Amazon Alexa対応の車輪付き家庭用ロボ、開発に本腰

Bloomberg(ブルームバーグ)は4月に、Amazonが「ベスタ」(Vesta)というコードネームで家庭用ロボットを開発中と報じたが、今度はそのプロジェクトが継続中と報じている。しかもその記事にはロボットの具体的な詳細もあり、実はAlexaをサポートしていて車輪で動き回るそうだ。友人の天才的イラストレーターに想像図を描いてもらったら、上図のようになった。

「Vestaは今年リリースされるらしいが、まだ大量生産の準備はできていない」とブルームバーグの情報筋は言っている。どんなプロジェクトでも途中で棚上げにされることはあるが、でも同社はこのところ技術者など開発スタッフを増員してリリースを目指しているそうだ。

現在のプロトタイプでは、ロボット本体の高さは人間の腰の高さぐらいで、センサーを入力源とするコンピュータービジョン技術が介助する。ブルームバーグの記事に書かれている社内デモによると、Alexaにありがとうと言うとユーザーのところへやってくる。その機能はEchoデバイスとほとんど同じのようで、呼びかけに応える、タイマー、音楽の再生などができる。

Vestaが実際にローンチした場合の外見は、Kuriが良いヒントになりそうだ。この、Bosch(ボッシュ)の社内的スタートアップであるMayfield Robotics(メイフィールド・ロボティクス)が開発したロボットは昨年閉鎖され、市場には出なかった。Kuriには、ビデオや写真の撮影、ゲームプレイ、家族との対話などができた。

またAmazonはさらに、Sonosに対抗する高品質のEchoスピーカーを来年出すらしい。

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小型でポータブルでいろいろ使えるワイヤレス充電器「HiRise Wireless」

Apple(アップル)のiPhoneやSamsung(サムスン)のGalaxy、Google(グーグル)のPixelなど、メジャーなメーカーの主力機種のスマートフォンを持ってる人にとっては、ワイヤレス充電がとっても便利だ。でも出先でワイヤレス充電を使おうとすると、デスクトップの周辺をいろいろいじくるなど、面倒な手間が多い。TwelveSouthのHiRise Wirelessが出るまでは。

TwelveSouthの充電器製品HiRiseシリーズは前から評判が良くて、iPhoneとApple Watch兼用のDuetは特に人気がある。そしてそのシリーズのワイヤレスバージョンであるHiRise Wirelessは、その名のとおり最大で10Wのワイヤレス充電ができる。無線給電方式の国際標準であるQi給電をサポートしているiPhone X、XR、XS、Pixel 3、Galaxy S10などの機種では、ケーブル不要の高速充電が可能だ。

HiRiseがユニークなのは、充電パックをいろんな形で使えることだ。同梱されている丈夫なフレームに収めて机上に置いてもいいし、単純に平らに置いてもいい。後者ではワイヤレスのAirPodの充電ケースを使える。あるいは、パックだけをバッグに放り込んでもいい。

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フレームに収めて机上に立てて使う使い方は、iPhone X以後の機種ではFace IDによるロック解除に最適だ。スマートフォンから通知が来ても、いちいちデスクトップから注意を逸されずにすむ。パックはほかのワイヤレス充電器に比べて小さいから、家庭用には不安かもしれないが、ポーチに詰め込むのにも適している。

パックはまわりがゴム製のリングなので滑らないし、USB-CからUSB-Aへの取り外し可能なケーブルもついてるから携帯性が良い。またMacなど、ほかのデバイスのUSB-C充電ケーブルも使える。

出張などの多い人にとっては、現在の市場でHiRise Wirelessよりも優れたワイヤレス充電器を見つけるのは難しいだろう。お値段は79.99ドル(約8600円)とお高いが、ユニークなデザインとユニークな柔軟性(自由度)で、それぐらいの価値はある。

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今年後半以降に出るMacBookシリーズの新モデルは完全新設計のキーボードを搭載

9to5Macが紹介しているApple(アップル)専門のアナリストMing-Chi Kuo(ミン・チー・クオ)氏の記事によると、MacBook AirやMacBook Proのキーボードは今後変わるらしい。クオ氏はアップルのサプライチェーンから情報を得ているので、同社製品の今後のハードウェアの動向については、これまでも結構正しい予言も多い。

クオ氏の最新記事によると、新しい設計によるキーボードは今年後半に出るMacBook Airと、2020年のMacBook Proのそれぞれのニューモデルに搭載される。それはこれまでのMacBookのいわゆる「バタフライ」方式を捨てて、「シザースイッチ」(Scissor Switch)と呼ばれる方式を採用する。アップルは2015年にバタフライ方式を採用する前までこの方式を使っていた。同社の単独のキーボード製品Magic Keyboardもシザースイッチを使っている。

アップルが近年のMacBookで使ってきたバタフライスイッチ方式のキーボードはこれまで一貫して、キーストロークが落ちる、勝手にリピートされるなどなどの批判を浴びてきた。私は2015年以降、複数のMacBook Proを使ってきたが、やはりキーボードには問題があった。圧縮空気の風でキーボードの下の埃を掃除すると直ることもあったが、キーボードを買い換えたこともある。

