LenovoのYoga Book C930はキーボードの代わりに電子ペーパーを搭載

今年のIFAでLenovoはオールインワンで行くようだ。同社は新しいChromebook、Snapdragon搭載Windowsノートのほかホームデバイスもいくつか発表した。しかし、もっとも魅力的だったのは、Yoga Book C930だ。

このノートパソコンは2016年のIFAで大きな話題を呼んだコンバーチブル機の Yoga Book A12の系譜を引く。そのデバイスは標準キーボードの代わりにタッチスクリーンを搭載し、そこは入力装置とお絵かきボード兼用になっていた。タイピングには必ずしも向いていなかったが、革新的であったことは間違いない。

C930はさらに一歩進めて、Yogaのハロキーボードを電子ペーパーディスプレイで置き換えた。これは、主として電書リーダーの世界に追いやられてきたテクノロジーの興味深い応用だ。第2ディスプレイの役割はA12と同じくキーボード、メモ帳、電書リーダーの三役を担う。

この機能は、ノートはタイプするより手で書く方が得意という学生にとっては、魅力的な提案だ。もちろん、A12と同じく伝統的なキーボードとトラックパッドの感触を犠牲にして第2ディスプレイの多機能性をとることになる。平らな表面をタイプするにはある程度の慣れが必要だ。

実機に触れる機会がなかったので、Eインク画面の反応の具合について語ることはできないが、Kindleを使ったことのある人ならわかるように、この手のデバイスではリフレッシュレートが命だ。

C930は10月発売で価格は1000ドルから。

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リーク写真の新Apple Watchは縁なしディスプレイ搭載

新しいiPhone XSのリーク写真のスクープに続いて、9to5Macが来るべきApple Watch 4の写真も入手した。新しいウォッチはエッジ・ツー・エッジの縁無しディスプレイを擁し、発表されたばかりのAppleプレスカンファレンスで9月12日にiPhone XSと共に披露されると思われる。

来るべきApple Watchの写真(9to5Macは「画像処理ではない」と言っている)は、既存のモデルと明らかに違っている。ディスプレイは時計前面の縁まで伸び、Appleは2015年の発売以来最初の本格的デザイン変更を計画しているという と一致している。

アナリストらは、新ウォッチのディスプレイは15%大きくなり、バッテリー寿命が伸び、ヘルスモニター機能がアップグレードされると 予測している。

画像クレジット:9to5Mac

Appleは大きくなった画面を生かして、いっそう多くの情報を新しい文字盤に詰め込もうとしているようだ。

9to5Macが掲載した画像(上図参照)には、アナログ文字盤に温度、ストップウォッチ、天気、アクティビティリング、日付、音楽、予定、さらにはUVインデックスまで表示されて混雑している。これらは文字盤そのものの外側、内側、針の下にも散りばめられている。
これは少々やりすぎと言わざるを得ない。しかし、おそらくこの画像はカスタマイズ可能な文字盤に表示できる要素を可能な限り載せたもので、推奨例ではないだろう。

もちろん、すでにこのルックスに関する議論は始まっている。新しい文字盤や装飾などを熱狂的に推す意見もあれば、それ以外の——慎重に楽観的な意見もある。

写真には、デジタルクラウン(竜頭)下に新しい穴が一つ見える。これは追加のマイクロホンだろうと記事は伝えている。

それ以外の変更は、ハードウェアのアップグレードもwatchOSソフトウェア機能の追加もまだわかっていない。

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プライバシー重視の検索エンジン「DuckDuckGo」、カナダの年金基金VCから1000万ドルを調達

プライバシー重視の検索エンジン、DuckDuckGoは、Googleを始めとする監視エンジンの代替手段を提供している。このほどカナダの年金基金OMERS(カナダ・オンタリオ州公務員年金基金)のVC部門から1000万ドルを新たに資金調達した。

10歳になるこの会社にとって、これがまだ2度目の調達ラウンドだ。 Crunchbaseによると、遠く2011年にVCから300万ドル集めたのが最後だ。

OMERS Venturesはこの投資を発表したブログ記事で、この5年間にプライバシーとセキュリティーに関する不安が「市民の意識の中で浮上してきた」ことを挙げ、各国政府が国民の要求とデータ漏洩問題を受けて「実際に行動を起こし始めている」ことを、欧州連合の新たなプライバシーのフレームワークであるGDPRを例にあげて指摘した。

その信念に基づき、同ファンドはDuckDuckGoへの投資を積極的に推進してきた。同社は2014年以来(非追跡型広告で)利益を出し続けているので、現金注入を必要としていない。しかしOMERSは粘り強く交渉して、ファウンダーのGabriel Weibergに、DDGの成長目標の達成を支援するための資金を受け取るよう説得した。カナダ(ファンドの拠点)を含む海外に特に力を入れる。

プライバシー・セキュリティー製品の提供は、DDGが資金調達したもうひとつの理由だ。

今年の始め、同社は中心サービスであるプライベート検索(追跡しない)から手を広げ、追跡ブロッカーその他のプライバシー・セキュリティーツール製品を加えて、ウェブユーザーのプライバシーを守るためのバンドル商品を作った。

WeinbergはBloombergのインタビューで、OMERSと目指しているのは「彼らが世界的年金ファンドであるようにこれを世界に広める方法を見つけること」と言った。

