IBM-Red Hatの340億ドルはソフトウェア買収史上最高額

従来それは半導体会社や通信、医薬品の巨人に使われる金額だった。本日(米国時間10/28)IBMは、エンタープライズ向けオープンソフトウェア会社のRed Hatを340億ドルで買収すると発表した。これはMicrosoftがLinkdInを買収した262億ドルを上回る最大のソフトウェア買収だ。ただし、IT分野最大の買収ではない。その称号は DellによるEMCストレージ事業670億ドルの買収に与えられている。

IBMがRed Hatを買収してハイブリッドクラウド企業を目指していることについての詳細は、 TechCrunch編集者のIngrid Lundenが書いているので参照されたい

ではこのIBM-Red Hat案件(成立した場合)はこれまでの巨大買収と比べてどう位置づけられるだろうか?

IT買収トップ5

  1. 670億ドル——パソコンメーカーDellがEMCのデータストレージ事業を買収
  2. 370億ドル——半導体会社Avago Technologiesが半導体巨人Broadcomを買収および社名変更
  3. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  4. 314億ドル——日本の複合企業SoftBankが半導体企業ARM Holdingsを買収
  5. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークのLinkedInを2016年に買収

ソフトウェア買収トップ5

  1. 340億ドル(交渉中)——IBMがオープンソフトウェアメーカーRed Hatを買収
  2. 262億ドル——ソフトウェア会社Microsofがプロフェッショナル向けソーシャルネットワークLinkedInを2016年に買収
  3. 220億ドル——ソーシャルネットワークFacebookがメッセージングアプリWhatsAppを2014年に買収
  4. 135億ドル——セキュリティーソフトウェアメーカSymantecがストレージ管理ソフトウェアメーカーVeritasを2004年に買収(180億ドルをインフレ調整)
  5. 110億ドル——データベース会社Oracleが人事ソフトウェア会社PeopleSoftを2004年に買収(147億ドルをインフレ調整)

企業買収ベスト5

  1. 2020億ドル——英国通信会社Vodafoneがドイツ通信会社Mannesmannを2000年に買収(2960億ドルをインフレ調整)
  2. 1650億ドル——インターネットプロバイダーAOLがメディア複合企業Time Warnerを2000年に買収(2410億ドルをインフレ調整)
  3. 1118億ドル——医薬品巨人Pfizerが医薬品会社Warner Lambertを1999年に買収(1640億ドルをインフレ調整)
  4. 1300億ドル——通信会社Verizon CommunicationsがVodafoneおよびBell AtlanticのVerizon Wirelessを2013年に買収
  5. 1300億ドル——Dow Chemicalが化学会社DuPontを2015年に買収

このRed Hat買収はソフトウェアのスケーラビリティーが極端な富の集中化を可能にすることの証だ。従来の業界巨人たちが、石油、化学、完成商品の供給、流通を受け持つ物理リソース・プロバイダーらと富を分け合っていたのに対して、ソフトウェアは生産と流通にほとんど材料費がかからない。ソフトウェア巨人への価値の集中は、世界を変えるビジネスを作る大きな動機づけになると同時に、労働階級から資産を奪う危険を伴っている。Red Hatの成果を祝福するのは簡単だが、必然的に社会は、ソフトウェアが富を少数へと集中させることで加速される貧困とポピュリズム取り組まなくてはならない。

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暗号通貨ウォレットの「Blockchain」、Ledgerと提携してハードウェア・ウォレットを発売

ブロックチェーンのスタートアップ、”Blockchain“が今後数ヶ月の shared its 計画を発表した。同社はLedgerと提携してハードウェア・ウォレットを発売する。またBlockchainは新しい取引プラットフォームとしてSwap by Blockchainの提供を開始する——このプラットフォームは数ある交換所の中から最高の取引条件を見つけるので、ユーザーは自分のBlockchainアカウントで直接適正価格でトークンを交換できる。

Blockchainは現在もっとも成功している暗号通貨ウォレットのひとつだ。同社はBitcoin向けのソフトウェア・ウォレットでユーザー基盤を築き、今やEtherumとBitcoin Cashにも拡大している。

伝統的交換所と異なり、Blockchainではユーザーがプライベートキーを管理する。Blockchainはユーザーのトークンをアクセスできないので、仮にBlockchainがハックされてもハッカーがユーザーのウォレットを空にすることはない。現在Blockchainは3000万個のウォレットを管理しており、過去2年間で2000億ドル以上の取引を処理した。

しかしソフトウェア・ウォレットはハードウェア・ウォレットほど堅牢ではない。世の中には無数のフィッシングサイトや詐欺師が人々のプライベートキーを盗もうと狙っている。だからBlockchainは独自のハードウェア・ウォレット、のようなものを発売することになった。

同社はフランスのスタートアップ、 Ledgerと提携してBlockchain Lockboxを発売する。見た目はLedger Nano Sとまったく同じでBlockchainのロゴがついている。中にはBlockchainのファームウェアが入っていてBlockchainのウォレットと連動する。

Ledger自身のアプリと同じく、ハードウェア・ウォレットをパソコンと繋がなくてもスマートフォンやウェブで残高を確認できる。ただし、取引を処理するためにはパソコンに差し込んでBlockchain Lockbox自身で取引を認証する必要がある。

今あるBlockchainウォレットとBlockchain Lockboxにつながったウォレットがどういう関係になるのか気になるところだ。Lockboxは一種の長期保管庫として働き、標準のBlockchainウォレットには少額のコインを保存しておき日常の取引に使用する。

Swapは、Blockchainが独自に作っている取引システム商品だ。独立した交換所になるのではなく、同社は複数の交換所システムと統合する計画だ。最終的にBlockchainは、非中央集権型取引プロトコルに対応して、交換所を経由することなくトークンの交換ができるようにすることを目指している。