アップルの最新のMacBook Proは今年初めに導入され、バタフライキーボードの改良版を載せていた。それは、新しい素材を使って問題の発生を軽減していたが、最近ではMacBook、MacBook Air、MacBook Proなどバタフライキーボードを使っているMacBookの全機種に対してキーボードの無料交換を行った。でも、クオ氏の記事が正しければ、同社はもっと恒久的なハードウェア対策を実装し、あれやこれやの細かい対応から永久にオサラバしたいようだ。

例によって、サードパーティからのまだリリースされてない製品に関する噂には、眉に唾を厚く塗って臨むべきだが、キーボードに関する詳細で正確な技術情報を伴うクオ氏の記事は、かなり信憑性が高いと思われる。

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航空機の鳥の衝突試験は義務化されているがドローンはまだまだこれから

鳥は飛行機にとってとても危険だから、鳥の衝突試験が義務付けられている。では、ドローンはどうだろう? 無人機による空港の妨害増えているから、もうじきドローンの衝突試験も義務化されるかもしれないが、ドイツの研究者たちによると、その試験にはドローンを高速な砲弾とする空気砲で、航空機を砲撃することが含まれるらしい。

フラウンホーファー研究機構のフライブルグ研究所で行われているその研究は、試験すべきパラメーターを同定しようとしている。

たとえば鳥の衝突は、冷凍の鶏や七面鳥などを空気砲で撃ちこんで試験している。きれいではないけど、やらざるを得ない。でもこの場合、鳥とドローンを同一視することはできない。

関連記事: Drone sighting at Germany’s busiest airport grounds flights for about an hour…ドイツ最繁忙の空港がドローンで1時間機能停止(未訳)

研究所のSebastian Schopferer(セバスチアン・ショプフェラー)氏がニュースリリースでこう述べている。「ドローンと鳥では動きが全然違うし、またドローンの方がずっと重い。だから、鳥の衝突試験に合格した航空機がドローンにも耐えうるとは結論できない」。

チームは、ドローンの質量の大半を占める電池とエンジンを空気砲に装弾した。翼やその搭載用のアームは軽いから、容易に破砕するだろう。だから大きな被害はない。

drone testing

左の航空機に時速数百マイルで衝突した後のドローンのエンジンと電池の残骸

ドローンは秒速115〜255メートルで、厚さ最大8mmのアルミ板を砲撃した。当然ながら、アルミ板は「大きく変形し」、翼のないドローンは「完全に破壊された」。破壊の過程を高速カメラで記録したが、残念ながらその映像は非公開だ。

いろんな種類の試験をやってみて、有意義なものと不要で無関係なものを選り分ける必要がある。でも、時速900kmのドローン弾で砲撃すると、その被害はどれも同じに見えるのに、なぜ貴重なお金と時間を使って500回もテストするのか? 翼やアームを含めると、違う結果になるのか? どの速度ならアルミ板を貫通するのか? 何が有効な保護対策か? などなど、多くの研究課題がある。現在は、もっと大きな無人機を使って加速や減速もできる試験台を作っている。

十分な量のテストを行えば、試験のやり方が標準化されるだけでなく、高価で破損も多い試験台ではなく、シミュレーションでいろんな素材を試せるだろう。チームは、そう期待している。

画像クレジット: PHILIPPE HUGUEN/AFP

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蜂のサイズの飛行ロボ「Robobee X-Wing」は動力を光から得て持続飛行する

TechCrunchはハーバード大学の飛行ロボットRobobeeの進化を数年前から追っている。最初は飛ぶことを覚え、2015年には泳げるようになり、2017年には水から跳び出すことができた。そして今回のRobobee X-Wingは、光を自分の太陽電池に集めることによって飛べるようになった。光のあるところなら無限に飛び続けることができる。

この大きさでは、飛ぶことは極めて難しい。小さいから離陸も飛行も昆虫みたいに簡単にできるだろうとお思いかもしれないが、実際は自己動力の飛行は小さいほど難しい。昆虫の飛行は、われわれが自然界で出会うもっとも不可解で奇跡のような偉業なのだ。

小さな2つの翼を動かす動力を有線で外部から供給するなら、飛行は簡単だ。これまで、Robobeeなどもそれをやってきた。電源を本体に搭載したり、あるいは身につけたソーラーパネルにレーザーを照射するなどの方法は、ごく最近の試みだ。

関連記事:太陽光とレーザーの力で羽ばたく昆虫ロボットRoboFlyは電力供給の無線化に成功

robobee chart

今度のRobobee X-Wing(翼が4枚なのでX型)は、電池もレーザーも使わない新しい段階を達成した。普通のフルスペクトルの光が上にあるだけでよい。現状では太陽光よりも明るいのだが、現実の条件に一歩近づいた。

ハーバードのMicrorobotics Laboratory(超小型ロボット研究所)のチームは、エネルギー変換のシステムと翼の機械系を極力軽量化してそれを達成した。全重量が1/4グラムで、ペーパークリップの約半分。消費電力も超微量だ:

わずか110–120ミリワットの電力を消費するこのシステムは、蜂のような同サイズの昆虫と同程度の推力効率がある。この昆虫サイズの航空機は、瞬間的な跳躍や離陸上昇ではなく普通の飛行を無線で維持できる機として、最軽量である。