Weinbergはさらに詳しい計画をTechCrunchに話した。「われわれはすでにグローバルだが(2008年の開業以来ずっと)、これからはより特定された市場に力を入れようとしている。雇用に関しては、われわれの検索エンジンの結果を地元市場に合わせ、DuckDuckGoの販売に使っているチャンネルを拡大し、さらにグローバルにしていく。

このため、国際的スタッフの雇用はDDGの成長推進にとって大きな部分を占める。

「われわれはオールインワン・プライバシー・ソリューション(今年始めに提供開始した商品)の販売とマーケティングを続けるためのスタッフ獲得に力を入れ、特に米国外に焦点を当てる」と彼は話した。

「米国以外でわれわれのトップクラスの市場(検索トラフィックによる)は、ドイツ、英国、フランス、カナダたが、相対的検索シェアで見るとほとんどの国でで大幅な成長と存在感を見せている。」

Weinbergばさらに、OMERSは「プライバシーに関して深い関心と投資テーマを持っており、今重大な転換点を迎えていると考えている」と語った。

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Teslaに深刻なネットワーク問題発生中

Teslaのネットワークが一部ユーザーの間で使用不能になり、Teslaアプリに依存している車両のオーナーに問題を起こしている。

Electrekが報じ、Twitterでも同社のサイトやアプリでログインできないという苦情のツイートが発せられた。本誌はTeslaに詳細を問い合わせている。

アップデート:Tesla広報は、現在復旧にむけて作業中であるとTechCrunchに伝えた。

一部のユーザーはログインの際にエラーメッセージが出るだけだが、,別のユーザーらは、アプリが「一時的にメンテナンス中」という画面になると言っている。

Tesla車のオーナーにとって、これはどんな意味を持っているのか? まず、自分の車の状態についてアプリで最新情報を見ることができないのは間違いない。しかし、車のロック解除やスタートをTeslaアプリだけに頼っているユーザーにとって、現実ははるかに厳しい。

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Teslaの”Chief People Officer”、長期休暇を取得

TeslaのChief People Officer[最高人材活用責任者]で、同社の数少ない女性幹部の一人であるGaby Toledanoが、15ヶ月の長期休暇に入った。

同社はToledanoが休暇を取得したことを認めたが、復帰時期あるいはこれが永続的なものかどうかは明らかにしていない。

「以前からGabyは家族との時間を過ごすために休暇をとりたいと希望していたので、会社はそれを応援している。人事チームが彼女の職務を分担している」と同社が声明で語った。

Toledanoは2017年5月にTeslaに入社した。その前の10年間はゲーム会社のElectric Artsの経営チームに参加していた。同氏はほかにも、Siebel Systems、Microsoft、およびOracleで人事責任者を務めた。Toledanoの前任者だったArnnon Geshuriは、同社フリーモント工場の労働環境に関する苦情の中、8年間務めた。

同社の顔であるCEO Elon Muskと異なり、ToledanoはTeslaに数多くいる上級幹部の一人で公開の場に登場することはめったになかった。同社は幹部への注目を意識的に避けてきており、デザイン責任者のFranz von HozhausenとCTO JB Straubelが時折り顔を見せただけだ。

Toledanoを含むその他の幹部は、6月の株主総会でMuskに壇上に呼び出された際、珍しく公共の場に登場した。

Toledanoの休暇は、Teslaのコミュニケーションチームを率いていたSarah O’Brienの退社に続くものだ。同社の環境・健康・安全を担当するLaurie Shelby、グローバル採用担当のCindy Nicolaが残された女性幹部となった。

エンジニアリング担当副社長のDoug Fieldは、同社が説明するところの「長期休暇」を5月にとった。当時同社は「Dougは充電と家族との時間を過ごすためにしばらく休むだけだ。Teslaをやめてはいない」と言った。

Fieldは7月に同社を正式に退社した

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Google、Facebook、Twitterの幹部、上院情報委員会から呼び出される

【本稿のライターはZack Whittaker】
Twitterの最高経営責任者、Jack DorseyとFacebookのCOO、Sheryl Sandbergが、来週上院情報委員会の公聴会に出席することを同委員長が発表した。

Googleの親会社、AlphabetのCEO、Larry Pageも呼ばれているが、出席するかどうかは確認されていない。同委員会の広報担当がTechCrunchに伝えた。

Richard Burr上院議員(共和党・ノースカロライナ州選出)は、ソーシャルメディアの巨人たちは9月5日の公聴会で、海外からの影響に対する各社プラットフォームの責任について質問される予定だとリリース文で語った。

政府の情報および監視機能を監督する上院情報委員会が、企業を呼んで証言させるのはこれが2度目。しかし、上級幹部が出席するのはこれが初めてだ——ただし、Facebookの最高経営責任者、Mark Zuckerbergは4月に下院エネルギー商業委員会の公聴会に出席している。

これは、最近TwitterとFacebookが、イランおよびロシアの政治介入と繋がりがあるとされるアカウントを削除したことを受けてのことだ。ソーシャルメディア各社は、ロシアによる2016年大統領選挙への誤情報発信による介入以来、注目を浴びてきた。

Twitter広報は、委員会で予想される質問について発表できることはないと語った。TechCrunchはGoogleとFacebookにもコメントを求めているので、情報が入り次第続報する予定。