Blockchain Lockboxの価格は99ドルで11月に発売予定。Blockchainはモバイル分野で非常に人気が高いので、Bluetoothやモバイルに対応したバージョンもでてくることを私は期待している。

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グロービス経営大学院が在校生や卒業生起業家に投資するG-Growthを開始、1号案件はクラウドRPAのBizteX

グロービス経営大学院は10月26日、在校生または卒業生が起業したスタートアップを対象とする投資プログラム「GLOBIS Alumni Growth Investment」(G-Growth)を始めることを明らかにした。1社あたり最大で1億円を投資するという。

グロービスでは2003年よりオリジナルMBAプログラムのGBDAをスタート。同プログラムを前身として2006年にグロービス経営大学院を開学した。GBDAも合わせるとMBAプログラムの累計卒業生は3800名を突破。近年では在校生や卒業生が起業したスタートアップが投資家から出資を受け、事業を加速させる事例が増えているという。

これまでも最大1000万円を出資するビジネスプランコンテスト「GLOBIS Venture Challenge」の開催や2000名以上が参加する公認クラブ活動「グロービス・アントレプレナーズ・クラブ」の運営支援を行なっていたが、こうした動きをさらに後押しする取り組みとして、新たに投資プログラムを開始するに至ったようだ。

G-Growthの対象となるのはグロービス経営大学院のMBAプログラムの在校生と卒業生、そしてGDBAの卒業生が起業したスタートアップで、かつ高い成長性が期待できる企業。累計1億円以上の調達実績があることを条件とし、売上が伸びて規模拡大に向けた資金を必要とするステージのスタートアップに1000万~1億円を投資する。

今回同プログラムのスタートと合わせ、投資第1号としてクラウドRPAサービス「BizteX cobit」を展開するBizteXに2000万円を出資したことが明らかになった。BizteX代表取締役の嶋田光敏氏は2015年度の卒業生。同社は今年の8月にシリーズAで約4億円の資金調達を実施済みだ。

NBAスター、マイケル・ジョーダンがEスポーツ会社の2600万ドル投資ラウンドをリード

NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンは、今やEスポーツ界で活躍中で、オーナーグループaXiomaticの2600万ドル調達ラウンドをリードした。

ジョーダンと新たに共同出資社となったDeclaration Capital——マルチビリオンの非上場会社 The Carlyle Groupの共同ファンダーで共同執行役会長のDavid Rubensteinの個人資産を投資している家族会社——にとって、Eスポーツへの投資はスラムダンクのようだ。

aXiomaticは、ジョーダン、Declaration Capital、およびCurtis Polkが投資したことを本日発表した。PolkはHornets Sports & Entertainmentの経営パートナーでマイケル・ジョーダンと彼の関連会社の財務と事業管理を担当している。Bloombergの報道によると調達金額は2600万ドル。

Forbesが業界第2位のゲーム会社と推測するEスポーツのフランチャイズ、TeamLiquidを所有するaXiomaticは、急成長するEスポーツ界に確固たる基盤を持っている。

実際、最も成功しているEスポーツ企業であるCloud9は、最近5360万ドルの新規ラウンドを実施したことが、証券取引委員会(SEC)に提出された文書でわかった。

「aXiomaticへの投資によって私のスポーツ株式投資の幅が広がることを楽しみにしている。Eスポーツは急成長中の国際産業であり、このすばらしい投資家グループと共に参加できることを嬉しく思っている」とジョーダンが声明で語った。

プロスポーツチームのアスリートやオーナーたちは、Eスポーツ業界に殺到している。公認Overwatch Leagueの自チームにぽんと2000万ドル出したり、Eスポーツエコシステムのサービスを開発する企業に同様あるいは小さな金額を投資している。

Philadelphia 76ersは、NBAチームとして初めてEスポーツの世界に足を踏み入れ、Team Dignitasを当時1500万ドルと噂されていた企業価値で買収した。今年、DignitasはRocketLeague世界チャンピオンの座を76ersに持ち帰った。

今やGolden State Warriors、Cleveland Cavaliers、およびHouston Rocketsの3チームが、Riot GameのLeague of LegentsトーナメントのEスポーツチームを支援していると Bloombergは伝えている。

「次世代のスポーツファンはEスポーツファンである」とaXiomaticの会長でMonumental Sports & Entertainment(NBA Washington Wizards、NHL Washington Capitals、およびWNBA Mystics franchiseを所有している)の会長・CEO・過半数株保有者のTed Leonsisが声明で言った。「Eスポーツはスポーツ・エンターテイメント業界で最も成長著しい分野であり、aXiomaticはその成長の最先端にいる。マイケルとDeclaration CapitalをaXiomaticに迎えることを大いに喜んでおり、真に最先端をいく事業を共に成し遂げることを楽しみにしている」。

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Anker、新しいスピーカーとプロジェクターと小型充電器を発表

あらゆるガジェットアクセサリーの達人、Ankerが今夜(米国時間10/25)マンハッタンで行われたイベントでいくつか新製品を発表した。中でも最大/最小の発表だったのがPowerPort Atom、コンセント周りの場所をとらないデザインの小型充電器だ。

30ドルのこのデバイスは、USB-Cポートを備えほとんどのスマートフォン充電器より小さい。それでもNintendo SwitchやMacBookも充電できる出力を持つとメーカーは言っていた。ただし出力27wなので時間はかかりそうだ。発売日は未定。

一方、Modelシリーズは同社の新しいBluetoothスピーカーに付けられた落ち着いたネーミング。シリーズ第一弾はドーナツ型のModel Zero+で、Dolby Audio、Google Assitantを内蔵している。Model Zeroは機能は少ないがバッテリーの持ちが2倍だ。価格はModel Zeroが200ドル、Zero+が250ドルで発売は来月後半の予定。(訳注:1月のCESで披露されたが発売時期は未定だった)