上記の最後のところは、競合する他の研究に影を投げかけている。まだそれらの研究は「ふつうの飛行を無線で維持できる」状態ではない(詳細はよくわからないが)。たとえば下の記事のオランダの羽ばたく飛行ロボットは電池を搭載して1km飛行する。「飛行を維持できる」といえば、これぐらいしか思い浮かばない。

関連記事: 昆虫からヒントを得た羽ばたくロボットが一回の充電で1kmを飛ぶ

Robobeeのビデオでは、離陸がペットボトルロケットみたいだ。スペース的に不可能だったのは、高度な飛行制御回路や、使わないエネルギーの保存、ホバーリングなどだ。

それらはチームにとって次のステップだろうし、しかも簡単ではない。重量が増えて新しいシステムが加われば、航空機として完全に別のものになる。でも数か月から1年ぐらい経てば、本物の蜻蛉のようにホバーリングできるようになっているだろう。

Nature誌に、Robobee X-Wingについて極めて詳細に記述されている。

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カメラレンズが見えないスマホ初号機がOppoから出る

スマートフォンにノッチというものが加わって以来、すっかり洗脳されているうちの編集長以外の世界中の誰もが、それがなくなることを願った。そして、Oppo(オッポ)がその願いに応えた。というか、応えることができることを示した。それは上海で行われたMobile World Congressでのデモだった。Oppo(オポー)は発音がApple(アポー)に似ているから、iPhoneのユーザーは親しみを持つかもしれない。

OppoとXiaomiの両社はどちらも最近、画面の下に置いたカメラをリークしたが、ビデオによるリークと実働機の一般公開では信憑度が違う。Oppoは、確かに実機が上海にあった。

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でも残念ながら最初のデバイスは場外ホームランというより、犠牲フライ程度の出来栄えだ。接写写真やEngadget Chinaの印象では、カメラの機構を覆っている透明な液晶が、ほかの部分とはっきり違う。もちろん彼らは努力しているし、とくに意識して見ないかぎり、そんなに目立つ現象でもない。

カメラ本体は、光が液晶の層で邪魔されるのを補うために、画素サイズの大きい大型の画像センサーを使っている。そうすると解像度は落ちるから、それをいろんなアーティファクト(補正用エフェクト)で補正しなければならない。Oppoによると、画像はソフトウェアで補正しているそうだが、やれることには限界がある。サンプルの写真も、そんなにすごくはない。

だから、まだ世界中が飛びつくというものではないけど、ノッチがなくてカメラが目立たないスマートフォンに向かっての第一歩だ、と考えればよい。その意味で、ぼくはこれを支持する。発売する機種や発売日は、まだ発表されていない。おそらくXiaomiがこの機に乗じて、もうちょっと画像の細部のきれいな同型機を出すかもしれない。

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NASAの超音速ジェット機にはフロントウィンドウの場所に4Kディスプレイを設置

NASAの静音超音速航空機の実験機であるX-59 QueSSTは、コックピットが独特だ。本来ならフロントウィンドウがあるべき場所に、大きな4Kのスクリーンがある。なぜか?これが奇抜な外見を狙った飛行機だからだ。

ロッキード・マーティン(Lockheed Martin)が2億4700万ドルの予算で開発したX-59は、ソニックブーム(衝撃波音)を発生させずに音よりも相当速く飛ぶとされている。というより、少なくとも地上の見物人にとっては「車のドアを閉める音」より大きなノイズをいっさい発生しない。

そのためには当然、なるべく流線型の形状が望ましい。だとすると、ジェット戦闘機のような突き出たコックピットはだめだ。というかむしろ、操縦士を先頭に置いて大きな窓をつける、というデザインが許されない。

コックピットはどちらかというと、小さくて変わった形をした翼の先端の上の面からつまみ出した小部屋のようで、その側面からの眺めはきれいでも前方には機首が見えるだけだ。

対策としてこの機には複数のディスプレイがあり、下の方にあるのは今の航空機にもある位置などの表示だが、上が4Kのモニターで、それはeXternal Visibility System(XVS、外部可視性システム)と呼ばれるものの一部になる。機の外部にある2台のカメラの像を縫い合わせ、前もってロードされていた地形データと合成される。

だからそれは現実の画面ではないが、パイロットはシミュレーターで過ごす時間が長いから、すぐ慣れるだろう。そして現実世界をどうしても見たいときには、そのための窓もある。

このロッキードとNASAの航空機は建造段階に入っているが、一部の部品は明らかにまだ設計途上だ。初フライトは2021年とされていて、このような実験機にしては欲張りなゴールだ。でもこの通称X-planeは、NASAが30年かけて開発してきた企画。もし成功したら、そのほかの静音超音速機の先駆者になり、かつてコンコルドなどがトライした超音速陸上空路便を未来に復活させるだろう。

ただしBoomに負けなければだが。

関連記事: JALとVirginが出資するBoomが超音速旅客機開発計画の詳細を明かす

画像クレジット: NASA

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Google Stadiaのパフォーマンスはインターネット接続のスピードでどう違う?

ゲームプレイを双方向ストリーミングで提供するGoogleのクラウドサービスStadiaは、米国時間6月6日のローンチに際してさまざまな情報や資料が提供された。バイスプレジデントのPhil Harrison氏が提供してくれたのは、ユーザーのインターネット接続のクオリティの違いによる、このサービスのパフォーマンスの違いに関するデータだ。そのトップにあるのは、4Kの解像度+HDRのカラー+60fpsのフレームレート+5.1サラウンドサウンドで、このクォリティを得るためには少なくとも35Mbpsの接続が必要だ。

4KでなくHD1080pでよければ、HDR+60fps+5.1サラウンドのままで20Mbpsもあれば十分だ。そしてGoogleはストリームの円滑性の最適化を60ftpの前提でずっと下のほう、10Mbpsからさらにその下まで行っている。そのレベルではストリームの解像度は720pとなり、サウンドはサラウンドではなくステレオになる。

Harrison氏は「Staidaではゲームを誰でも楽しめるようにしたかった」という。誰でもというのは、インターネットの接続のスピードだけでなく、使えるデバイスのこともある。今回のローンチの時点でStadiaは、テレビ(+Chromecast Ultra)、デスクトップ、ラップトップ、タブレット(+ブラウザー)、スマートフォンで使えるが、最後のスマートフォンは当面、Pixel 3とPixel 3aのみ(+Stadiaアプリ)のみだ。

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iOS 13で写真アプリが大改良、目当ての写真がさらに見つけやすく

iPhoneの上で写真を見つけようと思ったら、どうするか?やり方はたくさんあるが、でも正直なところカメラロールへ行って光よりも速くスクロールし、自分の目が目的の写真を正しく見つけてくれることを信じるというやり方が圧倒的に多いだろう。でも今度からは「写真」アプリの新しいレイアウトによりそれが変わるかもしれない。写真を見つけやすいように、日、月、年別にまとめてくれるのだ。

現在、写真アプリは混乱の巣窟だ。写真を整理する方法はいくらでもあるが、どれ1つとして正しいとは思えない。「For You」タブには最近の一定期間の、ランダムに選んだランダムなお勧め写真がある。それらを「1年前」「春」「旅行」「食事」などで検索できる。たくさんの小さな画像を日付順に並べてくれる機能もあるけど、小さすぎてよくわからない。だからみんなカメラロールを自分でスクロールしまくる原始的な方法に頼るのだ。

WWDCで発表された、Days(日)、Months(月)、Years(年)のテーマでそれが変わるかもしれない。そしていろんなタブ、多すぎるぐらいのタブがあってそれらの期間を指定できる。

そのデフォルトのモードは単なるカメラロールに似ているが、でもDays(日)を選ぶと、ライブフォトが有効なままで、それぞれの日のいろんな写真がハイライトされる。次の日ヘ行くのも簡単だ。もっと新しい写真が下のほうへ出てくる。

Months(月)を選ぶと、各月の写真が場所やイベントごとにまとめられている。Years(年)でも同じだが、各年のアルバムの表紙には同じ日の写真が載る。例えば、誰かの誕生日パーティーに行った日の写真とか。

写真アプリには前から、特定の日付を指定する機能があるけど、それよりも今度の方法の方がいいね。ある年を選んで、さらに月、日、と大量の写真をかき分けていく。カメラロールの単純なスクロールよりもずっと有意義だ。とはいえ、カメラロールスクロール主義を完全に放棄することは絶対にないだろう。

以上は、iOSのマイナーな変化にすぎないが、写真アプリはなにしろ使う頻度が多いから、写真を見つけやすくなったことは相当重大な変化と言えるだろう。

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さまざまな機能性モジュールの組み合わせでIoTシステムができてしまうTibbits

最初の見た感じではTibbits積み木やレゴのような構造材みたいだが、でもその1つ1つは機能をプログラミングされているモジュールやコネクターで、それらを組み合わせてコネクテッドデバイスやシステムを容易に作れる。Tibbitsを作ったTibbo Technologyは台北のスタートアップで、今週はComputexカンファレンスで展示をしている。上図は、さまざまなTibbitsで作ったヒューマノイドロボットだ。

Pre-programmed Tibbit modules from Tibbo

事前にプログラミングしてあるTibboのTibbitモジュール

レッド・ドット・デザイン賞を受賞したTibbo Project Systemは、モジュールがほかのハードウェアよりも目立つように明るい色を使っている。それはTibboのプロジェクトを作っていくためのPCBで、CPUやメモリー、Ethernetポートなどがすでに載っている。それから、各機能をプログラミングしたモジュール、RS232/422/485やDAC、ADC、電源、レギュレーター、温度計、湿度計、圧力センサー、PWMジェネレーターなどなどをそのPCBにプラグインしていく。それ全体をTibboの三つのエンクロージャに収めればシステムは完成する。独自のエンクロージャを使ってもよい。

Tibboはオンラインのコンフィギュレーターを提供しているので、実際にシステムを作る前にその機能を確認できる。言語はTibbo BASICとTibbo Cを使用し、アプリケーション開発プラットホームも提供される。

画像クレジット: Catherine Shu

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見た目はレトロなシリンダー型オルゴールだがプログラミングでどんな曲でも鳴らせる

昔のシリンダー型オルゴールの軽くはじくような音は、ノスタルジーや子どものころの記憶など、いろんなものを思い出させる。かと思うとその音は、ホラー映画のサウンドトラックの定番でもある。オルゴールは1曲しか鳴らせないのが多いけど、今週Computexカンファレンスで展示されていたMuro Boxは、アプリで曲を変えられるし、自分が作曲した曲でも鳴らせる。しかも、スマート目覚ましとしても使える。

台湾のスタートアップであるTevofy Technologyが作ったMuro Boxは、主要部品が木の板に乗っていてカバーはガラスだ。だから、20音のスチールのコーム(櫛)がシリンダー上のピンにはじかれて音楽を作り出す様子を見学できる。Muroと従来のオルゴールの重要な違いはしかし、Muroのシリンダーがプログラマブル、すなわちプログラミングできることだ。

The Muro Box is a music box with a programmable cylinder

Muro Boxはシリンダーをプログラミングできるオルゴール

従来のオルゴールはピンのパターンが一定だが、Muroが特許を取った可変シリンダーはステンレスのギアが20あり、その一つ一つがコームの歯(オルゴールの櫛歯)に対応する。各ギアは電磁石にくっついていて、内蔵のマイクロコントローラに(ギアの突起の位置を)命令される。だからMuroは、ほとんどどんなメロディーでも鳴らせる。

2018年のゴールデン・ピン・デザインアワードを受賞したMuro Boxは昨年、台湾のクラウドファンディングサイトZec Zec(嘖嘖、これはいいね!)で成功し、今度はIndiegogoに出る予定だ。

画像クレジット: Catherine Shu

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Duckyの新しい限定版メカニカルキーボードは台湾のパイワンコミュニティを賛える

台湾のDuckyは、メカニカルキーボードが人気製品だ。同社は今日のComputexカンファレンスで、この国の文化を賛える製品を展示した。それは限定版の65%キーボード「Year of the Pig」(豚年)だ。それはDuckyの今年の干支(えと)バージョン(日本では猪、中国では豚)で、金属工芸のアーティストKulele Ruladenとの共作により、台湾原住民のひとつであるパイワン族に贈る賛辞にもなっている。

Symbols inspired by Paiwan culture on Ducky's limited edition Year of the Pig mechanical keyboard

Ruladenのデザインは、パイワン族の文化から多くを借りている。キーボード前面の金属の切り抜きは、パイワンの人びとの勇気のシンボルである野生の猪がヒントだ。ゴールドのバックプレートには、猪たちと戦うパイワンの戦士たちが描かれている。

「Kulele Ruladenの情熱は、美術と工芸を通じて台湾の文化に光を当てること。彼は数々の国際的な賞を受賞し、台湾の指導的アーチストとしての地位を固めている」。

キートップの色はブロンズレッド(金赤)で、パイワンのアートではブロンズが重要なメディアだ。キーには通常の文字ではなく、パイワン社会の重要なシンボルから借りた象形文字が載っている。たとえばスペースバーの鷹の羽(はね)は「男性と女性の貴族社会」を表している。パイワンのガラスビーズをヒントにしたキーが4つあり、4つの価値、機敏(Kaluazung)、勇気(Mananigai)、高貴(Mulimulitan-maca)、愛(Kurakurau-liling)を表している。

Details from Ducky Keyboard's Year of the Pig limited edition mechanical keyboard

この豚年キーボードは2019台しか作られていない。それは今年を意味すると同時に、未来への永続性も意味している。アルミニウムのケースはナノコーティングされ、キーボードスタンドは亜鉛合金製、キーキャップ上のシンボルは昇華印刷、そしてType-C USBポートとRGBバックライトがつく。

画像クレジット: Catherine Shu

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愛らしいデザインのセキュリティカメラUlo、監視しながらユーザーとも対話

家庭用のセキュリティカメラって、どれも味気ないよね。なにしろ、監視をするだけの道具だから。でも、ルクセンブルグのMu Designが作ったUloには、奇抜な楽しさがある。この、梟(ふくろう)の形をした監視カメラは、対話能力のある2つの液晶の目があなたの動きを追い、そしてその2つのレンズ、HDカメラとモーションセンサーのカメラは、嘴(くちばし)のところにこっそり隠れている。レンズはマジックミラーになっているけど、けっこう高精細の画像を捉える。

Mu DesignのファウンダーであるVivien Muller氏は今、台北のComputexでUloを展示している。彼曰く、「ペットのように人をハッピーにするセキュリティカメラを作りたかったんだ」。Uloの、大きくて表情豊かな目は、たしかに可愛い。Uloを動かしているのはQualcomm Snapdragon 212シリーズのプロセッサーで、Uloの内部にはマイクロフォンがある。電池は充電できるニッカド電池、microUSBの充電器つきだ。Wi-FiモデルとBluetoothモデルがあり、方向センサーもある。そして8GBのeMMCとmicroSDカードのスロットがある。

Uloは、iOSやAndroidのアプリでコントロールする。ほかのカメラと同じく、動きを検知したら画像をメールで送ったり、指定したデバイスに数分のビデオも送る。

このカメラは現在売り切れで、予約を受け付けている。お値段は199ユーロ、約220ドルだ。

画像クレジット: Mu Design

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InWinのミッドタワーPCケースAliceはデスクトップでコスプレを楽しめる

ゲームとコスプレの両コミュニティは、重なっている部分がとても大きい。そして両者を表したベン図の、まん中あたりの層に受けそうなのが、InWinのコンピューターシャーシAliceだ。同社は今、台北のComputexカンファレンスで、AliceとそのほかのPCケースを展示している。

The interior of InWin's Alice chassis

Aliceは誰でも知ってるルイス・キャロルのキャラクターだが、このミッドタワーケースは軽いABS樹脂でできていて色は何色かある。でもその魅力は、簡単に取り替えられる布製のカバーだ。InWinはいろんな種類のカバーも売っているので、それらを買って着せ替え人形してもいいし、もちろん自分でカバーを作ってもよい。InWin製のAlice用カバーは防塵タイプだが、同時に空気の流通も良くて、PCの内部を掃除したり、部品を取り替えたりするのも楽だ。

Some of InWin's fabric covers for its Alice PC case

Aliceは30×24cmのATX、Micro-ATX、およびMini-ITXのマザーボードに対応している。高さ60cm、幅29cm、奥行き44cmだ。

画像クレジット: Catherine Shu

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マイクロソフトが大小多様なフォームファクターをサポートする新しいOSを開発中

AMDIntel(インテル)、そしてQualcomm(クアルコム)が重要な発表を行った今週、台北で行われたComputexカンファレンスではMicrosoft(マイクロソフト)、ややおとなしいキーノートを述べた。新製品の発表はなく同社は、同社が目指す現代的なオペレーティングシステムについて軽く触れた。しかも興味深いことに、そのキーノートに関するMicrosoftのブログ記事にはWindowsへの言及がなく、同社が今新しい「超安全な」OSを開発中、という憶測が裏付けられた。

同社の営業担当副社長Nick Parker氏が書いたそのブログ記事によると、現代的なオペレーティングシステムはさまざまなタイプのデバイスに統合できる柔軟性を持った「フォームファクター・アジリティ」(さまざまな形状サイズへの機敏な対応)を可能にするものでなければならない。たしかに昨年同社は、Surface系列の新しい機種をほのめかした。当時は、それはスマートフォンだろうという憶測もあった。いずれにしても、フォームファクターの多様化という伏線は、すでにそのときからある。

Parker氏によると、現代的なOSは、アップデートがユーザーの心と手を煩わせずバックグラウンドで勝手に自動的に行われるものでなければならない。ユーザーは、アップデートのためにいちいち仕事やコンピューターを中断しない。セキュリティはデフォルトで完璧で、マシンのステートとオペレーティングシステムの隔離、そしてアプリケーションとコンピュートの隔離により攻撃を防止する。

現代的なOSはLTE 5Gに常時接続、AIを使ってアプリケーションの効率化を助けるだろう。そしてペン、音声、タッチ、目の動きなど多様な入力を受け付ける。タッチと目の動きが出てくるあたりに、この新しいOSが何らかのモバイル製品に載って登場する、という憶測の根拠がある。例えばそれは、Surface Phone(Surfaceスマートフォン)か? もしくは、軽量デュアルスクリーン(2画面)のラップトップかもしれない。

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ほぼ新品のエニグマ暗号機が初値約2200万円からオークションに

今週はお金が余っているという方、2台目のブガッティを買う代わりにこのほぼ新品のEnigma Machineエニグマ暗号機)はどうだろう? 第二次世界大戦で連合国を苦しめたこのデバイスは、そもそも売りに出されること自体が珍しい。しかも、実際に戦争で使われたのにこれほど状態が良いのは、過去に聞いたこともない。

Enigmaをめぐるさまざまな奇譚伝説も面白いが、ここで紹介するには長すぎる。簡単に言うと、これらのマシンはほとんど解読不能のコードを作り出し、ナチスは連合国側に通信を傍受されていても秘密の通話ができた。しかし英国のブレッチリー・パークにいた、有名なアラン・チューリング(Alan Turing)を筆頭とする数学者たちとそのほかの分野の専門家たちはEnigmaのコードの解読に成功し、戦争の流れを変えた。これら暗号科学の歴史に関心のある読者には、チューリングの伝記やSimon Singh氏のThe Code Book(邦訳:新潮文庫「暗号解読(上/下)」)をお勧めしたい。

連合軍にマシンを盗まれることを恐れたドイツ軍は、すべてのEnigmaを破壊するよう命じた。そして終戦時には当時の英首相ウィンストン・チャーチルが、残っているEnigmaをすべて破壊せよと命じたが、多くが個人蒐集家の手の中へ逃げてしまったので、今回のようにオークションに登場することもある。わずか数百台が現存していると想定されているが、このような悪名がつきまとう古器物は、正確な推計が不可能だ。

それでもこのマシンは第二次世界大戦の戦火をくぐって生き延び、無傷であるだけでなくオリジナルの回転子も無事だ。その入れ代え方式のローターは、特殊な回転により、テキストを再現不能な形に撹乱する。内部の電球も、切れていたのは一つだけだった。ただし、当然ながら電池はだめだ。でも、これよりもさらに状態のいいEnigmaがほしい人は、もしあったとしても長年待たなければならないだろう。

当然これは、こういうもののお金持ちの蒐集家にとって計り知れない価値を持つだろうし(善意の蒐集家であることを祈りたいが)、戦争や暗号の博物館もこれをぜひ欲しいだろう。Enigmaの秘密はかなり前に解明されているし、懐中時計型の複製もある。でも本物のマシンを見ると、その精巧さに心を打たれるし、今でもまだ、新しい発見と驚きがある。

