Microsoftは本日(米国時間10/9)、General Electric(以下、GE)がアイルランドのケリー州に新設したTullahennel風力発電所の37メガワットの全電力を、15年間購入する契約を締結した。
これは、いくつかの点において重要だ。まず第一に、これはMicrosoftがアイルランドにある自社クラウドデータセンターの、少なくとも一部の電力供給にクリーンエネルギーを使用することを意味する。これにより、Microsoftは電力コストを削減し、クラウドサービスの運営に伴う環境汚染を軽減できるかもしれない。
だが、これはデータセンターに電力を供給する以上の影響をもたらす可能性がある。なぜかと言うと、MicrosoftとGEは、風車から余剰電力を蓄電する技術開発に取り組んでいるからだ。この技術で余剰電力を蓄電できた場合、MicrosoftとGEはアイルランドの電力網に電力を還元することができる。
MicrosoftのDatacenter Strategy(データセンター戦略部)のゼネラルマネジャーであるChristian Beladyは、これはMicrosoftがアイルランドで築いた関係性の延長にあり、この契約は各方面において有益なものになるだろうと話す。「我々の契約は、アイルランドの電力網に新しいクリーンエネルギーを供給することに貢献し、また電力網の容量、信頼性、性能の向上をもたらすことができる革新的な要素を持っている。これによって風力エネルギーのような新しいクリーンエネルギー源を導入することが容易になり、それは環境、アイルランド、そしてMicrosoftにとっていいことだ」とBeladyは声明の中で述べた。
クラウドコンピューティングには、他のコンピューティング形態よりも環境に優しいというイメージが常にあった。しかし実際は、そのエネルギー源によって大きく左右する。近年、Apple、Facebook、Google、Microsoftなどの大企業は新しいデータセンターを建設したが、これらの企業が念頭に置いたのはエネルギー効率だ。
例を挙げると、Appleは2015年、130メガワットのソーラー電力を25年間購入する契約を締結した。その契約額は8億5000万ドルに上った。Facebookがオレゴン州のプラインビルに建設するデータセンターの設計をしていたのは2011年だったが、同社は当時からエネルギー効率について考慮していた。
世界的大企業が企業市民としての良い取り組みを行っているというのは理想的だし、彼らもそれを意図している部分はあるだろう。しかし、運営コストの低いデータセンターを建設することが、企業にとって経済的に得策というのが現実だ。その過程でこれらの企業の炭素排出量が減るのであれば、それは嬉しい結果といえよう。
今日Microsoftが発表した電力の他に、同社は全世界で600メガワットのクリーンエネルギーを調達している。