最後はAnkerの小型プロジェクターNebula Capsuleの第2バージョン。解像度は1280 X 720でGoogle Assistantを内蔵、約1秒でオートフォーカスする。この商品はKickstarterで明日からキャンペーンが開始される。Early-bird価格は349ドルから。

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Googleマップ、店舗を「フォロー」する新機能でFacebookページに対抗

Google Mapsは次々と新機能を追加して、このアプリを単なる場所を探してそこへ誘導する以上のものにしようとしている。最近だけをみても、グループ旅行プラニング音楽のコントロールと通勤情報到着予定時刻(ETA)の共有おすすめのパーソナル化などなど様々な機能を提供してきた。今度はユーザーがお気に入りの店——レストラン、バー、商店など——をフォローする新しい方法を提供し、店の最新情報がすぐ手に入るようにする。

もしあなたがこれを、Google Maps流のFacebookページなのではないかと思ったなら、それは正しい。

同社の説明によると、新たに追加された “follow” ボタンを押して店舗をフォローすると、その店のイベント、特典その他の最新情報が、Google Mapsの”For You” タブで見られるようになる。

イベント、特典や写真満載の記事で来店を促す? そう、それはまさしく実店舗の客をターゲットにしたFacebookページのライバルだ。

Googleによると、店舗はGoogle Mapsプラットフォームを使って、開店前から潜在顧客を呼び込むことができる。

Google My Businessページでで店舗プロフィールを作り開店日などを登録すると、開店の最大3ヶ月前からユーザーのモバイルウェブやアプリ内での検索対象になる。

このプロフィールには、店舗名のすぐ下に開店日がオレンジ色で表示され、ユーザーは 自分のリストに保存することができる。その他住所、電話番号、ウェブサイト、写真などの一般的な店舗情報も見られる。

新しい「フォロー」機能は、すでにGoogle Mapsにある1億5000万箇所以上の施設とそれらを探す数百万人のユーザーが利用できるようになる。

この機能は、今週Googleが正式発表する前から、すでに出回っているところを発見されていた。今後数週間をかけてまずAndroidで公開される。

“For You” タブは現在限られた地域で利用可能で、近々他の国々にも行き渡る予定だとGoogleは言っている。

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楽天と西友が「楽天西友ネットスーパー」を正式オープン――最短4時間で配達、楽天IDとの連携も

楽天と西友は10月25日、協働で運営するネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」をグランドオープンした。

同サービスは強固な会員基盤(楽天ID数は約9900万)やECの知見を持つ楽天と、実店舗での生鮮食品の販売などスーパーマーケット運営のノウハウを持つ西友の強みを活用した事業。1月に楽天とウォルマートが発表した戦略的提携の一環だ。

楽天では同サービスの大きな特長として「豊富な品揃え」「顧客のニーズに応える十分な配送キャパシティ」「楽天IDとの連携」の3点をあげる。

品揃えに関しては西友がこれまでも軸にしてきた生鮮食品をはじめとする食品や日用品のほか、時短ニーズに対応したカット野菜や半調理食品、ミールキットなどの簡便商品を提供。加えて「楽天市場」で人気のお取り寄せグルメや、「Rakuten Ragri」の有機野菜・有機野菜サラダなど最大2万品目を取り扱う。

配送面では西友の実店舗からユーザー宅への配送に加え、千葉県柏市のネットスーパー専用センター、都内数カ所に設置した配送拠点を本格稼動。専用センターには冷蔵・冷凍庫を完備し、常温・冷蔵・冷凍の3温度帯で商品を保管するという。

同サービスは16の都道府県で展開。エリアによっても異なるが、注文から最短4時間で商品が届くような設計で、午後3時までに注文すれば当日配達が可能だ。注文した日から3日後までの午前10時から午後10時まで、6つの時間帯で配達日時を指定することもできる。

また楽天IDとの連携によって、登録済みの住所やクレジットカード情報などを利用することで購入までの手間を削減。「楽天スーパーポイント」を決済時に活用することも可能だ。なお購入金額100円につき楽天スーパーポイントを1ポイント進呈するという。

楽天では「楽天と西友は、楽天西友ネットスーパーのサービス提供を通じ、日本のお客様のニーズにきめ細やかに応えることで、ネットスーパーのリーディングカンパニーを目指してまいります」としている。

トランプは「セキュアな」iPhoneを2台持っているが、それでも中国は聴いている

トランプ大統領はiPhoneを3台持っている——うち2台は「セキュア」で、もう1台は通常の個人用デバイスだ。しかし、最高司令官が電話を取るたびに、彼の敵たちは聴いているという。

これはThe New York Timesの最新記事によるもので、大統領の複数の端末——および彼がそれをどう使っているか——にスポットライトを当てている。

トランプは2016年に就任した際、Androidが走る古くて時代遅れのSamsung Galaxy携帯を渋々手放し、Appleデバイスに移行した。iPhoneは歴史的にAndroid機よりもセキュアであるとされてきた。彼が所有するうちの1台は通常のiPhoneで自分の連絡先を登録できるが、あとの2台は公務専用で、国家安全保障局によって盗聴を防止するための改造が施されロックされている。

ただし——たとえホワイトハウスの中にいようとも、ワシントンおよび全米の大部分を覆い尽くす、老化し劣化しつつあるセキュリティーの低い携帯ネットワークから逃れることはできない。

ネットワーク間で情報をやり取りするの極めて重要な携帯ネットワークシステム——Signaling System No. 7(SS7)と呼ばれている—— が、近年ハッカーらによる通話やテキストメッセージの傍受を容易にしている。SS7は携帯ネットワークが通話やテキストの接続やルーティングを確立するために使用しているが、SS7の著しい脆弱性のために、2要素認証に使われたコードが傍受され、銀行口座の侵入や資金流出に利用された