このEnigmaのオークションは、5月30日にNate D Sanders Auctions20万ドル(約2190万円)から始まる。それは10年前の10倍だから、状態のいいこのマシンが以前のオークションより安いことは、ありえない。初値を(20万ドル)相当上回る額で落ちることは、ほぼ確実だ。

画像クレジット: Nate D Sanders Auctions

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6月発売の12コアRyzen 9 3900XはCore i9 9920Xの半額ながら省エネで勝る

米国時間5月27日、台北で行われたComputexカンファレンスのキーノートでAMDのCEOであるLisa Su氏が、価格と性能の両面でIntel(インテル)やNvidia(エヌビディア)の強敵になると思われるチップとグラフィクスプロセッサーを発表した。なお、このカンファレンスでAMDがキーノートに招待されたのはこれが初めてで、イベントの実際の開会は5月28日だ。

チップ

同社の新製品となる第3世代Ryzen CPUの中で最初に登場する7nmのデスクトップチップは、6月7日に発売される。Su氏のキーノートのハイライトはAMDの12コア24スレッドRyzen 9 3900xチップの発表で、それは同社の第3世代Ryzen系列の旗艦機だ。499ドルの最低価格は対抗機であるCore i9 9920Xチップセットの1189ドルの半額だ。

Ryzen 9 3900xはブーストスピードが4.6Ghz、キャッシュ総量70MB、熱設計電力(TDP)はCore i9 9920Xの165Wに対し105Wとその効率性を誇る。AMDによると、Blender DemoではCore i9-9920Xより18%短時間で終了した。

この系列の他のチップの最低価格は、6コア12スレッドの3600が199ドル、8コア16スレッドのRyzen 3700xが329ドル(ブースト4.4Ghz、総キャッシュ36MB、TDP65ワット)、そして8コア16スレッドのRyzen 3800X(4.5Ghz、32MB、105ワット)が399ドルだ。

GPU

AMDによると、同社のゲーム用GPU新製品NaviグラフィクスプロセッサーはRadeon RX 5700シリーズになる(下図ツイート参照)。Nvidiaが対抗機を値下げすることもありうるので、価格は慎重に検討している。発表ではAMDのGPUの発売は6月だが、価格や性能、新たな機能等の詳細は来月ロサンゼルスで行われるE3(Electronic Entertainment Expo、6/12-14)までおあずけだ。

データプロセッサ

AMDは1月のCESで、データプロセッサーのEPYC Romeを発表・デモを行った。そのローンチは予想より1四半期早く次の四半期となり、インテルのCascade Lakeと競合する。AMDが主張するベンチマーク結果によると、EPYC Romeの処理速度はCascade Lakeの倍である(下図ツイート参照)。

画像クレジット: David Paul Morris/Bloomberg (opens in a new window) / Getty Images

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一般市販部品で誰でも作れるオープンソースの四足ロボ

政府からの100万ドルの研究助成金がなくても、わずか数千ドルと確かな技術力があれば本格的なロボティクスプロジェクトが可能だ。スタンフォードの学生たちはDoggoと名付けた四足ロボットでそれを証明した。その最大の特徴は、一般市販の部品だけでできること。もちろん肘や膝などの関節部分には、大量のグリースが要るけど。

ロボットとオートメーションに関するIEEEの国際会議でプレゼンするために作ったDoggoは、Stanford Robotics ClubのExtreme Mobilityチームの作品だ(彼らのペーパーがここにある)。その目的は、ほかの人たちでも作れるような現代的な四足ロボットを最小の費用と最少のパーツで作ることだ。

このかわいいロボットは、一見ごつごつしているけど、その多角形の脚は意外なほどしなやかで、きびきびと歩き、1m近く垂直ジャンプもする。スプリングやショックアブソーバーはいっさい使っていないが、脚にかかる力を毎秒8000回サンプリングすることによって、素早く反応する。まるでモーター自身が(仮想的に)スプリングでもあるかのように。

動く(前進と上方ジャンプ)ことだけが目的で、自律能力はないし、自分のまわりの世界を理解する能力もない。でもすてきなのは、誰でも作れることだ。特殊なモーターや部品は何も使ってなくて安上がりだから、一般的にロボット工学の最初の教材になるだろう。Doggoを自分で作ってみたい人のための、設計と必要な部品の詳細はGitHubのここにある

チームのリーダーのNathan Kau氏はスタンフォードの学内紙で「四足ロボットは研究でよく使われるが、研究プロジェクトごとにゼロからそれを開発しなければならない。このStanford Doggoはオープンソースのロボットとして、比較的少ない予算でも各研究者が自分なりの四足ロボットを作れる」とコメントしている。

Extreme Mobilityチームは同大のRobotic Exploration Labとコラボレーションして、Doggoの改良に取り組むつもりだ。改良作はDoggoの倍ぐらいの大きさになり、Wooferと呼ばれる。

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AmazonがAlexaのスキルを作れるデベロッパーの資格証明制度を立ち上げ、企業ニーズに応える

Amazon EchoなどのAlexaデバイスを作っているデベロッパーに、自分の能力を証明する新しい資格証明制度として、AWS Certified Alexa Skill Builder – Specialtyというものが立ち上げられた。Amazonによると、同社がAlexaデベロッパーのための資格証明を提供するのは、これが初めてである。

資格証明はテクノロジー業界ではよくあり、AmazonのAWSもすでに教育訓練事業とともに独自の資格証明を提供して、企業がAWSの知識とクラウドの専門的技能を持った技術者を確実に雇用できるようにしている。

今回のAlexa技術の資格証明はAWSの資格認証事業の一環となり、その人がAlexaの音声アプリ開発のすべての側面を正しく理解していることを確認する。

検証されるのはアプリケーションの開発や試験の仕方、スキルの検査とトラブルシューティング、Alexa Developer Consoleの使い方、Alexaのスキルのオペレーションとライフサイクルの管理など、実践的な要素が多い。また、声の価値や、音声のユーザー体験のあるべきフロー、など、今多くのAlexaデベロッパーが悩んでいるような高レベルのコンセプトの知識も試される。

試験のガイドがあるので、これを見ると、スキル習得のために勉強すべきチュートリアルや技術的ドキュメンテーションなどがわかる。またオンラインのトレーニングコースもある。

準備万端でこれから試験を受けようというデベロッパーは、AWS Trainingのアカウントを取得して、試験のスケジュールを決める。

Amazonが主張する目標は、今日市場に存在する1億以上のAlexa対応デバイスの顧客の心をつかむような、魅力的な音声アプリ体験を作る機会を、もっと多くのデベロッパーに提供することだ。

つまりAmazonが求めるのは、デベロッパーがAlexaのスキル開発をちょっと浅く体験するだけでなく、そのベストプラクティスも身につけて、顧客に対し強い訴求力を持つアプリケーションを作ってもらうことだ。

この資格証明事業はスマートスピーカーがここ米国でクリティカル・マスに達したそのほぼ同じタイミングで展開される。でもサードパーティのスキルはまだ、大ヒットに乏しくスマホのアプリストアほどの人気を獲得していない。それはBloombergが最近報じたとおりだ。

音楽やタイマー、スマートホームのコントロールなどはスマートスピーカーのヒットと言えるかもしれないが、でもそれらは、ネイティブの(最初からある)ファンクションだ。消費者の採用が今後伸びないなら、今80万以上あるサードパーティのAlexaスキルの将来性も危うい。

しかしそれでも、企業は今でもこのプラットホームに強い関心を持っている。なんといっても、Alexaの大きなインストールベースは魅力だ。今でも毎日、1日に1つは、どこかの企業がスキルを発表している。今日のそれは、赤十字だった。

AWSで資格証明と教育訓練事業を担当しているディレクターKevin Kelly氏が、声明の中でこう言っている。「音声アプリ(Alexa用語では“スキル”)を作れる有能なプロフェッショナルは、最近ますます多くの企業から求められている。この新たな資格証明はAlexaにフォーカスした唯一の認証制度として、そういうプロフェッショナルなスキルを検定できる」。

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自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

FarmWiseは、農業で一番嫌がられる作業のひとつである除草を、ロボットにやらせようとしている。そのために、このサンフランシスコ生まれのスタートアップはミシガン州の自動車企業Roushに、自動運転ロボットのプロトタイプ作りで協力を求めた。

このコラボレーション事業の財務的詳細は公表されていない。

自動運転除草機は、除草剤を不要にし、農家の労力を減らす。この除草ロボットは1日24時間平気で精度の高い除草作業をするから、作物の反収を大幅にアップする。そもそも除草剤も、除草が大変な仕事だから発明されたのだ。

Roushは2019年に12台のプロトタイプを作り、2020年にはさらに多くを作る予定だ。でも、なぜ中国ではなくミシガン州なのか?

FarmWiseの共同創業者でCTOのThomas Palomares氏はこう語る。「ミシガン州はその優れた製造業と自動車産業で世界的に知られている。彼らは高度な技術と製造工程のノウハウを持っている。われわれのマシンを作ってテストするためにも、そのような高度な製造技術が必要だ。われわれにRoushを紹介したのはミシガン州の投資企業のPlanetMだが、うちのようなテクノロジー系のスタートアップが製造にまで手を染めるためには、年季の入った評価の高い自動車メーカーの協力が絶対に欠かせない」。

Roushは、高性能な自動車部品のメーカーとしてミシガン州で長い歴史がある。最近ではその高度な製造技術を活かして、ロボティクスや代替燃料システムにも手を広げている。

ミシガン州の産業振興や国際関係の形成にも関わっているPlanetMの、集団事業担当ハイスプレジデントのTrevor Pawl氏は次のように語る。「FarmWiseのようなスタートアップとミシガン州生え抜きの企業であるRoushの製造業ノウハウが一緒になって、前者のコンセプトを現実化する。このコラボレーションは、そんな機会づくりのモデルケースだ。その意味で、このコラボレーションが実ったことは非常に喜ばしい。プロトタイプや製造のサポートを求めている新興企業を州の有能な製造業界が支えていく、今回はそんな事業モデルのすばらしい好例だ」。

FarmWiseは2016年に創業され、これまで570万ドルのシード資金を調達している。そのときの投資家はPlayground Globalなどだ。本誌TechCrunchがFarmWiseを最初に見たのは、Alchemist Acceleratorのデモデーのときだ。

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