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Facebook、2020年までに全世界事業の100%再生可能エネルギー化を誓約

本日(米国時間8/28)Facebookは、温室効果ガスを75%削減し、2020年までに全世界の運用に100%再生可能エネルギーを使用することを宣言した。

これでFacebookは、プラットフォームの海外からの介入を防ぐことには問題があるかもしれないが、少なくとも気候変動への影響を減らす努力はしていることになる。

Facebookは 再生可能エネルギーの導入ペースに関しては自画自賛している。同社は2013年に初めて再生可能エネルギーを購入して以来、ソーラーおよび風力エネルギーを3ギガワット以上購入している(過去12ヶ月だけでも2.5ギガワット)。

Facebookの再生可能エネルギー導入が特にすばらしいのは、これが単なるカーボンオフセットではないことだ。カーボンオフセットとは、従来の炭素由来燃料に依存する地元電力の購入を相殺するために、はるか遠方の再生可能エネルギーを購入することを言う。

「これらの風力およびソーラープロジェクトは新規プロジェクトであり、当社のデータセンターと同じ電力網にある」と同社は言った。「つまり、これらのプロジェクトそれぞれが、われわれを育むコミュニティーに職と投資と健全な環境を生み出すという意味だ——オレゴン州プラインビルやニューメキシコ州ロスルルナスからバージニア州ヘンリコやスウェーデンのルレオまで。

本日Facebookが公開した目標は、同社が “We Are Still In”[私たちはまだパリ協定にいる]運動を通じてパリ協定遵守宣言の一環だ。

Facebookにとって今回の発表はビクトリーランのようなものだ。去る2015年、同社は2018年までに設備に供給されるエネルギーの50%を再生可能エネルギーにする目標を立てた。

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HP、薬品を「プリント」して抗生物質試験をスピードアップ

米国では毎年少なくとも200万人が「スーパーバグ」と呼ばれる耐性菌に感染し、2万3000人以上がこの感染が直接原因で死亡していると疾病対策センター(CDC)は伝えている。そこでHPのバイオハッカー技術チームはCDCと協力して、抗生物質を「プリント」するバイロットプログラムに取り組み、抗菌薬耐性をもつ菌の蔓延を防ごうとしている。

HP D300eデジタルディスペンサーは、通常のインクジェットプリンターと同様の仕組みを利用するが、インクの代わりにさまざまな組み合わせた容積ピコリットルからマイクロリットルにわたる薬品を研究目的に調剤する。

こうした菌が急速に拡散する理由の一つは、抗生物質が誤って利用されたためである場合が多く、その結果バクテリアは既存の薬品に対する耐性を獲得する。CDCは全米の医療従事者がこの技術を利用して問題を解決できるようにすることを願っている。

「ひとたび薬品の使用が認可されると、耐性が生まれるまでのカウントダウンが始まる」とCDCの抗生物質耐性調整戦略部門の科学チーム責任者、Jean Patel医学博士が声明で言った。「人々の命を救い、守るためには全国の病院でこの技術を利用可能にすることが不可欠だ。このパイロットプログラムによって、われわれの最新の薬品が継続的に利用され、基準となる研究成果が医療従事者の手にわたることを期待している」。

3Dバイオプリンティング分野は、過去数年に急成長しており、今後10年はこのペースが続くだろう。その主な理由は研究開発のおかげであると市場調査関係者は言っている。

さらに、潜在的価値の高い抗生物質耐性の研究によって、現在治癒可能な疾病の治療手段がなくなり寿命が縮まるという恐ろしい未来の到来を阻止できる可能性がある。

現在HPのバイオプリンターは研究所や医薬品メーカーで使われており、たとえばGileadではエボラウィルスに用いられる薬品の試験に利用されている。プリンターはさまざまなCRISPR(クリスパー)応用研究にも利用されている。CDCは、これらのプリンターを抗生物質耐性(AR)検査所ネットワークを通じて全米に広がる4つの地域で使用し、新たな薬品の抗生物質耐性感受性テストの開発を行っていく計画だとHPは語った。

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投資アプリRobinhoodからADR経由で外国の上場企業に投資できるようになった

アメリカ国内を対象とする投資と投機のアプリRobinhoodで、米国預託証券(American Depositary Receipt, ADR)を利用して外国で上場されている企業に投資する(株を買う)ことができるようになった。

ADRを利用すると、アメリカの投資家が、ニューヨーク証券取引所ナスダックなどアメリカの証券取引所に上場されていない外国企業に投資できる。そして同社(Robinhood)によると、今では同社からグローバル企業250社に投資できる。

同社が挙げる投資対象には、TencentやNintendo, Adidasなどが含まれている。そして中国や日本、ドイツ、カナダ、イギリスなどの、株式がアメリカで上場されている企業にも投資できるようになるだろう。

対象企業の完全なリストは、Robinhoodアプリまたはデスクトップアプリケーションのページで、“New on Robinhood”で検索すると見られる。

この部屋にもフランス大好き人間が何人かいるけど、LVMHやMichelin, Ubisoft Entertainmentなどフランスの企業も、近くRobinhoodから投資できるようになるそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、Xboxのハードウェアとソフト使い放題サービスを発表

