LINEチャットでレストラン予約の「ビスポ!」にLINE、本田圭佑氏らが出資

LINEチャットで、さまざまなモノやコトを相談したり、予約したりできる時代。旅行恋愛相談など、TechCrunch Japanでもいくつかサービスを紹介してきているが、8月28日にリリースされた「ビスポ!」は飲食店予約をLINEチャットでできるサービスだ。

ここで「あれ、そういうの既になかったっけ?」と思った方は、なかなか鋭い。実は2015年にLINEがRettyとの提携で「LINE グルメ予約」というお店探しと予約ができるサービスを提供していたのだが、2017年3月にサービスを終了している。

また、飲食店探しをユーザー同士が人力で助け合うサービスとして2015年3月に始まった「ペコッター」も、現在はグルメコンシェルジュサービスとして予約代行をメインのサービスとして運営。iPhoneアプリのほかにLINEボット版を提供している。

こうした飲食×チャットの世界に新たに加わったビスポ!は、一見すると、ほかのチャットボットと同じように「LINEで友だちになって希望条件をチャットすると、店を提案してくれて、最終的には予約もできる」というサービスだ。

運営会社Bespo(ビスポ)代表取締役CEOの高岳史典氏は「ビスポ!は、飲食業の課題に飲食店サイドに立って解決するサービスだ」と、その特徴を説明する。

飲食店業界に入って知った課題

高岳氏は、新卒で日本興業銀行に入行、P&Gでマーケティングを担当した後、コンサルティング会社を経て、いわゆる「ライブドア事件」により一度は解体されようとしていたライブドアに参画し、再編やNHN Japan(現在のLINE)との統合に関わった。ライブドアに参加した経緯や現LINE CEOの出澤剛氏との出会いを本人が綴ったテキストを読んだ方もいるかもしれない。

その後、2013年に飲食業界で起業し、ラムチョップとワインの店「ULTRA CHOP」を経営。5年間で4店舗を展開するに至る。

実は高岳氏は2016年9月に、いわゆる「食べログスコアリセット事件」の発端となる下記ツイートを発信している。新聞や週刊誌などでも話題になったので、ご記憶の方もいるだろう。

ちなみにその後、食べログ運営のカカクコムは「有料集客サービスを利用しているかどうかが点数に影響することは一切ない」とアナウンス。店舗のサービス利用状況や検索結果での優先表示と、点数の更新との間には関連はない(偶然タイミングが重なっただけ)と説明している。

ともあれ、こうして自らが飲食店を経営し、業界向けサービスを見ていく中で課題を感じたという高岳氏。いま提供されているサービスには「飲食店サイドに立ったものは、なかなかない。飲食店を課金対象にしか見ていないサービスが多い」と述べる。そこで「課題を解消することで、日本の飲食店をもっと豊かにしたい」と考え、2018年1月に設立したのがBespoだ。

高岳氏が考える、飲食業界の課題は3つある。直前キャンセル、集客、人材確保だ。

直前キャンセルについては、Bespo設立前の2017年、飲食店経営をしながらマーケティングやITに関するアドバイザーをしていた高岳氏が、ダイナースクラブ、LINE、ポケットコンシェルジュの3者を連携させた「ごひいき予約」サービスをプロデュースしている。

ごひいき予約は、「何カ月も先まで予約が取れない」ような人気店でありがちな、「当日急にキャンセルせざるを得なくなった」席をダイナースクラブが買い取り、LINEの公式アカウント経由で会員に告知、即時転売するというもの。転売後の予約・決済をポケットコンシェルジュのシステムが担当する。

そして今回リリースされたビスポ!が取り組むのは、集客の課題だ。有名店でも人気店でもない、ほとんどの飲食店では、集客ができないことは、キャンセルよりさらに大きな問題となる。

「例えば評判のお寿司屋さんのNo.2が独立して、店を持ったとする。いい素材を確かな腕で出していれば、最初は前の店の常連さんが様子を見に来てくれたりするからよいけれども、ちょっと駅から遠い、といった場合、せっかくよいネタを仕入れていても、ずうっとお客さんを待っていなければならない、なんてことになりかねない。では『食べログ』や『ホットペッパー』に“課金”して検索順位の上位掲載を狙えばよいのか?というと、そういうことでもない」(高岳氏)

トレタとの連携で空席のみをリアルタイムにレコメンド

ではビスポ!は具体的にどうやって、集客の課題を解決しようとしているのか。

ユーザーにとっては、ビスポ!は検索をせずにLINEチャットで店を見つけて、予約までできるサービスだ。LINE公式アカウントの「ビスポ!(@bespo)」と友だちになって、利用を開始する。

メニューの「かんたん予約」では、チャットボットのガイドに合わせて希望日時、人数、予算、ジャンル、場所などを選べば、希望日時に席が空いている店が候補としてリアルタイムで表示されるので、好きな店を選んで予約ができる。

また「わがまま予約」では、かんたん予約の条件に加えて「アレルギー対応メニューを用意してほしい」「デザートプレートを誕生日用にデコレーションしてほしい」といったリクエストが可能だ。利用できるのは1人当たりの予算が5000円以上から。わがまま予約の場合は、条件に対応できる店があれば、早ければ30分程度で、遅くとも24時間以内に順次返信をくれるので、その中から好きな店を選んで予約することになる。

飲食店側も予約管理はアプリで行う。予約の状況の確認や、わがまま予約の場合に返信して予約を待つかどうかの判断、ユーザーへのお礼メッセージ送信が可能。また、ビスポ!を利用する店舗間で見られる、ユーザー評価とコメントも入力することができる。

肝となるのは「予約台帳と連携しているので、条件の中で、空席のある飲食店のみが自動的にレコメンドされる」という点だ。

「既存モデルの予約サービスでは、店は空席、つまり“在庫”を予約サービス側に預けている状態になる。お客さんにとっては“金曜夜7時”といった在庫が人気なわけだが、そうした在庫が予約サービス上で前日までにはけなかったとしたらどうするか? 実は店は予約サービスから在庫を引き取って『当日予約は電話で』といった形で予約を受けるようにしているんです」(高岳氏)

ビスポ!はトレタの予約台帳と連携することで、リアルタイムでの空席マッチングを可能にしている。「予約の取りっぱぐれがなくなるので、店としては安心できる」と高岳氏は話す。

わがまま予約の場合でも、空席がなければ店に通知は来ず、空きがあるときだけリクエストが通知される。返信するか、スキップするかは店が選べるようになっていて、返信した場合には、ユーザーが店を選択するまでは席が仮予約の状態になる。

「店は、例えば夕方の早い時間帯なら『お客さんを入れたいので、多少のわがままには応えよう』となるが、必ず満席になると分かっている曜日・時間帯で、安めの予算で面倒なリクエストが届いた場合には、スキップすることもできる。いわばリバースオークションのようなスタイル」(高岳氏)

飲食代金の支払いは原則として店舗で行うが、わがまま予約については「訪日外国人客も支払いやすいように」ということで、事前に設定した予算をLINE Payで支払うこともできるよう、年内には機能を実装する予定だという。

高岳氏は「かんたん予約とわがまま予約のどちらが好まれるかは分からないが、まずは両方実装してみて、いろいろと改善していこうと思っている」という。わがまま予約のフリーワードについては、自然言語解析などを使って、より適切なマッチングに結び付けることも検討しているそうだ。

ビスポ!の利用料は、ユーザー側は無料。飲食店側は、初期費用や月額費用は不要で、かんたん予約なら、予約が成立して来店した人数1人あたり300円、わがまま予約の場合は、予約が成立した時点での予算総額の6%を手数料として支払う(来店してからの追加注文には料金がかからない)。ただし、トレタを導入していない飲食店の場合は、予約・顧客台帳の利用料として月額1万2000円が必要となる。

「競合サービスでは、月額の掲載料が店にとっては負担になる。また掲載料に対してどれだけ集客できたのかがつかめず、費用対効果が分からない。ビスポ!は送客した分だけ費用が発生するので、費用対効果が明確だ」(高岳氏)

