それにはPJCが参加した。そのほかに、Y Combinator, Steve Sordello, Mark Stein, David Carlickなども投資に加わった。

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企業のデータ保護とコンプライアンス充足をAIと機械学習で自動化するCognigoが$8.5Mを調達

AIと機械学習を利用して企業のデータ保護とGDPRなどの規制へのコンプライアンスを助けるCognigoが今日(米国時間11/13)、シリーズAのラウンドで850万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはイスラエルのクラウドファンディングプラットホームOurCrowdで、これにプライバシー保護企業のProsegurState of Mind Venturesが参加した。

同社は、重要なデータ資産を護り、個人を同定できる情報が自社のネットワークの外に漏れることを防ごうとしている企業を支援できる、と約束している。そして同社によると、そのやり方は、専用システムのセットアップやそれらの長年の管理を必要とするような手作業の管理ではない。たとえばCognitoによれば、同社は企業のGDPRコンプライアンスの達成を、数か月ではなく数日で完了する。

そのために同社は、事前に訓練したデータ分類用の言語モデルを使用する。そのモデルは、給与明細や特許、NDA、契約書など、よくあるカテゴリーを検出するよう訓練されている。企業は独自のデータサンプルでモデルをさらに訓練し、その独自のニーズのためにモデルをカスタマイズできる。同社のスポークスパーソンは曰く、“唯一必要な人間による介入は構成だが、それは一日で済む作業だ。それ以外では、システムは完全に人手要らずだ”。

同社によると、新たな資金はR&Dとマーケティングと営業のチーム拡大に充てられ、目標は市場プレゼンスの拡張と製品知名度の向上だ。“弊社のビジョンは、顧客が自分のデータを利用して確実にスマートな意思決定ができ、同時にそのデータが継続的に保護されコンプライアンスを維持することだ”、と同社は言っている。

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スマホで数学を教えてくれるPhotomathはダウンロード数1億, $6Mを調達

Photomathが、Goodwater Capitalが仕切りLearn Capitalが参加したラウンドで600万ドルを調達した。Photomathは大成功したモバイルアプリで、iOSとAndroid合わせてこれまで1億回ダウンロードされた。

Photomathは2014年に本誌TechCrunch主催のTechCrunch Disrupt Londonでデビューしたが、そのときは(手書きなどの)テキスト認識技術が売りだった。Photomathは、その技術をデモする宣伝用アプリにすぎなかった。

でもそのアプリは、何かの間違いのように消費者向けアプリとして成功した。たちまちそれは、自分のスマートフォンで数学を勉強できたら、と願っている多くの学生たちによって、何百万もダウンロードされた。

5年目の今でも、App StoreとPlay Storeの両方で、トップ集団にいる。大成功の理由は、コンセプトがシンプルなことだ。

アプリをダウンロードしたら、手書きでも印刷物でも何でもよいから、数学の問題を彼に見せる。するとアプリは、一歩々々説明しながら、その問題を解く。

Photomathが便利なのは、二つのものを組み合わせているからだ。WolframAlphaは方程式を解く。Evernoteは手書き文字を認識する。しかしこの二つを組み合わせることは、これまで誰も考えなかった。

キーボードから方程式を入力するのはものすごく難しいから、手書きや印刷物という物理的世界とスマートフォンの間にあるギャップを橋渡しすることはすごくありがたい。まだ誰もが拡張現実という言葉を口にしていないころから、Photomathはすでに、スマートフォンのSoCチップの力を利用していたのだ。

Photomathはグラフも作れるし、極限、積分、複素数などの高度な問題もサポートしている。このアプリは1か月に12億の数学の問題を解いている。

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精密農業スタートアップのTaranis、農業監視テクノロジーで2000万ドル調達

Taranisは、空中監視とディープラーニングを使って農作物の問題を見つけ出す農業技術(AgTech)のスタートアップだ。本日(米国時間11/6)同社は2000万ドルのシリーズBラウンドをViola Venturesのリードで完了した。既存投資家のNutrien(世界最大級の農薬メーカー)、Wilbur-Ellisのベンチャーキャピタル部門Cavallo Ventures、およびSumitomo Corporation Europeも参加した。

テルアビブ拠点のTaranisは、現在同社の空撮テクノロジーは、高速ドローンまたは有人飛行機に搭載されてアルゼンチン、ブラジル、ウクライナ、よび米国で使用されていると語った。このラウンドで調達した資金を使ってオーストラリアをはじめとする他の国々にも進出する計画だ。

この会社は2015年、Ofir Schlam、Asaf Horvitz、Eli Bukchin、Ayal Karmiの4人によって食料生産を増加するために設立された。Taranisのソフトウェアがターゲットにしているのは、トウモロコシ、綿花、大麦、大豆、サトウキビ、ジャガイモなどの大規模生産作物だ。害虫被害、栄養不足、病害などの問題原因を突き止め、農業従事者に(例えば)虫が作物を食べているところの詳細を写した高解像度の拡大画像を提供する。

Viola VenturesのパートナーZvika Orronはプレスリリースで、「デジタル農業産業を分析した結果、Taranisをこの分野で最初の投資先に選んだことを誇りに思っている。Taranisは農業デジタル化のリーダーになるために必要な要素をすべて兼ね備えている。広範囲な精密農業ソリューション、市場のスケールに対応し、市場進出するために必要な第一線業界パートナー、およびそれを実現させる情熱的なチームが揃っている」

従来の農作物監視は労働集約型であり、センサーを使って土壌品質や施肥量、害虫などの問題を追跡する場合であっても、必ずしも正確ではなかった。コンピュータービジョンとAI技術を使ってこのプロセス(「精密農業」と呼ばれる成長分野)を効率化しようとしている他のVC支援スタートアップには、これもテルアビブ拠点のProsperaArableCeres Imagingらがいる。

農業の巨人らも精密農業スタートアップを買いに動き始めている。たとえば、過去12ヶ月間に、DeereがBlue Riverの買収に合意し、ブラジルのスタートアップStriderがSyngentaに買われた

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ソフトバンクの孫正義氏はサウジアラビアとの関係をどう説明するのか? まもなく判明

10月を通じて、SoftBankはサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(MBS)との良好な関係を見直す必要に迫られている。皇太子は権力の座につくとともに多額の資金を提供していたが、ジャーナリストのジャマル・カショギ氏の陰惨な殺人と死体遺棄が明るみに出るにつれ急速に負の側面が見えてきた(MBSはサウジアラビアを導いて数多くの恐怖をもたらしてきたが、バージニア州在住のWashington PostコラムニストでMBSを批判してきたカショギ氏の残酷な終末は、イエメンで数万人の子供たちが殺された事件と異なり、欧米の注目を集めることとなった)

もちろんSoftBankにとってMBSとの決別は容易な決断ではない。CEOの孫正義氏は、 今年5月に完了した1000億ドルのVision FundはMBSに支えられていると語った。事実、孫氏によるとMBSはサウジの公共投資ファンド450億ドルの提供を45分間で決定し、さらに第2のVision Fund設立のために別途450億ドルをSoftBankに出資する意志を最近表明している。

これは断るにはかなり大きな金額だ。しかし、SoftBankにとってMBSと仕事をすることの是非を再考することは理にかなった行動といえる。Financial Timesによると、SoftBank COOのMarcelo Claureは先月、SoftBankが新たなVision Fundを立ち上げるかどうか「決定していない」ことを公表した。

そして時間が過ぎた。世間の怒りの矛先は別の方に向けられつつある。そして先週の終わり、SoftBankの準備は整ったようで、一時停止ボタンから指を離し大きな契約が2件交わされた。ロボット調理のスタートアップZumeに3.75億ドルを投資し(後日さらに3.75億ドルを投資する計画が報じられた)、金曜日(米国時間11/2)にはインターネットにつながる窓ガラスに使われるガラスのメーカーであるView11億ドル投資することを発表した。

両社の経営陣とも、SoftBankと提携する方が別の資金調達源を探すより得るものが大きいと考えたようだ。

問題は、SoftBank自身が、会社の将来を計画する上で同じ決断を下すのかどうかだ。それがもうすぐ明らかになりそうだ。Financial Timesが報じているように、孫氏はSoftBankの第2四半期決算を明日報告する予定であり、そこではMBSが支配する主権国家資産ファンドであるPublic Investment FundとSoftbankのつながりに関する長い質問リストを提示されることは間違いない。

少なくとも役に立つ答えがいくつか出てくるだろう。これまで孫氏はカショギ事件について何も語ってこなかった。また、孫氏は2週間前にサウジアラビアのリヤドで行われたMBSの投資カンファレンスに姿を見せなかったものの、イベント前に皇太子と個人的に会っていた。本誌の情報源によると、その会合はカショギ事件に対する彼の懸念を個人的に伝えるためだったということだが、つながりを断ち切る話しは出なかったという印象を受けた。

その予想が正しいかどうかはすぐに分かるだろう。いずれにせよ、SoftBankとMBSとの関係がすぐに忘れられることはなさそうだ。Financial Timesの記事にある通り、SoftBank株はカショギ氏が10月初めにトルコのサウジ領事館に足を踏み入れて出てこなかった運命の日から26%下落している。

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IBM-Red Hatの340億ドルはソフトウェア買収史上最高額

従来それは半導体会社や通信、医薬品の巨人に使われる金額だった。本日(米国時間10/28)IBMは、エンタープライズ向けオープンソフトウェア会社のRed Hatを340億ドルで買収すると発表した。これはMicrosoftがLinkdInを買収した262億ドルを上回る最大のソフトウェア買収だ。ただし、IT分野最大の買収ではない。その称号は DellによるEMCストレージ事業670億ドルの買収に与えられている。

IBMがRed Hatを買収してハイブリッドクラウド企業を目指していることについての詳細は、 TechCrunch編集者のIngrid Lundenが書いているので参照されたい

ではこのIBM-Red Hat案件(成立した場合)はこれまでの巨大買収と比べてどう位置づけられるだろうか?

IT買収トップ5

  1. 670億ドル——パソコンメーカーDellがEMCのデータストレージ事業を買収
  2. 370億ドル——半導体会社Avago Technologiesが半導体巨人Broadcomを買収および社名変更
  3. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  4. 314億ドル——日本の複合企業SoftBankが半導体企業ARM Holdingsを買収
  5. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークのLinkedInを2016年に買収

ソフトウェア買収トップ5

  1. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  2. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークLinkedInを2016年に買収
  3. 220億ドル——ソーシャルネットワークFacebookがメッセージングアプリWhatsAppを2014年に買収
  4. 135億ドル——セキュリティーソフトウェアメーカSymantecがストレージ管理ソフトウェアメーカーVeritasを2004年に買収(180億ドルをインフレ調整)
  5. 110億ドル——データベース会社Oracleが人事ソフトウェア会社PeopleSoftを2004年に買収(147億ドルをインフレ調整)

企業買収ベスト5

  1. 2020億ドル——英国通信会社Vodafoneがドイツ通信会社Mannesmannを2000年に買収(2960億ドルをインフレ調整)
  2. 1650億ドル——インターネットプロバイダーAOLがメディア複合企業Time Warnerを2000年に買収(2410億ドルをインフレ調整)
  3. 1118億ドル——医薬品巨人Pfizerが医薬品会社Warner Lambertを1999年に買収(1640億ドルをインフレ調整)
  4. 1300億ドル——通信会社Verizon CommunicationsがVodafoneおよびBell AtlanticのVerizon Wirelessを2013年に買収
  5. 1300億ドル——Dow Chemicalが化学会社DuPontを2015年に買収

このRed Hat買収はソフトウェアのスケーラビリティーが極端な富の集中化を可能にすることの証だ。従来の業界巨人たちが、石油、化学、完成商品の供給、流通を受け持つ物理リソース・プロバイダーらと富を分け合っていたのに対して、ソフトウェアは生産と流通にほとんど材料費がかからない。ソフトウェア巨人への価値の集中は、世界を変えるビジネスを作る大きな動機づけになると同時に、労働階級から資産を奪う危険を伴っている。Red Hatの成果を祝福するのは簡単だが、必然的に社会は、ソフトウェアが富を少数へと集中させることで加速される貧困とポピュリズム取り組まなくてはならない。

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Gmail上で共有メールアドレスを管理できるChromeエクステンションHiver

Hiverは、jobs@yourcompany.comやsupport@、sales@といった一般的なメールアドレスで担当チームがコラボレーションするためのサービスだ。インボックス〔“受信トレイ”〕の共有といえばFrontがあるが、HiverではあらゆることがGmailの中で直接起きる。

たしかに、マルチプレーヤーのメーラーという点でFrontは優れているし、業績も良い。Frontはそれ自身がメールクライアントであり、その上でインバウンドのメールを共有できる。

しかし、新しいメールクライアントを使いたくないチームもある。Gmailのインタフェイスに慣れてしまって、ほかのに変えたくない人もいる。

HiverはChromeのエクステンションで、ユーザーのGmailのインボックスにたくさんの機能を加える。個人的インボックスだけでなく、チームのほかの人たちと共有するインボックスにもアクセスできる。メールを同僚の誰か一人に宛てたり、みんなが今何をしているかを見れたりする。

面倒なメールへの返事でヘルプが必要なときは、右カラムに注記を書き、@—の記法でチームメートに通知できる。コメントはすべてこのカラムに入るから、メールのスレッドが転送やCCでごたごたしない。

誰かが返事を書き始めるとHiveが衝突アラートを表示するから、顧客が返事を二通受け取るおそれがない。返事を早く書き送りたいときは、テンプレートを利用できる。メールを後で送る指定もできるし、ドラフト(下書き)を共有してみんなに見てもらえる。

最近Hiverは、単純なif/thenルールによる自動化を加え、会話を正しい人(宛先)に宛てたり、メールの分類を自動化したりできる。

Frontでもこういうことはすべてできるが、“Front for Gmail”を求める企業も少なくない。

Hiverは最近、Kalaari CapitalKae Capitalから400万ドルを調達した。インドの企業である同社は、社員がすでに50名いる。およそ1000社がHiverを使っていて、その中にはHubspot, Vacasa, Pinterest, Lyftなども含まれる。Hiverの顧客の多くは、アメリカの企業だ。

HiverはGmailがベースだから、使い続けるためにはG Suiteのユーザーであり続けなければならない。また、Hiverはモバイルよりデスクトップが向いている。モバイルアプリもすでにあるけど、機能はあまり多くない。

Hiverの機能は、SaaSとして提供される。料金は一人あたり月額14ドルからだ。自動化や、Salesforceの統合などは、さらに別料金になる。

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企業のクラウド化を助けるServiceNowが自然言語検索のFriendlyDataを買収、データ駆動の裾野を広げる

企業のクラウドサービスの導入や管理を助けるServiceNowが今日(米国時間10/10)、FriendlyDataの買収を発表した。これにより同社のNowプラットホーム上のアプリケーションが、自然言語による検索をできるようになる。2016年に創業されたFriendlyDataの自然言語クエリ(natural language query, NLQ)技術により、企業顧客は、専門用語を知らないユーザーでも技術的な質問ができる検索ツールを、作れるようになる。

FriendlyDataのNLQ技術は、ユーザーが何を言おうとしているのかを推察し、答をテキストや、分かりやすい視覚化データで提供する。ServiceNowによると、同社はFriendlyDataの技術をNow Platformに統合して、そのサービスメニューの充実を図る。同プラットホーム上には今、企業のITや人事、セキュリティ、カスタマーサービスの管理、などのアプリケーションがある。FriendlyDataの技術は、デベロッパー用のプロダクトや、ServiceNowのパートナーからも利用できるようにする。

ServiceNowのdevops担当SVP Pat Caseyが、声明で述べている: “ServiceNowはNow PlatformにNLQを導入して、企業が技術的質問を日常的な英語でできて、答をすぐにもらえるようにする。これによって誰もがデータに基づく意思決定をできるようになり、生産性の向上と企業のより速い成長に資することができる”。

ServiceNowはこれまでも、さまざまなAIツールで企業顧客におけるサポート業務の円滑化を図ってきた。FriendlyDataの買収も、その一環だ。たとえば同社は5月に、チャットボット構築ツールVirtual Agentを立ち上げたが、これによって同社の企業顧客は、SlackやMicrosoft Teamsのようなツールを内製でき、機械器具の購買リクエストなど、ルーチンのインクワイアリを自動的に処理できるようになる。同じ時期に同社は、チャットボットにNLP(自然言語処理)を導入しているParloを買収した

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ルノー・日産・三菱連合がGoogleとパートナーして車載システムをAndroidベースに

Googleが、車の売上ベースでは世界最大の自動車メーカー連合であるRenault-Nissan-Mitsubishiとパートナーして、Androidベースのインフォテインメントシステムを数百万台の自動車に搭載していく。彼らはWall Street Journalにそう語った。その次世代型インフォテインメントシステムとダッシュボードディスプレイはAndroidを使用し、2021年にローンチする。

運転者は車のダッシュボードから、Googleの地図やアプリストア、音声アシスタントなどにアクセスできる。このパートナーシップは、自分のオペレーティングシステムをより多くの自動車に載せたいと願っているGoogleの野望の実現に向かう、大きな一歩だ。この連合は今年の前半に計550万台の車を売り、VolkswagenやToyota Motorを上回った。

連合の役員たちはWSJに、多くの顧客がすでにGoogle Mapsなどのアプリを使い慣れているので、運転時には連合が自分たちで独自開発したソフトウェアよりも、Googleのアプリが好まれる、と語っている。

またGoogleが2007年にソフトウェアをオープンソースにしたことも、役員たちは評価している。連合のコネクテッドビークル担当VP Kal MosはWSJ紙に、“ここ数年で信頼が築かれた”、と言っている。

GoogleとパートナーすることによってRenault-Nissan-Mitsubishiは、ソフトウェアを自分たちのエコシステムで独自開発するよりテクノロジー企業とパートナーする、という戦略において、ライバルの自動車メーカーよりも先んじることになる。しかしこれによって多くの顧客を勝ち取ることにつながるかもしれない反面、貴重なユーザーデータのコントロールをGoogleやAppleなどの企業の手に渡すことにもなる。彼らはWSJの取材に対して、Googleは車載アプリから集めたデータにアクセスできることになるが、しかしその前にユーザーの許可を求める必要がある、と述べている。

そのほかの自動車メーカーも、たとえばVolkswagenはAudiの車載ナビにGoogle Earthを入れているし、Volvoは、次の車載インフォテインメントシステムをAndroidベースで構築する。

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SalesforceのCEO Marc Benioffがアメリカの顔と言われたTime誌を個人資格で買収

またテクノロジー業界の億万長者による大手ニュース出版社の買収だ。1月にTime Inc.を買収したMeredith Corporationが今日(米国時間9/17)、その社名と同名の雑誌をSalesforce.comの協同ファウンダーMarc Benioffと彼の妻Lynne Benioffにキャッシュ1億9000万ドルで売ることに合意した、と発表した

Meredithは3月に、Time, Sports Illustrated, Fortune, およびMoneyの計4誌を売ることを計画している、と述べた。それは、向こう2年間で40億ないし50億ドルを確保する目標の一環で、それにより同社ポートフォリオに残っているそのほかの出版事業の収益力を上げたい、とされた。今日の発表で同社は、Timeを売って得られる収入は債務返済に充てられ、2019会計年度には債務を10億ドル減らしたい、と言った。

MeredithによるTime Inc.の買収は、その財務的支援者がKoch Equity Developmentだったため論争を招いた。このプライベートエクイティファンドの経営者CharlesおよびDavid Kochは、保守的な運動や理念の支援者として知られている。

一方、進歩的な政治の支援者であるBenioff夫妻は、Timeの買収を個人として行なう。Benioffが会長兼協同CEOであるSalesforce.comやそのほかの企業は、この取引と無関係である。Marc BenioffはWall Street Journalに、彼と彼の妻はTimeの日常的操業や編集の意思決定に関与しない、と述べ、次のように付言した: “われわれは世界に対するインパクトがとても大きい企業に投資しようとしている。それは、ビジネスとしてもきわめて強力だ。家族としての投資対象を決めるときは、いつもそんな企業が対象だ”。

テクノロジー業界の億万長者が大手出版社を買収した例としては、AmazonのCEO Jeff Bezosによる5年前のWashington Post紙の個人的買収や、慈善団体Emerson CollectiveのLaurene Powell Jobsによる昨年のThe Atlantic誌の筆頭株主権の取得、Alibaba GroupのJack Maによる2016年のSouth China Morning Post紙の買収などが挙げられる。なお最後の例は、Ma個人ではなく企業が行った買収だ。

過去にはアメリカを代表するニュース誌と呼ばれたTime誌も、他の印刷媒体と並んで、デジタル化の功もなく、部数と売上の低迷に悩まされた

Wall Street Journalのインタビューで同誌の編集長Edward Felsenthalはこう述べている: “最近の数年間は、週刊誌という過去のイメージを払拭して変身するために、多大な努力を重ねてきた。現在、ビジネスとしての利益性は堅調である”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uberの自動運転車開発、トロント拠点増強に1億5000万ドル投資

Uberの自動運転車がアリゾナ州テンペで歩行者をはねて死亡させた事故から何カ月もたち、この大手配車サービスはトロントに新たなエンジニアリングハブを設けると発表した。自動運転車の開発に再度注力するため、自動運転研究チームを増強する。

Dara Khosrowshahiは、昨年UberのCEOに就任してから初めてカナダのテックハブを訪れ、今後5年間でトロントに1億5000万ドル投資すると明らかにした。300人を新たに雇用し、トロントの従業員数を計500人にする計画だ。新しいエンジニアリングハブは来年初めのオープンを見込む。

この件について、我々はUberにコメントを求めている。

「我々は、カナダのイノベーションへの姿勢が積極的で、トロントのテックエコシステムが活発であると認識している」と Khosrowshahiは地元紙Toronto Starへのコメントでこう述べている。「この素晴らしい多様性に富んだ地域から生まれるイノベーションをサポートしたい」。

Uberは5月に高度技術グループのトロントオフィスを開所した。このオフィスのトップは地元のAI研究者Raquel Urtasunだ。Urtasunはトロント大学の教授で、機械学習とコンピュータービジョンにおけるCanada Research Chair(編集部注:カナダ政府直属の専門教授職)も務める。

死亡事故を受けてUberは当初、路上での自動運転車プログラムを全停止し、カリフォルニア州での自動運転車に関する許可も更新しなかった。その後、Uberは自動運転車の路上試験を再開したが、マニュアルモードで行なっている。

トロントでは自動運転車試験を昨年から実施していて、UberはトロントでのAV研究強化に引き続き“かなり注力する”と述べている。

イメージクレジット: Jeff Swensen / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

セラノスがついに解散へ(WSJ報道)

Theranosがついに永遠に消滅する。Wall Street Journalの調査が同社の血液検査テクノロジーに疑問を呈してから3年近くたっての出来事だ。WSJによると、同社の劇的な墜落は ベストセラー書籍となり、Theranosファウンダー・CEO Elizabeth Holmesにジェニファー・ロペスが扮する映画も作られたが、会社から株主あてにメールが送られ、このたび正式に解散し、残った現金を近く無担保債権者に返還する旨が書かれていた。

Holmesは6月にTheranos前社長のRamesh “Sunny” Balwaniと共に有線通信不正行為の謀議2件、および実際の有線通信不正行為9件で告発されたあとCEOを辞任した。

HolmesどBalwani共に不正行為の罪で証券取引委員会(SEC)に訴追された(刑事責任はSECによる民事告訴とは別に扱われる)。SECは訴状で、両者は「長年にわたり巧妙な詐欺をはたらき、会社の技術、事業、および財務状況について誇張しあるいは虚偽の申述を行った」結果、同社は投資家から7億ドル以上の資金を調達することが可能となったと述べた。

HomesとSECは示談に至り、Holmesは50万ドルの罰金を支払い、今後10年間上場会社の幹部または役員になることを禁止された。さらにHolmesは詐欺行為で得た株式1890万株を返却し、Theranosの議決権を放棄させられる。

TechCrunchはTherenos広報アドレス宛にメールを送り、コメントを求めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マーケティングコミュニケーションのMynewsdeskがキーワードモニタリングのMentionを買収

企業のマーケティングコミュニケーションのワークフローを支えるサービスMynewsdeskが、フランスのキーワードモニタリングツールMentionを買収した。買収の価額などは公表されていない。Mynewsdeskの現在のオーナーは、ノルウェーのビジネスメディアグループNHSTだ。

Mentionを使って、Web上のあちらこちらに出没するキーワードをモニタできる。あなたの会社のブランドについて消費者たちがブログやTwitterやFacebookやそのほかの公開的な場所で何を言っているか、それを知ることができる。

Mentionでレポートを作ったり、競合他社がどう言われているかを知ったり、あなたの会社の製品を使っているインフルエンサーを見つけることもできる。PRやマーケティングの部門あるいは専門企業にとって、便利なツールだ。

Mynewsdeskは、PR代理店のための何でもありのツールになりたい。同社は、企業や製品のメディアカバレッジを調べるだけでなく、メディアのコンタクト(連絡先)をまとめて、広告等の散布リストを対象別目的別に分類できる。また、プレスリリースを書いてそれらのコンタクトに配布したり、キャンペーンの効果を測定することもできる。

だから、MentionはMynewsdeskと相性が良いはずだ。Mentionはこれまで、スタンドアローンのプロダクトだったが、その長年の経験や専門的技能は、Mynewsdeskを大いに助けるだろう。

Mentionは現在75万のユーザーがいて、有料顧客は4000社。年商600万ドルは、前年比35%の増加だ。投資家は、eFounders, Alven, それにPoint Nine Capitalなど。Mentionの協同ファウンダーでCEOのMatthieu Vaxelaireは、MynewsdeskのCOOになる。

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Elon Musk: 金曜夜の土壇場でTeslaの非上場化を断念、株主は神様です

金曜日(米国時間7/24)の夜、CEOのElon Muskが、Teslaは上場企業であり続ける、と言った。彼がTwitterで、その電気自動車メーカーを一株420ドルで非上場にする、と発表してからまだ3週間も経っていない。

Muskの今度の発表は、Teslaのブログで行われた。それによると、株主たちと話し合い、会社を非上場にするための手順を調べた結果彼は、Teslaが上場企業であり続ける方が良い、と思うようになった。Muskは木曜日にTeslaの取締役会に彼の決定を伝え、了解を得た、という。

以下は、そのブログ記事の抜粋だ:

私がもらったフィードバックによると明らかに、Teslaの既存の株主たちの多くが、上場企業であり続ける方が良いと信じている。さらに、多くの機関株主たちの説明では、その内部的コンプライアンスの問題として、非上場企業への投資額には制限があるという。また、多くの一般投資家にとっては、非上場になった株を保有し続けるにあたっての、正しいやり方が分からない。私が話をした株主たちの過半数が、非上場になってもTeslaの株主として残る、と言ったが、要するにその本意は、“どうかそれをしないでくれ”だった。

非上場にする過程が困難であることは知っていたが、しかし明らかにそれは、最初に想定したよりも時間がかかり、本業への専念を困難にするだろう。今はModel 3に集中して利益を上げうる製品に育てなければならない時期だけに、それは問題である。そしてそのための持続可能な資金が得られなければ、持続可能なエネルギー〔ソーラー事業〕を前進させるミッションを達成できないだろう。

とは言うものの、Teslaには非上場にしてもよいほどの、あまりあるほどの資金がある、という私の信念は、今回の経緯でより強化された。

金曜日の夜のこの発表は、Muskのツイートに始まった17日間の騒動に終止符を打った。彼はそのツイートで、Teslaは資金が十分にあるので非上場化を検討している、と言った。そのツイートは、Teslaの取締役会や多くの株主に歓迎されなかったばかりでなく、アメリカの証券取引委員会の調査を誘発した

〔金曜日(アメリカ)深夜Muskの最新ツイート:
“In talking to our public investors, most were supportive of optimizing for long-term value creation over quarterly earnings. This was also a factor in remaining public.”…投資家たちが四半期の業績よりも長期的な実績を重視すると言ったので上場を継続することにした。〕

この17日間の経過は終わっても、Muskの行動(たとえばドラッグ問題)と同社の将来に関する疑問は依然として残っている。

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日本のフィンテックPaidyにVisaが戦略的投資…仮想化クレジットカードに魅力?

日本のフィンテックスタートアップPaidyは、5500万ドルのシリーズC日本語記事)から1か月あまりの今日(米国時間8/24)、決済の巨人Visaからの戦略的投資を手にした

Paidyはその額を明らかにしていないが、同社はこれまで8000万ドルあまりを調達している。そして同社によると、このクレジットカードの巨人と共に、日本で“新しいデジタル決済体験”を開発したい、という。

Paidyは、日本のオンラインショッピングをもっと容易にしようとしている。日本はeコマースの市場としては世界で4番目に大きく、クレジットカードも普及しているが、代引きを利用する消費者がとても多い。

同社の試算では、eコマースの年間売上16.5兆円(1480億ドル)の約40%が現金で決済されている。クレジットカードは面倒だが、キャッシュは簡単だ。たしかに、カードを取り出してその番号をキー入力するのは苦痛だが、日本ではさらにそれ以外のセキュリティチェックもあるから、なおさら面倒くさい。

Paidyを利用すると、eコマースのチェックアウトにおいては顧客の電話番号やメールアドレスがアカウントのIDになり、決済時にはPaidyの確認コードを入力するだけだ。またPaidyにはさまざまな返金オプションがあるので、結果的にクレジットカードと同じ機能を利用できる。

同社によるとすでにアクティブアカウントは150万あり。2020年には1100万をねらっている。その目標に達するためにふかすべきエンジンは、大きな小売企業のネットショップに採用してもらうことだ。それはこれまでもうまく行っており、このたびVisaが関与したことにより、同社との共同プロダクトへと発展すれば、利用者は一挙に増えるだろう。

Visaのアジア太平洋地区を仕切るChris Clarkによれば、Paidyをプラスチックのカードを補う仮想クレジットカードとして位置づけることにより、Visaにとってのメリットも大きい。今回は、まさにそのための戦略的投資だ。

Clarkは声明文でこう述べている: “Paidyの成長と、同社が購入時に提供する便利なショッピング体験に前から着目していた。日本には、全額払いでも分割払いでも、消費者にさまざまな決済オプションを提供できる大きな機会がまだまだあり、とくに複数のチャネルにまたがってショッピングする場合は、一人の消費者が多様なオプションを持つことの意義が大きい”。

Paidyの現在の投資家は、Itochu Corporation(伊藤忠), Goldman Sachs, Eight Roads(Fidelityの投資部門), SBIのFinTech Business Innovation LPS, Arbor Ventures, SIG Asiaなどだ。

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TouchPalキーボードで大ブレークした中国のCootekがニューヨーク証券取引所で$100MのIPO

TouchPalキーボードアプリで有名な中国のモバイルインターネット企業Cootekが、アメリカで上場する。先週SECに提出されたF-1フォームによると、調達目標額は1億ドルだ。

上海で2008年にTouchPalをローンチした同社は2012年3月にCootekという名前で法人化し、SECへの提出書類によると現在の一日のアクティブユーザーは1億3200万、6月現在でその前年同期比増加率は75%、としている。また広告収入は同じ6月までの6か月で453%増加している。

AIを利用しているTouchPalは指をすべらせるグライドタイピングと予想テキスト機能があり、Cootekの一番人気のアプリだが、ほかにも15のアプリがあり、それらはたとえばフィットネスアプリのHiFitとManFITや、バーチャルアシスタントのTaliaなどだ。同社は独自のAI技術とビッグデータ技術により、ユーザーとインターネットから集めた言語データを分析する。そしてそこから得られるインサイトを利用して、ライフスタイルやヘルスケア、エンターテインメントなどのアプリを開発している。15のアプリを合計すると、月間平均ユーザーは2220万、一日では730万となる(6月現在)。

TouchPalそのものの平均ユーザーは、2018年6月の全月で1億2540万だった。一人のアクティブユーザーが一日に72回、このアプリを立ち上げている。現在、110の言語をサポートしている。

Cootekの主な売上源はモバイルの広告だ。同社によると、売上は2016年の1100万ドルから2017年には3730万ドル、その対前年増加率は238.5%だった。利益は6月までの6か月で350万ドル、1年前には1620万ドルの損失だった。

Cootekはニューヨーク証券取引所でチッカーシンボルCTKで上場する計画だ。IPOで得られた資金はユーザーベースの拡大と、AIおよび自然言語処理への投資、広告のパフォーマンスの改善に充てられる。上場の引き受け証券企業はCredit Suisse, BofA Merrill Lync, そしてCitiだ。

画像クレジット: Cootek

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