Googleが今日(米国時間8/29)、同社がCloud Native Computing Foundation(CNCF)に、Google Cloudのクレジット900万ドルを提供して、Kubernetesコンテナオーケストレータの同団体による今後の開発を支援し、プロジェクトの運用に関わるコントロールを同団体に委ねる、と発表した。このクレジットは3年分割で提供され、Kubernetesソフトウェアの構築や試験、配布などに要する費用に充当される。
これまではGoogleが、このプロジェクトを支えるクラウドリソースのほとんどすべてをホストしていた。その中にはたとえばCI/CDによるテストのためのインフラストラクチャや、コンテナのダウンロード、同社クラウド上のDNSサービスなども含まれている。しかしGoogleは今回、一歩後退することになった。Kubernetesコミュニティの成熟に伴い、GoogleはKubernetesのすべてのサポートワークをコミュニティに移そうとしている。
テストのためのインフラストラクチャからコンテナダウンロードのホスティングまで、すべてを合わせるとKubernetesプロジェクトは常時、15万あまりのコンテナを5000基の仮想マシン上で動かしている。その費用は、相当に大きい。Kubernetesのコンテナレジストリはこれまで、1億3000万回近いダウンロードに応じてきた。
それにまた現在のCNCFは、互いに競合する多様なメンバーを抱えている。Alibaba Cloud, AWS, Microsoft Azure, Google Cloud, IBM Cloud, Oracle, SAP, VMwareなどがその例だ。全員がCNCFの仕事やKubernetesのコミュニティから利益を得ている。Googleはこれまで黙っていたが、そろそろKubernetesのインフラストラクチャを動かす重荷を、それにふさわしい者に担わせるべきだろう。それにコミュニティのメンバーの一部は、KubernetesがGoogleのインフラストラクチャにあまりにも密接に結びついていることを、嫌っていた。
GoogleのKubernetes EngineのプロダクトマネージャーWilliam Denissが、今日の発表声明でこう書いている: “Kubernetesの運用責任をプロジェクトのコントリビューターが共有することによって、彼ら全員が持ち寄る新しいアイデアや効率性を生かせるようになるだろう。それが楽しみである”。彼によると今後も、Kubernetesのインフラストラクチャの運用には、Googleの意思が適宜反映されていく、という。
CNCFの事務局長Dan Kohnはこう述べる: “KubernetesのコミュニティにGoogleの大きな財政支援があることによって、このプロジェクトのイノベーションと採用の安定的なペースが今後も減衰することなく維持されるだろう。Google CloudがKubernetesのテストとインフラストラクチャに関わるプロジェクトをコントリビューターの手に渡したことによって、プロジェクトはオープンソースであるだけでなく、オープンなコミュニティによってオープンに管理されるものになる”。
今後長期的には、インフラストラクチャがGoogleのクラウドから離れることになるのか、そのへんはまだ分からないが、3年後に他のクラウドプロバイダーが同様のクレジットを提供することは、大いにありえるだろう。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)