このほとんどが未修正の欠陥によって、各国政府——あるいは誰でも——が通話を簡単に傍受できる。そこには中国、ロシア、および傍受を成功するために必要なリソースと知識を持つあらゆるアタッカーも含まれている。

トランプが3台のiPhoneに頼っていることは面倒そうに思えるかもしれないが、これでも前任者より一歩前進している。

オバマ大統領は、いっとき彼の政府支給iPhone——2期目に与えられた——を「3才児が持っているおもちゃの電話」に なぞらえた。メールは受信できるが、発信できないように改造されており、海外の敵が大統領の様子を探れないようにカメラもマイクロホンもついていなかった。彼はテキストメッセージを送ることさえできなかった——必ずしも技術的理由からではなく、政府高官が公式なやりとりを保存することを義務付けている大統領記録法に従うためだ。

トランプはオバマよりも寛大な扱いを受けてはいるが、それでも毎月新しいクリーンなデバイスを受け取り、マルウェアが潜んでいる可能性を排除している。しかし、そのポリシーは本来あるべき厳密さで適用されていない、と記事は書いておりそれは、居残ったマルウェア(もしあれば)を誤って引き連れることなく、古いデータを新しい端末に手動で移行するのが大変だからだ。

SS7の欠陥は一般人にとっても未解決の問題ではあるが、大統領自身による “opsec” ——セキュリティー運用、すなわち直面する脅威に対する彼の認識とそれを回避する努力——のひどさとは比べ物にならない。もし中国やロシアが彼の通話に聞き耳を立てていなかったとしても、彼のゴルフコース周辺をうろつくだけで、いつでも運試しができる——そこでは大統領が携帯をゴルフカートに置き忘れ、スタッフを取りに走らせたことがある。

そしてこれは、核ミサイル発射コードを信託している人物の話だ。

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Facebook、「広告アーカイブレポート」で政治広告費ランキングを公表

明白な理由により、Facebookは中間選挙を前に政治広告の透明性を高めようとしている。去る5月、同ソーシャルネットワークは米国内の政治広告を検索できるデータベース、Ad Archiveを導入した。このほど新たに政治広告費用を週例報告するAd Archive Report機能を追加した。

レポートはキャンペーン別のトップ広告利用者を利用額および広告掲載数と共に公開している。最初のレポートは、FacebookとInstagramで5月から10月20日の期間に掲載された広告が対象で、総額2.56億ドルが160万件の広告に消費された。

この数字にはFacebook自身による選挙の公正化および投票推進運動に関連する広告も含まれている。それ以外ではあらゆる手を尽くして戦っているテキサス州のベト・オルーク下院議員がリードしているのは驚きではないだろう。”Beto for Texas” キャンペーンはこの期間約6000件の広告に530万ドルを使った。

ドナルド・トランプの “The Trump Make America Graeat Again Committee”[トランプがアメリカを再び偉大にする委員会]が190万ドルで2位。ちなみに “Donald J. Trump for President, Inc.” [ドナルド・トランプを大統領に株式会社] は160万ドルで8位だった。これは170万ドルを使ったトム・ステイヤーの”Need to Impeach”[弾劾せよ]のすぐ下だ。こうしたキャンペーンが2020年に向けて膨れ上がっていくことは間違いない。

アーカイブには、7年前まで遡って広告が収納されている。また同サイトでは、データをアクセスするためのリサーチャー向けのAPIも提供している。

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VCの投資先管理を簡単にする「FUNDBOARD」が事業会社や個人投資家向けにもサービス開始

投資家向けの未上場株の管理ツール「FUNDBOARD」を開発するケップル。同社は10月25日より、これまでベンチャーキャピタル(VC)に特化して提供していたFUNDBOARDの対象を拡大し、事業会社および個人投資家も利用できるようにする。

FUNDBOARDはスタートアップと投資家のコミュニケーションを効率化することを目的として始まったサービスだ。2017年7月にベータ版をリリース後、ユーザーからのフィードバックも踏まえてデザイン面などのアップデートを実施。まずは投資家用の正式版を2018年8月よりVCに対して提供してきた。

特徴はこれまでエクセルやドロップボックスなど複数のツールやファイルに散らばっていた投資先に関する情報を、一元的に管理できること。

各投資先に「投資済」「投資検討中」などステータスを設定したり、事業ドメインや紹介ルートなどタグをつけて整理することが可能だ。面談の内容、投資委員会議事録、日報といったレポートや多数の投資先から受け取ったファイルも全て投資先ごとに紐づいて格納されていくので、複数の場所に散らばって「重要なファイルがすぐに見つからない」といったこともない。

サービス上から投資先に対してファイルの提出や受け取り依頼をする機能(投資先の担当者に一時URL付きのメールが送信され、FUNDBOARDのユーザーじゃなくても閲覧できる仕様)や、投資実績として株価、保有株数、発行済株数などを登録することでポートフォリオをグラフ化する機能も備える。

VCや事業会社など属性によって若干プランの違いはあれど、これらの機能を現在は1ユーザー約1万円ほどのユーザー課金モデルで提供している。

ケップル代表取締役の神先孝裕氏によると、ローンチから約2ヶ月半でだいたい15ファンドほどに導入されているとのこと。エクセルなどでは大変だった投資先の情報管理を、タグなども使いながら柔軟に整理できる点に1番価値を感じてもらえているという。

「(各VCが)登録する投資先件数が想定していた以上に多かった。たとえば投資済みの案件は十数社でも、実際に繋がりのある起業家のリスト自体は何百件とかそれ以上になることもある。そのリストや関連するファイルを管理するのはかなり大変なこと。それがシンプルに整理でき、かつ各投資先に紐づけてメモやレポートも残せる点が好評だ」(神先氏)

本日より事業会社向けにも正式に提供を始めるにあたって、関連会社や子会社の管理を行える機能を追加。また組織全体およびメンバー単位で投資検討の進捗管理を行える「投資検討管理機能(パイプライン機能)」も導入した。

この機能では検討中の投資先ごとに投資予定日や予定額、投資ステップを管理することができ、集計された内容はグラフ化される。投資予定額を含めた投資総額が月単位で出力されるので、半年先までの投資予定額と投資余力を把握できるほか、各担当者ごとに抱えている案件の進捗を見える化することも可能だ。

「継続的に投資をしているVCや複数人の担当者がいるVCでは、直近で誰が何件の案件を抱えていて、それぞれがどんなステータスなのかを見える化することが重要。たとえば3ヶ月後に全体でどのくらいの投資をする予定があるのか、どのくらいの投資余力があるのか目処をつけたいというニーズは多い」(神先氏)

このパイプライン機能はVCなどと話をしていても、よく聞かれることの多かった機能なのだそう。FUNDBOARDの導入を進める際にも、この機能がひとつのポイントとなってセールスフォースと比較されることも何度かあったのだという(セールスフォースではパイプラインの管理ができるため)。

FUNDBOARDでは今後も投資家向けの新機能を追加していく予定。加えて2019年の上旬を目処にスタートアップ向けのサービスも提供していく計画だ。そのタイミングで現在は投資家ユーザーが手入力しているような情報が自動でアップデートされるような仕組みを取り入れ、両者間の情報管理やコミュニケーションの負担を削減していきたいという。

「そういった世界観を実現するためにも、まずは投資家向けに手入力でも十分便利で価値のあるプロダクトをしっかりと作りこんでいきたい」(神先氏)

スマホ証券One Tap BUYが東海東京FHらから19.5億円を調達、出資者との連携でサービス向上目指す

スマホ証券取引アプリ「One Tap BUY」を提供するOne Tap BUYは10月24日、第三者割当増資により総額19.5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。新たに株主に加わったのは東海東京フィナンシャル・ホールディングス。既存株主のソフトバンク、みずほ証券も追加出資を行った。

同社が提供するOne Tap BUYはスマホから手軽に株式投資ができるアプリ。スマホを3タップするだけで、1000円から株式売買が可能だ。米国株、日本株のそれぞれ30銘柄を扱うほか、ETFにも投資できる。

One Tap BUYでは今回の資金調達を機に、提供するサービス群を東海東京フィナンシャル・グループの戦略的パートナーである地方銀行や証券会社向けに提供していく意向。またこれまでの出資者も含め、より緊密な連携を図り、顧客の利便性・付加価値向上を目指すとしている。

ちなみに東海東京FHは今年に入ってから、4月にはおつり投資の「トラノコ」を運営するTORANOTECに出資。8月にはロボアドバイザー「THEO」提供のお金のデザインにも出資している。各社のユーザーである若年層や新規投資家を取り込みつつ、サービス連携を図りたいものとみられる。

One Tap BUYは2013年10月の設立。2015年12月に第一種金融商品取引業者として登録され、2016年6月1日にサービス提供を開始した。“誰でも株式投資ができる”サービスを目指して、これまで投資をしたことがない投資家層へアプローチし、ユーザーを拡大。現在の口座開設数は13万口座を超える。

2016年7月にはソフトバンクから10億円、2017年2月にはみずほキャピタルやみずほ証券らから15億円を調達。2017年11月にはソフトバンクやヤフーらから25億円を調達している。

なお、One Tap BUYはサービス開始以前の2015年11月に開催されたTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルに出場し、審査員特別賞とAWS賞を受賞している。今年も間もなくTechCrunch Tokyo 2018が開催される。お得な前売りチケットの販売期間は10月31日まで。スタートアップ各社の熱いバトルを見たい方はぜひ、お見逃しなく。

求人界のTinder「Teamable」が500万ドルを調達、Simpplerを買収

社員のソーシャルネットワークを活用した求人サービスのTeamableが、500万ドルの資金を調達した。出資したのは新たに参加したFoundation Capitalとすでに投資しているTrue VenturesとSaaStr Fund。

また同社は、Simpplerの照会エンジンとリクルートソフトウェアを買収したことも発表した。Teamableの共同ファウンダーでCEOのLaura Bilazarianは、契約条件の公表を拒んだ。

Crunchbaseによると、買収されたSimpplerはこれまでに320万ドルの株式ファンドをFoundation Capital、Greylock、Vertex Venturesらから調達している。同社は2013年に Vipul Sharmaが設立し、Teamableと同様、既存の社員ネットワークを使って求人紹介プラットフォームを作っている。Sharmaは以前Evenbriteで機械学習を担当し、LinkedInプロフィールによると「昨年Indeedのエンジニアディレクターを務めていた」。

SharmaおよびSimpplerの人員はTeamableに移籍しない。

TeamableはGmail、Facebook、GitHubその他のソーシャルネットワークを利用して社員の連絡先を収集し、リクルーターをより焦点の絞られた採用候補者と結びつける。
Teamableを利用している企業の中にはSpotifyとLyftも入っており、ネットワーク内の従業員と求職者の温かみのあるつながりを支援している。ソーシャルリクルーティングのアルゴリズムによってより効率的で多様性のある雇用が可能になる、と同社は言っている。

「求職者は今のリクルート方法を喜んでいないと思う、とBilazarianがTechCrunchに話した。「彼は履歴書を塀の向こうに投げ入れるだけで返事を聞くことがない。企業も今のやり方を望んでいないと私は思う。なぜなら、求職者は職務記述書を見て憶測するだけなので企業は正しい候補者に巡り合っていないからだ」

「企業の中のわずかな人々が世界中にスパムを送るのではなく、会社をよく知る人たちが手を差し伸べる」と彼女は言う。「Teamableは非常に精度が高い。200人と接触して一人から返事をもらうのではなく、5人に声をかけて一人を採用する。」

昨年の シリーズAで得た500万ドルを含め、Teamableの株式ファンドは総額1000万ドルになった。50名からなる同社のキャッシュフローはプラスで、顧客は200社だとBilazarianは言う。サンフランシスコおよびアルメニアのエレバンに拠点を構えるTeamableは、調達した資金を使ってチームとリクルーティングプラットフォームの拡大を進める予定だ。

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モトローラ、ガジェット分解のiFixitと組んで「公式DIY修理キット」を発売

携帯電話の修理は必要以上に難しい。この10年端末メーカーは機体の薄さと契約期間だけもてばいいデバイスの開発に注力し、修理のしやすさはおよそ気にかけてこなかった。修理が必要だって? eBayで見つかりますように!

そんな中Motorolaは、公式修理キットをiFixitと提携して販売する。

おそらく読者はiFixitのことを、ほとんどの人気新端末を発売数時間後にはバラバラにしている連中だと知っているだろう。彼らの奥深いガジェット分解記事は、中でどうやって時が刻まれ、どうやってシリコンハムスターが車を回しているのかを、あなたの大切な端末を無事動かしたままの状態で覗かせてくれる。

しかし彼らは、道具が動かなくなったときのための道具もいろいろ売っている。古いiPodからゲーム機のコントローラーまで、あらゆる種類のデバイスを修理するための個別パーツを山ほど揃えている。そして今、多くのMotorola端末のために、彼らはMotorolaのお墨付きを得て商売を始めた。

このほど同社が販売開始した修理キットには、Motoralaから直接仕入れた交換部品が入っている。現時点で8種類の携帯電話に対応している(Moto Z、Moto X、Droid Turbo 2、Moto Z Play、Moto G5、Z Force、X Pure、およびG4 Plus)。同社は最もよく使われる2大交換部品——バッテリーとスクリーン——に焦点を合わせており、キットには端末を分解し、部品を交換して元に戻すのに必要なものがすべて入っている。バッテリー交換キットは40ドル前後、スクリーンキットは100~200ドル程度。

他社も追随するかって? それはなんとも言えない。しかし、ぜひそう願いたいものだ。次世代スマートフォンの魅力が益々薄れていく中(「カメラが少しだけよくなった! スクリーンが明るい? 硬い? 速い?  頑丈?)、多くの人が進んで修理するようになるのはすばらしいことだ。

(画像出典:iFixit’s Moto Z repair guide)

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iPhone XSの自撮りソフトフォーカスはバグ、次期iOSアップデートで修正

先月インターネットでは、AppleがiPhone XSとXS Maxで自撮り写真を美化しているという報告が飛び交った。写真はまるでエフェクトがかかったように見え、ライバル機種が提供する「ビューティー」フィルターのようだった。Appleは意図的に写真を修正しているとの指摘を否定したが、時すでに遅く「ビューティーゲート」という予想通りの名前をつけられた。

実際それは妄想ではなかった。画像はソフト化されておりそれはソフトウェアバグのためだった、と同社は説明した。しかしThe Vergeによると、Appleは次のiOS 12.1アップデートで問題を修正するようだ。その後AppleはTechCrunchに、現行ベータ版でも対応済みであることを確認した。

要するにこういうことだ。遅いシャッタースピードでHDRプロセスがデフォルトになっていた。それに、前面カメラにOIS(光学手ぶれ補正)がないことが相まって、ぼんやりとかすんだ写真が生まれた。つまり、カメラはあなたを美しくしていたのではなく、少々ぼやけさせただけだった。

人は現状に満足しなければならないときもある。

アップデートのベータ版はすでに公開されている。

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CAMPFIREが金融サービス「CAMPFIRE Bank」開始、支援者への融資など対象領域を拡大へ

クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」を軸に、プロジェクト起案者向けの融資サービス「CAMPFIRE レンディング」やフレンドファンディング「polca」などお金に関する複数の事業を展開してきたCAMPFIRE。

同社は10月23日より金融サービス「CAMPFIRE Bank」の提供を開始した。

CAMPFIRE Bankは個人・法人問わずCAMPFIREでプロジェクトを実施したユーザー、支援したユーザーを対象に、上限200万円の融資を行うサービスだ。2017年7月に開始したCAMPFIREレンディングでは起案者者のみが融資の対象となっていたが、それを支援者にまで広げることになる。

具体的には起案者向けの融資サービスとして、従来のCAMPFIREレンディングを「CAMPFIREステップアップローン」の名称に改め提供。支援者向けの融資サービスとして「CAMPFIREユーザーローン」もスタートする。

CAMPFIREステップアップローンは過去にCAMPFIREで「All-or-Nothing」または「All-in」のいずれかでクラウドファンディングを実施し、資金調達に成功したことがあるユーザーが対象。商品の追加制作費やイベントの追加開催費など、プロジェクト終了後の資金ニーズに応える。

一方のCAMPFIREユーザーローンは過去にCAMPFIREでプロジェクトを支援し、リターンを購入したことがあるユーザー向けのサービス。限定個数が設定されている高額なリターンを支援する場合など、急遽発生した資金ニーズに対応するためのものだ。

双方とも借入上限金額は200万円で貸付利率が8〜15%(年利)。返済期間は最大12ヶ月になる。

特徴はCAMPFIRE独自の支援者による評価を軸とした「評価型与信モデル」を採用していること。過去のクラウドファンディングにおける支援実績をスコアリングして与信材料のひとつとしているため、起案者の場合は支援者数や支援金額を集めているほど、支援者の場合はクラウドファンディングを支援しているほど借入条件がよくなるという。

CAMPFIREでは今後、ソーシャルレンディング事業を含む金融サービスの新規開発や、アジアを中心とした海外融資事業の展開も計画。引き続き「資金調達の民主化」を目指して事業を広げていく方針だ。

空気から水を採取する技術のコンテストWater Abundance XPRIZEの優勝チームが決定

XPRIZEのWater Abundanceコンペ、空中から水を採取する持続可能でスケーラブルな技術の懸賞は、5月に5社のファイナリストが決まった。その後一社が脱けて、奇しくも代わりに入った一社が優勝をさらった。

コンペの課題は、“1日に2000リットル以上の水を1リットルあたり2セント以下の費用で、再生可能エネルギーだけで大気から収集する”ことだった。それは、不可能と思えるほどの難題だ。

でも多くのチームがさまざまなやり方でこの難題に挑戦した。そして二位入賞のハワイのJMCC Wingは、効率のきわめて高い風力発電機と市販のコンデンサーを併用した。

優勝したSkysource/Skywater Allianceは、すでに海外で多くの実績がある(女優Miranda Kerrの家にも設置)。彼らは商用電力や代替電源を使わず、きわめて効率の良い断熱蒸留法を用いる。

それは海水の脱塩化よりも効率がよく、雨などの水源を必要としない。Skywaterのボックスはさまざまなサイズがあり、冷蔵庫より大きなものもあるが、最大で一日300ガロン(1135リットル)の水を生産できる。これでコストが低くて再生エネルギーだけを使用するなら、2基でコンテストの要件を満たす。

これらの要件への適合ががすべてXPRIZEの検査チームに対して示された結果、最初に予選落ちになった同社が150万ドルの優勝賞金を授与された。

“接戦だったけど、うちのシステムから実際に水が出てくるところを見て感動した。世界中の人びとの命に関わっていることだから”、と同社のJay Hastyが授賞式ビデオで語っている。

しかし、これで水不足の問題が解決したわけではない。でもこのようなコンペは今後の開発を刺激し、人びとの関心も喚起するだろう。Skywaterのシステムが、それを必要とするところにどんどん設置されてほしいが、優勝しなかったチームも研究開発を今後も必ず継続するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人気の接続ストレージに脆弱性、パスワードなしでアクセス可能に

人気接続ストレージのソフトウェアに脆弱性、アタッカーがアクセス可能に
セキュリティー研究者らは、人気のインターネット接続ストレージ4機種に、ハッカーがユーザーのプライベートデータや機密データをアクセスできる欠陥があることを発見した。

Paulos YibeloとDaniel Eschetuによると、彼らがテストしたデバイスのうち3機種——NetGear Stora、Seagate Home、およびMedion LifeCloud——を制御しているソフトウェアは、アタッカーがパスワードなしでデータを読み取り、変更、削除することができるという。

今週TechCrunchに情報提供したYibeloは、研究結果をブログでも発表し、ほかにも多くの機種が危険に晒されていると言った。

Axentra社が開発したHipservというソフトウェアは、彼らが発見した4つの欠陥のうち3つに関して主たる責任がある。HipservはLinuxベースで、さまざまなウェブ技術——PHPを含む——を利用してウェブインターフェースを構築している。しかし研究者らは、認証なしでドライブ上のファイルをアクセスできるバグを発見した。さらに、”root” ——最高アクセス権限を持つ標準ユーザーアカウント——として自由にコマンドを発行できるため、そのドライブのデータは詮索好きな目に晒されたり破壊されたりするリスクがある。

本誌はAexentraにコメントを求めたが、本稿執筆時点でまだ返答がない。

Netgearの広報担当社は、Storaは「すでに販売が中止されたサポート対象外製品である」と言った。Seagateは本誌の締切までにコメントしなかったが、状況が変わり次第続報の予定。現在Medionを所有するLenovoはコメント要求に返答していない。

研究者らは、WD My Book Liveドライブにも別のバグがあり、アタッカーがリモートでルートアクセスを可能であることを報告している。

WD広報担当者は、この脆弱性は2010年に発売され2014年に販売中止されたデバイスに影響を与えるものであり「当社のソフトウェアサポート期間の対象外である」と言った。さらにWDは「これらの旧製品を使い続けたいユーザーは、リモートアクセスを防止するようファイアウォールを設定することを推奨する」と付け加えた。

いずれの脆弱性も、アタッカーは対象ドライブのIPアドレスを知るだけでよい。IPアドレスはShodanなどのサイトのおかげで、昨今さほど入手困難なデータではない。

影響を受けるデバイスの数は見方によって様々であり、Shodanは31万1705と言っているが、 ZoomEyeは180万デバイスに近いと発表している。

研究者らはバグについてある程度の情報を公開しているが、アタッカーが欠陥を利用するのを防ぐために、侵入コードを公開する予定はないとしている。

彼らからのアドバイス:クラウドドライブを運用しているなら、「デバイスをインターネットから切り離すこと」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

バーチャルリアリティーが食べ物を美味しくする

またまたVRが現実世界に入り込んできた。米コーネル大学の食品科学者らは、心地よいVR環境で食べたチーズが、殺風景な官能評価ブースで食べた同じチーズより美味しく感じることを発見した。

バーチャルリアリティーヘッドセットを着けた約50名のパネリストが3種類のブルーチーズサンプルを食べた。被験者は、標準官能評価ブース、心地よい公園のベンチ、コーネル牛の家畜小屋の3種類用意されたバーチャル環境に置かれ、特別に録画された360度ビデオを見ることができる。

被験者はチーズのサンプルが同一であることは知らされておらず、牛舎環境で食べたブルーチーズを評価ブースやバーチャル公園で食べたものよりも、優位に辛みが強いとと評価した。

その通り:バーチャルファームで食べたチーズは、なにもない殺風景なブースで食べるよりもずっと美味しかった。

「何かを食べる時、われわれは食物の味と香りだけを感じるのではなく、周囲からの感覚入力を受ける——目、耳、さらには周囲に関する記憶までも」と研究者のRobin Dandoは言った。

念のために言っておくと、この研究はVRが食べ物を美味しくするかどうかを確認することを意図したものではなく、VRが一種の味覚テスト環境として使えるかどうか、たとえばメーカーで食物のテストをするために、被験者を飛行機に乗せたり本物の牛舎に入れたりしなくても済むかどうかを検証するために行われた。食べ物は環境が変わると味も変わるため、VRでその環境をシミュレーションできることの価値は非常に大きい。

「この研究によってバーチャルリアリティーを利用できることが検証された。これはテストにのための没入環境をVRが提供するからだ」とDandoは言った。「バーチャルリアリティーは、食べている物に環境そのもの性質を視覚的に付与するため、テストの費用効果を高める」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラ、中航続距離の低価格Model 3を発売

TeslaはModel 3の低価格中後続距離バッテリー車を新たに発売する。価格は4万5000ドル(税優遇前)。

Elon Muskはこの推定航続距離260マイル(418 km)の新車種をTwitterで発表した。同社のウェブサイトはすでに更新されている。米国内の顧客は今日(米国時間10/19)から注文可能でカナダでも近々発売予定だ。

Tesla model 3 mid-range

Muskのツイートによると、中航続距離Model 3の連邦およびカリフォルニア州の税優遇を適用した後の価格は3万5000ドルになる。

ただし、7500ドルの連邦税優遇措置を受けるためには2018年12月31日までに車を受け取る必要がある。同車種の納車予定期間は6~10週間なので、10月終わりから11月始めにかけて注文した人は税優遇を受けられるはずだ。

今年Teslaは20万台目の電気自動車を納車した。このことで、電動自動車を新車購入した消費者に適用される連邦税優遇のカウントダウンがはじまった。この税優遇は、ある自動車メーカーが米国内で対象車両を20万台販売した時点で収束し始める。このルールの下、Tesla顧客が税優遇を受けるためには、新しいModel S、Model X、あるいはModel 3が12月31日までに納車される必要がある。

Muskはその後のツイートで、この中距離車のバッテリーは、長距離モデル用バッテリー筐体のバッテリーセルを減らしたものだと説明した。「筐体中のセルのない部分は不釣り合いたほど大きいが、2月に延ばすかわりに今提供することができる」と彼は書いた。

なお、この中航続距離バッテリーモデルは、長航続距離デュアルモーターのModel 3や高性能バージョンよりも安いが、当初約束されていた基本スペックモデルの3万5000ドル(税優遇前)よりもまだ高い。アーキテクチャーの異なる標準バッテリーを搭載した低価格モデルは、4~6ヶ月先にならないと入手できない。

「Model 3の生産および販売が急成長するなか、われわれは安定した生産能力を達成し、いっそう多くの顧客にむけて多様な製品ラインを用意ひることができた」とTeslaの広報担当者がメールによる声明で言った。「今週米国・カナダで発売された新しい中航続距離バッテリーは、Model 3を求める数多くの顧客のさまざまなニーズに答えるものであり、標準バッテリーを注文した顧客の推定納車期間は4~6ヶ月だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Squareの新端末「Square Terminal」は、時代遅れのクレジットカード端末を置き換える

本日(米国時間10/18)Squareは新しいハードウェア、Square Terminalを発表した。

同社のハードウェア責任者、Jesse Doroguskerの説明によると、Square Terminaは同社の製品ラインアップのギャップを埋めるものだという——一般のカードリーダーと異なり、これはオールインワンのハードウェア(スマートフォンやタブレットが不要)だが、Square Registerよりは求めやすい価格になっている。

Doroguskerはこれを、あちこちの店で見かける「時代遅れの」クレジットカード端末(たとえば近所の雑貨屋のカウンターにのっかっているあるグレイのブロック)を置き換えるために作ったと話した。彼によると、その手の端末は店主にとって厄介な契約が付随してるうえに、消費者にとってもすばらしい体験とはいえない。

それに対してこの新しいTerminalは、Squareらしい体験を提供する。たとえば、Wi-Fi対応で1日持続するバッテリーで動くので、店の中を持ち歩いたり客に手渡しすることができる。

「この製品が実に面白いと気づいたのは、Squareの支払いシステムを内蔵しているだけでなく、ユーザーに新しい使い方の道を開いたことだ」とDoroguskerは言う。

たとえば、ベータテスターの中には、テーブルで支払い処理ができるようになったレストランや、客が椅子に座ったまま支払えるサロン、患者が処置室の中のプライバシーの守られた状態で支払いができる整形外科などがあると彼は言った。

Doroguskerは、一部の国々ではすでにワイヤレスカード端末を顧客のテーブルで使っていることを認めつつ、Square Terminalには購入商品それぞれの価格を見ることができるなどの付加機能があると話した。さらに、スマートフォンなどの端末を通じてApple PayとGoogle Payの支払いを受け付けることもできるほか、ICチップ付きカードを2秒で処理できる機能も内蔵している。

Square Terminalの価格は399ドル。Squareを初めて使う店は今すぐ注文すれば、300ドルの手数料クレジットがもらえる。クレジットの有無に関わらず、Squareの処理手数料はシンプルに誰でも同じ、取引1回当たり2.6%プラス10セントだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook