中国JD.com、“スマート”小売体験提供でインテルとタッグ

中国JD.comは数カ月前にGoogleから5億5000万ドルもの資金を調達したが、アリババに次いで中国第二位のインベンターであるこの企業は、新たに別の米国テック大企業とタッグを組む。インテルだ。

JDとインテルは今日共同で、IoTテクノロジーを小売プロセスに持ち込むことに主眼を置いた“ラボ”を立ち上げると発表した。ここでの開発には新世代の自動販売機や広告体験などが含まれるようだ。

将来はほとんどオフラインーまたは中国のテック業界にいわせると、“オンラインからオフライン”ーだが、eコマースのメリットを実在店舗での買い物体験に合体させる。たとえば、客は店に来る前に注文しておいて店舗にはピックアップだけに来たり、レジ精算なしに商品を購入したり、“スマート棚”の恩恵を受けたり、購入する前に実在店舗でお試ししたり、といったことがすでにできる。

実際、TechCrunchは最近、北京にあるJDの“7Fresh”ストア旗艦店を訪れ、同社がとっているハイブリッドアプローチについてレポートした。

中国インターネット大企業Tencentが後ろ盾になっているJDの企業価値は300億ドル近くだ。JDはすでにパーソナライズされた買い物体験についてインテルと協業を始めているが、今回のラボは新プロジェクトをさらに進め、“グローバルマーケットへの導入を促進する”のにフォーカスする。

「デジタル化小売ジョイントラボは、インテルのアーキテクチャーを用いて次世代の自動販売機やメディア/広告ソリューション、将来の店舗で使われるテクノロジーを開発する」と2社は共同声明で述べている。

JDは現在、中国国内で7Freshを3店展開しているが、このネットワークを30店に拡大することをねらっている。また海外にもすでに進出していて、今年インドネシアでレジなし店舗を立ち上げるなど、東南アジアで事業展開している。

イメージクレジット: jonrussell Flickr(Image has been modified)

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(翻訳:Mizoguchi)

Qualcommは7nmの8cxプラットホームでPC市場にさらに大きく賭ける気だ

QualcommはPC、とくにラップトップ市場でメジャーになることを望んでいる。Windows 10がARM上にもある今、それは単なる夢ではない。しかしこれまでのQualcommベースのWindows 10ラップトップは、PC用に特製されたSoC、Snapdragon 850を使っていたが、それは同社のスマートフォン用プラットホームの直接の子孫のようなチップだった。

しかし今日(米国時間12/6)同社が発表したSnapdragon 8cxプラットホームは、“これまでで最高のSnapdragon”と自画自賛され、同社のモバイルの専門技術とビルディングブロックを一部に使用しながらも、強力なPC向けに一から新たに設計されている。

8cxはPC向けに最適化され、ピーク時のパフォーマンスやマルチタスクにも十分対応する。それは初めての、7nmプロセスのPCプラットホームでもあるが、発売は2019Q3以降となる。

QualcommのSnapdragonプラットホームをPC(それをQualcommとMicrosoftは“Always Connected PC”(常時接続PC)というブランドで呼んでいる*)に使うとどうなるのか。Q社の売りによるとそれは、複数日の電池寿命でIntelのチップと同等のパフォーマンスが得られることだ。最初の世代のデバイスは電池寿命はグレートだったが、パフォーマンスはまだまだだった。今度の8cxでは、その点が改良されたとQualcommは約束している。そして同社は、その7nmチップは“従来のPC業界よりも数世代先を行っている”、とあえて〔10nmでつまづいた〕Intelを名指しせずに主張している。〔*: Always Connected PC, 日本ではHPのCore i5機が最初に使用。〕

8cxプラットホームをローンチしながらQualcommは、依然850をキープしている。8cxの位置づけは、既存の850プラットホームを補完して、ベンダーが多様な価格帯のPCを提供できるようにするための、プレミアムプラットホーム(ハイエンド機用チップ)だ。

8cxはQualcommのKryo 495 CPUとAdreno 860 GPUを搭載し、後者は4KのHDRモニターを駆動できる。またQualcommの最新の高速充電技術や、いつもの接続性オプション(Bluetooth, USB-C, LTE, …)により、常時接続をサポートする。

QualcommのSVPでモバイル部門のゼネラルマネージャーAlex Katouzianが、今日の声明で言っている: “パフォーマンスと電池寿命をつねに重視するわれわれは、7nmのイノベーションをPCに導入し、スマートフォンのような能力を持たせることによってコンピューティング体験を変革する。これまでで最速のSnapdragonプラットホームであるSnapdragon 8cxによって、弊社の顧客のみなさまは、複数日の電池寿命と複数ギガビットの接続性、および薄く軽くファンのないデザインによる強力なコンピューティング体験を、消費者と企業に提供できる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iPhone、5G採用は2020年か(Fast Company報道)

初の5G携帯電話は来年登場しそうだ。Motorolaは次世代通信をMoto Z3のModを通じて提供する計画であり、LGとOnePlusは2019年中に新技術を端末に取り込むことを約束している。iPhoneユーザーは、もう少し待つことになりそうだ。

もちろんこれはAppleにとって(他の誰にとっても)不可欠なテクノロジーなので、問題は時期だけだ。Fast Companyの最新記事(via the Verge)によると時期は1年半ほど先だという。

「Appleの計画に詳しい筋」によると、5G iPhoneは2020年のどこかに登場し、テクノロジーはIntelが提供するという。AppleとIntelは最近ちょっとしたトラブルに見舞われている。5GモデムチップXMM 8060の熱/バッテリー問題のためだ。もちろん、再びQualcommの戸をノックするほど深刻ではない。

現在両社間で起きている問題を踏まえるとQualcommという選択肢は考えにくい。代わりにAppleはIntelの8161チップに期待している。5GはIntelにとって、前回Qualcommに譲った大きな市場を取り戻す絶好の機会だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

PC需要意外な急進でIntelに供給不足、ハイエンドチップから回復へ

Intelの暫定CEO Bob Swanが今日(米国時間9/28)、彼らしくない率直な書簡で、同社が今抱えるサプライの問題を強調した。それによると、不足の原因はPC業界の予想外の反転による急成長という、意外性だそうだ。Swanによるとその反転は“ゲームと商用システムの強力な需要”が、契機となった。

それは、さまざまな悪条件が重なった最悪の状況だ。需要の急増に対する、同社の10nmアーキテクチャの長年の歩留まり問題で、対応不能が広がった。それらのチップに関してSwanは、“状況は改善中”と言うが、正しくは“増産は2019年まで無理”、だろう。

書簡の中でSwanは、“サプライは確かに厳しい”、と認めている。“とりわけ、エントリーレベルのPCの市場が難しい”。しかしそれでも彼は、現状のサプライの量は今の会計年度の売上目標を満たすには十分、と信じている。

短期的にはIntelはXeonやCoreなどのハイエンド製品に注力し、“市場のハイパフォーマンスセグメントに対応”する。それ以降は年内の150億ドルの資本投下を計画中で、そのうちの10億ドルはアメリカとアイルランドとイスラエルにおける14nm製品の生産に向けられる。

今回の急なサプライ問題で、広い範囲のPC業界が苦境に立った。需要増による品不足は吉報かもしれないが、プロセッサーの不足とPC市場の成長が並行して今後も続けば、成功が帳消しになる事態もありうるだろう。

画像クレジット: Intel

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「ほぼすべて」のPCとMacに、暗号化データを盗まれるセキュリティー欠陥がある

現代のコンピューターの殆どが、たとえディスクが暗号化されていても、数分のうちに機密データを盗む新たな攻撃に対する脆弱性があることが、最新の研究によって明らかになった。

F-Secureが水曜日(米国時間9/12)に公表した新たな発見によると、同社がテストしたあらゆるノートパソコンで、ファームウェアのセキュリティー対策がデータ盗難を防ぐのに十分な働きをしたものは皆無だった。

F-Secureの主任セキュリティー・コンサルタント、Olle SegerdahlはTechCrunchに、この脆弱性は「ほぼすべての」ノートパソコンとデスクトップ——WindowsもMacも——のユーザーを危険に晒すと語った。

新たな攻撃は、長年ハッカーらがシャットダウンされたパソコンからデータを盗むために使っていたコールドブートアタックと呼ばれる伝統的手口に基づいている。現代のコンピューターは、電源が切断されるとき、データが読み出されないようにメモリーをランダムに上書きする。しかし、Segerdahlと同僚のPasi Saarinenはこの上書きプロセスを無効にして再びコールドブートアタックを可能にする方法を見つけだした。

「いくつか余分な手順が必要だが、この欠陥は容易に利用できる」」とSegerdahlは言う。あまりに簡単なので、もしこの技法がどこかのハッカーグループにまだ知られていなかったとすれば「大きな驚きだ」と彼は言った。

「パソコンのデータを盗む任務を課せられた者なら誰でも,すでに同じ結論に到達しているとわれわれは確信している」

パソコンを物理的にアクセスすることが可能なら、データを盗み出せる可能性が高くなることは誰もが知っている。だからこそ、こんなに多くの人たちがディスク暗号化を使って——WindowsならBitLocker、MacならFileVaultなど——デバイスの電源が切れているときのデータを守っている。

しかし研究者らは、ほぼすべてのケースで、BitLockerやFileVaultが保護していたにもからわらず、彼らはデータを盗むことができたと言っている。

研究者らは上書きプロセスのしくみを理解したあと、ファームウェアがメモリーから秘密を消し去るのを防ぐ方法の概念実証を行った。そこからはディスクの暗号化キーを探し、見つかれば保護されたボリュームをマウントするために使用する。

危険にさらされるのは暗号化ディスクだけではない、とSegerdahlは言う。成功したアタッカーは、「メモリー上で起きるあらゆるものごと」を盗むことができる。パスワードや企業のネットワークIDなど、盗まれればさらに深刻な被害につながりかねない。

彼らの発見は、公表される前にMicrosoftとAppleとIntelに伝えられた。研究者らによると、攻撃に耐えられれたのはごく僅かなデバイスだけだった。MicrosoftはBitLocker対策に関する最近更新された記事で、スタートアップPINコードを使うことでコールドブートアタックを緩和できると書いたが、Windows “Home” のユーザーは残念ながらそれができない。なお、T2チップを内蔵したApple Macは影響を受けないが、それでもファームウェアにパスワードをかけることで保護は強化される。

MicrosoftとAppleは両社ともこの問題を軽視していた。

アタッカーはデバイスを物理的にアクセスする必要があることを認め、Microsoftはユーザーに対して「デバイスへの物理的な不正アクセスを防ぐことも含め、適切なセキュリティー習慣を実践すく」ようユーザーに勧めると言っている。Appleは、T2チップをもたないMacを保護する手段を検討していると語った。

Inte にも問い合わせたが、公表できるコメントはないと言った。

いずれにせよ、研究者らによると、該当するコンピューターメーカーが既存デバイスを修正できる見込みはあまりない。

「残念ながらMicrosoftにできることは何もない。なぜならわれわれはPCハードウェアメーカーのファームウェアの欠陥を利用しているからだ。」とSegerdahlは言う。「Intelのできることにも限度がある。エコシステムにおける彼らの立場は、メーカーが新しいモデルを作るためのリファレンスプラットフォームを提供することにある」

企業もユーザーも「各自で」行動する必要がある、とSegerdahlは言った。

「こういう出来事に備えておくことは、デバイスがハッカーによって物理的に損なわれることなどないと仮定するよりも、好ましい行動だ。そんな仮定が成り立たないことは明らかなのだから」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自動運転車に深入りしたいルネサスが$6.7Bの巨額買収に踏み切る

日本の半導体企業Renesasは、自動車産業向けのチップのサプライヤーとして世界最大の企業のひとつだ。その同社が、自動運転技術により一層注力するために、アメリカのチップ企業IDTを67億ドルで買収しようとしている。

Renesasはさまざまなデバイスを動かし制御するマイクロプロセッサーや回路を作っており、中でもとくに自動車産業が中核だ。供給量ではNXPに次ぎ、売上の半分以上が自動車業界からだ。一方IDTは電力管理とメモリーが主な製品で、とくにワイヤレスのネットワークとデータの変換や保存にフォーカスしている。これらはコネクテッドデバイス(ネットワークに接続されたデバイス)の成長とともにますます重要であり、データの高レベルなストリーミングと対話…大量で高速なデータ通信…を要求する自動車ではとくに重要だ。

IDTの買収は同社の株価の29.5%で行われようとしており、自動運転車に関するRenesasの技術力強化をねらっている。Renesasによれば、その事業を、ロボティクスやデータセンター、そのほかのタイプのコネクテッドデバイスなど、“データエコノミー”の分野に拡大することも、ねらいの一つだ。

Renesasはすでに、自動運転車の技術をデモしており、Intelなどと直接競合する立場になる。昨年同社は、ハイブリッドカーやEVの電池の電圧をコントロールする技術を持つIntersilを32億ドルで買収しており、IDTの買収はその路線のさらなる延長だ。

“両社の製品の重複はほとんどないから、Renesasにとって健全な買収戦略だが、価額がちょっと高すぎるのではないか”、とBloombergのアナリストMasahiro Wakasugiは言っている

IDTの買収案件はRenesasが先月、最初に買収の関心を示してから二週間が経過した。買収の法的承認および完了は2019年の前半と予想されている。

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Armは進化したモバイルチップのラップトップ適性を確信、向こう二年間が勝負と

世界中のほとんどすべてのスマートフォンやIoTデバイスで使われているチップを設計しているArmが今日(米国時間8/17)、今後二年間のロードマップを発表した。Armがそんなことをするのはこれが初めてだが、その理由はたぶん、同社のチップをラップトップにも持ち込みたいという意欲を、強調するためだろう。

今のところ、Armベースのラップトップといえば、遠く途(みち)半ばだが、でも最近Microsoftは、常時接続のWindowsラップトップという構想でArm方向へ大きく舵を切ろうとしている。それは理論的にはすごいかもしれないが、その一回の充電で一日中動くラップトップは、パフォーマンスでx86チップにかなわないだろう。でもArmは、そのギャップは急速に閉じつつある、パフォーマンスと電池寿命のもっと良いバランスを提供できる、と言っている。

それどころか、ArmのマーケティングプログラムのシニアディレクターIan Smytheは、同社の次世代アーキテクチャをIntelの中級機Core i5と、堂々と比較している(下図)。

Smytheは今日の記者発表の席でこう述べた: “画面の大きなデバイスに映像を満足に表示できるのも、コンピューターの性能アップのおかげだ。そして弊社のビジョンは、これまでのモバイルのイノベーションの力を借りてラップトップのパフォーマンスを上げることだ。そのためにはファウンドリと協力して、今日と明日の最先端のチッププロセスでそのパフォーマンスを実現しなければならない”。

Armが発表したロードマップはそれほど詳細ではないが、でも今年同社はCortex-A76アーキテクチャを製品化するだろうし、そのためにパートナーのファウンドリは10nmと7nmの両方のプロセスを使うだろう。そして来年同社は、Deimos CPUsをローンチするが、こちらはすべて7nmのプロセスだろう。2020年になれば、Herculesプロセッサーを7nmと5nmのプロセスでローンチする(下図)。

それらの裸の計算性能では、A76はIntel i5と競合し、Armは5WのTDPを約束している。単純に物理的な計算性能だけでコンピューターの実用性能が決まるわけではないが、あえてそれを持ち出すのは、Armとそのパートナーたちのラップトップ市場に賭ける意欲を表している。そして同時にまた、スマートフォンもより強力になるのだ。

しかし、Armのプロセッサーが本当にラップトップ市場に食い込むことができるのか? Smytheは、それを確信している: “各回のイノベーションがもたらす破壊的進化により、その都度、新たな機会が作られる。そのときわれわれが有利性を示すことができれば、ラップトップ市場にわれわれの足場が作られて、それが大きくなる。今度のArmデバイス上のWindowsという初の試みも、そんな機会の一つであり、今後のCortex A76ベースのデバイスとその先には、それらがもたらす能力と破壊的進化により、今あるものを超えた機会が開けるだろう”。

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AppleがMacBook Proの過熱減速で謝罪、早々にバグフィックスをリリース

【抄訳】
Appleは今月、MacBook Proの最新アップデートを意気揚々と発表した。予告のコマーシャルでは、さまざまなクリエイティブ分野のプロフェッショナルたちが、新しく強力になったこのノートブックで、さらに良い仕事ができるようになった、と語った。

レビューも、本誌の記事も含め概して好評で、本誌が行ったベンチマークはGeekbenchが確認した性能アップを裏打ちしていた。しかしそれらのレビューの中で、Dave “D2D” Leeが問題を報告し“Beware the Core i9.”(Core i9にご注意)と題するビデオを発表した。

ユーチューバーのLeeが見つけたのは、Premier Proによるビデオのエキスポートで、Core i7を搭載した昨年のモデルよりも、今回のCore i9を載せたニューモデルの方が長時間かかったことだ。この不思議な現象は、エキスポート時の過熱に対処するためにシステムを減速しているため、と思われた。そのビデオでLeeは、新型MacBook Proのシャシーは前と同じなので、新しいCPU、すなわちi9を正しく冷すことができない、と憶測していた。

“それは、今年のバージョンだけの問題だった。具体的にはi9だ”、とLeeは本誌に語った。“それは、このCPUが電力大喰らいだから起きたことだ。問題の本質が、それだ”。

【中略】

Leeによると、コマーシャルに登場するクリエイティブたちのワークフローはどれも、LeeがPremier Proでやろうとしていたワークフローほど高負荷ではなかった。Appleも、最初のテストでは、それほどの高負荷を試さなかったと思われる。しかしAppleはLeeのビデオが発表されてから数日後に問題を認め、今日(米国時間7/24)のMacOS High Sierraのアップデートでフィックスをリリースする、と声明した。

同社はその声明で、バグフィックスに関して謝罪している。また高負荷で使用することの多いユーザーには、今日リリースされるSupplemental Updateのインストールを勧めている:

【後略】
〔Appleの声明の原文…温度管理システムにバグがあった、今回のフィックスにより、15インチMacBook Proは最大で70%速くなり、13インチのタッチバー付きは最大で2倍速くなった、という。〕

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今年の独立記念日では、Intelドローン500基が花火に取って代わる

今年のカリフォルニア州フェアフィールドのトラビス空軍基地では、いつもと少し違う7月4日(独立記念日)を迎える。花火の代わりに、Intelのドローン、Shooting Star 500基がこの祝日と基地の75周年を記念して編隊を組んで空を舞う。

これはディズニーワールドスーパーボウル、そしてオリンピックで演じたのと同じドローン集団だ。

各ドローンの飛行経路は高度な制御プラットフォームを駆使して事前に計画されているため、ひとりの人物が編隊を制御する。Intelの技術者は、このシステムは無制限の数のドローンを制御できると言っていた。私の見たバージョンでは、ドローンはGPSを利用して定位置に留まり、衝突検知センサーは備えていなかった。

これは印象的なテクノロジー表現だ。わたしはディズニーワールドで最初のショウを見る機会があったが、ドローンは花火に代わるすばらしい演者だった。花火はたしかに独立記念日の伝統だが、このドローンたちと同じことはできない。しかもドローンはずっと静かなので、ずっと多くの人たちがショウを楽しめる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

強力なDIYボードUDOO BOLTは小さいけどMacやPCを超えてワークステーション並の性能

この前会ったときのUDOOは、Raspberry Piを使った強力なDIYボードで、多くのポートがあり、良いプロセッサーを選び、いろんな機能を用意していた。そして今日(米国時間7/3)彼らが発売したUDOO BOLTは、“AAA(スリーA)ゲーム”を動かせると称するDIYボードで、AMD Ryzen Embedded V1202B 3.2 GHz SoCプロセッサーとRadeon Vega 3グラフィクスカードを搭載している。Arduinoと互換性があるので、ロボティクスをはじめ、さまざまな電子工作プロジェクトをこれに接続できる。

BOLTに大量のRAMを載せれば、作者たちに言わせると、“Intel i5を搭載した13インチのMacBook Proの2倍、Mac Miniの3倍のパワーがある”そうだ。これだけでほとんど完全なコンピューターだから、ケースに収めてUSBキーボードや、マウス、モニタ用のHDMIなどがあれば、ミニ・ワークステーションになる。BOLTは4つのモニターをドライブでき、内二つは4KのHDMI、二つはUSB-Cだ。LinuxやWindowsを、動かせる。

発売は2018年12月を予定している。Kickstarter上で、スターターキットは298ドル、電源と4GBのRAMがある。8GB RAMでSATAとワイヤレスをサポートするタイプは、409ドルだ。

DIYボードにこれだけのプロセッサーとグラフィクスを載せるのは、やり過ぎだろうか? もちろん、やり過ぎだ。でもこのシステムは実験やオンザフライの設計用を想定しているから、商業用やワークステーションとしても十分使える。しかも、すごくポータブルだから、学校のデスクに数台置いて、子どもたちに好きなことをやらせるのも良いね。この、ピーナッツバターやジェリービーンズのパッケージぐらいのサイズのマシンで、VRゲームを楽しむこともできる。

UDOOのチームは長年、Raspberry PiやArduinoにいろんなものを足すことを仕事にしてきたから、ベーシックなボードをさらにさらにパワフルにすることのエキスパートだ。初期のモデルでもAndroidの上でドローンや多足ロボットを動かせたから、今度の強力な新製品は特級品だ。

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Google CloudのCOO、わずか7ヶ月で離任――原因に関心集まる

昨年11月、Googleは Diane BryantがGoogle Cloud事業の新しいCOOに就任すると発表した。Bryantは当時Intelのデータセンター事業部の責任者で一時休職中だった。Bryantの採用はGoogleにとって大成功だと考えらたが、長続きしなかったようだ。Business Insiderのスクープによれば、Bryantは就任からわずか7ヶ月でGoogle Cloudを去った。

TechCrunchがGoogleに確認を取ったところ、広報担当者から、「BryantがGoogleを離れたことを確認する。われわれは在任中のBryantの貢献に感謝し、次の段階にも多幸を祈っている」というコメントが返ってきた。

Bryantの離任の原因は現在のところ明らかでない。IntelのCEO、Brian Krzanichが女性社員との不適切な関係が報じられて辞任した後、取締役会は後任探しを始めている。Bryantはその条件に適していると考えられている。IntelはCEOの選択で部内者を抜擢するのが例だった。ただし今の段階でIntelの取締役会がすでに後任を決定しているということは考えにくい。Intelに25年間勤務して実績を挙げてきたBryantのリクルートはGoogle Cloudにとってヒットだった。Googleはクラウド事業でAmazonとMicrosoftを追う立場にあり、Bryantはこうした事業のトップとして理想的と見られていた。

Bryantの採用にあたって、Google CloudのCEO、Diane Greeneは「Bryantの戦略における見識やテクノロジー上の知識、またクライアントを熟知していることなどは今後Google Cloudを新しい段階へとスケールさせるためにこの上なく価値あるものとなるだろう」と述べていた。最近のアナリストのレポートによればGoogle Cloudの市場シェアは漸増しており、売上もそれに比例してアップしている。それでもGoogleはこの分野でかなり離れた3位であり、この状態は当分変わりそうにない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Intelが28コアのシングルソケットチップを今年の終わりごろローンチする

Intelは日に日に強さを増すAMDやQualcommからのプレッシャーを痛感しているし、Apple が独自のチップを開発してMacのIntelプロセッサーをリプレースするという報道が事実なら、競争はさらに激化するだろう。先週、Computexの前のEngadgetのインタビューで、IntelのクライアントコンピューティングのヘッドGregory Bryantは、Intelは昨年の真打ち18コア36スレッドのi9-7980XEよりももっとすごい、強力なチップを発表するだろう、と述べた。

今日(米国時間6/4)台湾の台北で行われたComputexにおけるIntelのキーノートは、今後のローンチのプレビューに終始したが、Bryantによれば、今年の後半にはシングルソケットのプロセッサーで、なんと28コア5GHzというものを発表するそうだ。至近の競合機種としてはAMDのThreadripperが思い浮かぶが、こちらは16コア32スレッドだ。

Bryantは、そのデビューは今年の第四四半期と言ったが、価格は公表しなかった。i9-7980XEは今1999ドルだから、それより高いことは確実だろう。

Intelは、新たな限定版チップi7-8086Kをリリースした。こちらは5.0GHzでこのチップとしては記録更新だが、ご先祖x86プロセッサーを記念する製品で、その最初の8086基は早いもの勝ちの無料で提供される。

Coreプロセッサーの第八世代(i10)、ニックネームWhiskey Lakeの計画も、発表された。Intelの14ナノメートル技術を使用し、軽量ラップトップ向けに設計され、バッテリーやファンのスペースを横取りしないそうだ。もうひとつのAmber Lakeチップシリーズも14ナノメートルで、超薄型ラップトップやタブレット用、という。

そのほかの発表は、Optane SSDのアップデート機905P、こちらはより小さいM.2のデザインで最大1.5TBを提供する。

チップ以外ではIntelは今、Sprintとデバイスを共同開発中だそうだ。そのハードウェアパートナーはAcer, ASUS, Dell, HP , Lenovo, Microsoftで5Gのネットワークに対応。ローンチは来年だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

見捨てられるPenryn世代: Intelは古いチップのSpectre対策を中止

チップの欠陥MeltdownとSpectreに対して、引き続き行われているパッチ努力の一環としてIntelは先月、2005年までさかのぼって開発コードYorkfield以降のプロセッサーにも修復を適用する、と示唆した。しかし最近のガイダンス文書によると、これらの古いプラットホームの多くは結局、修復を受けないことになった。

具体的には、Spectre Variant 2(変種2)のための対策は、チップの世代で言ってBloomfield, Clarksfield, Gulftown, Harpertown, Jasper Forest, Penryn, SoFIA 3GR, Wolfdale, Yorkfieldに対しては行われない。(IntelのコードネームのリストはWikipediaにある。)

変種2はブロックや回避がいちばん困難な欠陥なので、対策も難しい。マイクロコードのアップデートで何かをコピペして終わり、という仕事ではない。

そのガイダンス文書(PDF)には、修復対応をやめる理由が書かれている:

  • マイクロアーキテクチャの性格により、変種2を緩和する機能の実効的な実装ができない
  • システムソフトウェアの商用サポートが不十分
  • 顧客からの入力によると、これらの製品の多くが“クローズド・システム”として実装されているので、これらの脆弱性への露出の可能性が低い。

言い換えると: それは超難しい、サポートが薄い、そしてバグが悪用されるような使い方をしている人がとても少ない。

そもそもそれら古い機種は、リストが膨大であるだけに、Intelとしてもリーズナブルな後退をした、と言えるだろう。しかしそれでも、システムの管理者は、これらの世代のチップが自分たちのシステムの中で外部者に対してむき出しになっていないか(悪用の可能性がないか)、チェックしたいだろう。

そしてユーザーに関しては、Core 2 Duoに代表されるPenryns世代は、まだ古いラップトップを使っている人が少なくないだろう。2008年には、それがIntelのすべてだった。ぼくみたいに、古い機種に愛着があって捨てられない人は、重要な仕事をその上でやらないようにしよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、Mac向け独自チップを開発中との報道

Apple はMacに自社製の独自チップを使おうと計画している。これは現在デスクトップとノートで使われているIntelチップが置き換えられるかもしれないことを意味している。Bloombergが報じた。

Appleはこれまでにも数多くのカスタムチップを作っている。Bluetoothヘッドホン用のW-series、Apple Watch用のS-series、iPhone用のA-series、さらには新しいiPhoneで使われているカスタム版GPUなどだ。つまりAppleは、チップのファブレス製造を行う方法をいくつも持っている。デバイスの用途を益々特化し、サードパーティーへの部品の依存度を減らす意味でも理にかなった考え方だ。すでにAppleはQualcommとロイヤルティの件でもめている。またMacは製品ラインアップ的には第3の製品ともいえるが、今も会社の収益の大きな部分を占めている。

すべてのカスタムチップを自社開発することによってAppleは様々なことが可能になる。少なくとも、デバイス同士が効率的に話し合えるシステムにMacを仲間入りさせることができる。すでにAppleはユーザーのアクティビティをデバイス間で移動する手段をいくつも持っているが、これをよりシームレスにすることで、ユーザーをAppleエコシステムに囲い込むことが容易になる。W1チップ内蔵のワイヤレスヘッドホンをiPhoneに接続したことのある人なら、一般のBluetoothヘッドホンとの違いがわかるはずだ。チップセット全体を支配することでさらに差別化が強化されるだろう。Bloombergの記事によるとAppleは早ければ2020年にはチップを製造する可能性がある。

そうなればIntel は明らかな敗者となる恐れがあり、市場はそれを映し出している。Intel株はこのニュースのあと8%近く下落した。Appleが従来のチップからカスタムデザインへ移行することは、Intelが長年培ってきたアーキテクチャーからの明確な離脱だ。そして、独自のチップ設計を見込んでいるのはAppleだけではない。Amazon Alexa向けに独自のAIチップを開発して、Amazonエコシステムへの取り込みを狙っている。主要メーカーらが独自アーキテクチャーに目を向ける一方では、居並ぶスタートアップの群れがAI向けカスタムチップ開発のために巨額の資金を集めている

Appleはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberの自動運転車はNvidiaのDriveコンピューティングプラットホームを使っていなかった

Uberは同社の自動運転車にNvidiaのハードウェアを使っていたが、Nvidiaの自律コンピューティングプラットホームDriveは採用していなかった。後者にはNvidia独自のリアルタイムセンサーフュージョンやHDのマッピング、経路計画などの機能が含まれていた。NvidiaのCEO Jensen Huangは今日(米国時間3/28)、サンノゼで行われていた同社のGPU Technology Conferenceの記者会見でそう明かした。

“UberはNvidiaのDriveテクノロジーを使っていない”、とHuangは述べた。“Uberは彼ら独自のセンサー技術と運転技術を開発している”。

Huangはまた、前に述べたコメントを繰り返して、同社が公道上の自動運転車のテストをやめたことに言及した。同社のテスト車両はせいぜい5、6台だが、テスト中止の理由は、自動運転技術に対する警戒心が高まっていることと、どんなエンジニアリングの問題でも新たな不確定要素が見つかったときには、休止し再考することが良き実践態度だからだ。

NvidiaのCEOはさらに、テストを中止したのは事故の情報を知ってから1日か2日後であり、今週初めにニュースが報道されてからではない、と述べた。

“事故が起きたということは、われわれが学ぶべき新しい情報がそこにある、という意味であり、中止してそれから学ぶべきである”、と彼は言う。“疑問の余地なく、業界の全員が学ぶべきである。とにかく、いったん停止して、起きたことから学ぶべき。停止が、何よりも優先する”。

公道で自動運転車をテストしている企業のうち、Toyota Research Instituteなどは同じくテストを中止したが、一方WaymoやIntelなどは、Uberが事故を起こしたような状況で自社のシステムは失敗しない、と公言して、公道上のテストを継続している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Intelは今年後半に発売するチップにSpectreとMeltdownのハードウェアレベルの対策を導入

SpectreとMeltdownはハードウェアの設計レベルのバグなので、簡単なパッチなどでは修復できないことが明らかだった。しかし幸いにも、これらに対して十分な時間を投ずることのできたIntelは、今年後半に発売する新製品のチップに、その欠陥からユーザーとアプリケーションを保護する、ハードウェアのアーキテクチャレベルの改良を盛り込んだ。

このニュースは、CEOのBrian Krzanichが同社のブログ記事で発表した。パートナー数社に対する感謝の言葉に続いて彼は、過去5年以内の感染製品に対しては、それらの動作をバグから守るソフトウェアのアップデートを行った、と述べている。もちろんその効果に関しては議論の余地があるし、パフォーマンスへの影響も無視できないが、なにしろ一応、バグフィックスがあることはある。

本当は、互いにやや関連するバグが三つある: Spectreには変種1と変種2と変種3があり、研究者たちは変種3をMeltdownと呼んでいる。いちばん対策が難しいと思われているのが変種1で、Intelにもそれに対するハードウェアのソリューションはまだない。しかし変種2と変種3は、今回対応できた。

“プロセッサーのさまざまな部分の設計を変えて、変種2と3の両者に対して防御するパーティショニングにより、新たなレベルの保護を導入した”、とKrzanichは述べている。Cascade Lake Xeonと第8世代Coreプロセッサーにこれらの変更が含まれ、2018年の後半に発売される。現状では情報はまだ漠然としているが、リリースが近くなればIntelは大宣伝を開始するだろう。

なお、第1世代Coreまでさかのぼる古いハードウェアも、マイクロコードがアップデートされる。NehalemやPenrynをおぼえておられるだろうか? それらも、いずれはパッチされる。驚いた方もおられると思うが、大企業や政府機関ではまだまだNehalemのシステムが使われている。たとえばエネルギー省のどこかでは、Pentiumの上で動くWindows 98SEシステムが今でも使われているだろう。

この発表に関してユーザーがすべきことは何もないが、コンピューターとOSを最新の状態に保つことは必ずやるべきだ。そして、分からないことがあればカスタマーサービスに尋ねよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Intel、Spectre脆弱性の新しい修正ソフトを公開――ユーザーの手元に届くには時間がかかる

IntelはSpectreの影響を取り除くための新しい修正パッチをを発表した。SpectreはCPUのハードウェア・アーキテクチャに起因する脆弱性で、メモリの内容が推測される可能性がある。Spectreは現在主流となっているほぼすべてのハードウェアに影響を与えているが、Intelが発表したパッチはSkylake(2015年後半出荷)以降の世代のCPUに対するものだ。

ただしパッチが一般のユーザーの元で効果を発揮するようになるにはかなりの時間がかかる。コンピューター(特にマザーボード)のメーカーのデベロッパーが修正パッチのコードをファームウェアに組み込む必要があるからだ。

1月にセキュリティー専門家によって発見されたこの脆弱性はアプリケーション、OS、カーネル、マイクロアーキテクチャなど各レベルで対処される必要があった。Intelのパッチはマイクロアーキテクチャに関するもので、現行のパッチを置き換えることになる。以前のパッチは不安定となる場合があることが指摘されていた。

モダンCPUの設計思想そのものに関連する脆弱性だけに、単純なワークアラウンドは存在せず、またメディアに大きく取り上げられ、強い圧力を受けた状態であったことを考えれば、最初のパッチにある程度不完全な点があることはやむを得なかった。しかしIntelは巨大企業であり、数ヶ月前から警告を受けていたのだから当初の対処は手ぬるいものだとしてIntelは批判を浴びた。

Spectre脆弱性に関しては常にそうだが、われわれエンドユーザーができることはあまりない。パソコンが最新の状態にアップデートされているか頻繁にチェックし、当然だが不審なコードを実行しないよう注意するぐらいだ。

読者のパソコンが旧型でSandy Bridge世代などのCPUを搭載しているのであればパッチの提供にはまだ少し時間がかる。現在はベータ版なので実験動物にはなりたくあるまい。

画像: Alice Bevan–McGregor/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Intel、Xeon D-2100を発表――新CPUでエッジ・コンピューティングに対応

自動運転や産業用IoTセンサーなどの高度なテクノロジーが普及するにつれ、 エッジ・コンピューティングの強化がますます必要とされるようになった。つまりデータをクラウドに送って処理させるのが不適当なコンピューティング領域が増えてきた。データは収集されたその場でただちに処理される必要がある。わずかなレイテンシーであっても重大な問題を引き起こす可能性があるからだ。

今日(米国時間2/7)、Intelは新しいCPU、Intel Xeon D-2100を発表した。このチップは顧客のエッジ・コンピューティング能力を強化することを目的としている。またライバルの追い上げに対抗してエッジ・コンピューティングやIoTといった先端分野で先頭を走ろうとするIntelの戦略の一環でもある。

ネットワークの端、エッジにおけるコンピューティングには省電力と省スペースという特有の能力が必要とされる。新しいチップはこの要請に答えようとするものだ。たとえば、Xeon
DはSoC(System-on-a-Chip)というスタンド・アローン・システムだ。演算処理だけでなく、ネットワーク接続やストレージといったシステムを構築するために必要な能力がすべてチップ上に組み込まれている。また省電力性能も高い。これはデータセンターのサーバーとくらべて電力供給が制限されるエッジ・デバイスに用いるために必須の条件だ。

Intelのデータセンター・グループのバイス・プレジデント兼データセンター・プロダクト・マネジメント・グループのジェネラル・マネージャー、Jennifer Huffstetlerは新チップを紹介するブログ投稿で、この種のアーキテクチャーのニーズが高まっていることを指摘した。「データセンターの能力をエッジに向かって拡張するにあたって、サービスのプロバイダーはデータをネットワークのエンドポイント、つまりエッジ・デバイスそのもので処理するソリューションを提供しなければならない。これによりアプリケーションの処理におけるレイテンシーを減少させることができ、数多くのまったく新しいコンピューティング体験と応用分野を提供できる」と書いている。

またHuffstetlerはSoCについて、「単一パッケージに必要な要素がすべて組み込まれていることにより、セキュリティーが強化されたハードウェア・ベースのネットワークを構築することが可能となる」としている。Xeon Dは小さいパッケージだが、Skylake-server世代の Xeonコアを18個備え、 100Gbpsの暗号化、復号化、暗号化加速テクノロジーを内蔵している。IntelではこれをQuickAssist Technologyと呼んでいる。

Intelでは新しい5GネットワークでVR、AR体験が可能となるスマートフォンや自動運転車を設計する上でこのテクノロジーは決定的に重要なものになるとしている。VPNやソフトウェア・ベースのWANを作動させるにも役立つ。またCDNのようにネットワークのエッジに近い部分での性能が重要なクラウド処理の負荷分散にも効果があるという。

Intelでは新しいチップを利用するパートナーとしてDell、EMC、Ericsson、NEC、NetApp、Palo Alto Networksなど多様なサードパーティーと協力していく。

またSpectreとMeltdown脆弱性について、IntelではXeon Dチップには新たに開発したパッチを組み込んでいるという(Intelが発表した当初のパッチには不必要なリブートを起こすなどの問題があった)。

画像:Intel

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Intel、スマートなスマートグラスを発表――網膜走査、単色、カメラなし

スマートグラスについては長年実用化の努力が続けられてきたが、まだ成功していいない。 Google Glassesはひどく嫌われて失敗したし、Snap Spectaclesもブレークしなかった。しかしIntelの参入で事情は変わるかもしれない。

Intel VauntはまずVergeで報じられたが、普通のメガネと外観ではほとんど区別がつかない。 Intel Vauntわずらわしいさばるスクリーンを必要としな方式で、重量は50グラム(Snap Spectaclesとほぼ同じ重さ)だ。このスマートグラスは度入り、度なし、どちらのレンズにも対応し、カメラは内蔵していない。

装着者はワービーパーカーの洒落たメガネをかけているとしか見えない。

しかしツル部分にはクラスIの低出力レーザー、CPU、Bluetooth、コンパスが内蔵されている。

このレーザーはIntelによれば「きわめて低出力でクラスIにしてもその下限」だという。赤の単色光で網膜に直接400×150ピクセルの像を描写する。

スマートフォンからの各種通知が表示される他に、キッチンにいるユーザーにレシピを表示するなどの能力がある。網膜走査型のためユーザーがメガネを使っているかどうかと関係なく常に像は明瞭な焦点を結ぶ。将来のモデルにはマイクが追加され、 Alexa、Siri、Gogle Assistantのようなスマートアシスタントからの操作ができるようになるはずだが、第一世代のVauntは装着者が頷くことで操作される。これはかなり小さい動作だ。Intelではこのメガネができるだけ目立たずに日常生活に溶け込むことを狙っている。

現在のところVauntグラスの販売のスケジュールやチャンネルについては未定だが、Intelでは「直接販売よりOEMチャンネルを通すほうが可能性が高いだろう」としている。

またこれに関連してIntelはこのプラットフォームをサードパーティーのデベロッパーに開放し、利用するプログラムを開発するSDKも提供するという。

このデバイスがメインストリームの製品となるかどうかまだ不明だが、Intel Vauntこれまででもっとも成功の可能性が高いスマートグラスのように思える。まだ開発のきわめて初期の段階なので、価格や出荷時期、またそもそも大規模に生産されるのかどうかなどは不明だ。

画像: courtesy Vjeran Pavic/The Verge

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Samsungが世界最大のチップメーカーの座をIntelから奪取、モバイルが明暗を分ける

Samsungが今日(米国時間1/30)発表した2017年第四四半期の決算報告に伴う2017会計年度の財務報告により、同社はIntelの、これまでの25年間にわたる、世界最大のチップセットの売り手の地位を終わらせた。

この韓国のテクノロジー巨人のチップセット部門は、長年同社の稼ぎ頭だが、2017年の総売上が690億ドルとなり、Intelが昨年に関して報告した628億ドルを上回った。それはIntelにとっても記録的な年で、前年同期比で6%の成長を記録したが、Samsungにトップの座を奪われることを防ぐことはできなかった。BloombergによるとIntelは1992年以降一貫して、その地位にあった。

昨年、四半期の売上でSamsungがIntelを上回ったことを予兆とすれば、今回は押しも押されぬ年商の勝利だ。

この地位交替は、Samsungのモバイルへの注力の結果だ。とくにスマートフォンが、メモリチップの需要を押し上げた。Intelのチップが世界のコンピューターの90%に載っていても、同社はモバイルのブームを逃(のが)し、その後追いつくこともできなかった。

Samsung全体としては、年商がKRW 239.58兆(2250億ドル)、利益はKRW 53.65兆(507億ドル)である。2017年最終四半期では、売上がKRW 65.98(620億ドル)、営業利益はKRW 15.15兆(140億ドル)となった。

四半期としては前四半期に比べて利益がやや増、売上がやや減となった。モバイル事業の前年同期比は、3.2%の落ち込みとなった。

2018年の展望としてSamsungは、クラウドサービスとAIと自動車関連のチップセットの増産を挙げた。スマートフォンに関しては、消費者の知名度は高いが、同社は折りたたみ式ディスプレイなど“最先端技術”の採用を挙げている。またBixbyアシスタントや今後の5G技術へのフォーカスによる、スマートサービスの開発の継続にも言及している。

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