MicrosoftはXbox All Accessという新サービスをXboxブロクで発表し、後に記事を取り下げた。しかし、複数ニュースソースが、削除前の記事を見つけていた。かくして秘密は明かされた。Microsoftの新しいハードウェアとソフトウェア購読プランは本物らしい。(アップデート:Microsoftはこのニュースを正式に発表した)。

この数週間、Microsfotが新しい定期購読プランを発表するらしいというが流れていた。今日の発表はその噂もと一致している。MicrosfotはXbox All Accessを米国で提供開始する。プランには、Xboxハードウェア、Xbox Live GoldおよびXbox Game Passが含まれる。

利用者は、月額22ドルのXbox One Sと35ドルのXbox One Xのどちらかを選べる。24ヶ月間払い続けると、購読は終了しゲーム機は自分のものになる。その後もXbox Live GoldとXbox Game Passの料金を払い続けるか、定期購読を中止するかは自由に選べる——そもそも自分のコンソールなのだから。

では、計算してみよう。現在Xbox One Sは299ドル前後で買える。Xbox Live Goldは年間60ドルでマルチプレーヤーゲームをプレイして無料ゲームを利用できる。そしてXbox Game Passは、月額9.99ドルで100種類以上のゲームライブラリからダウンロードしてゲームをプレイできる——ビデオゲームのSpotifyのようなものだ。

普通にコンソールを買って2年間定期購読すると、合計659ドル程度支払うことになる。Xbox All Accessサブスクリプションなら約130ドル節約できる。2つのサービスをもともと契約するつもりの人にはお得だろう。Xbox Game Passには興味がない、という人は普通に本体を買うより高くつくことになる。

Xbox One Xは現在499ドル前後で売られている。Xbox Live GoldとXbox Game Pass2年分を加えると、合計金額は859ドルになる。Xbox All AccessでXbox One Xを選ぶと840ドルになる。つまりXbox One Xが欲しい人とってはあまりお得ではない。

この新サービスによって、Micrsoftは同社のゲーム戦略を購読モデルにシフトしたい意向を示した。消費者がコンソールを数年おきに買うことは、オールインワンのXbox定期契約を買うほどMicrosoftにとってもうからない。定期購読は顧客ロイヤルティを高め、予測可能な定期的収入を生む。

さらに重要なのは、ゲームコンソールは永遠に存在するものではないことだ。どこかの時点でゲームはクラウドの高価なサーバー上で動き、ユーザーはサービスを定期購読するようになる。噂によるとMicrosoftはクラウドからゲームをストリーミングする低機能Xboxをすでに準備中と言われている。MicrosoftがXbox All Accessで考えているのはこういうことだ。

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ゲームコミュニティー、フロリダ銃乱射事件を悼む

フロリダ州ジャクソンビルで開催されたMadden 19ゲーム大会で起きた銃乱射事件の後、射撃犯と犠牲者の身元が報道で明らかになったことを受け、オンラインゲーム・コミュニティーからコメントが寄せられている。

警察によると銃撃犯は24歳の白人男性でオハイオ州ボルチモア出身とみられている。

オンライン情報によると、銃撃犯に射殺された被害者はロサンゼルス出身のElijah Clayton、ハンドル名True_818、およびハンドル名Spotmeplzzで妻子のある男性,Taylor Robertsonの2名だ。

ウェストバージニア州バラードのRobertsonは、Maddenコミュニティーで18回ゲームをプレイした。

ジャクソンビル警察は今晩の声明で、銃撃による死亡者が銃撃犯本人を含む3名だったことを確認した。報道によると、地元病院に運び込まれあるいは自ら来院した負傷者11名の容態は安定している。

「このおろかな暴力行為の被害者とその家族に心から哀悼の意を表する」とジャクソンビル消防署のKurtis Wilson署長が語った。

ナショナル・フットボール・リーグは銃撃事件を受け、被害者に哀悼の意を表した。

この日ゲームコミュニティーは多くの時間をオンラインで過ごし、ジャクソンビルで起きた悲劇の事実を受け入れた。

他のEスポーツプラットフォームも、悲劇に思いを馳せた。

この事件は、今年米国で起きた少なくとも7回目の銃乱射事件だ。Mother Jonesのデータによる。またこれはパークランド高校の事件に続く、フロリダ州で過去6ヶ月間に起きた2度目の銃乱射でもある。

乱射事件のニュースの後、支持者たちはそれぞれの擁護の立場を明らかにした。NRA(全米ライフル協会)の専門家らは、セキュリティー強化と、銃を隠さずに持ち歩くこと(open carry)が認められている州での銃砲所持禁止区域の廃止を求めた。一方、銃規制支持者らは、より厳格な銃規制法の制定によって、セキュリティー強化や銃砲所持禁止区域の必要性がなくなると指摘している。

被害にあった11名は病院で回復に向かっている。彼らを襲った24歳はビデオゲーム大会での自分の成績に絶望して自ら命を絶った。そして同じ理由でふたりの命を奪った。おそらく今彼らは支持者らの言葉を聞いていない。

トランプ大統領は、ジャクソンビルの事件に触れたが、未だに声明を発表していない。

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キズナアイが参加するVTuber支援プロジェクト「upd8」運営のActiv8が6億円調達

バーチャルYouTuber(VTuber)など、バーチャルタレントを企画・運営・プロデュースするActiv8(アクティベート)は8月28日、Makers Fundgumiを引受先とした総額6億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