テクノロジーをふんだんに使って飲食業の課題を解決したい

Bespoではサービスのリリースと同時に、LINE子会社のLINE Venturesとプロサッカー選手・本田圭佑氏の個人ファンドKSK Angel Fund、および複数の個人投資家などから資金調達を実施したことも明らかにしている。調達金額は非公開だが、関係者の話や登記情報などから総額1億円前後とみられる。

チャット画面はLINE、空席データ連携についてはトレタの全面協力により構築したというビスポ!。サービスリリースにあたって、同社にはLINE取締役CSMO/LINE Venture代表取締役の舛田淳氏がアドバイザーとして就任している。

ローンチ時点で、港区、中央区を中心とした約50店舗が参加するというビスポ!は今後、今年中に参加店舗数1000店舗、ユーザー数10万人を目指す。また、2020年には1万店舗、100万人の利用を、国内のみの展開で達成したいとしており、このほかにもインバウンドユーザーによる利用者増をもくろんでいるそうだ。

Bespo(ビスポ)代表取締役CEOの高岳史典氏

高岳氏はそもそも飲食業界で起業した理由をこう語っている。「人と向き合う仕事がしたかった。多くても1日に数十人ぐらいを相手にする仕事、例えばネイルサロンでも美容院でもよかったけれども、たまたまラムチョップと出会って、飲食店で起業することになった。それが今につながっている」

また、飲食業界へ入った当初と今との違いについて「5年前だったらトレタもなかったし、もっと前はLINEもなかった」と高岳氏は言い、「今、このタイミングだからこそ、テクノロジーでできる課題解決はいろいろある。そしてそれは飲食店をやって、1日10人と向き合っていたから見えたこと。そこから1000店舗へサービスを広げれば数万人、1万店舗なら数十万人のユーザーとつながる」と述べている。

「テクノロジーをふんだんに使って、しかしテクノロジーありきではなく課題ベースで解決していきたい」という高岳氏。「今あるコンシェルジュ的なサービスは人力に頼るところが大きく、それは時間も労力もコストがもかかる。完全にテクノロジーで解決する方向で、課題をクリアしていきたい」と話している。

飲食店の経営も、これからも続けていくそうだ。そして「そのときどきで、できる技術を使って課題解決していく」と高岳氏は言う。まだ手を付けていない課題の「人材確保」についても、「解決の糸口となる技術は見つけている」と高岳氏は述べ、「数年内の近いうちに、人材の課題も解決する新サービスを提供するつもりだ」と話していた。

AppleがFacebookのOnavoをアプリストアから削除、ユーザーデータの無断収集を処罰

Facebookの次の大きなプライバシー問題はなんだろう?と、座席から身を乗り出すようにして期待していた方、お待ちどおさまでした!。The Wall Street Journalによると、AppleはFacebookのOnavoアプリがApp Storeのポリシーに違反しているとして、近く削除することになった。

本誌TechCrunch宛ての声明で、Appleはその理由を説明している:

“私たちはAppleのエコシステム全体にわたって、ユーザーのプライバシーとデータのセキュリティの保護に力を入れている。私たちのガイドラインの最近のアップデートにより、分析や広告/マーケティングのために、アプリがユーザーのデバイスにインストールされているそのほかのアプリに関する情報を集めるべきではないし、またどのユーザーデータを何のために集めているかを明白にすべきである、と明確に決定した。”

しかし、Onavoがこんなに長く続いたことは、ある意味では不思議だ。

Facebookが2013年に買収したOnavoは、二つのことをする。まず、ふつうのユーザーには、OnavoはVPNのように振る舞い、“あなたとあなたのデータの安全を守り”、“有害なWebサイトをブロックしてあなたの個人情報の安全を確保する”。

しかしOnavoの本当の用途は、アプリの利用データを大量にその親会社に送り、人気勃興中のアプリや衰退気味のアプリを知らせて、モバイルのトレンドに関する貴重な鳥瞰図をFacebookに与えることだ。その情報はFacebookに、競争に勝つための戦略と(Snapchatがその好例)、今後の有利な買収候補に関するヒントを、他社に先駆けて与える。

ユーザーにとって便利なアプリと、密かな情報収集、このアプリの二重人格性を、Appleは問題視している。Onavoは、アプリの説明では“あなたの個人情報を守る”ことを強調し、合法的なVPNのふりをしている。

しかしOnavoのVPN機能を使うユーザーが、データをFacebookと共有することをためらったとしても、それはユーザーからの明示的なオプトインではなくて、デフォルトで勝手にonなのだ。このアプリの本当のねらいは、説明の中に奥深く埋(うず)もれている: “Onavoはあなたのモバイルデータのトラフィックを集めます。… その理由は、私たちはFacebookの一員なので、その情報をFacebookのプロダクトとサービスを改良するために使い、それらのプロダクトやサービスの人びとにとっての価値を知り、より良い体験を構築したいからです”。

今年の2月までで、OnavoアプリはiOSとAndroid合わせて3300万回ダウンロードされた。今AppleのApp Storeで検索すると、そのアプリは出てこないが、Googleのやや自由放任的なアプリストアではまだ生きている。だから今のところFacebookは、Androidの上では強力な目と耳を利用できるのだ。

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Gmailの送信メール取り消し機能がAndroidにもやってきた

デスクトップに登場してから4か月後の今日(米国時間8/21)、Gmailで仕事や人間関係や自尊心を損なわずにすむ機能、送信メールの自己破壊機能がAndroidにもやってきた。それを見つけたのはAndroid Policeだが、Androidバージョン8.2のアップデートの一環として実装されたようだ。

仕組みは、デスクトップ版と同じだ。メッセージを送ると、小さなプログレスバーが画面の下に出て、右側に“UNDO”という言葉がある。

それ以降、あなたが人生の選択を考え直せる時間は約7秒だ。それを過ぎると、あなたは映画のモンタージュシーンのような、日に日に恐ろしさを増すバタフライ効果に何週間も何か月も苦しめられ、最後には道ばたで泥酔して死ぬことになる。

すべては、あの、愚かなメールのせいだ。あなたは、そうならずにすむかな、はたして。

UNDOをクリックしてB案を選ぼう。そうすると、そのメールの本文は下書きとして残る。あなたの未来は明るく、そして広い。そんなに難しくなかったでしょう? メールを絶対送るな、とは言ってない。それは単なるアホだ。次からは、言葉をもっと慎重に選ぼう、ということだ。ぼくの霊も、今後、あなたのことをずっと見張ってるだろう。それを、気にした方がよい。

この機能は今すでに有効だが、Gmailアプリの中からGmailの本人アドレスで出したメールに限るようだ。

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ブロックチェーンを使用するIoTデバイスの開発が簡単にできる組み込みボードElkrem

スマートフォンをArduinoのボードに接続するツール1Sheeldを作った連中が、さらにおもしろいものを作った。彼らの新製品Elkremは、ブロックチェーンのIoTデバイスを作るためのスマートキットで、彼らはこのプロジェクトのためにEndure CapitalとConsensysから25万ドルを調達した。

ファウンダーのAmr SalehとIslam MustafaはTechCrunch Disrupt 2013で1Sheeldを発表し、その後120か国で数万台を売った。そして今度の彼らの製品は、完全にブロックチェーンがベースだ。

[Bitcoinを使用するキャンディーの自販機]

Salehは説明する: “Elkremは、ブロックチェーンハードウェアを開発するためのボードだ。ブロックチェーンのデベロッパーはハードウェア開発の詳しい知識がなくても、これを使って、ハードウェアのプロトタイプをDapps(分散型アプリケーション)に容易に統合できる。また電気工学のエンジニアやハードウェアのデベロッパーが、ブロックチェーンの詳しい知識がなくても、自分のハードウェアプロジェクトにブロックチェーンを接続できる。どちらもスマートコントラクトでアクチュエータをトリガでき、またセンサーのデータをスマートコントラクトへログできる”。

ボードはArduinoに似ていて、二つのプロセッサーとストレージとWi-Fiがある。プロセッサーのひとつはLinuxの彼ら独自の変種が走り、Ethereumや, IPFS, Swarm, Whisper, Bitcoin, Status.imなどへインタフェイスする。他方のプロセッサーは、もっぱらユーザーに対応する。

Salehは曰く、“うちの強みは、速い開発と速いプロトタイピング、そして速い市場投入だ。このボードがあれば、プライベートで分散型のIoTメッセージをピアツーピアの通信で送れる”。

つまり、このボードがあれば、ブロックチェーンを使うハードウェアの開発が簡単になる。Koynというライブラリを使って、Bitcoinによる決済をわずか1行のコードで処理でき、彼らはすでにサンプルプロジェクトとして、Bitcoin対応のキャンディーマシンや、Bitcoinで料金を払える電源コンセントなどを作っている。このボードは、年内にKickstarterにも登場する予定だ。

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TouchPalキーボードで大ブレークした中国のCootekがニューヨーク証券取引所で$100MのIPO

TouchPalキーボードアプリで有名な中国のモバイルインターネット企業Cootekが、アメリカで上場する。先週SECに提出されたF-1フォームによると、調達目標額は1億ドルだ。

上海で2008年にTouchPalをローンチした同社は2012年3月にCootekという名前で法人化し、SECへの提出書類によると現在の一日のアクティブユーザーは1億3200万、6月現在でその前年同期比増加率は75%、としている。また広告収入は同じ6月までの6か月で453%増加している。

AIを利用しているTouchPalは指をすべらせるグライドタイピングと予想テキスト機能があり、Cootekの一番人気のアプリだが、ほかにも15のアプリがあり、それらはたとえばフィットネスアプリのHiFitとManFITや、バーチャルアシスタントのTaliaなどだ。同社は独自のAI技術とビッグデータ技術により、ユーザーとインターネットから集めた言語データを分析する。そしてそこから得られるインサイトを利用して、ライフスタイルやヘルスケア、エンターテインメントなどのアプリを開発している。15のアプリを合計すると、月間平均ユーザーは2220万、一日では730万となる(6月現在)。

TouchPalそのものの平均ユーザーは、2018年6月の全月で1億2540万だった。一人のアクティブユーザーが一日に72回、このアプリを立ち上げている。現在、110の言語をサポートしている。

Cootekの主な売上源はモバイルの広告だ。同社によると、売上は2016年の1100万ドルから2017年には3730万ドル、その対前年増加率は238.5%だった。利益は6月までの6か月で350万ドル、1年前には1620万ドルの損失だった。

Cootekはニューヨーク証券取引所でチッカーシンボルCTKで上場する計画だ。IPOで得られた資金はユーザーベースの拡大と、AIおよび自然言語処理への投資、広告のパフォーマンスの改善に充てられる。上場の引き受け証券企業はCredit Suisse, BofA Merrill Lync, そしてCitiだ。

画像クレジット: Cootek

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Apple、中国のApp Storeからギャンブルアプリを削除

Appleは中国で違法コンテンツの取締りを行い、「宝くじ」サービスを始めとするギャンブル関連アプリ数万点を削除した。

The Wall Street Journalによると、同社が削除したアプリは2万5000点に上る——この数字を最初に報じたのは国営放送のCCTV [リンク先は中国語]。Appleは削除したアプリの数についてコメントしていないが、行動を起こしたことは認めている。

「ギャンブルアプリは違法であり中国のApp Storeでは許されていない。当社はすでに多数のアプリを削除し、違法ギャンブルアプリApp Storeで配布しようとするデベロッパーを排除した。われわれはこうしたアプリを見つけだしApp Store上に存在させないために最善の努力を尽くしている」と広報担当者がTechCrunchに伝えた。

Appleは150万点以上のアプリを中国で提供している。中国、香港、台湾をあわせた大中華圏はAppleの世界で3番目のビジネス地域であり、最近の四半期に96億ドルを売り上げている。これは総売上の約18%にあたる。

削除措置が行われたのは、Appleがスパム、ギャンブル、ボルノなどの問題防止を怠り、アジアでのビジネス拡大に注力しているとの批判を、複数の国営メディアが報じてから数週間後のことだ。

そうした批判は、これらの問題を現在中国と米国の間で進行中の貿易戦争——その結果Qualcommは440億ドルのNXP買収を断念した——と関連付けているが、おそらく見当違いだろう。中国政府からコンテンツが不適切であるとして非難されているのはAppleだけではない。中国の数多くの有望スタートアップが圧力を受けている。

今年、意欲的なニューメディア企業、ByteDance——ニュースとビデオアプリを運営し、現在25~35億ドルの資金調達を求めて投資家と交渉中——が中国で運用していたパロディーアプリの中止を命じられた。さらに4件のニュースアプリとコンテンツアプリが、権力を冒涜しているとしてApp StoreとGoogle Playから削除された。ByteDanceはこれに呼応して、コンテンツ監視チームを倍増し、コンテンツをチェックする強力なシステムを開発している。

「一連のコンテンツは社会主義の中心的価値と一致しておらず、世論を良い方向に導くものではなかった。過去数年間、われわれはビジネスの拡大に資源を投入し、プラットフォームの監視に十分な対策を講じてこなかった」とファウンダー・CEOのZhang Yimingが、インターネット監視当局をなだめるためとおぼしき声明で語った。

一方Appleは、50件以上のVPNアプリをApp Storeから削除して中国政府にへつらっていることを批判されている。それらのアプリは中国のインターネット検閲システムを回避するために用いることができる。CEO Tim Cookは、中国の法律に則って削除したアプリがいずれ戻ってくると信じていると語ったが、それが起きるシナリオは考えにくい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ブロックチェーンを破壊するハッカーの手口をシミュレーションしてデベロッパーの事前対策を可能にするIncentivai

暗号通貨のプロジェクトは、人間がそのブロックチェーンを悪用すると破綻する。しかも分散デジタル経済が実際に動き出し、コインが離陸すると、それらを統治するスマートコントラクトの修復は難しい。あくまでも、デベロッパーによる事前対策が必要である。そこで、今日(米国時間8/17)ステルスを脱したIncentivaiは、その人工知能によるシミュレーションで、セキュリティホールを調べるだけでなく、ブロックチェーンのコミュニティを構成している人間たちの貪欲や非論理性にメスを入れる。暗号通貨分野のデベロッパーはIncentivaiのサービスを利用して、自分たちのシステムが動き出す前に、その欠陥を修復できる。

Incentivaiの単独のファウンダーPiotr Grudzieńはこう言う: “スマートコントラクトのコードをチェックする方法はいろいろあるが、新たに作った経済が期待通りに動くことを確認する方法はない。そこで私が考えたのは、機械学習のエージェントを利用するシミュレーションを作り、それが人間のように振る舞うことによって、システムの未来の振る舞いを予見する方法だ”。

Incentivaiは来週Y Combinatorを卒業するが、すでに数社の顧客がいる。顧客(ユーザー)は、Incentivaiの有料サービスにより自分たちのプロジェクトを監査してレポートを作るか、または自分でそのAIによるシミュレーションツールをホストしてSaaSのように利用する。同社がチェックしたブロックチェーンのデプロイは数か月後になるが、そのとき同社はすでに、そのプロダクトの有意義性を実証するための、いくつかのケーススタディーをリリースしているだろう。

Grudzieńは説明する: “理論的にあるいは論理としては、一定の条件下ではこれこれがユーザーにとって最適の戦略だ、と言うことはできる。しかしユーザーは、合理的でも理性的でもない。モデルを作ることが困難な、予想外の行動がたくさんある”。Incentivaiはそれらの理不尽な取引戦略を探求して、デベロッパーがそれらを想像しようと努力して髪をかきむしらなくてもよいようにする。

人間という未知数から暗号通貨を守る

ブロックチェーンの世界には巻き戻しボタンがない。この分散技術の不可変かつ不可逆的な性質が、良かれ悪しかれ、一度でもそれを使ったことのある投資家を遠ざける。ユーザーが偽りの請求をしたり、贈賄によりそれらを認めさせようとしたり、システムを食い物にする行動を取ったりすることを、デベロッパーが予見しなければ、彼らは攻撃を阻止できないだろう。しかし、正しくてオープンエンドな〔固定しない〕(AIに対する)インセンティブがあれば…これが社名の由来だが…AIエージェントはなるべく多くの収益を得るために自分にできることをすべてやってみて、プロジェクトのアーキテクチャにあるコンセプトの欠陥を明らかにするだろう。

Grudzieńはさらに説明する: “この〔すべてをやってみるという〕やり方は、DeepMindがAlphaGoでやったものと同じで、さまざまな戦略をテストするのだ”。彼はケンブリッジの修士課程でAIの技能を究め、その後Microsoftで自然言語処理の研究を担当した。

Incentivaiの仕組みはこうだ。まず、デベロッパーは、ブロックチェーンの上で保険を売るなどの、自分がテストしたいスマートコントラクトを書く。IncentivaiはそのAIエージェントに、何を最適化するのかを告げ、彼らが取りうるすべての可能なアクションを羅列する。エージェントの役柄はさまざまで、大金を手にしたいと思っているハッカーだったり、嘘をばらまく詐欺師だったり、コインの機能性を無視してその価格の最大化だけに関心のある投機家だったりする。

そしてIncentivaiはこれらのエージェントにさらに手を加え、彼らを、ある程度リスク忌避型だったり、ブロックチェーンのシステム全体を混乱させることに関心があったり、といったタイプにする。それから、それらのエージェントをモニターして、システムをどう変えればよいかというインサイトを得る。

たとえば、トークンの不均一な分布がパンプ・アンド・ダンプ(pump and dump, 偽情報メールによる価格操作詐欺)を招く、とIncentivaiが学習したら、デベロッパーはトークンを均一に分割して、初期のユーザーには少なめにする。あるいはIncentivaiは、認められるべき支払請求をユーザーが票決する保険製品は、投票者が偽の請求を偽と立証するために支払う債権価格を上げて、詐欺師から収賄しても投票者の利益にならないようにする必要があることを、学ぶかもしれない。

Grudzieńは、自分のスタートアップIncentivaiについても予測をしている。彼の考えによると、分散アプリケーションの利用が上昇すれば、彼のセキュリティサービスのやり方を真似るスタートアップが続出するだろう。彼によると、すでに一部のスタートアップは、トークンエンジニアリングの監査や、インセンティブの設計、コンサルタント活動などをやっているが、ケーススタディーを作る機能的シミュレーションプロダクトは誰もやっていない。彼曰く、“この業界が成熟するに伴い、そういうシミュレーションを必要とする、ますます複雑な経済システムが登場するだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

無人小売店舗のスタートアップ、InokyoはAmazon Goに挑戦する

インディーズ版Amazon Goを目指すスタートアップのInokyoが、レジ係不要の無人小売店舗のプロトタイプをスタートした。商品を棚から取り出したり棚に戻したりするところをカメラで撮影し、客は店を出る前にアプリのQRコードをスキャンするだけで、購入した商品の代金が引き落とされる。

最初の店舗はカリフォルニア州マウンテンビューのカストロ通りにオープンし、 おしゃれなこんぶ茶やスナック、プロテインパウダーやバス用品などを販売している。陳列棚はまばらで少々戸惑うが、5年後の日常のショッピングらしき様子を垣間見ることかできる。本誌が撮ったデモビデオを参照されたい。

「レジ無し店舗は自動運転車が輸送業界に与えるのと同じレベルのインパクトを与えるだろう」と、Inokyoの共同ファウンダー、Tony Francisが私に言った。「これは小売の未来だ。店舗が無人化に進むことは避けられない」。

Inokyo(Tokyoと韻を踏む)はこのマウンテンビュー店舗を早期利用する ベータテスターを募集中だ。テストの目的は、将来の品揃えとビジネスモデルを考えるために必要なデータを収集することにある。Inokyoはこのテクノロジーをサービスとして他の小売店に販売するか、自社店舗を運用するか、ブランドと提携して製品のポジショニングを改善するかを、店内センサーのデータと顧客の行動に基づいて決定するつもりだ。

「このテクノロジーを実験室で研究しても成功しないことはわかっている。最初にシステムを提供してリアル世界で学習し、このテクノロジーをいち早く進化させたものが市場を席巻できると考えている」とFrancisは言う。InokyoはAmazonやWhole Foodsと競合できるような小売の巨人になれることはないかもしれない。しかし、その技術によって対等な戦いを実現し、小さな企業が巨人たちの独占を阻む可能性はある。

問題はレジ係が代わりに何をするかだ

「Amazonは私たちが思ったほど先行していない」とFrancisは指摘する。彼は共同ファウンダーのRameez Remsudeenと共にシアトルのAmazon Go店舗を見に行ってきた。米国でレジ係をカメラで置き換えた最初の店だ。そこで感じたのは「この体験は魔法のようにできるはずだ」ということだった。

ふたりはカーネギーメロン大学の機械学習の授業で知り合い、その後その知識をInstagramとUberで利用した。彼らは無人店舗の世界に今すぐ参入すればその方向性について発言権を得られると考えた。

来週Inokyoは彼らのシード資金を提供したY Combinatorのアクセラレーターを卒業する。6週間のプログラム期間中に、マウンテンビューの店舗スペースを見つけ、従来型店舗の顧客の行動を学習し、初期の商品群を揃え、ユーザーが棚から取り出したものを追跡するテクノロジーを開発した。

Inokyonストアのしくみはこうだ。まずアプリをタウンロードして支払い方法を登録するとQRコードが送られてくるので店に入る時にセンサーにかざす。天井のカメラが客の体型と服装をスキャンして顔認識をせずに店内での動きを追跡する。一方、棚に設置されたカメラは商品が取り出されたり戻されたりするところを追跡する。これらを組み合わせて、誰がどこで何を取り出したかを認識することでカート内の商品を決定する。店を出る時に再びQRコードをスキャンする。のちに詳細が書かれたレシートを受け取る。

実は当初Inokyoでは店を出る時のスキャンをしていなかったが、客からのフィードバックで、万引きしているような気分だと言われた。出口のスキャンは技術的に必要だったわけではなく、安心感を与えるためというわけだ。そこには「選んだ商品をInokyoが全部認識しなくても私の問題ではない」という不穏な楽しみもある。そして、もし過大に請求された場合はアプリ内のサポートボタンを押して払い戻しを受けることができる。

Inokyo co-founders (from left): Tony Francis and Rameez Remsudeen

私は商品を棚から何度も出したり入れ替えたりしてみたが、Inokyoの請求は正確だった。ただ、その時店内には3人くらいしか客がいなかった。この種のシステムにとって本当の課題は、客が大勢やってきて似たような外見の人をカメラが区別しなくてはならないときだ。精度が99%以上でなければ、システムは役にたつより面倒のタネになるだろう。しょっちゅう金額が多すぎたり少なすぎたりするくらいなら、昔ながらの店に行った方がいい。

無人小売店舗はレジ係不要だからといって、スタッフを置く可能性がないと言う意味ではない。コスト削減を最大化するために、客は略奪をしないと信じているだけだ。Inokyoは店内に目を配り、客が入店時にスキャンするのを確認したり、手続きの質問に答えたりすることを考えている。また、レジ係を配置転換して商品を薦めたり、客にあった商品を見つけるコンセルジェにする可能性もある。こうした店の評価はテクノロジーだけでなく体験全体の利便性できまる。少なくとも、レジ作業から解放された従業員が、商品補充や顧客対応、店舗のメンテナンスなどに従事できる機会があるはずだ。

The Amazon Go autonomous retail store in Seattle is equipped with tons of overhead cameras

Amazon GoはInokyoと同じような方法でカメラを利用しているが、さらに重量センサーを用いて商品を追跡している。レジ係不要の夢を追っている会社は他にもay to Inokyo, it also relies on weight sensors to track items. There areたくさんある。中国のBingoBoxは1億ドル近い資金を受けて300以上の店舗を展開している。ただし、技術的にはさほど高度ではないRFIDタグを使用している。Y Combinatorの同窓スタートアップ、 Standard Cognitionは500万ドルを調達して、従来型店舗に無人カメラ技術を付加している。AiFiも同じことをしているが、不審な動きを検出して万引きの可能性を報告できると言っている。

未来型店舗はますます現実味を帯びてきた。正確な追跡ソフトウェアと容易に設置できるハードウェアを開発し、買い物フロー全体を快適にできる会社が勝者となるだろう。もしこのテクノロジーが顧客を遠ざけることなくコストと行列を減らすことができれば、地元のリアル店舗はすぐにでも導入するだろう。この未来がやってくるのか、いつそうなるのかという以上に大きな問題は、レジ打ちで生計を立てている無数の人たちにとって、それがどんな意味を持つのかということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SNES.partyでスーパーファミコンのゲームを友だちとWebでプレイできる

あのすばらしいNES.party(ファミコン・パーティー)に続いてHaukur Rosinkranzが、今度はスーパーファミコンのゲームを友だち全員とプレイできるサイトSNES.party(スーパーファミコン・パーティー)を立ち上げた。

Rosinkranzはアイスランド人だが、今はベルリンに住んでいる。彼は1年前に、WebRTCとWebSocketsの実験のためにNES.partyを作り、そのソフトウェアをアップデートしてスーパーファミコンをサポートした。

彼曰く、“それ〔NES.party〕を作った理由は、ChromeのRTCの実装がすごく良くなってることが分かって、これで何かをやってみよう、と思ったからだ。ゲームのビデオ成分を取り出して、それをネットワークでストリーミングできることが分かったから、これで何かクールなことをしたいと思い、ストリーミングエミュレーターを思いついた”。

そのWebアプリケーションの制作には6か月かかり、さらにそれにスーパーファミコンのサポートを加えるのに1か月かかった。

“でも正味の時間を言うのは難しい。複数のWeb閲覧者がリアルタイムで通信するようなWebアプリケーションのための開発フレームワークはないから、それを自分で作ることから始めた。それに要した時間も大きい”、と彼は言う。彼は、フリーのプログラマーである。

こいつは、退屈な一日を楽しくしてくれる上出来のハックだ。過去へのリンク〔Link to the Past, ゼルダの伝説 神々のトライフォース〕を楽しみたい人は、ぜひ、ここでプレイしよう! 〔訳注: SNES.partyはアクセスが多すぎて待たされることがある。〕

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Google Firebaseのアップデートでアプリ内メッセージング、JIRAの統合などが加わる

Firebaseは今やGoogleのデフォルトのアプリ開発プラットホームであり、買収から今日までの4年間で機能とGoogleのサービスとの統合を大きく拡充したきた。そして今日(米国時間8/16)は、そのさらなるアップデートにより、新しい機能と、より深い統合と、そしていくつかの新しいデザインがこのサービスに導入された。

このリリースのハイライトは、アプリ内メッセージングのローンチだ。この機能により、ユーザーがそのアプリを使っているときに、特定のユーザーに向けた(targeted)、しかもそのときの状況に合った(contextual)メッセージを送れる。このアプリ内通知機能はルック&フィールをデベロッパーがカスタマイズでき、今日から展開されるが、たぶんもっと重要なのは、この機能がFirebase PredictionsやGoogle Analytics for Firebaseと統合されていることだ。そのため、ユーザーの現在の行動に反応するだけでなく、どれぐらいのお金を使いそうか、とか、アプリの使用をやめそうか、などの予測(predictions)に基づいてメッセージを送れる。

また今回のアップデートでFirebaseは、AtlassianのJIRAと統合される。これからはFirebaseのユーザーが、Firebase内のクラッシュレポートに基づいてJIRAのIssue(‘課題’)を作れる。この統合は、数週間後に有効になる。

2017年にTwitterから買収したクラッシュレポートツールCrashlyticsとの、より深い統合が実現した。これからはそのデータをBigQueryにエキスポートして分析し、GoogleのData Studioで視覚化できる。そしてBigQueryにデータを置いたら、Firebaseのデフォルトの保持/削除のルールとは無関係になる。

レポートに関しては、Firebase Cloud Messagingにレポート用のダッシュボードがつき、またFirebase ConsoleのProject Overviewのデザインが一新されて、アプリの健康状態やステータスをひとつのページで見られるようになった。Latest Releaseセクションでは、ライブデータもフィーチャーされる。これらの機能は今日から展開が始まり、数週間後には全員に行き渡る。

WebのコンテンツをホストできるサービスFirebase Hostingは、今回のアップデートにより、ひとつのプロジェクト内で複数のWebサイトをホストできるようになった。Webサイトのアップデートをプッシュしたら、変更されたファイルだけがアップロードされる。ささやかなスピードアップだ。

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メッセージング企業のLINEが暗号通貨に特化したファンドを立ち上げ

メッセージング企業のLineは暗号通貨の世界への深入りを続けており、今回は1000万ドルの投資ファンドの立ち上げを発表した

このファンドを運用するのはLineの韓国にあるブロックチェーン子会社Unblock Corporationで、ここはブロックチェーン関連の研究調査や教育などのサービスを担当している。ファンドはUnblock Venturesと呼ばれ、最初の資本プールは1000万ドルだが、Lineによると今後徐々に増加するだろう、という。

同社によるとこのファンドは主に初期段階のスタートアップへの投資を対象とするが、それ以上の詳細は提供されていない。

Lineは東京とニューヨーク証券取引所で上場している。このファンドにより同社は、暗号通貨に特化した投資ビークルを作った最初の上場企業になる。その目的は、“暗号通貨とブロックチェーン技術の開発と採用を推進するため”、という。

Lineによると、そのメッセージングアプリのユーザーは2億に近くて、とりわけ日本、台湾、タイ、そしてインドネシアで人気がある。同社は、決済、ソーシャルゲーム、ライドシェア、フードデリバリーなど、そのほかのインターネットサービスも提供している。

今回のファンド創設は、先月のBitBox取引所の開設に次ぐ同社の今年二度目の、暗号通貨関連の大きな動きだ。それはまだアメリカや日本を対象にしないが、Lineは今後、メッセージングサービスなどそのほかの機能との緊密な結びつきを作っていきたいようだ。

今年は1月にBitcoinが記録的高値の2万ドル近くまで上がり、Ethereumなども上げたが、その後多くの暗号通貨が深刻に落ち込んでいる。にもかかわらずの、Lineの今回のファンド立ち上げだ。今週はEthereumが300ドル以下まで下がって、初めての大きな危機を経験した。Bitcoinは長年乱高下を経験しているが、1月の価格はまるでゲームが大きくレベルアップしたみたいだった。

注記: 筆者は、少量の暗号通貨を保有している。それは勉強のためには十分な量だが、自分の人生を左右するほどの量ではない。

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Trulia、引越し先のご近所情報をクラウドソーシングで提供するツールを開発

オンライン不動産サイトを運営するTrulia(かつてのライバルであったZillowに買収されている)が、引越し予定の場所に関するさまざまな情報を提供してくれるサービスを立ち上げた。情報提供に利用するのはNeighborhoodsというサービスで、周囲のトピックスや安全情報に加え、これまでも利用していたWhat Locals Sayというツールを使って集められた住民の意見や、Truliaスタッフが集めるデータや写真(ドローンによる撮影なども行う)が閲覧できるようになっている。

現在のところ、サンフランシスコ、オークランド、サンノゼ、オースチン、およびシカゴエリアにおける300箇所の情報を提供している。2018年中に、さらに1100箇所の情報を追加していきたい考えだそうだ。情報はTruliaのモバイルアプリケーションおよびウェブにて提供されている。ただしウェブ版の使い方はややわかりにくく、情報の一覧性も低いようだ。触ってみたところではうまく使いこなせなかった。しかしモバイルアプリケーションはなるほどよくできている感じだった。提供される情報のリンクをシェアできるようになったりすれば、さらに便利に使えるようになるのだろう。

  1. Trulia-Neighborhoods_-Home-Page

  2. Trulia-Neighborhoods_-Explore-the-Area

  3. Trulia-Neighborhoods_-What-Locals-Say

引越し先の情報が欲しいというのは、間違いなく多くの人が感じていることだろう。Truliaによれば、家を購入する際には、家自体のみならず近隣の情報も重視するという人が85%にのぼるのだそうだ。実際に家を買うとなれば、自分の目で確かめてみたいという人の方が多いかもしれない。しかしNeighborhoodsのようなツールを使えば、自分の好みにあうのかどうかを簡単にチェックしていくことができる。もちろんTruliaは通勤時間や、犯罪発生率などの情報ももっていて、それらとあわせて候補地を見ていくことで、効率的に引越し先を決めることができるかもしれない。

「Trulia Neighborhoodを使えば、引越し先にどのような生活が待っているのかを簡単に知ることができるのです」と、シニアバイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーのTim Correiaは言う。「家を買おうとする人にとってはこうした情報の入手が非常に重要であり、皆さんそれぞれに大きな苦労をなさっています。大きなニーズがある中、情報をよりわかりやすく、かつ簡単に提供するのはとても重要なことであると考えます。それにより、家を買おうとする人に大きなメリットを感じてもらえるようになると思うのです」。

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(翻訳:Maeda, H

iOS 12のベータ7はバグとクラッシュの報告で中断、再開時期は未定

ベータのソフトウェアには、リスクがつきものだ。そのため企業は通常、それをユーザーのメインのデバイスにインストールすることを勧めない。でも、あえて危険を好むタイプの人びとにとっては、iOS 12の最新ベータが厄介な問題を提示する。

このモバイルオペレーティングシステムの次期バージョンの、7度目のベータに関しては、バグによるパフォーマンスの劣化やフリーズ、クラッシュなどの報告が広まっている。そこで一部の評論家などは、このベータをインストールせずにスキップすることを勧めている。

それは、かなり快調と思われたこの前のビルドに比べると著しい変化だ。問題の報告があまりに多いので、Appleはネットワークからのアップデートを引っ込めたようだ。それはこのベータが始まってからまだ24時間も経っていない時点でだ。すでにこのiOSはベータも終わりに近いと言われていたし、一般公開は(おそらく新しいハードウェアと共に)来月と予想されていただけに、今回の事態は意外だ。

今、ベータ7の再開時期について、Appleに問い合わせている。

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スウェーデンの避妊アプリNatural CyclesをFDAが承認、ただし完璧な避妊方法は存在しない

妊娠したくないの? FDAが認可した、そのためのアプリがあるのよ。FDAが今日(米国時間8/13)、スウェーデンのアプリNatural Cyclesに、避妊方法の一つとしてアメリカで売ってもよい、という許可を与えた

Natural Cyclesは一部のヨーロッパの国では妊娠を防ぐ方法のひとつとしてすでに使われている。でも、いわゆる‘デジタル避妊法’がアメリカで認可になるのは、これが初めてだ。

このアプリは、ユーザーの女性が提供するデータ、たとえば、体温や毎月の生理の周期などをアルゴリズムが利用する。そして各月のいちばん受胎しやすい日(何日から何日まで)を計算する。女性はその日にはセックスをしないようにするか、または避妊具を使用する。

生理の周期を調べて受胎しやすい日にちを判断する避妊方法は、かなり前から使われている。でもNatural Cyclesはこの古くからある方法に科学のひと味を加えて、アルゴリズムを改良した。そして15000名あまりの女性テスターたちの評価により、“ふつうの使い方”では6%のエラーレート、“完璧な使い方”では1.8%のエラーレートを達成した。

“完璧な使い方”とは、アプリが示唆する受胎危険日には防具を使わないセックスを絶対にしない、という使い方だが、それでも100人中1年に2人近くは妊娠する。つまりアプリが示唆する‘受胎危険日以外の日’は、‘絶対に100%妊娠しない日’ではない。でも、そのほかの避妊方法にも、それぐらいのエラーレートはある。たとえばCenters for Disease Control(CDC)によれば、コンドームのエラーレートは18%だ。

このアプリのメーカーはアメリカのFDAに効用を説得することには成功したが、しかしスウェーデンでは少なくとも一つの病院が、国のMedical Products Agency(MPA)と共に調査を開始した。同病院の記録では、Natural Cyclesを使っていた女性のうち37名が、望まざる妊娠をしているからだ。

FDAのCenter for Devices and Radiological Health(健康機器・器具および放射線医学部局)で女性の健康を担当しているAD Terri Cornelisonはこう言う: “消費者はますますデジタルの健康テクノロジーを使って自分のための健康情報を得ている。この新しいアプリはよく注意して正しく使えば有効な避妊方法を提供できる”。

ただしそんな彼女も、アプリのアルゴリズムにもそのほかの避妊方法にもエラーレートがあることを認める。そして、“完璧な避妊方法は存在しないことを、女性は知るべきだ。だからこのデバイスを正しく使っても計画せざる妊娠が結果することが、依然としてありうる”、と語る。

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台湾のFunNowはローカル向けクイック予約サービス――シリーズAで500万ドルを調達、アジアと日本の都市に展開中

最近の旅行ビジネスでは、AribnbやTripAdvisorなどの有力サービスが直前でも簡単にさまざまな予約を可能にするインスタント・ブッキングに参入しつつある。これは特にアジアで、香港のKlookなどのスタートアップが大成功を収めていることに刺激された面が大きいだろう。しかしインスタント・ブッキング・アプリがこう増えてはもうニッチは残っていないのではないか? 

実はFunNowはそう考えて方向を転換した。旅行者をターゲットにするのではなく、このサービスはローカルを対象とする。つまり都市の居住者に新しいアクティビティを楽しんでもらうのが目的だ。今日(米国時間8/13)、台北を本拠とするFunNowはシリーズAのラウンドで500万ドルの資金調達を行ったことを発表した。ラウンドのリーダーはAlibaba Entrepreneur Fundで、CDIB、 Darwin Venture、Accuvestが加わっている。資金は東南アジアと日本に事業を拡大するために用いられる。

FunNowは2015年に創立された後、昨年6月のエンジェル・ラウンドを含めてこれまでに650万ドルを調達したことになる。登録メンバーは50万人、3000社のベンダーが毎日2万種類以上のアクティビティーを提供しているという。共同ファウンダー、CEOのT.K. Chenは海外展開について「現在、香港、東京、大阪、沖縄、クアラルンプール、バンコクに注力している」と述べた。

今回のシリーズAで注目すべき点はAlibabaの存在だ。 Tencentが支援するライバル、Meituan-Dianpingが香港で株式上場を準備している中で、Alibabaの参加はFunNowのO2O能力(オンラインでオフラインサービスの予約、支払いを行う)を大きく強化したといえる。

Alibaba Entrepreneurs Fundは非営利法人で、将来Alibabaのエコシステムに貢献する可能性のあるスタートアップの育成を目的としている。Alibabaの各種O2Oアプリは中国でMeituan-Dianpingからできるかぎりシェアを奪うことを狙っている。ChenはFunNowとの協力はこの面でもシナジーを生むとしている。【略】

いかにAlibabaの参加があるにせよ、 FunNowが多数のインスタント予約アプリとどのように競争していく戦略なのかは誰もが興味を持つところだろう。この市場ではKlook、KKdayなどが有力だが、他にもVoyagin、GetYourGuide、Culture Trip、Peek、それにAirbnb自身のExperiences機能などが存在する。

Chenによれば、FunNowが現在もっとも力を入れているカテゴリーは直近のホテル等の予約だという。台北では一夜ないし数時間のホテル、温泉への滞在を提供している。マッサージその他の温泉における伝統的サービスやレストラン、バー、さらには音楽フェスティバルなどの予約もカバーするという。

Chenによれば、ツーリストというよりむしろローカル住民に楽しい時間を提供するという戦略はFunNowのユーザー・エンゲージメントを大きく高めており、毎月の粗収入の70%はリピート・ユーザーからのものだという。30%は最初に利用したユーザーだが、その60%は30日以内に戻ってきてさらに利用している。FunNowでは2018年の売上を1600万ドルに届くと予測しているが、これは2017年の3倍に上る。

FunNowのユーザーの平均年齢は若く、25歳から35歳が多い。「われわれはUberに似ている。ターゲットはレストラン、温泉、マッサージ、ホテル、イベントなど身近で楽しい活動を予約したいと考えている人々だ。われわれは消費者のその場の思いつきを重視している。われわれが仲介する予約の大部分が15分から」1時間後のものだ。データでいえば、FunNowの予約の80%は1時間以内のものだ」とChenは述べた。

FunNowではプラットフォームをローカル・ユーザー向けに最適化している。特許を取得したアルゴリズムによって予約をマーチャント・データベースのエントリーとリアルタイムで同期させ、オーバーブッキング、ダブルブッキングを防いでいるという。Chenによれば、ユーザーは自身の地理的所在地によって現在利用できるエントリーを閲覧できる。情報は0.1秒以内にリアルタイムでアップデートされるので、ユーザーはエントリーをクリックした後ですでにすでに誰かが予約していたという事態を防げるという。FunNowではサービスを提供するベンダーを事前に審査し、プラットフォームに加えた後も星印が3.5以下になるとリストから削除する。

将来KlookやKKdayといったインスタント予約アプリがターゲットをツーリストから地元居住者に拡大してくればライバルとなり得る。しかしChenは「こうしたスタートアップは拡大しつつあるツーリスト市場における半日から1日以上のツアーをターゲットにするはずだ」と考えている。

Chenは「こうしたスタートアップがローカル住民をターゲットすることになれば、マーチャントとなるホテルやレストランをひとつずつシステムに加えていかねばならないだろう。またそのシステムもマーチャントにとって使いやすくエラーの起きにくいものである必要がある。しかしマーチャントがひとたびわれわれのシステムを利用すれば、別のシステムを導入することは考えにくい。オーバーブッキングを避けるためには相互の調整を図る必要があるからだ」という。

「こうした点は先に動いたFunNowに大きな優位性があるが、われわれはテクノロジーをさらに改良していく。レストランなどはたとえ1分差であっても先着の客に席を提供してしまい、オーバーブッキングという結果をもたらす可能性がある。これは何として避けねばならない」とChenは語った。

〔日本版〕FunNowのサイトは日本語ページも用意している。日本でのサービスは今のところホテル予約がメインのようだが、台北のページでは食事、温泉、マッサージなどジャンルが多い。

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滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、他ユーザーに経済的脅威をあたえる投稿も削除へ

Facebookが削除するのは、暴力やヘイトスピーチにかかわる投稿だけではない。人を身体的だけでなく経済的危機にさらしたり、儲け話で人をだます行為も厳しく禁止されることになった。

本日(米国時間8/9)Facebookはポリシーを説明し、今後のポリシー適用をスムーズに行うためにルールを明確化した。 これは、Infowarsの陰謀論者、Alex Jonesに関わるFacebookページ4件を削除した際のあいまいな決定が反感を呼んだことを受けてのことだ。

Facebookはまず、自分たちは政府ではない、と繰り返し強調した——政府と同じ修正第1条に沿う必要がないことを示しているに違いない。

「われわれは、たとえば身体的あるいは経済的に人々を危機をもたらすコンテンツ、ヘイトスピーチによって人に脅威を与えるコンテンツ、あるいはFacebookユーザーをだまして利益を上げようとするコンテンツを認めない」とポリシー担当副社長のRichard Allenが本日投稿した。

ウェブを検索した限り、Facebookが経済的攻撃に関してこうした言葉を発したのは初めてだ。本誌はFacebookがこのポリシーについて正確にどう考えているのかコメントを求めている。

これは重要だ。なぜなら、これはFacebookのポリシーが、他人の信用を毀損したり、盗難を指示したり、雇用の機会を奪うことなどの脅威も対象に含めることを意味しているからだ。これらは身体的脅威を与えるものではないが、被害者に現実世界におけるダメージを与える可能性がある。

同様に、儲け話詐欺に対するこうした立場は、Facebookがスパマー、スキャマーや自社製品について虚偽の主張をするインチキ商法と戦う上で、適当な距離をおくことも可能にする。問題はFacebookがどうやってこのルールを適用するかだ。ほとんどの広告は企業が利益を得るために人をだますように作られているという人もいる。Facebookが阻止しようとしているのは、自社製品が人の役に立つというあり得ない主張をするような明らかな詐欺行為であり、単に品質や価値を誇張するだけの広告ではないだろう。

今日追加された明確化のための説明は、優柔不断なTwitterをはじめとする他のプラットフォームがコンテンツ管理で見習うべきおおらかさと入念さを際立たせた。透明性を高めることによって悪者がシステムを乱用するのではないか、という恐怖が長年あったが、ソーシャルプラットフォームが民主主義にとって重要な意味を持つようになった今、ガイドラインをオープンにすることで、規則の適用に偏向があるという指摘を回避する必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android Pieよりはマシだったかもしれない名前を考えてみた

たとえば、仮定の話、あなたがモバイルオペレーティングシステムを作っていて、主要アップデートにはアルファベット順に甘いものの名前をつけようと、気まぐれに思ったとしよう。なんと楽しいアイデアだろうか。

たしかに、中にはほかの文字より難しいのもある。”K”と”O”はあきらかに難しいが、それでも、ちょっと頭をつかった共同ブランディングで解決できないことではない。あのKit-KatやOreoが大好きでない人などいるだろうか。しかし、ほかの文字は簡単だ。実際、候補が多すぎて悩ましい文字もある。”P”はその一例だ。この子音には夥しい数の選択肢がある。

そして、当然のように、Googleは可能な限り面白くない名前を選んだ。

その名も Pie。すばらしきAndroid Pieだ。モバイルOSというよりは、フィリップ・K・ディックの没になった原稿のようだ。もしこれがAndroid 3.14だったなら、まあいいかもしれないが、Pieはひどすぎて見過ごせない。ライセンス契約が最後までもつれて、できの悪いケーキに落ち着くほかなかったのかもしれない。

もちろん提案するには遅すぎるし、そもそもGoogleはわれわれに耳を傾けることもなかったが、遅ればせながら生焼けのパイに代わる候補をいくつか出してみよう。

Popsicle:どうやらこれが最有力だったらしい。事実、Googleは壁紙をチラ見せしたという。Popsicleなら、夏のOSリリースに最適なカラフルネームだった。もちろん、問題が2つある。第一に、信じられないかもしれないが、この名前は未だに商標登録されている。第二に、これは北米以外では共通理解とはいいがたい。この棒の刺さった冷たい食べ物はice popsともfreezer popsともice Lollies、ice blocks、icy poles、さらにはice dropsなどとも呼ばれていると、あの常に正しいWikipediaの編集者たちが言っている。

Pez:これももちろん商標なので、マーケティングの困難さを想像してほしい。

Pop Rocks:上に同じ。しかし、来年のイベントでGoogleが配るPop Rocksの袋のことを思うと十分価値がある。

Popcorn:OK、これは面白くないし、よくてボーダーライン上にあるお菓子だが、それでもPieよりは楽しい。

Pecan, Pumpkin Pie:ちょっとした頭韻。

Parfait[パフェ]:夏のさわやかなスイーツ。しかも、誰もがフランスを大好きだ。

Pop-Tart:Kelloggのホイルで包まれた砂糖をまぶした朝食用ペストリー。

Peppermint Patty:Yorkのおいしいチョコレート菓子で、Peanutsの名物助演キャラクター

Pudding:甘い、ゼラチン状のケーキ。

Poundcake:Pieよりましなケーキ。この意見を撤回するつもりはない。

Pancake:むしろ朝食の料理だが、クレープも入るか?

Phish Food: Ben & Jerryのアイスクリーム。地元出身の即興演奏で知られるロックバンド Phishを気に入っていた。

Pastry:シンプルでエレガント。Pieよりちょっとだけまし。

Peanut Brittle:いいだろう。Pieはこれよりはましかもしれない。このラウンドは君の勝ちだ、Google。

他にもPetit Fourがあったが、この一口サイズのフランス風ケーキは、実際Android 1.1のコードネームに使われていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビジネス向けの「Airbnb for Work」、全宿泊の15%を占める

企業の出張者はAirbnbのビジネスにとって重要な部分になりつつあることが最新ブログ記事でわかった。同社は2014年にスタートしたAirbnb for Workが2015年から2016年にかけて3倍に伸び、2016年から2017年に再び3倍増になったと報告した。事実、70万社以上の企業がAirbnb for Workに登録したとAirbnbは言っている。

Airbnbを出張に利用している企業の内訳を見ると実に多様で興味深い。大企業(従業員5000人以上)の利用者と、スタートアップやスモールビジネス(1~250名)の利用者がそれぞれ40%ずつで、Airbnb for Workの残りの20%は中規模企業が利用している。

2017年7月、Airbnbは同サービスのリスティングをSAP Concurで利用できるようにした。SAP Concurというのは多くのビジネス出張者が利用しているツールだ。Airbnbによるとこの統合はAirbnb for Workの成長に多大な貢献をしており、2016年から2017年にかけてConcur経由でAirbnbを利用した従業員数は42%増加した。さらに、ConcurのFortune 500企業ユーザーの63%が、ビジネス出張の宿泊にAirbnbを利用した。

Airbnbnが発見したある傾向は興味深い。同社によると、Airbnb for Workの宿泊の60%近くが複数顧客による利用だった。

「私達は共同作業のための広い場所を提供するとともに従業員一人ひとりがプライベートな空間を確保できるようにしている」とAirbnbのビジネス旅行全世界責任者のDavid Holyokeは言った。「こうすることで、より意義のあるビジネス旅行が可能になり、会社は多くの費用を節約できると考えている」。

ビジネス部門の著しい成長と、その可能性を踏まえて、Airbnbはビジネス旅行者向けに新機能を開発している。来週、Airbnbは、社員がAirbnbのリスティングを会社に特化したランディングページで検索できる新機能を提供する予定だ。

これは、たとえばGoogle社員はGoogle.Airnbn.comを開いて宿泊場所を探すことができるようになり、そこにはGoogleの好みにあわせて、たとえば会社の事業所に近い宿泊地や予算、その他の要素が盛り込まれている。

すでに成長は見られるものの、HolyokeはAirbnb for Workには成長の余地がまだまたあると考えている。Airbnb for WorkのリスティングはAirbnbの利用全体の15%にすぎないとHolyokeは言っている。

しかし、ブティックホテルやAirbnb Plusのようなアメニティー志向のリスティングの登場によって、出張者の間ではビジネスホテルに代えてAirbnbを使う風潮が高まってきた。

加えて、ビジネスにおける移動や移転が一段と重要になるにつれ、社員が新しい土地で家を買う前に居住する有用なツールになるとAirbnbは信じている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android版『Fortnite』、Google Playを利用せず独自配信を発表。「30%の手数料が高すぎるから」

eng-logo-2015Epic Gamesの大人気バトルロイヤルゲーム「Fornite」のAndroid版がGoogle Play ストアを介さず、公式サイトで独自配信することが発表されました。

その理由につきEpic GamesのCEOであるTim Sweeney氏は、各種メディアにてコメント。アプリ内購入などでGoogleが徴収する、30%もの手数料が高すぎることを要因の1つに挙げています。

Windows PCやMac版、Xbox One版やiOS版に続きニンテンドースイッチ版も配信され、あらゆるプラットフォームを制覇しつつある『Fortnite』。なぜかAndroid版は後回しにされていましたが(最速はGalaxy Note 9向けという噂もあり)背景には様々な思惑があったようです。

Tim Sweeney氏によれば、理由の1つはEpicが顧客と直接関係を築きたいということ。「PC、Mac、Androidなどのオープンプラットフォームでは、ゲームを直接顧客にお届けすることが目標です。ゲーマーはAndroid上のソフト提供サービス同士の競争から利益を受けると信じています。競争こそが多彩な選択肢を提供し、最良のサービスの成功を可能とするのです」と電子メールで述べているとのこと。

もう1つは、Google Playストアが徴収する30%もの手数料が高すぎるということ。このビジネスモデルはゲーム専用機には向いているが、Androidなどのオープンプラットフォームに合理性を欠いているとしています。

「ゲーム専用機の場合は、まずハードウェアに多額の投資があり、たいていはコストを下回る価格で販売され、パブリッシャーと広範に提携して販売キャンペーンを行うのですから、(ライセンス料には)理由があります。が、オープンプラットフォームの場合、30%もの手数料は、支払い処理やダウンロード帯域幅、および顧客サービスに見合ったものとはとても言えません」と語っています

Epicは自社が運営する配信プラットフォーム「Unreal Engine Marketplace」の手数料を12%に改訂すると発表しており、発言には説得力があります。

基本的にはオープンプラットフォーム、つまりユーザーが(設定さえ変更すれば)自由にアプリをインストールできるAndroidについて語られているわけですが、裏返せば「iOSのプラットフォームはオープンではない(App Storeを経由しない勝手アプリはインストール不可)」と示唆されてる感があるのが興味深いところです。

実際、Tim Sweeney氏は米Venturebeatに「iOSでFortniteを検索すると、しばしばPUBGまたはMinecraftの広告が表示されます」と不満を表明。iOSでもできれば独自配信したいが、できないからAndroidでは……という思惑が推測されます。

Google Playストアを利用しないアプリの独自配信は、Amazonアプリストアや『艦隊これくしょん-艦これ-』などのDMM GAMESストアでもやっていること。いずれも巨大資本や十分な固定ファン人口を背景にしており、この流れが一般化するとは考えにくいのですが、『Fortnite』級の大ヒット作を擁するパブリッシャーであれば後に続くかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Tim CookがAppleの社員に宛てて: 私たちを前進させるのは1兆ドルの株主価値ではない

あなたが勤めている会社が、古代のクロイソス王よりずっとずっと大金持ちだと知ったら、一体どんな気持ちだろう?

BuzzFeed Newsが入手した、AppleのCEO Tim Cookの、スタッフ宛てメモが語っているように、Steve Jobsが1976年に創業したコンピューター企業は今や、1兆ドル以上の価値がある。あなたは、A)自分の労働の成果だと喜ぶ、B)成功の真の測度はイノベーションと創造性なので気にしない、C)一瞬喜んですぐ仕事に戻る、のどれだろうか?

Cookは、全世界12万3000名の社員宛に、次のように書いた:

チームのみなさま,

今日Appleは、重要なマイルストーンを通過しました。株価の終値が207ドル39セントに達し、株式市場は今やAppleを1兆ドル以上と評価しています。この成果は確かに誇るべきことですが、しかしそれは私たちの成功のもっとも重要な尺度ではありません。財務上の数字は単純にAppleのイノベーションの反映であり、つねに製品と顧客を再優先し、弊社の企業価値に忠実であり続けたことの結果です。

Appleを偉大にしているのは、あなた、そして私たちのチームです。弊社の成功はあなたの勤勉と献身と情熱の結果です。私はみなさまのお仕事を深く畏敬しており、みなさまと共に働けることは、私の生涯の名誉です。みなさまのすべての深夜労働とすべての超過出張に、心の底から感謝しています。なにごとに関しても中途半端を拒否し、卓越のみを求めるみなさまの日頃の姿勢にも、感謝申し上げます。

この場を借りて、弊社の顧客とサプライヤーとビジネスパートナーとAppleのデベロッパーコミュニティ、そしてすべての協力者のみなさまと、このすばらしい会社を作った先人たちにも、感謝いたします。

Steveは、人間の創造力は最大の難題でも解決できる、という信念のもとにAppleを創りました。彼は、自分は世界を変えることができるというクレージーな考えを持つ者が、難題の解決者だと信じていました。今日の世界では、弊社のミッションはこれまで以上に重要です。弊社の製品は一時的な驚きと喜びを作りだすだけでなく、世界中の人びとに力を与え、その人たち自身の生活とほかの人たちの生活を豊かにします。

Steveがこのような場でいつも申したように、私たちはAppleの輝かしい未来と、私たちがこれから一緒になってやっていくすばらしい仕事に目を向けるべきです。今の現在ではなく。

Tim

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa