調達額は300億円以上、TC Tokyoバトル卒業生の「今まで」と「これから」を聞く

11月16日、17日に開催されるスタートアップの祭典「TechCrunch Tokyo 2017」における注目のプログラムをまた1つ紹介しよう。

TechCrunch Tokyoでは毎年、創業3年目以内のスタートアップたちがしのぎを削りあう「スタートアップバトル」が開かれる。このバトルイベントに登壇したスタートアップ企業はこれまでに100社を超え、それらの企業の累計調達額は300億円以上だ。

今日紹介する「プロダクトアップデート」は、そんな卒業生たちにもう1度渋谷ヒカリエに集まっていただき、登壇してから現在までのアップデートを聞くというものだ。昨年に引き続き初日、2日目とも開催する予定で、総勢9人の起業家に話を聞けることになった。

登壇していただく起業家は以下の通りだ:

11月16日

11月17日

  • テーマ投資型の資産運用プラットフォーム「FOLIO」の甲斐真一郎氏
  • パーソナルモビリティ「WHILL」の杉江理氏
  • レンタルスペース予約「スペースマーケット」の重松大輔氏
  • Wi-Fiスポット自動接続アプリ「タウンWifi」の荻田剛大氏
  • 報道機関向け情報発信サービス「Spectee」の村上建治郎氏
  • ソーシャルヘッドハンティング「SCOUTER」の中嶋汰朗氏
  • 次世代スマホブラウザ「Smooz」の加藤雄一氏

ぜひ会場に足を運んでいただき、これら注目スタートアップの今の姿、そして将来のストーリーについて耳を傾けてほしい。

チケットは絶賛販売中だ。5枚以上の申し込みで1人あたり半額の2万円(税込)で購入することができる団体割引も用意している。また、創業3年未満のスタートアップ企業の従業員であれば、引き続きチケット価格は1万5000円だ。

チケット購入はこちらから

Nintendoの来年のSwitchの増産計画は3000万台にまで膨れ上がったか

10月初めの噂では、Nintendoはクリスマス年末商戦の圧倒的な需要に応えるために、人気絶好調のSwitchの生産量を倍以上にすると言われた。そして同社は来年に関してはさらに増産に励み、3000万台を目指すらしい。

直接の情報筋の話を載せているWall Street Journalの記事によると、Nintendoはすでにパートナー企業と増産計画を共有している。言われている量は2500から3000万台だが、ホリデーシーズンの結果によってはさらに計画量を増やすかもしれない。

10月の噂の時点では、2018年3月までに1000万台という目標だったが、その月の終わりのNintendoの売上予測では、同じ時期の台数が1400万台とアップし、さらにその後1700万になった。それなら、初年度の売上が、あの不運なWii Uの全生涯の売上の上を行くことになる。

新しいZeldaMarioがあるのだから、この人気もうなずける。同社はゲームのクオリティのスタンダードを上げ、大量のインディーのデベロッパーを惹きつけ、そしてAAAの上質なポートまで用意しているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Twilioなどと競合する専用通信サービスの古顔BandwidthがNasdaqに上場して好調

Bandwidthは、卸売企業やエンタープライズ企業に音声とテキストによる専用の通信サービスを提供するとともに、デベロッパー向けのAPIも公開している。同社は今日(米国時間11/10)Nasdaq に上場し、その初日の商いで6%上げた。IPO価格(一株あたり)は予想値の底値20ドルだったが、終値は21ドル19セントとなった。すなわち、6%高である。

ノースカロライナ州ローリーの同社は、上場により8000万ドルを調達した。これまで自己資本だけでやってきたBandwidthは、その資金を新規雇用と研究開発に充てる予定だ。

協同ファウンダーでCEOのDavid Morkenによると、Bandwidthは“キャッシュフローがプラスでずっと前から黒字”だ。彼が同社を創業したのは1999年で、その後作ったワイヤレス部門は別会社Republic Wirelessとして独立させた。

BandwidthはTwilioやNexmoと競合するが、同社によると彼らは、“APIのカバー範囲が狭い、カスタマーサポートが弱い、そのほかの機能が少ない、そしてサードパーティのネットワークや物理的インフラストラクチャに依存している”、という〔Bandwidthは主に自前のネットワーク〕。

通信企業としてはAT&TやLevel 3、Verizonなどと競合するが、こちらは同社に言わせると、“ネットワークサービスのプロバイダーだが、彼ら自身のネットワークや物理的インフラストラクチャはデベロッパー向けの機能が貧しい”そうだ。

Bandwidthによると、同社は865社の大企業が利用しており、その中にはGoDaddyやZipRecruiterなどもいる。音声ネットワークが自前なので、APIの統合のクオリティが良い。

同社の昨年の売上は1億5210万ドル、2015年には1億3780万ドルだった。

2016年の利益は2240万ドル、2015年は670万ドルの損失だった。

TechCrunchのオーナー企業はVerizonである。同社の事業はBandwidthと同じ分野である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ユーザーが自分のヌード画像をアップロードするリベンジポルノ対策でFacebookが自己弁護

Facebookの安全性担当のトップAntigone Davisが、今オーストラリアでテストしているリベンジポルノ対策について説明している。この対策では、ユーザーが自分のヌード写真やビデオをMessengerに送り、Facebookはそれに、同意のない露骨なメディア(non-consensual explicit media)というタグをつける。

説明の中でDavisは、こう書いている: “この小規模なパイロット事業では、人びとが写真を前もってFacebookに送り、それがまったく共有されないようにする、という緊急的手段をテストしたい。この事業の参加/利用は、完全に自由意志である。それは予防的措置であり、それにより、画像が広範囲に共有される劣悪な状況を防止できる”。

Facebookはこれを、オーストラリア政府のeSafety部門と共同で行っており、それにより個人的な画像が本人の同意なく共有されることを防ぐ。リベンジポルノをやられる危険性を感じた者は、eSafetyに連絡する。すると同部局は、Messengerを使って自分のヌード写真を自分宛に送るよう、教える。今後はFacebookのハッシングシステムが画像を認識するので、画像そのものを同社のサーバー上に保存する必要はない。

eSafetyは画像にアクセスできない、とDavisは明言しているが、“FacebookのCommunity Operationsチームの専門的に訓練された社員”が、ハッシングする前に画像を検分することはある、という。ハッシングが終わったら写真を送った者に通知して、写真をMessengerから削除するよう求める。その時点で、Facebookはその画像をサーバーから削除する。

FacebookのCSO(Chief Security Officer) Alex Stamosのツイートによると、人びとが自分の写真を送ることに多少のリスクは伴うが、それは、“人びと(主に女性)が、非合意のあからさまな画像(NCII)をポストされることをやめさせられない、という、毎日のように起きている深刻で現実的な危害と対比した場合には”、許容できるリスクだ、という。

NCIIは、non-consensual intimate imagery(非合意の露骨な画像)の略だ。Stamosはさらに続けて、Facebookはデータを保護するための対策を講じており、復元不可能なハッシュだけを保持する、と言っている。

しかし一部には、画像のアップロードを必要としない、もっと良い方法があるはず、との批判もある。たとえば画像のハッシングをローカルにやって、ハッシュ値だけをアップロードするやり方だ。また、未成年者が自分の写真を送らないようにするための、年齢制限措置はあるのか?

ハッシュの計算をローカルでやれ、という説に対してStamosは、“写真のフィンガープリントアルゴリズムは通常、悪用を防ぐためにクライアントには含まれていない。人間の目が不正な報告を検出して防げるための方法が、必要である”、と応えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

OpenStack FoundationがOpenStack以外のオープンソースプロジェクトもホストする方向へ

【抄訳】
最近の数年間で、Cloud Native Compute FoundationやCloud Foundry Foundationなど、オープンソース関連の団体がいくつか立ち上げられた。これらの多くはLinux Foundationの一員になっているが、その仲間に加わっていない大きなオープンソース団体のひとつが、OpenStack Foundationだ。ここは、少なくともこれまでは、クラウドコンピューティングプラットホームOpenStackの開発にフォーカスしてきた。

しかし、時代は変わりつつある。隔年で開催されるOpenStack Summitの最後の数日につき合ってみて明らかに感じたのは、OpenStack FoundationがOpenStackプラットホーム以外のものにも目を向け始めていて、将来この組織はLinux Foundationに似たものになるのではないか、という感触だ。ただしそのビジョンはもっとシンプルで、現在の関心に沿ったオープンなインフラストラクチャにフォーカスするだろうが、それらは必ずしもOpenStackプラットホームの一部である必要はなく、プロジェクトも今のガイドラインに縛られないものになるだろう。

OSFのこの多様化路線がうまくいけば、Linux FoundationやApache Foundationなどと並ぶ、大きくて総合的なオープンソース団体がもう一つでき、彼らのOpenStack関連の知識と経験がコミュニティをサポートしていくことになって、オープンソースのコミュニティに変動をもたらすだろう。またOpenStack Foundationが従来ならLinux Foundationに行ったようなプロジェクトもホストするようになると、二者間に興味深い競合関係が生ずるかもしれない。

その初期からOpenStackを採用しているMirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiによると、OSFのこの新しい動きを引っ張るにふさわしい人物は、CTOのMark Collierと事務局長のJonathan Bryce、そしてマーケティングとコミュニティサービス担当のVP Lauren Sellだ。Renskiの見解では、OSFが多様なプロジェクトを手がけていくのは良いことであり、OpenStackが安定期に入りつつある現在は、新しいことに取り組む時期としても適している、と。

では、OSFが今後新たにフォーカスしていくべきテーマは、なんだろうか? Bryceによると、今計画に上(のぼ)っているのは、データセンターのクラウドインフラストラクチャ、コンテナのためのインフラストラクチャ、エッジコンピューティング(Collierがとくに関心を持っている)、継続的インテグレーション/継続的デリバリ、そして可能性としては機械学習とAIの分野だ。

Linux Foundationが主にLinuxユーザーの便宜のためにさまざまなプロジェクトを傘下に収めてきたのと同様、OSFも主にOpenStackでメインのシステムを構築しているユーザーの便宜を図っていく。だから団体の名称はOpenStack Foundationのままでよい、とBryceらは考えている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

LINEが完全無線イヤホン「MARS」公開、日英のリアルタイム翻訳も可能?

eng-logo-2015コミュニケーションアプリのLINEは11月10日、グローバルの公式Twitterで完全無線のBluetoothイヤホン「MARS」のティザーを公開しました。

「MARS」は、LINEのクラウドAIプラットフォーム Clovaを搭載し、ラスベガスで来年1月に開催される国際見本市「CES 2018」のヘッドホン部門で「BEST OF CES」のアワードを受賞しているとのこと。

それ以外の詳細な仕様は不明ですが、公開されたティザー動画によれば、まるで「翻訳こんにゃく」のように、日本語と英語をリアルタイム翻訳する機能の搭載が示唆されています。

リアルタイム翻訳機能を備えたイヤホンといえば、完全無線ではないものの、40か国語に対応した「Google Pixel Bud」などがあります。

また「MARS」はClovaと連携するため、声でニュースや天気予報などを訊ねられる同社のスマートスピーカー「Clova WAVE」のイヤホン版となる可能性もありそうです。なお「Clova WAVE」も年内に日本語・英語・中国語・韓国語の翻訳機能を実装することが発表されています。

「MARS」は2018年初頭にまず韓国で発売される予定です。

Engadget 日本版からの転載

iPhone Xの画面にナゾの緑の縦線――グリーン・ライン・オブ・デスの正体は不明

これまでもAppleの新モデルの最初の出荷分にはなにかしらマイナーな問題があった。電波が途切れるアンテナゲートや筺体が変形するベンドゲートなどの事件を覚えているユーザーも多いだろう。どうやらiPhone Xもこの例に漏れないらしい。一部のユーザーがiPhone Xのディスプレイに緑の線が表示されたままになる謎の現象を報告している。

トップ画像はTwitterのユーザー、mix0mat0sisNate HeagyChristian Romanからのもので、いわゆる「グリーン・ライン・オブ・デス」の例だ。この現象が起きる確率、原因などは不明だ。私はAppleにコメントを求めておいた。

ここから先はわれわれの推測になるが、こういうことは言えるかと思う。iPhone Xのディスプレイのピクセルは斜めの格子状だ。これを縦にみると赤と青のピクセルは交互に配置されているが、緑のピクセルはまっすぐ一列に配置されている。これはDisplayMateのテストで実際に観察することができる。:

一部のiPhone Xにんらかの障害があり、ディスプレイの制御回路に微弱な電流が流れて緑のピクセルを光らせているのかもしれない。緑の線が画面の端から端まで垂直に通っているところをみると、画面周辺の回路に問題があって数ピクセルを一度に光らせているようだ(もし1列だけが光っているならこれほど太い線にはならないはず)。この線は画面の左右どちらかの端に現れる傾向があり、気づくのが遅れるという。

大量生産ラインに新しいテクノロジーを投入する野心的なデバイスにはこの種のバグはつきものだ。昨年はSamsungの画面にピンクの線が現れた。発生の確率が0.001%である場合、事前のテストで発見することは不可能だろう。そこで運の悪いユーザーがそういう現象を引き当てることになる。

あるユーザーは「不具合のあったデバイスはAppleで取り替えてくれた」と報告している。そうしたことからみて、不具合はソフトではなくハードにあったもようだ。もし読者のiPhone
Xに緑線が現れたらぜひ画面の写真を撮ってわれわれのとろへ送っていただきたい(その後、ストアに持ち込めば交換してもらえるはず)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

BitTorrentの発明者が(ビットコインとは違って)環境に優しい仮想通貨Chiaを発表

ビットコインの1トランザクションには、今やアメリカの家庭の1週間分の電力が浪費されている。伝説のプログラマー、ブラム・コーエンが狙うのは、それをなんとかすることだ。そして、彼が広く用いられているBitTorrentピアツーピアファイル転送プロトコルの発明者であることを思えば、その動きは真剣に受け止める必要があるだろう。

コーエンは、Chia Networkという新しい会社を立ち上げたばかりだ。ビットコインの採用する電力浪費型のproofs of work方式ではなく、proofs of timeとproofs of storageという手法に基く仮想通貨を始めるためだ。本質的に、Chiaはハードドライブ上の安価で豊富な未使用のストレージスペースを利用して、ブロックチェーンを検証する。

「より良いビットコインを作り、中央集権化の問題を解決することが目標なんだ」とコーエンは私に語った。彼がビットコインで問題だと思っている2つの点は、地球環境への影響と、安価な電力にアクセスできる少数のマイナー(採掘者)たちが持つ巨大な影響力から生じる、不安定性である。

Chiaはこの両者を解決することを目指している。

BITCOINCHIAネットワークの動作原理
・全ての履歴とペンディング中のトランザクションの全てを保存しているノードたちが、ネットワーク上にある。それらのノードは自分の知る中で最も重い1つの3つの履歴を自分のピアに送信する。
・新しいブロックが生まれたときには、それは素早く全てのノードに送られて、マイナーたちファーマーたちは、それを使って計算を始める。1人のマイナーがファーマーが新しいブロックを発見したら、それをネットワークにパブリッシュする。ファーマーたちは彼らのもつ最高のproof of spaceを発見する。3つの最高のproofs of spaceが素早く全てのネットワークに送り出され、proofs of timeサーバーたちが、それらを用いて計算を始める。1つのproof of timeサーバーがproof of spaceのためのproof of timeを完了すると、それら全てを完全に検証済のブロックとしてネットワーク上にパブリッシュする。

ビットコインはブロックチェーンを検証するためにproofs of workという手法を用いる。これは、本物と同様の計算を行って、ニセのブロックチェーンを作成するのは非現実的なほど高価につくからだ。しかし、それは時間が経つにつれて、低コストの電力が手に入る場所や、マイニング装置を自然に冷やせる場所でビットコインをマイニングする者たちに、大きな優位性を与えることになった。

Chiaはその代わりに、人びとが多くの場合既に持っていて、追加費用なしで使うことができる、ファイルストレージを用いたproofs of spaceを利用する。そしてこれをproofs of timeと組み合わせる(こうすることで、proofs of spaceが受けやすい様々な攻撃を無効にするのだ)。

「私はこのアイデアを思いついた初めての人間ではないけどね」とコーエンは言う。しかし実際に実装するには彼が専門とするような先進的コンピューターサイエンスが必要とされるのだ。

2000年代初頭にtorrentの基礎を発明し、ValveのSteam(ゲームプラットフォーム)を暫く開発したあと、コーエンはライブビデオ配信のための新しいピアツーピアプロトコルの本格的開発のために、BitTorrentを設立した。しかし、ビジネス面での管理の失敗が会社を崩壊させた 。現在同社は非常に弱りきった状態であり、コーエンは「会社は私を毎日必要とはしない」と言うようになった。そこで、彼はまだ取締役会の一員ではあるものの、8月の初めに同社を去り、Chia Networkを始めたのだ。

Chia Networkの共同創業者ブラム・コーエン

コーエンは、ビットコインの初期からの交換所であるTradehillのCOOであるRyan Singerとチームを組み、Chiaの立ち上げと雇用のためのシードラウンドを行った。コーエンは、シードでの調達金額を明かさなかったが、笑いながら「現在いくら必要と言うべきかは良くわからないね、でもまあとてもホットなラウンドだったよ」と語った。目標は、2018年の第2四半期までにChiaの早期販売を開始して、2018年末までには仮想通貨として完全に立ち上げることだ。

コーエンは素晴らしい技術者だが、ビットコインからChiaへの切り替えを人びとに納得させるためには、それ以上のものが必要だ。彼は私にChiaでは「新規まき直しをするのだから、法的な位置付けをよりスマートなものにして、かつ膨大な技術的修正を行なう」計画だと語った。

これがどういうものであるかを推測するのは時期尚早だが、少なくとも、ただ不平を言うのではなく、仮想通貨の生態系への影響に対してアプローチしようとしている者が居るということは言える。コーエンは興奮しているように見えた。「これは技術的にとても野心的なことで、やるべきことがたくさんあるんだ。既に十分な資金は調達したし、人も雇った。後は実際にやるるだけさ」。

[画像クレジット:Michael O’Donnell]

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(翻訳:Sako)

ソニーのGoogleスピーカーLF-S50Gを詳細レビュー。実は「汎用性の高さ」こそが魅力?

eng-logo-2015昨今、なにかと話題のスマートスピーカー。日本でも、発売で先行したLINEの「Clova WAVE」に加え「Google Home」と「Amazon Echo」が登場。そして今後登場するであろうAppleの「HomePod」も含めて、代表的製品が出揃いつつあります。

ですが、筆者個人としては、周囲のスマートスピーカーへの盛り上がりを見ながら、イマイチ不安が拭えないタイプ。
「声でスピーカー自体をコントロール。さらにはそれを経由して、音声で自宅のいろいろな機器までも思い通りに動いてくれたら、未来がやってきたみたいでなんてステキ」……と期待値を膨らませつつ、実際に使ってみたら、思ったことと違う、とガッカリしかねないのではと思ってしまいます。

そうは言いつつGoogle Home Miniは購入してみた筆者ですが、そんなタイミングで、ソニーの「LF-S50G」(実売価格2万5000円前後)を使う機会がありました。今回はこの製品を、Google Home Miniとの差も確認しつつレビューします。

ソニーから12月9日に発売される「LF-S50G」は、Google アシスタントを搭載したスピーカーです。スマートスピーカーとしてはGoogle(アシスタント)勢に属するので、音声コマンドを介した機能は既に発売されている「Google Home」と同じことができると思って良いでしょう。

筆者もすでに「Google Home mini」を購入して使いだしたところなので、まずはそのあたりを確認すべく、同じように使えるかを確認してみました。

「LF-S50G」の本体サイズは、直径約110mm x 高さ約162mmの円柱型スタイルで、重さは約750g。そこそこ大きめです。
外装がファブリック素材だという点からは「Google Home mini」の雰囲気と近く、そのまま大きくしたかのような印象もあります。

電源は15VのACアダプターが付属。バッテリーなどは入らないので、AC電源は必須。小型のスマートスピーカーの一部で見られるmicroUSB給電タイプであればモバイルバッテリーなども使えますが、本機はそういった使い方はできません。純粋な据え置きタイプです。

対応するスマートフォンアプリはGoogleアシスタント勢だけあり、Google Homeシリーズと共通の「Google Home」です。これをセットアップし、早速使ってみましょう。

Googleアシスタントを起動する呼びかけは、こちらもGoogle Homeと共通の「OK Google」もしくは「ねぇ Google」です。これをスピーカーに話しかけるとアシスタントが起動するので、そこから声で指示します。

ということで、基本的な機能としてはやはりGoogle Home Miniと共通と見ていいようです。

では次に、スピーカーとしても使ってみよう……というときに、筆者にとっては様々なハードルがたちふさがります。

まずはスピーカーなので音楽を聴こう、と思ったのですが、今のところ聴ける音楽は、ストリーミングサービスの「Google Play Music」と「Spotify」の2択のみ。
筆者の場合、今までPCにせっせと貯め込んできた(ローカルの)楽曲たちがメインであり、加入しているストリーミングサービスも実は「Amazon Prime Music」なので、いきなり壁に当たってしまった格好です。

なんということでしょう、これなら「Amazon Echo」を買ったほうが幸せになれんじゃないか? と一瞬イヤな予感が脳裏をよぎりつつも、いやいや、解決策はあるはず……と調べてみました。
すると、「Google Play Music」経由で、ローカルに保存されている楽曲をクラウドにアップロードすればストリーミングサービスと同様に聴けるようになることがわかりました。

これで「OK Google。Play Musicでホニャララを再生して」といえば、アップロードされた曲も聴けるようになり、満足度が上がりました。

他にも、スマートスピーカーのコマンドワードとして定番となる「天気」や「交通情報」、「ニュース」なども、もちろん対応。こちらは問いかけるだけで、対応した情報を音声で教えてくれます。

さて、本製品は単体でもスマートスピーカーとしては良好な音質ですが(こちらは後述します)、昨今のソニー製品だけあり、他のソニー製品との連携も可能です。

これは「Works with Googleアシスタント」対応オーディオ機器で可能となるもの。例えばワイヤレススピーカー「SRS-ZR7」を同一のホームネットワーク内に置いていれば、本機に音声で指示を出すことで、離れた場所にあるZR7から音楽を流す、といった連携が可能になります。

音質面で有利な機器があれば、そちらで再生することで、満足度はさらにアップします。

また、Android TVを搭載しているテレビ「ブラビア」との連携も可能。設定をしておくことで、本機に「YouTubeでホニャララの動画を再生」と指示すれば、テレビで該当する動画を再生。ボリュームを声でコントロールしたり、停止したりといったこともできます。

こう聞くと「ネット動画サービスを横断的に音声で指示できたら便利かも!」と期待は膨らみますが、Google Homeでは残念ながら、今のところYouTubeとNetflixしか対応していません。

筆者は動画サービスも複数契約していますが、そちらは「Amazon プライム」「Hulu」「dTV」など、現状では非対応のサービスばかり(HuluやdTVはAndroid TVで見ることはできるのですが、音声検索に対応していません)。
こちらも自身が契約しているサービスが使えないという、悔しい事態になってしまいました。

しかも慣れないうちは、なかなか指示が伝わりません。単語をひとつ飛ばしてしまうだけで「すみません、わかりません。」と返答が帰ってきてしまいます。何がダメなのかと試しつつ正解を探している間に、リモコンかスマホを持ってくるほうが早いんじゃないか、と思わせられます。

このように現状では、音声コントロールを快適に使うには「自分から使い方を合わせていかないといけない」ことが多いのが現状です。

さらに難関といえば、家族が一緒にいる際、とたんに音声コマンドを使うのが恥ずかしくなること。
1人でいるときは躊躇せず話しかけられるのに、身内が近くにいると、とたんに恥ずかしくなるのはなぜなのでしょう。

とくに、自分の好みのYouTube動画や楽曲タイトル、アーティスト名を読み上げると、ともすれば家族から「ナニソレ」みたいな空気が漂うことも。こういった場合は恥ずかしいこと極まりないので、だいたい「音楽を再生して」と、無難なセリフを言ってます。

このように現状のスマートスピーカーは、いろいろな点でハードルが高いのも事実です。購入前に「近未来のライフスタイルがが手に入るかも!」と期待しすぎると、現時点で出来ることの制限から、モヤモヤっとすることが多いかもしれません。

なお、これはGoogle Homeに限らず、どのスマートスピーカーでも、スタートラインはほぼ同じような印象です。こういった面では、今後に期待しましょう。きっと良くなるはず……。

さて、本機ならではの特徴と言えるのが、音質に関しての工夫です。本機はスマートスピーカーの範疇を超えて、ワイヤレススピーカーとしても、価格なりに満足のいくものとして仕上がっています。

スピーカーの構成としては、スマートスピーカーの主流ともいえる全方位(無指向性)タイプ。部屋の全方向に音声をバランスよく広げます。

スピーカーユニットは「対向配置2ウェイスピーカーシステム」。これは、ボーカル帯域より上、いわゆる中音と高音用のフルレンジスピーカーを上向きに、低域用の大振幅サブウーファーを下向きに対向配置した2ウェイ構成のことです。

これによりコンパクトなボディながら、明瞭なボーカルと自然な低域の両立を図っています。

さらに、上下のスピーカーユニットから発生した音を効果的に拡散させるために、円錐形の「2ステージディフューザー」を搭載。部屋の隅々までバランスよく音を放射する構造となっています。

こうした構造では不要な共振が問題となりがちですが、本機ではディフューザーの中央を太い柱構造とした点などで高い剛性を保ち、不要な共振を抑えた点も特徴。澄んだボーカルと力強い低域を両立します。

低音を放出する「バスレフダクト」も、スピーカーユニットとのバランスや不要共振の低減を狙い、一部にはダンプ材を詰めた構造。小さなボディでもしっかりとした低域のボリューム感と自然な伸びやかさを両立しています。

サブウーファーのユニット駆動力や容積も、本体サイズの割にかなりのものが確保されているため、この点でも上質な低域再生を目指しています。
このように、スピーカーユニットや本体の造りのレベルから音質に配慮した構造というのは、スマートスピーカーとしては大きな特徴ではないでしょうか。

また、本機の隠れた特徴としては、Bluetooth接続により、単なるワイヤレススピーカーとして使える点も。

先ほどはスマートスピーカーとして、Googleアシスタントを通しての音楽再生にこだわったのでいろいろと試行錯誤をしましたが、実は聞くだけであれば、スマートフォンやPCに貯め込んだ楽曲を直接再生できるのです。

さらに、ソニー製ワイヤレススピーカーといえば、のNFCも搭載。NFCを搭載したスマートフォンであればワンタッチでペアリングが可能です。さらにマルチペアリングの台数も多く、8台までの機器が切り替えできます。

さらに、ワイヤレススピーカーとしての操作にもユニークな機能があります。それが、本体に触れずに操作ができる「ジェスチャーコントロール」。
本体の天面に手のひらをかざし、前から後ろに動かすと「音楽の再生/一時停止」、手のひらを左右に動かすと「曲送り/曲戻し」、天板の上で指をくるくる回すと「音量調節」といった操作ができるのです。

「OK Google」って言うのが恥ずかしい!という場合も、天板に手のひらをかざして、後ろから前に動かせばGoogle アシスタントの起動ができます(続く音声コマンドは声に出さなくてはなりませんが)。

ダメ押し的に、本体に時計表示もあります。わざわざスマートスピーカーに「今何時?」と話しかけるまでもなく、本体が近ければ時刻をひと目で確認できるのです。

さらに、発売から後日になるようですが、周囲の騒音の大きさに合わせて再生中のコンテンツを聞き取りやすい音量に自動調節する「おまかせ音量」機能も、ソフトウェアアップデートで対応する予定とのこと。

スマートスピーカーはとかく音声コントロールの便利さを強調しますが、ここまで紹介してきたように、音声コマンドが適さない場合もあります。

ともすればそこに固執してしまって本末転倒になりがちなところですが、本機はそれに頼らずとも使える本体機能を揃えているのは好感が持てるところ。音声コマンドが使いにくい状況でも代替策があれば、使う際のストレスは溜まりにくくなるはずです。

また、本体は防滴性能を持っている点も特徴(JIS防水保護等級はIPX3)。キッチンなどで水しぶきのかかる場所でも使えたり、本体を水拭きできるため、普段使いとして使うには嬉しいところです。

また、本体カバーは布製で撥水コーティングされているため、取り外して水洗いしても大丈夫な構造のようでした。

各社からたくさん登場するスマートスピーカー。相次ぐ発表を見て「いったいどの製品がいいのかな?」と思っている方も多いと思います。中には筆者のように、スマートスピーカーは使ってみたいけれど、期待をよせて導入するにはまだ不安がよぎる、という方もいるのではないでしょうか。

その中で本機「LF-S50G」は、汎用性の高さが魅力的です。Googleアシスタント搭載のスマートスピーカーでもあり、さらにBluetooth接続でワイヤレススピーカーとして使えて、音質的にも納得のクオリティ。本機であれば、スマートスピーカーとして機能強化待ちだな、となっても、使い道がいろいろとあって楽しめます。

Engadget 日本版からの転載。

Appleの‘Everyone Can Code’大衆プログラミング教育事業がアメリカを越えて世界の国々に展開

Appleが、同社のプログラミングコースEveryone Can Code(誰でもプログラムを書ける)を国際化して、世界中の20のカレッジや大学で提供を開始する、と発表した

最初はアメリカだけだったそのコースは、Appleの技術者と教育者たちが設計し、学生たちが今やブームのアプリ経済に参画できるよう、プログラミングの基礎を学ぶ、という事業だ。なにしろAppleによれば、これまでの10年間でiOSのデベロッパーだけでも700億ドルを稼いでいるのだ。この事業はプログラミング言語をAppleのSwiftに限定し、高校から上の学生生徒を対象とする。

オーストラリアのRMIT(王立メルボルン工科大学)が、最初のパートナーとしてこの事業に参加した。同大の計画では、1年のコースをオンラインとメルボルンのキャンパスにおける職業訓練クラスで提供する。RMITは、教師がコースを受ける場合は奨学金を提供し、また中学生のための無料の夏季コースも開く。

そのほかの参加パートナーは、デンマークのMercantec、オランダのHogeschool van Arnhem en Nijmegen、ニュージーランドのUnitec Institute of Technology、そしてイギリスのプリマス大学だ。

AppleのCEO Tim Cookは声明文の中でこう言っている: “Everyone Can Codeを立ち上げたのは一年足らず前だが、できるだけ多くの人にプログラミングを教えるという、意欲的な目標を掲げている。すでにアメリカの学校やカレッジではとても人気があり、そして今日は、国際的拡張に向かう重要な歩みを印すことになる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

電気自動車スタートアップの中国のNiobiumが10億ドルを調達か?

電気自動車は、徐々に儲かる投資対象としての地位を確立している。このまま世界的な排ガス規制と、よりクリーンな車両を求める動きが続く限りその流れは変わらない。このため、ロイターが伝えたように、Niobium(旧NextEV)が、Tencentに率いられた投資家たちから10億ドルという資金を調達するようなことが起きるのだ。

この中国の自動車メーカーは、既に来月中旬には、7人乗り完全電動SUVの発売を予定している。そしてNioは次に、自動運転電気自動車を2020年までに米国に持ち込むことを計画している。今年の3月には6億ドルの資金調達ラウンドを行っている。

上海を拠点とする同社は、今回のラウンドに、米国のヘッジファンドであるLone Pine Capitaなどの新しい投資家たちも引き込んでいて、この若い自動車メーカーのラウンド評価額はおよそ50億ドルに達している。またNiobiumは、中国の自動車メーカーChongqing Changan Automobile(重慶長安汽車)と協力して、電気自動車の開発と販売に重点を置いたジョイントベンチャーに力を注いでいる。

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(翻訳:Sako)

会員制ドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB」が3000万円調達、SaaS型の店舗支援機能も

会員制のウェルカムドリンクアプリ「HIDEOUT CLUB(ハイドアウトクラブ)」を提供するハイドアウトクラブは11月10日、DGインキュベーションフューチャーベンチャーキャピタル、第一勧業信用組合、個人投資家などから3000万円を調達したと発表した。

HIDEOUT CLUBは、1日1杯に限り、渋谷・新宿エリアを中心とする約80店舗の提携バーでウェルカムドリンクが無料で飲めるというアプリ。会員料金は月額1500円だ。

使い方は非常にシンプルで、提携バーごとに表示されるウェルカムドリンクを選び、そこで表示されるチケットを店員に見せるだけだ。チケットが表示できるのは1日1枚のみ。毎日朝9時になるとリセットされ、再度チケットを表示できるようになる。

HIDEOUT CLUBは従来のグルメサイトとは違い、提携バーから掲載料をとらずに会員料金を中心にマネタイズを行うというモデル。バーはウェルカムドリンクを提供しなければならないが、HIDEOUT CLUBに参加することで集客効果のアップなどを期待できる。以前TechCrunch Japanでも紹介したアメリカのHoochや、先日サービスを開始したばかりのFoobeなどと同様のビジネスモデルだ。

ハイドアウトクラブ代表取締役の田口雄介氏は、「バーから提供されるウェルカムドリンクは、平均するとお店で1000円程度で提供されているものだ。今のところその1杯だけ飲んで帰るというユーザーは現れていない」と話す。

2016年2月にウイスキー好きのためのコミュニティアプリとして開発されたHIDEOUT CLUBだが、2017年10月に会員制ウェルカムドリンク機能をiOSアプリに追加した(Androidは年内にもリリース予定)。現在はバー向けの追加機能として、同アプリ内で在庫管理ができる機能やCRM機能も有料で提供している。

「バーとウイスキー好きのコミュニティアプリを運営する上で一定のユーザー数を獲得でき、いくつかのマネタイズ方法を検証していた。昨今勃興しているサブスクリプション型はバーとユーザー双方にメリットが大きく、ニーズのあるスキームであったため導入した」(田口氏)

ハイドアウトクラブは今回調達した資金を利用して、ウェルカムドリンク機能とSaaSの店舗支援機能の拡張を行うという。

そうそう、今回彼らはHIDEOUT CLUBを1ヶ月無料で使える、TechCrunch Japan読者限定の紹介コードを発行してくれたみたいだ。アプリのプレミアム会員登録時に「tc2017」と入力することで利用できる。お酒好きな読者は試しに使ってみてほしい。

総合的なデータプロビジョニングサービスElasticがSwiftypeを買収してサイト検索を強化

Swiftypeは、本誌がそれについて書いているだけでなく、そのサイト内検索技術を実際に使っている。今度同社は、オープンソースのElasticsearchを作っているElasticに買収されることになった。

それで分かったきたのは、両社がすでに良い仲だったことだ。Swiftypeは、検索するコンテンツのインデクシングと保存にElasticsearchを使っている。実はSwiftypeのCTO Quin HoxieがElasticのCEO Shay Banon(上図)のことを初めて聞いたときには、“あのすごい量のソフトウェアを書いたという伝説のデベロッパーが実在する一人の人間だったのか”、と思ったそうだ。

HoxieとBanon両人によると、買収によってSwiftypeの方向性が大きく変わることはない。Hoxieによると今回の決定は、これまでの路線の延長にすぎず、組織を大きくすることによって技術力だけでなく、経営にも好影響がある、という。

実際には、Swiftypeがやや変わる。まず、導入期のユーザーは料金が月額79ドルになる。また合同チームにより、ElasticのElastic StackとX-PackがSwiftypeのEnterprise Searchに統合される。それにより企業ユーザーは、DropboxやG Suiteなどの全サービスに対する検索ができるようになる。

一方Banonによると、Elasticは以前Opbeatを買収したが、そのときと同じように、買収したチームの自立性を尊重する。“余計な介入をしたくない。コラボレーションでも何でも、自然発生的なのが良い”。

今回の買収に関しては、Banonによれば、エンドユーザーのユーザー体験の部分をこれまでよりも良くしたかった。とくにサイト内検索に関しては、Swiftypeが作ったものが、この界隈で最良のユーザー体験だ、とBanonは言う。

振り出しに戻って円が完成するのは良いことだ、と彼は言う。Elasticという円のスタート地点はサイトとアプリケーションの検索だったが、その後ロギングやアナリティクスなどにも手を伸ばしていった。そして今回の買収で、初心の検索に回帰したのだ。

買収の金額等は、公表されていない。Swiftypeは前に、2200万ドルあまりをY Combinator, New Enterprise Associatesなどから調達している。顧客には、AT&T, Dr. Pepper, Hubspotなどがいる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TC Tokyo、展示会場のミニステージでは国内外スタートアップのプロダクト紹介セッションを開催

来週の11月16日(木)、17日(金)に渋谷ヒカリエでスタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。ホールAのメインセッションのプログラムはご案内済みだが、ホールBの展示会場にもコンテンツを用意している。ホールBは、ホールA横のスタートアップデモブースが立ち並ぶ通路の先にある小さめのホールのことだ。

ホールB内にもデモブースがところ狭しと並んでいるが、ホール奥中央に「TC Lounge」と呼ぶミニステージを据えた。このTC Loungeでのセッションは「プロダクトショーケース」と銘打ち、各企業が自社プロダクトの紹介や使い方を説明する場となっている。12時から16時半までの間、30分ごとにかわるがわる国内外のスタートアップが登壇し、プロダクト紹介を行う予定だ。

海外からはタスク管理ツールTrelloやチャットサービスSlack、国内スタートアップとしてはライブコマースアプリ「Live Shop!」を手がけるCandeeや高級宿泊予約サイト「Relux」なども登壇する。気になっていたプロダクトについて聞いたり、今使っているプロダクトをさらに使いこなすにはどうしたら良いかも聞けるセッションとなっている。ぜひふるって参加してほしい。

ホールB、TC Lounge 「プロダクトショーケース」のスケジュールは以下の通りだ。

11月16日(木)

12:00-12:30 Trello
12:30-13:00 Refcome
13:00-13:30 AI Travel
13:30-14:00 XSHELL
14:00-14:30 電玉
14:30-15:00 Candee
15:00-15:30 BANK
15:30-16:00 Drivemode
16:00-16:30 Blockstream

11月17日(金)

12:00-12:30 LINE
12:30-13:00 ソラコム
13:00-13:30 Quora
13:30-14:00 Slack
14:00-14:30 ハカルス
14:30-15:00 Relux
15:00-15:30 ヘクト
15:30-16:00 モビンギ
16:00-16:30 LinkSports

チケットは絶賛販売中だ。5枚以上の申し込みで1人あたり半額の2万円(税込)で購入することができる団体割引も用意している。また、創業3年未満のスタートアップ企業の従業員であれば、引き続きチケット価格は1万5000円だ。

チケット購入はこちらから

バイオ技術による人工蜘蛛の糸の開発に挑戦するBolt ThreadsがシリーズDで$106Mの巨額を調達

私たちの五感の蜘蛛の巣が、大物を捕らえたかな? SECの提出書類によると、微生物を利用して人工蜘蛛の糸を作っているバイオテク企業Bolt Threadsが、シリーズDの資金調達で1億600万ドルという巨額を調達しているようだ。

Bolt Threadsは、蜘蛛の糸を作るという野心的な取り組みを初めて本誌に語って以来、めざましい成長を遂げた。英語でspider silk(蜘蛛の絹)と呼ばれるその素材は、テフロンよりも強く雲よりも柔らかくて、しかも自然界に大量に存在する。

たしかに、蜘蛛の巣を大量生産してそれを人間が着る、なんて話はあまりふつうではないし、過去にも何度か挑戦する人はいたが、みな失敗している。しかしBolt Threadsは、その不可能から黄金を紡いで、今年初めには最初の本物の衣料製品、314ドルのネクタイを作ることに成功した。

同社はその後PatagoniaやStella McCartneyなどとパートナーし、Best Made Companyを買収、9000万ドルを調達してそのシリコンバレーにおけるビジネスを成長させた。

今度また新たにほぼ1億ドルを獲得したことにより、うまく行けば同社の蜘蛛パワーは倍加することだろう。その申請書類によると、同社はこれまで、前からの投資家Foundation CapitalとFormation 8から約5700万ドルを調達できている。

最終的に全額を調達できれば、Bolt Threadsの調達総額は1億9600万ドルになる。

今Formation 8とFoundation Capital、そしてBolt Threadsにコメントを求めているので、何か得られ次第この記事をアップデートしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uber CEO曰く、IPOのターゲットは2019年

今日(米国時間11/9)Uber CEO Dara Khosrowshahiは、New York TimeのDealbookカンファレンスの壇上でUberの上場計画について話した。今年、ファウンダーのTravis Kalanickに代わってCEOに就任したKhosrowshahiは、以前にもUberのIPOは自身の計画の一部であり 18から36カ月以内に実施する と話していた。しかし今日は、2019年という明確な目標が示された。

同イベントの講演でKhosrowshahiは、非公開企業でいることはUberにとって「公開企業のあらゆる不利を被り、注目を浴びるだけで利点は何一つない」と語り、Kalanickの大局観との明確な違いを見せた。KalanickはUberをできる限り非公開にしておきたがっていたことで知られ、上場を急ぐ必要はないと言っていた。

さらにKhosrowshahiは、上場計画はソフトバンクの出資契約には影響がないと言い、現在契約は交渉中であることを認め、近々完了することへの確信を示した。ソフトバンクは「上場には特に興味をもっていない」とUber CEOは語り、資金調達は当社のIPO戦略と無関係であることを示唆した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Essential Phoneが360度ライブビデオを簡単にFacebookへストリーミングできるようになった

Essential Phoneとその360度カメラのオーナーは、カメラソフトのアップデートにより、今撮っている360度ビデオを、ライブでブロードキャストできることになった。そのほかのソフトウェアは不要で、なにしろEssential Phone本体に360度カメラを取り付けるだけで、撮影中の動画を送信できるようになる。

前と同じく、カメラを取り付けるとカメラアプリが360度モードで起動し、”Liv”ボタンをタップするとユーザーのFacebookアカウントにログインして、動画はそのアカウントへポストされる。そして二度目からは、画面を左へスワイプするだけで、360度ライブ動画のFacebookアカウントへの投稿が始まる。

さらに、Facebookの共有オプション“Only me, Friends, Friends of Friend, Public”(自分だけ、友だち、友だちの友だち、一般公開)のどれかを指定して、ブロードキャストの範囲を選べる。最初に、これから送る動画の説明文を送信することもできる。今後の動画送信には、Facebookの認証過程は要らない。

Essentialは、360度カメラの将来性にすごく自信を持っているようだ。本体への独特な接続方式をはじめ、360度カメラが最初から標準アクセサリになっていることについてチームに聞いたら、360度カメラの大衆化で先行することによって、今後のスマートフォン市場で優位に立ちたい、ということだ。今回のソフトウェアのアップデートで、360度ビデオを撮るだけでなく、それをライブでストリーミングすることも容易になった。はたして、消費者の反応はどうだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nintendo、初のSwitch用ビデオストリーミングアプリはHulu

今日(米国時間11/10)Nintendoは、同社のゲームコンソール、Switch専用eショップの新商品リストを公開した。リストによると北米地区ではHuluをダウンロードできるようになる。Huluアプリは他のアプリとともにト、通常東海岸時刻深夜0時に行われるeショップのコンテンツ更新後に公開される。

Huluの登場によって、Nintendoは初めてのSwitch用ビデオストリーミングアプリを送り出すことになるが、今年始めに同機を発表したとき、Netflixをはじめとする各種サービスがいずれ利用可能になると同社は言っていた。あらゆる面で魅力的なSwitchに、一つ足りないものがあるとすればストリーミングメディアだった。Switchは非常にすぐれたポータブルメディアプレーヤーなので、旅先の大画面でコンテンツを見るというのも素晴らしい使い方だ。

リストにはHuluとともに、11月9日のアップデートで公開される比較的目立たないゲームタイトルがいくつか載っている。ダウンロードは無料で、ご推察の通りHuluサービスを初めて使う人のために無料トライアルも用意されている。その後は他のプラットフォーム同様有料購読が必要になる。

願わくばこれがNetflixをはじめ他のサービスもこのゲーム機にやってくるという意味であってほしい。Netflixの番組や映画をダウンロードしてオフライン視聴する機能は、すでにAndroidとiOSのアプリで提供されているので、Switchでもできるようになればいっそう素晴らしい旅の供になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのAndroid用ファイルマネージャー、Files Go,、ベータ版公開

今日(米国時間10/9)、GoogleはAndroid向けファイル管理アプリ、Files Goをベータ公開することを決めた。このアプリは少し前から公開のタイミングが注目されていた。GoogleはFiles
Goを12月にリリースする予定だったが、われわれも報じたように実機でベータテストが行われていることが判明し、公開のタイミングが早められたもようだ。Files Goはファイルマネージャー以外にも不要ファイルを整理してメモリーに空き容量を確保したりBluetoothe接続でオフラインでファイルを転送するなど便利な機能を含むツールとなっている。

GoogleはFiles Goが公開ベータに移行したことを今朝のツイートでそっと発表した。

Files Goのベータ版が発見されてしまったらしい :-)  そこでもう少し多くのユーザーにもテストしてもらえるようPlay Storeにアップすることにした。 

Googleはこっそりテストを続けるより、メディアに書きたてられたことをむしろアプリの宣伝に利用することにしたようただ。というわけでFiles Goは公開ベータとなった。

アプリは Google Playに “Files Go Beta: Free up space on your phone (Unreleased)”として公開されている。

アプリの説明には、「Files Goのベータ版は、ユーザーの携帯電話上のファイルを整理し、スペースをクリーンアップするのに役立つ」とある。その他、ジャンクや重複している写真を選択して削除する、オフラインでファイルを共有する、削除候補としてほとんど使ったことのないアプリを表示する、などの機能もある。

ダウンロードのサイズは6MBと比較的軽い。

当初、Files Goは接続環境が貧弱な途上国市場向けのアプリではないかと推測されていたが、全世界向けのメインストリームのアプリとなることが判明した。現在のバージョンはベータであり「動作が不安定な可能性がある」と注意されている。正式公開は12月が予定されている。.

Files GoはGoogle Playから無料で入手できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ストリートビューから奇妙な継ぎ目が消える――Googleが画像ブレンド技術を大きく改良

これまでもGoogleは世界中の道路を撮影するという野心的なプロジェクト、ストリートビューのテクノロジーの改良に努めてきた。最近もストリートビュー撮影車の装備を大きく改良したことを発表している。今回はマルチカメラで撮影された複数の映像からパノラマを生成する際に生じる奇妙な継ぎ目を目立たなくする方法を考案した。

Googleではストリートビューを撮影するカメラを「ロゼット」と呼んでいる。派手な塗装のGoogleカーの屋根に乗っている球体だ。これには多数のカメラが内蔵されて周囲を撮影する。それぞれ独立に作動するカメラ15台に多数のセンサーも搭載されており、道路を巡航しながら連続的に周囲を撮影していく。専用ソフトが撮影された画像をつなぎ合わせせてストリートビューが作られる。われわれはストリートビューのおかげで(Googleカーが通った道路なら)世界中どこへでも入っていくことができる。

とはいえ、ストリートビューを使ったことがあれば、映像中にときおり奇妙な継ぎ目が表示されてしまうのに気づいたかもしれない。ロゼットの15台のカメラが撮影した映像を接続する際に、風景にズレが生じたり看板や標識などの重要な情報が消えてしまったりする現象だ。これはGoogleマップだけに生じる問題ではなくて、他のパノラマ生成テクノロジーでも広く見られる。各種のスマートフォン・カメラやVR向けデジタル画像処理ソフトでもこれが起きるのに気づいたユーザーも多いだろう。

Googleではこの苛立たしい画像の継ぎ目をシームレスにスムーズなものにする新しいアルゴリズムを実用に移した。これは接続しようとする2枚の重なり合う画像のデータを簡約化する際に、ピクセルレベルで画像を比較し、接続部分に不自然な視覚的構造が生じないよう補正する(たとえば建物の水平な線など)。

困難だったのは、接続部分を補正しつつ、画像の他の部分を「正常」に見えるように保つことだったという。人間の視覚はこの点きわめて鋭敏で、理由は不明でも、何かが正常に見えないとすぐに気づいてしまう。画像の一部を補正した影響が他の部分に及ぶと、あきらかに不自然な映像になってしまうことがある。

この点を避けるためにGoogleは新しいアルゴリズムを開発し、複数画像をスムーズに接続することに成功した。下のスライドショーでその例をいくつか観察できる。

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Googleではストリートビューのパノラマ画像を新しいアルゴリズムでアップデート中だ。しかしGoogleマップ中には膨大なパノラマが含まれているため過去に撮影されたパノラマのアップデートにはかなり時間がかかる。まだしばらくはストリートビューを開いたときに継ぎ目が目立つパノラマを見ることがあるはずだ。しかしこうした苛立たしい画像のズレは次第に解消されていくだろう。

〔日本版〕ロゼットで撮影された多数の画像がストリート・ビュー・パノラマに合成されるプロセスはビデオの1分10秒あたりから説明されている。トップ画像の旧バージョンではロンドンのタワーブリッジ上部の歩道橋部分に大きな段差が生じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+