8月にユーザーローカルとCyberVが「VTuberが直近半年間で4000人以上増えた」と発表しているとおり、バーチャルタレント業界は今年に入り、急激に盛り上がっている。VTuber自体も増え、関連するサービスや取り組みも続々と現れている。4月にはグリーが総額40億円の「VTuberファンド」を開始、6月にはVTuber向け配信サービス「ホロライブ」運営のカバーが2億円を調達するなど、投資も活発だ。

4000体のVTuberが存在するといわれるこの業界で、Activ8ではバーチャルタレントによるUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)文化や関連産業の振興を目指し、個人・企業を問わずタレントを支援するプロジェクト「upd8(アップデート)」を運営する。upd8はバーチャルYouTuber人気ランキングでも上位常連のキズナアイも参加するプロジェクトだ。

upd8では、企業とのタイアップといった仕事をバーチャルタレントに紹介するエージェント機能の提供、コミュニティーの創出を行う。コミュニティーについては、リアル、バーチャルに関わらず、イベント実施など、タレントの活動する場を提供している。また、キャラクターの撮影環境についても、スクラッチで開発。サービスとして提供する。

Activ8代表取締役の大坂武史氏は同社の事業を「VTuber業界を活性化することを目的としている」と説明。つまり、UUUMなどのプロダクションがリアルなYouTuberの活動をさまざまな形で支援するのと同じようなことを、バーチャルタレントについて行うということのようだ。

「我々には“生きる世界の選択肢を増やす”という目標があって、その選択肢のひとつがVRの世界だと考えている。バーチャルタレントがVRシステムの上で活動できる舞台をつくり出すため、サイバースペースでのスタジオ事業も行っている」(大坂氏)

Activ8は2016年9月の設立。キズナアイをはじめとするVTuberたちを支援してきた。今年5月31日には、upd8をバーチャルタレントのサポート事業として公式にローンチ。支援プロジェクト、タレント募集を本格化した。

同社はこれまで資金調達については公表してこなかったが、Tokyo XR Startupsなどが既に投資をしており、今回の資金調達は3度目、シリーズBラウンドにあたる。

今回の調達では、VRに造詣の深いgumiと、世界規模でクリエイティブ産業への投資を行うMakers Fundが参加。大坂氏は「バーチャルタレントがVRシステム上で動けること、VR空間で価値創造を行うことにフォーカスしていきたい。人がVR空間で生産を行い、生きていくための仕組みづくりを目指す。また世界×エンタメ市場にも踏み出していくつもりだ」と資金調達の意図について説明する。

具体的には大きく3つの分野に投資する、と大坂氏は話している。1つめはバーチャルタレント支援のための人材確保だ。「トップVTuberのキズナアイの支援を通して、バーチャルタレントの価値の最大化を図りたい。リアルイベント開催やテレビ出演などに加えて、海外でもボーダーレスにチャレンジを応援することで、バーチャルタレントが活躍する場を広げる」という大坂氏。「バーチャルタレントもリアルのタレントと同様、タレントを中心とした360度ビジネス。そのためには、さまざまな場面に対応する人材が必要だ」と話す。

2つめは、upd8を通して、既存のバーチャルタレントとは違ったセグメントからタレントを発掘し、支援すること。大坂氏は「キズナアイ以外でも、バーチャルタレントが必要とされるセグメントはいろいろある」という。「男性タレントや教育コンテンツ向けのキャラクター、音楽などの芸能に特化したタレントなどは、まだ着手されていない領域。こうした分野のタレントも自社でプロデュースしていこうと考えている」(大坂氏)

3つめは、VRシステム自体の拡張だ。「“生きる世界の選択肢を増やす”という目標を掲げているので、VR世界で活動できることを増やしたい。VR内で撮影が完結するような仕組み、システムの開発も進めていく」と大坂氏。「バーチャルタレント支援の範囲の拡大とシステムの深掘りの両方向に投資していくつもりだ」と話していた。

トヨタ、Uberに5億ドル投資――2021年からから自動運転の実用サービス開始を目指す

トヨタ自動車がオンデマンド配車サービスを推進するためにUberと提携し、5億ドルを投資したことが明らかになった。この提携では、ミニバンのトヨタ・シエナUberが開発した自動運転装置を付加し、Uberのネットワークを通じて実用に供するという。

Wall Street Journalが最初に報じ、続いてTechCrunchも確認したこの契約で異例なのは、まだ名前を明かされていないサードパーティーの大規模自動車運用者が加わっていることだ。このサードパーティーは大量の自動運転車を運用する予定だ。関係各社によれば、2021年にUberの配車ネットワークを通じて実際の運用のパイロット・モデルをスタートさせるという。

CEOのダラ・コスロウシャヒは月曜午後に発表された声明で「大規模な自動車運転車の配車はUberにとって初めての試みとなる」と述べた。これは「なんでもまずやってしまって後から謝ればいい」というUberのこれまでのイメージを改善するために役立つだろう。無鉄砲なスタートアップという悪いイメージは3月の自動運転車の死亡事故などが典型だ。

コスロウシャヒは「Uberの進歩したテクノロジーとトヨタ安全性の確保におけるコミットメントと卓越した製造能力の組み合わせは理想的なものだ。このチームがどんな業績をあげられる大いに期待している」と述べた。

このチームでは「自動運転によるモビリティー・アズ・ア・サービス」という意味でAutono-MaaSという言葉を作った。

トヨタ(アメリカにおける研究部隊、TRI(Toyota Research Institute)を含む)や自動運転車の普及戦略は他社とは異なる。トヨタはドライバーの安全性を高めるガーディアン・テクノロジーと乗客の利便性を図るショーファー・テクノロジーという2種類のアプローチを採用している。ただしどちらのテクノロジーも一連のグループに属する。

トヨタでは高齢者やハンディキャップがある人々向けに完全自動運転車を提供する一方、運転アシスト・モードと完全自動運転モードを随時切り替えて使用できる通常の量産車の製造を目指している。ガーディアン・テクノロジーはドライバーが気づかないうちにバックグラウンドで安全性を強化する。

トヨタのTRIは去る2017年3月に第1世代の自動運転車をデビューさせた。数ヶ月後に発表されたアップデート版、Platform 2.1車両は。シリコンバレーのスタートアップLuminarが開発した小型軽量で対象認識、測距が可能なレーダーシステムを搭載している。

今回の提携合意でUberの自動運転システムとトヨタのガーディアン・テクノロジーの双方がAutono-MaaS車両に搭載され自動運転の安全性の強化に貢献することになる。

トヨタはではさらにインターネット接続車両の安全性を高めるMSPF(モビリティー・サービス・プラットフォーム)と呼ばれる情報インフラを提供する。

TRIのCEO、Gill Pratt博士は「Uberの自動運転システムとトヨタのガーディアン・テクノロジーはそれぞれ独自にリアルタイムで車両が置かれた環境をモニターする。これにより車両、ひいてはドライバーの安全性が強化される」と述べている。

トヨタはこれ以前にもUberと関係を持っていたが、今回の提携によるほどの密接なものではなかった。トヨタはモビリティー企業を目指しており、今年1月のCESで、AmazonやUber、中国の配車サービス、Didi、自動車メーカーのマツダ、ピザチェーンのピザハットなどとともに人間や商品を運ぶ自動運転電気車両の開発を進めていくとことを発表している。この提携により、モジュラーコンセプトに基づくe-Palette車両による幅広い分野での実用化が期待されている。

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滑川海彦@Facebook Google+

フロリダのゲーム大会で銃乱射。容疑者含め3名が死亡

フロリダ州ジャクソンビルで起きた銃乱射事件で少なくとも11名が被弾し3名が死亡した。
現場は”Madden NFL 19“というゲームのライブストリーム中継されていた大会で、ジャクソンビルのアーケード The Landingで行われていた。 地元紙の報道による

ジャクソンビル警察は3名の死亡を確認し、うち1名は射撃犯自身だった。。

「The Landingの現場で目撃者と被害者の確認を終えたところだ」とMike Williams署長がFacebook Liveで中継された声明で言った。「追跡中の容疑者はいない。本件は単独犯による犯行だ。容疑者は現場で死亡した」。

Los Angeles Timesによると、射撃犯はゲーム大会の参加者で、敗れた後に他の参加者を襲い、その後自ら命を絶った。

イベントはTwitchでライブストリーム中継されており、複数のオーディオストリームで銃声が聞かれた。

複数のイベント参加者がTwitterで状況を伝えた。。

警察当局はTwitteで、目撃者はイベント——および銃撃——が行われたショッピングセンターの施錠された場所に隠れていたことを伝えた。

[警察はThe Landingの施錠された場所に隠れている多くの人たちを探している。冷静に隠れている場所に留まっていてほしい。現在SWATがThe Landingの中をしかるべき方法で捜索している。必ず見つけ出すので、それまで出てこないようお願いする]

「大変悲惨な出来事が起きてしまい、関係者全員に深い哀悼の意を表する」と主催者のElectronic Artsが事件に関する声明で言った。

Los Angeles Timesへのダイレクトメッセージで、目撃者の一人であるSteven “Steveyj” Javaruskiは、銃撃犯は「数人」を狙い少なくとも5人を撃ったあと自殺した、と言った

イベントはMaddenトーナメントの一環で250名が参加していた。ラスベガスで行われる決勝トーナメントの参加者を決める目的で行われていた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

過去1年間に調達したベンチャー資金総額、出身校別ランキング

大学のランキングといえば、それが資本豊富なファウンダーの数であれ、調達資金総額であれ、ベンチャーキャピタリストの出身校であれ、リストの上位には常に同じ名前が並ぶ。唯一のサプライズ要素は、ハーバードとスタンフォードのどちらがトップにいるかくらいだ。

この2校がトップに来ないような大学・スタートアップ関連のランキングを作ることは可能だが、今日はやらない。今回注目したのは出身ファウンダーが調達したベンチャー資金総額の多い大学のランキングだ*1

それ以外はどの大学がランク入りしたのか?

幸いリストには2校以外の名前もあった。この調査では、卒業生が過去ほぼ1年の間にベンチャー資金を最も多く集めた大学トップ15に注目した。

以前本誌の記事で、卒業生の中に100万ドル以上調達したスタートアップのファウンダーがいる人数で大学をランク付けしたことがある。本稿はその追跡調査となるが、ほとんどの名前は同じで、順序が少し変わっただけだった。

下の表をご覧いただきたい。学校名、2017年8月1日以降に調達したベンチャー資金総額、および調達額の多い企業名が書かれている。

調査方法

この調査結果では、大学と系列ビジネススクールを合算している。このため、ハーバードやペンシルベニア大学(ウォートン・スクールの母体)など有名ビジネススクールを傘下に持つ大学の調達総額が大きく跳ね上がっている。

また、何人かのファウンダーはランキングにある複数の大学で学位を取得している。該当する起業家は大学毎に1回ずつ数えた。

(*1)調査対象はシードからレイトステージまでの2017年8月1日以降に発表されたベンチャー資金調達ラウンド。

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フォートナイトのプレーヤーは2要素認証を有効にすると新しいエモートをもらえる

歴史的にみて、われわれはデジタルセキュリティーを得意としていない。2016年(安心できるほど遠い昔ではない)、最もよく使われたパスワードは “123456” と “password” だった。

意識はたしかに高まったが、正しい方向に進みたがらない人たちもいる。幸いな、Fortnite Battle RoyaleのメーカーであるEpic Gamesが解決策を思いついた。

同社はゲームに新しいエモートを導入した——エモートとはEpicが10億ドルを荒稼ぎするのを手助けする表面的なアップグレードの一種だ。しかしこのBoogie Downという新しいエモートは、Epic Gameアカウントで2要素認証を有効にしたユーザーだけにあたえられる。

ご想像の通り、ハッカーなどの厄介者たちはFortniteの人気とユーザーがこのゲームに金を使いたがっていることを十分理解している。当然彼らのアカウントは「悪いやつら」の魅力的なターゲットだ。

2要素認証——身元を証明するために2種類の方法を使う(通常はパスワードとSMSによる確認)——には短所もあるが、パスワード単独と比べればアップグレードであることは間違いない。

より良いセキュリティー習慣の動機を与えることは興味深い試みであり、ゲームメーカーがこの手法を選んだのは初めてに違いない。

Boogie Downエモートは2要素認証の報奨であり、Epic Gamesのコンテストの一環として導入された。去る3月、同社はユーザーコミュニティーに対してダンス動画の投稿を呼びかけ勝者はゲームに採用された。

ちなみに、実際のダンスはゲーム内のエモートよりずっとクールだ。

[via Kotaku]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AWS、VPSサーバーのLightsailを半額に値下げ

2016年に提供開始したAWS Lightsailは、Digital Ocean、OVHを始めとする低価格バーチャルプライベートサーバー(VPS)製品に対するAmazonの答だった。Lightsailはごく基本的なサービスとしてスタートしたが、この2年間にブロックストレージ、Windowsサポートの追加、リージョンの拡大などが加わった。

本日(米国時間8/23)Amazonは、新たに2つのインスタンスサイズを追加し、LinuxベースのLightsailインスタンスのほとんどを半額に値下げした。Windowsインスタンスも値下げされるが、値下げ幅は大部分が約30%だ。

Linuxインスタンスの中で唯一50%の値下げでなかったのは、5ドル/月の512 MBインスタンスで新価格は3.50ドル。これでも悪くはない。ニーズによっては512 MBでもプロジェクトをいくつか動かすのに十分なので、1 GBが必要ないユーザーはLightsailを使えばDigital Oceanの最小構成である5ドル/月よりも数ドル安くできる。実際、Lightsailの1 GBインスタンスも5ドル/月になったのも驚きではない。

どのインスタンスタイプも、SSDストレージ、SSHアクセス、固定IPアドレスを含めVPSホスティングサービスに期待される機能をすべて備えている。

例によってWindowsインスタンスは少々高くて(つまるところWindowsのライセンスはただではない)512 MBインスタンスが月額8ドルだ。より使いでのある1 GBインスタンスには毎月12ドルが必要だ。

新しいインスタンスサイズについては、16 GBインスタンスが4つのvCPUと320 GBのストレージ、および余裕の6 TBデータ転送速度を備える。32 GBインスタンスはvCPUとストレージが倍になりデータ転送速度が7 TBになる。

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スマートメーターの警察によるデータ利用には令状が必要

どれだけ電力を使っているかがわかると、その家庭で起きている多くのことがわかる——特に、その情報が数分ごとに収集されて中央に記録されていれば。スマートメーターのデータを警察当局が取得するためには捜査令状が必要であると、利用者が想定することはプライバシーの観点から妥当であると連邦裁判所が判断したことは実に示唆的である。

これはデジタルプライバシーの戦いにおけるニッチな勝利に思えるかもしれないし、ある意味でそのとおりなのだが、それでも重要な決定だ。われわれ消費者がモノのインターネットなどの形でユビキタス技術を導入するリスクのひとつとして、かつてないほど膨大な量のデータを生み出しながらそのデータが必ずしも適切に保護されていないことが挙げられる。

このケース実に良い例だ。従来の回転式メーターは、おそらく月に1回地元の電気会社が見に来るだけでデータの精度といえば、その家やアパートの一室に誰かが住んでいるか、その人たちが異常に多く電力を使っているかどうかがわかるくらいだ——地下室で麻薬を密造している連中を探している人にとっては有効な情報。

一方スマートメーターは短い間隔、おそらく15分毎に正確なメーターの値を送信し、そのデータは数年間保存される。これほど詳しいデータがあると、誰かが住んでいるかどうかだけでなくいつ在宅しているか、最近冷蔵庫をあけたかどうか、どの部屋にいたか、洗濯の頻度はどのくらいかなどもわかる。その家の電力ネットワーク上の個々の電気製品を識別することは決して難しくない。

もちろんこれは、電力会社の負荷分散や需要予測などに役立つ。しかし、もし当局がそれ以上のことをしたいと思ったら、たとえば、犯罪捜査で誰かがある時刻に在宅だったかどうかの証明に使ったとしたらどうだろう。

懸念をもったある市民グループが、数年前にスマートメーターを義務化したイリノイ州ネイパービル市を訴え、データの収集は不当な捜査にあたると指摘した。

当初の裁定は、電力消費データを自発的に第三者に提供したことは、住民がプライバシーの権利を放棄したことを意味すると事実上判断した。プライバシー放棄ということは、データを取得することは「捜査」ではないことを意味する。

しかし、第7巡回控訴裁判所は控訴審(EFFが主導)で、第三者など存在しないという裁定を下した。データを収集したのは市であり、データを使いたかったのも市だ。また、仮に存在したとしても、「居住者は、自宅に電気を引くことでほぼ定常的に監視されることのリスクを想定していない」。よってこれは捜査〈である〉。

ただしデータ収集は、「訴追目的」でなく行われた場合は〈不合理〉な捜査ではない、と裁判所は判定した。つまり、市が電力グリッドの管理と改善を目的として行動しているかぎり、捜査令状なしにこの情報を収集することは完全に合理的であることを意味する。

しかし、それ以上の目的で必要となった場合、たとえば犯罪捜査目的であれば、当然令状が必要になる。

この区別は重要だが、常に遵守されているわけではない。系統的な収集とメタデータの分析によって、個人の行動と習慣の驚くほど詳細な記録を生成することが可能であり、憲法修正第4条などによる保護の抜け穴を見つけて塞ぐことは簡単ではない。

本件が最高裁まで行く可能性はあるが、これは言論の自由や政府の情報アクセスなどの重要課題ではないので、実際にはありそうにない。電力利用量のための捜査令状は、生死にかかわる問題ではないと思われるが、法廷闘争では重要になりうる——捜査令状を要求することが不合理な要求ではない理由でもある。

ネイパービル市や同じ立場にある都市がこの決定に従う可能性は高そうだ。これはわれわれのプライバシーにとっての勝利であり、同じようなデータ収集活動に対する戦いの一歩だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleの‘何でもAssistant’路線、今度はBang & Olufsenの高級スピーカーに取り付く

Google AssistantとAmazon Alexaはもはや、自社製の安価なスマートスピーカーだけが自分の世界ではない。中でもとくにGoogleは、サードパーティのハードウェアメーカーに積極的に働きかけて、同社の消費者向けAIを、できるかぎり多様な製品に載せようとしている。

Bang & OlufsenのBeoSound 1と2は間違いなく、この路線のハイエンドに位置するだろう。その高価なスピーカーは、Google Assistantが載る同社の初めての製品だが、しかしB&Oは前から、それを同社のすべての製品に載せる、と約束していた。今回の二つの機種は、そのために必要な技術を最初から装備しており、たとえばマイクロフォンは5つ搭載している。

また上部には4つのボタンがあり、それらに、天気予報、ニュースなどさまざまな機能を割り当てられる。このAssistant搭載の新機種は来月初めに、1が1750ドル、2が2250ドルで発売される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Palette 2はどんな3Dプリンターもカラー化する

Mosaic ManufacturingのPalette 2——オリジナルのPaletteの改訂版——は自己完結のフルカラー3Dプリンティングシステムだ。複数の色のフィラメントを切ったりつないだりして、作品のプリントに合わせてプリンターに送り込む。Splice Coreと呼ばれる独特の内部カッターがフィラメントを適切な長さに切ってプリントに使うフィラメントの色を迅速に切り替える。

プリンターは4色を出力可能になり、好きな色も好きな量だけプリントできる。余分な色はタワーと呼ばれる小さな塊に射出するので、必要に応じて各色をわずかな量でも多くの量でも利用できる。フィラメント切れ検出もあるので長時間かけて大きな作品を作ることもできる。

Paletteは既存の多くの3Dプリンターで使うことが可能で、Paletteや上位機種のPalette Proを使うためにプリンターを改定する必要はない。Canvasという新しいソフトウェアを使うとユーザーはカラープリントの計画を立てて、命令をPaletteとプリンターの両方に送り込める。

Palette 2の価格は449ドル、Proは699ドル。ProはPalette 2よりも高速にプリントできる。

これは実に賢い工夫だ。プリンターに全部の仕事をやらせる代わりに、フィラメントに働かせる。ほぼあらゆるプリンターでPaletteを使うことが可能だが、現在同社は多くの人気プリンターにネイティブサポートをするよう交渉している。スマートフォンのケースや伸縮可能な素材を使ったラバー風ウォッチバンドや教材なども3Dプリントできる。いちばん印象深いのは何か? このシステムを使うと脳の断面図をプリントして腫瘍の部分を黄色で表すことができる。(まだ)完全なフルカラーではないものの、Paletteは低予算でカラー3Dプリントを考えている人にとってはすばらしいソリューションだ。

  1. scaled-2

  2. scaled-1389

  3. scaled-1391

  4. scaled-1401

  5. scaled-8367

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook