Amazonがインターネットに接続されたWi-FiホームセキュリティカメラのBlinkを買収

Amazonが、2014年に創業されて、インターネットに接続されたWi-Fiのホームセキュリティカメラや、今週発表されたテレビドアホンを作っているBlinkを買収した(Slashgearの記事より)。Blinkは最初、その完全にワイヤレスのホームモニタリングシステムのために、クラウドファンディングで資金を集めた。

Amazonはすでにインターネットに接続されたホームビデオカメラや、あるいは鍵製品までも、Cloud CamやAmazon Keyのような形で提供しており、それらは遠隔地から自分ちの門や玄関の様子を見たり、配達の人にドアを開けてやり、また閉めるといったことが可能だ。

ではBlinkがAmazonに何をもたらすかというと、それは、インターネットに接続されたホームモニタリングとセキュリティの専門技術であり、完全に配線不要なので複雑な据え付け工事もなく、日常の利用も電池交換も簡単な製品仕様だ。

たとえばBlinkのDoorbellは、単三電池2本で、通常の使用なら2年は使える。電池寿命に関しては競合製品Ringのワイヤレスドアホンよりも長く、価格も99ドルと安い。モーションキャプチャーや、双方向オーディオ、防水、暗視などの機能は、両社ほぼ共通だ。

このところAmazonは明らかに、‘コネクテッドホーム’(インターネットに接続された家)の分野に関心があり、それはまるで、自社製品Alexa/Echoの大成功に鼓舞されたような形だ。今回のBlinkの買収でAmazonは、Ringや、Alphabet保有のNestなどに動揺を与えると思われる。なぜなら今後ますますAmazonはこの分野で、安くて利便性に富む製品を市場に投じて行くだろうから。

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汚染物質をナノレベルまで粉砕して無害化する新技術の空気清浄機Molekule

サンフランシスコのMolekuleが作っている同名の製品は、すっきりしたデザインの、分子レベルの空気清浄機で、それは25年前の移民の夢から生まれ育ち、今年2017年にはTime誌の「今年の優秀発明25」に選ばれた。

発明者のYogi Goswamiは、自分の息子Dilipが赤ちゃんのとき、呼吸困難に苦しむのを見てこれを着想した。Dilipの症状は重い喘息だったが、当時は室内の空気中の汚染物質を完全に除去する空気清浄機がなかった。

従来のHEPA(high-efficiency particulate air filter)フィルターはその名のとおり、分子レベルではなく微粒子のレベルで空気を漉すから、相当量の汚染物質がそのままリリースされ、しかもその前にそれらが破壊されることもない。

そこで先代のGoswamiは、アレルゲンやカビやバクテリアのようなものも濾過できて、しかもそれらをHEPAフィルターがキャチできるサイズの1/1000にまで粉砕するフィルター技術に挑戦した。その、photo electrochemical oxidation(光電気化学酸化, PECO)と呼ばれる技術とナノテクノロジーを利用する彼の技術は、汚染物質を分子のレベルにまで破壊し、室内の空気からさまざまな汚染物を取り除く。その結果、もっとも敏感な体質の人でも安心して呼吸できる空気が得られるようになった。

Dilipと姉のJaya Goswamiはこの技術の特許を取り、父の発明を一般に提供していくためにMolekule社を創った。

同社のスタイリッシュな空気清浄機製品は、高さ50センチのシリンダー型で、その中に特許を取得したフィルターがある。定価は800ドルと高いが、毎月67ドルの月賦も可能だ。この秋のカリフォルニア州北部の大規模な山火事のときは、これが多くの人たちの呼吸を助けた。Jayaによると、そのときはMolekuleの在庫が完全に涸渇したため、早期の出荷が不可能になった。今抱えているバックオーダーが消化されるのは2018年の1月3日ごろ、という。

Molekuleは今日までに、1300万ドルあまりのベンチャー資金を獲得している。

カリフォルニアの山火事はまだ各所で鎮火していないから、この製品の登場はタイムリーだった。また、地球温暖化によって今後さらに多くのCO2が空気中にリリースされ、植物や花が放出する花粉の量も増えるだろう。

最近、South of MarketのMolekule本社を訪ねてJayaにインタビューした。上のビデオで、それをご覧いただきたい。

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Facebook上でロシアのトロルアカウントにやられたか分かるツールがやっとリリース

今年の秋は、Facebookの上でロシアのトロルアカウントに接触されたと思われる人の数がどんどん増えて、ついに1億5000万近くに達した。今日Facebookは、先月約束していたツールをやっとリリースし、ユーザーが「いいね!」したりフォローしたものが、怪しげな大衆操作のためにネット上にばらまかれた大量のページやコンテンツではないか、チェックできるようにした。

Facebookはそのツールのリリースを大声で発表することはせず、クリスマスの前の金曜日という、気づかれたくないものを公開するのにふさわしいゴミ箱のような日を待った。そしてそのツールを、ヘルプページの奥の方へ突っ込んだ。うまいやり方だね。

しかしそのツール自体は、とてもシンプルで使いやすい。このページへ行けば、あなたがいいね!したりフォローしたかもしれない、ロシアのInternet Research Agencyが作ったアカウントが一覧表示される。Instagramの自分のアカウントにログインしても、同じ情報が表示される。

あなたが怪しげなアカウントのどれかをフォローしていたら、こんなものが表示される:

このボックスが空なら、あなたは問題のアカウントに接触していないし、それに関与〔クリックなど〕していない。しかしそれでもあなたは、幸運な〔皮肉〕1億4600万人のひとりかもしれない。Facebookにもそれは分からないが、でも人びとに直接告げるこのやり方には感心しない。みんな、そのスクリーンショットを取って、“WTF!”(すげえ!)とか“OMG Facebook is broken!”(Facebookがぶっ壊れたよ!)などのキャプションをつけてポストするだろう。

選挙のとき、これと同様の干渉を受けたそのほかのサイトも、このようなツールを発表してほしいね。

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Tesla車のナビゲーションシステムは2018年に「大規模改造」が行われる

Teslaは車内ナビゲーションへのアプローチの改良に取り組んでいる。そして「大規模な改造ナビゲーション」を「2018年の早期に」配備するとTesla CEOのイーロン・マスクは語った。この発言は、Twitter上での顧客からの問いかけに答えて行われたものだ。マスクは、現在行われているテストが完了次第、リリースが行われると付け加えたが、それは現在Teslaの車に提供されているナビゲーションよりも「光年先」を行くものになるようだ。

マスクの発言は、Tesla車を3年所有しているが車載マップの更新は一度しか行われていないし、そのときプッシュされた情報も既に古くなっていると指摘したオーナーに対して行われた。マスクの反応は、Teslaが新しいナビゲーションソフトウェアで、単純な地図アップデートよりも遥かに進んだものを考えていることを示唆している。頭のてっぺんから爪先に至るまで、車内システムの振る舞いを完全に変えてしまうというものだ。

2018年の早い段階でナビゲーションに大規模な改造を行う予定だ。現在のシステムよりも「光年」進んだものだが、公開に先立ち厳密なテストを行っている最中だ。

テスラの現在のナビゲーションソフトウェアは、スマートフォンなどのモバイルデバイスに搭載されたナビゲーションアプリとそれほど異なるものではないが、テスラチャーチジャーやスーパーチャージャーの場所などの重要な情報が組み込まれている。それでも、現在のナビゲーションシステムはユーザーたちが一貫して不満を述べ続けてきたものなのだ。

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(翻訳:sako)

上院の超党派グループが地方レベルの選挙のセキュリティ向上で法案を提出

上院議員たちの超党派のグループが、中間選挙を控えたこの時期に、アメリカの選挙の技術的な正しさを守るための法案を提出した。上院に提出されたこの法案はSecure Elections Act(安全な選挙法)と呼ばれ、提出者は共和党上院議員のJames Lankford, Susan Collins, およびLindsey Graham, そして民主党上院議員のAmy Klobuchar, Kamala Harris, およびMartin Heinrichだ。

法案に付随する声明でCollins上院議員はこう述べている: “ロシア人たちが票の集計を変えられるという兆候はないが、しかしロシア人の関係者たちが州の選挙システムや公開されているWebサイトを侵そうと何度も試みたことを、われわれは知っている。われわれの超党派の法案は、各地の投票所の職員たちが、投票システムの安全を維持するために必要な情報と財源を確実に持つことによって、選挙過程の完全無欠性を強化するものである”。

この法案に関わったすべての上院議員が、このような声明の中で、アメリカ合衆国がその選挙システムをもっと安全にし標準化するまでは、ロシアはアメリカの民主主義への実在する脅威をもたらし続ける、と主張している。この法は、(1)連邦の諸機関が選挙関連のサイバー攻撃を州や地方の政府と直ちに共有すること、(2)州の職員が機密と指定されているかもしれない情報にアクセスする場合正しいセキュリティ確認を行うこと、(3)州が選挙システムの現代化を行うときは補助金を提供すること、そして(4)投票機械などの選挙システムを保護するためのサイバーセキュリティのガイドライン集を作ることを、必須としている。

Harris上院議員は、こう述べている: “ロシアは、彼らが2016年の選挙をに干渉したときに、われわれの民主主義のまさに中核を攻撃した。2018年の選挙が目前に迫っている今、ロシアは再び干渉に着手するだろう”。

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対立は泥沼化? Amazon、AmazonTubeの商標出願しドメインも取得。YouTube対抗サービスを計画か

eng-logo-2015AmazonがChromecastを扱わず、プライムビデオもGoogle Castに対応しないことなどへの報復措置ですが、これが発表された同じ日、AmazonがAmazonTubeとOpenTube、2つの商標を出願していたことが判明しました。

出願に書かれた説明では「ダウンロードできない録画済みのオーディオや動画をワイヤレスネットワークを介して提供する」とあります。また、「コンテンツや写真、動画、テキスト、その他デジタルデータをユーザー間でシェアできる」ともしており、YouTubeのようなストリーミングサービスを想定しているのは明らかです。

さらに、DomainNameWireによると、AmazonはAlexaOpenTube.com、AmazonAlexaTube.com 、AmazonOpenTube.comの3つのドメインを取得済みとのこと。

YouTubeのライバルとなるサービスが登場するのは、市場競争の点では歓迎すべきことですが、Amazonが本当にサービスを計画しているのか、一連のGoogleとの対立での牽制目的なのかはわかりません。

仮に本当に計画しているとすれば、Googleとの対立はますます深まりそうです。

先日は、AmazonでChromecastの販売を再開するとの話題も出ており、Googleとの和解に向けた話し合いが進んでいる気配もありました。

しかし、AmazonはFire TVにFirefoxとSilkブラウザの提供を開始。ブラウザ経由でYouTubeを視聴可能にしています。

Fire TV、Fire TV StickにFirefoxが追加。ブラウザ経由でYouTubeを視聴できます。

1月1日のYouTube視聴制限に向けた対策とも受け取れ、そうなると、実はGoogleとの話し合いは進んでいないのかもしれません。

段々と泥沼化してきた感のあるAmazonとGoogleの対立ですが、もう少しユーザーのことも考え、早期に解決して欲しいところです。

Engadget 日本版からの転載。

山田氏「技術で差別化するフェーズになってきた」——メルカリが実装までを想定した研究開発組織「mercari R4D」を設立

「mercari R4D」のメンバーら。中央がメルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏

フリマアプリを軸に、グループ、投資先を含めて広くCtoC領域のサービスを展開するメルカリ。今度は新領域へチャレンジに向けて研究開発を強化していくという。同社は12月22日、社会実装を目的とした研究開発組織「mercari R4D(メルカリ アールフォーディー)」の設立を発表した。

同日開催された発表会の冒頭、メルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎氏が登壇。今までのメルカリを振り返り、UI/UXへのこだわり(エンジニア経験のある創業経営陣がおり、ユーザービリティテストを積極的に活用。また早期に分析基盤を構築してきたことなど)や積極的なマーケティング(オンラインマーケティングだけでなく、テレビCMも活用してきたこと)という2つで成長してきたと説明。

さらに直近では、AIを活用し、写真撮影をすれば自動的に商品のブランドやカテゴリ、価格などをサジェストする機能を導入。これによって出品率や出品物の販売率を向上させたほか、偽ブランドや禁止出品物の検知などに取り組んでいる。米国では、従量の自動推定にも取り組んでいるという。

「技術で差別化するフェーズになってきた」——山田氏はこれからのメルカリについてこう語り、3つの方針を打ち出した。1つめはロードマップを作って戦略的に研究・投資を実施するということ。そして2つめは現在100人ほどのエンジニアチームを3年で1000人規模まで拡大。各機能ごとにマイクロサービス化して、スケーラブルな組織を作るということ。3つめは外部パートナーとの共同研究やその実装を進めるということ。今回発表されたmercari R4Dはこの方針に沿ったプロジェクトだ。

今後の方針について

メルカリ取締役CPO(Chief Product Officer)の濱田優貴氏が説明するところによると、R4Dの言葉の意味は「Research for」の「R」と、「 開発(Development)」「設計(Design)」「実装(Deployment)」「破壊(Disruption)」の4つの「D」なのだという。いわゆるR&D(Research & Development)、研究開発との一番の違いはDeployment、つまり実装をすることだ。今回の発表でメルカリは「社会実装を目的とする」とうたっているが、採算度外視でもまず世に出してみて、反応をみていくということに重点を置くという。

なお今回発表されたパートナーと研究テーマは以下の通り。またシニアフェローとして、
アーティストのスプツニ子!氏、京都造形大学教授 クロステックデザイン研究室、ABBALab代表取締役、さくらインターネットフェローの小笠原治氏が就任する。

シャープ 研究開発事業本部
「8Kを活用した多拠点コミュニケーション」

東京大学 川原研究室
「無線給電によるコンセントレス・オフィス」

筑波大学 落合研究室
「類似画像検索のためのDeep Hashing Network」
「出品された商品画像から物体の3D形状を推定」
「商品画像から背景を自動特定」

慶應義塾大学 村井研究室
「ブロックチェーンを用いたトラストフレームワーク」

京都造形芸術大学 クロステック研究室
「Internet of Thingsエコシステム」

東北大学 大関研究室
「量子アニーリング技術のアート分野への応用」

山田氏によると、R4Dの2018年の予算は数億円程度。だが再来年以降は寄り大きくしていくという。さらに今後対象とするテーマについては、「直近1〜2年のものというより、3〜5年かかるような中長期的になるものを基準にしている」(メルカリ R4Dオフィサーの木村俊也氏)とのこと。

今後の実装イメージ

Facebookとユニバーサルミュージックの提携によって、利用者は動画内で許諾された音楽を使うことができるようになった

Facebookは本日(米国時間12月21日)、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)との間で、Facebook、Instagram、Oculusなどのユーザーたちがアップロードしてシェアする動画の中に、ユニバーサルミュージックの音楽を利用することができようにする、というライセンス契約を結んだことを発表した。また今回の提携により、FacebookはMessengerも含むプラットフォーム間で新しい「音楽を使った製品」を提供できるようになるという。

契約条件は明らかにされていないが、大手音楽会社がFacebook上でビデオやその他のソーシャル機能に対して、そのカタログをライセンスするのは初めてのことだ。

これにより、Facebookはユニバーサルミュージックグループと協力して、アーティストの作品が、Facebookとその関連プラットフォーム上でで保護され、補償されることになる。これは、さまざまな方法で行われる。私たちの理解では、そこにはFacebookが、この先実験的なソーシャルミュージックの機能を立ち上げていく権利も含まれているようだ。

「音楽とコミュニティービルディングの間には引き合う関係があります。私たちはそれをUMGと協力して、Facebook、Instagram、Oculus、そしてMessengerの中に取り込むことができる機会に興奮しています。音楽愛好家、アーティスト、そしてライターたちは、私たちが音楽と動画を通して創造性、つながり、そしてイノベーションを開放することで、とても居心地よく感じて貰えるようになるでしょう」と語るのは、FacebookのMusic Business Development and Partnershipsの責任者Tamara Hrivnakである。

「FacebookとUMGは、共に、音楽会社とソーシャルプラットフォーム間の協力のためのダイナミックな新しいモデルを作り出して行きます。こうすることで、ファンのための音楽のソーシャル体験を向上させながら、レコーディングアーティストやソングライターたちの関心を高めることができます」と、ユニバーサル・ミュージック・グループのデジタル戦略副社長のMichael Nashは付け加えた。「この提携は、イノベーションと音楽クリエイターへの公正な報酬が、相補的であること、共に繁栄することができることを示すための、最初の重要なステップなのです。私たちは、Facebookが、アーティストたち、ファンたち、そして世界に偉大な音楽を届けるために投資するすべての人たちに恩恵を与えてくれる、健全な音楽生態系に対する重要な貢献者になってくれることを期待しています」。

同社は、この取引の結果、どのような「音楽を使った」製品が登場するのかに関しては詳しくは述べていないが、その動きは主に、アーティストがファンたちとのつながりを深めることに重点を置いているように見える。特にファンたちにお気に入りの音楽を自分たちの動画に使わせたり、お気に入りの音楽をシェアさせたりすることがその中心となる。アーティストたちはまた、他の方法で音楽を使って、コミュニティに関わり育てていくこともできる。

この契約がFacebookのビデオ活動にどのように役立つかを想像するのは簡単だ。今年は動画のための専用ポータルFacebook Watchが登場し、動画に対するさらなる注力が行われた。

このパートナーシップは、音楽とソーシャル空間を統合して活動する他のハイテク企業たちに、Facebookが挑戦するのにも役立つ。例えばライバルの1つはSpotifyだ。同社は今年、ストリーミングサービス上でのプレゼンスを管理し、リリースをトラックしファンたちと繋がるための一連の新しいツールを提供した。またMusical.lyも同様のライバルだ。自分自身の口パクミュージックビデオが作れることで多数の若いファンを引きつけたこのサービスは、中国の大手ソーシャルメディアBytedanceに8億ドル以上で売却された

今回の買収により、Facebookは、 新しく立ち上げられた”Sound Collection”の内容を、クリエイター向けに、有名な曲で埋めることもできるようになった。

ユニバーサル・ミュージック・グループは既に、SpotifyやYouTubeなどの他の企業と協力しているため、ソーシャル企業と協力することは前例のない話ではない。(Varietyには契約に関するUMGからの内部メモが掲載されているが、その中にはプレスリリース以上の詳しい情報は含まれていない。これは主にパートナーシップを鼓舞するためのものだ)。

私たちの問い合わせに対して、Facebookは、新しいソーシャル機能の計画についての、より詳細な情報を共有することは拒否した。

同社は、新しい野心をもって、これからも似たようなパートナーシップを結ぶ計画を温めていることだろう。ユニバーサル・ミュージック・グループのライブラリーを宣伝することで、音楽販売、商品販売、コンサートチケット売上などを増やすことができることを示せたならば、新たなパートナーシップも結びやすくなるだろう。

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(翻訳:sako)

エイチーム、プログラマ向け情報共有サービス「Qiita」提供元のIncrementsを約14億円で買収

ソーシャルゲームを始め複数のWebサービスを展開するエイチーム1222日、プログラマ向けの情報共有サービス「Qiita」などを提供するIncrementsの発行済株式の100%を取得し、連結子会社化することを明らかにした。

取得価格は総額で14億5300万円。内訳は株式が14億4600万円、アドバイザリー費用などが600万円。株式譲渡は2017年の12月25日を予定している。

Incrementsは2012年2月の創業。Qiitaに加えてチーム内情報共有ツール「Qiita:Team」の開発・運営を行っている。直近の財務状況については、以下の通りだ。

  • 平成27年2月期 : 売上3373万円、営業損失1763万円
  • 平成28年2月期 : 売上7363万円、営業損失3341万円
  • 平成28年12月期 : 売上8995万円、営業損失7871万円(平成28年3月~12月)

エイチームによると同社では資本を活用した中長期的成長の実現、企業価値の向上を加速させるために「既存事業の競争力強化につながると想定される企業や事業」や「自社で容易に参入できない、或いは参入に時間のかかる事業を持つ企業」の買収を検討してきたという。

Incrementsは「自社で容易に参入できない、或いは参入に時間のかかる事業を持つ企業」に該当するため、買収を通じて新たな事業展開を加速させることができると判断した。今後はQiitaとQiita:Teamの成長を目指すとともに、エンジニア情報を活用した新規事業も検討する。

Eric SchmidtがAlphabetの会長の座を降りて‘テクニカルアドバイザー’になる

休日を控えて、すこし遅すぎたニュースかもしれないが、長年Googleの役員を務めたEric Schmidtが今日(米国時間12/21)、Alphabetの取締役会の常勤会長の役割を降りる、と発表した。

Alphabetは本誌TechCrunchに、この異動を確認し、Schmidtの声明を提示した。

その声明中で彼は曰く、“Larry, Sergey, Sundar, そして私の全員が、この異動がAlphabetの進化における正しいタイミングだと信じている。Alphabetという構造体は良好に作動しており、Googleおよびそのほかも栄えている。最近の数年間の私は、自分の時間の多くを科学とテクノロジーの諸問題、および博愛事業に費やしており、今後はその仕事を拡大するつもりだ”。

Schmidtは2001年にGoogleに加わり、ファウンダーのLarry PageとSergey Brinの強い要請によりCEOの座についた。それまでの彼は、Sun MicrosystemsとNovellに在籍した。Googleが2004年にIPOしたときは、この三人組があと20年間一緒に仕事をすることを誓った、といわれている。

しかしご存知のようにSchmidtは、2011年にバトンをPageに渡した。4年後、Googleの構造再編でAlphabetが生まれたとき、PageがそのCEOになり、GoogleはSundar PichaiがCEOになった。

今回の再度の異動についてAlphabetは詳細を明らかにしていないが、Pageは自分の声明の中で、何事(なにごと)にも積極的であったSchmidtについて述べている: “2001年以降、Ericはわれわれにビジネスとエンジニアリングの専門的能力と、テクノロジーの未来に関する明快なヴィジョンを提供した。17年間の奉職のさらなる継続として彼は、科学とテクノロジーの諸問題に関するテクニカルアドバイザーとして、われわれを助けてくれるだろう。弊社が成し遂げつつある進歩と、そのイノベーションを駆動する強力なリーダーがいることに、私はとても感激している”。

Alphabetは、来月の会議で新しい会長を任命する。今度は、非常勤タイプになるだろう。SchmidtはAlphabetの取締役会に残り、“テクニカルアドバイザー”〔技術顧問〕という、やや軽い役職になる模様だ。その具体的な仕事はまだ不明だが、いずれにしても2004年の誓いどおりに、彼は2024年までは在職するのだろう。

声明の全文はAlphabetの投資家サイトで読める。

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“旅を仕事にする”サービス「SAGOJO」が数千万円を調達、企業や自治体とスキルのある旅人をつなぐ

副業やリモートワークなど働き方が多様化している今なら、スキルと熱量さえあれば“旅”を仕事にすることもできるかもしれない。旅人求人サイトの「SAGOJO」はまさにそれを実現しようとしているサービスだ。

同サービスを提供するSAGOJOは12月22日、エイベックス・ベンチャーズ、アプリ、複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により資金調達を行ったことを明らかにした。関係者によると数千万規模の調達だという。

SAGOJOは課題を持った企業や自治体と、スキルのある旅人をマッチングする求人プラットフォームだ。記事執筆や写真撮影、営業代行やリサーチといった仕事を旅人に依頼することが可能。旅人が現地を実際に訪れるという点が大きな特徴で、熱量の高いユーザーが集まる。

「サービスのリリースから1年半でユーザー数は7500人、シゴト数は200を超えた。全国・世界を舞台に取材を伴うコンテンツ制作(記事、動画、写真)を中心に旅人の特性やスキルを活かして事業開発を行っている」(SAGOJO代表取締役の新拓也氏)

実際に掲載されている仕事を見てみると、高速バスの比較サイトや旅行メディアを運営するLCLが「高速バスに乗りたくなる記事企画をする旅人」を募集していたり、ecbo cloakが「旅をしながら自分の好きなお店の開拓をしてくれる旅人」を募集していたりとバラエティに富んでいる。

通常の報酬に加えて航空券や宿泊券、旅のアイテムがつくケースもあるなど旅人に対するリターンもユニーク。旅人の仕事管理はSAGOJOがおこなうことで、成果物のクオリティを担保する。

同社では今回の資金調達も踏まえて、今後は案件数の拡大、旅人が納品する成果物の管理体制の強化を進めるほか、新サービスにも取りかかる予定だ。「『旅×シゴト』を志す人たちの能力開発を支援する教育プログラムや、ユーザー特性を活かしたB向け新規サービスの提供に向けた準備を進めていく」(新氏)

また調達先のエイベックスとはグループ会社各社と共同で、旅行を含めた各種商品の企画やSAGOJOを活用した新しいアーティスト戦略、エイベックス社員のスキル活用などに取り組む。アプリとは、同社が運営するリゾートバイト求人サイト「はたらくどっとこむ」と連携した案件の拡充を行っていくという。

SAGOJOは代表取締役の新氏がWeb制作会社のLIGにて企業のオウンドメディア運営やコンテンツ制作を担当したのち、2015年12月に創業したスタートアップだ。

レーザー光を照射する靴がパーキンソン病患者をふつうに歩けるようにする

テクノロジーが多くの人の生活を快適にしてくれるささやかな例が、意外なところにもある。それは、レーザー・シューズだ。そう、男の子の玩具ではない真面目な製品だ。上図のような、小さなレーザーエミッターを取り付けた靴は、最近のテストによると、パーキンソン病患者の正常な歩行を助ける。

パーキンソン病の症状のひとつに、すくみ足がある。それは、自分には前へ進む意志はあるのに、そのための一歩を踏み出せない状態だ。その状態が数秒から一分近くも続くと、不便であるだけでなく体のバランスを崩して転倒することもある。

しかし不思議なことに、足がすくんでいる人が前方の足元に気になるものをみつけて、心がそれに集中すると、それに向かって歩こうとして、すくみ状態がなくなることがある。それは、床板でも歩道の割れ目でも、なんでもいい。しかし、そんなものがつねにあるとは限らない。常時あるようにするには、どうしたらいいか?

そこで、オランダのトゥウェンテ大学のMurielle Ferrayeの想像力から生まれたのが、レーザー・シューズだ。つま先に取り付けたレーザー照射デバイスが、約45センチ前方の床に光の線を描く。するとユーザーは、その線に向かって足を踏み出そうとする。靴が動いているときにはレーザーは消えている。足が静止しているときだけ、線が描かれる。

こんな感じだ:

21名のパーキンソン病患者でテストした結果では、レーザー・シューズによってすくみ足の発生が半分近くに減り、すくみの持続時間は半分以下になった。患者の多くが、その靴を使いたいと言い、足がすくんでいないとき光が投射されても気にならないと言った。大学のニュースリリースでFerrayeが述べている次の課題は、すくみが検出されたときだけレーザーが発光するようにすることだ。

この研究は今週、Neurology誌に発表された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Sequoia、50億ドルの新ファンド組成を準備

Sequoia Capitalは50億円の投資ファンドの組成を計画している。

Sequoiaといえば、長年にわたって驚異的な利益を上げてきたことでシリコンバレーで伝説的なベンチャーキャピタルだが、今回準備しているのは世界を対象にしたアーリーステージの投資ファンドだ。

RecodeのKara Swisherが このニュースを最初に報じた。Swisherがつかんだ情報によれば、Sequoiaは50億ドルから60億ドルを目標としているという。現在TechCrunchが聞いたところではSequoiaの目標金額は50億ドルのようだ。資金集めは2018年の第一四半期を通じて実施される。

Sequoiaの前回のファンドは2015年組成のグロースファンドで、規模は20億ドルだった。このファンドが投資したレイトステージのスタートアップにはAirbnb、Stripe、23andMeなどが含まれる。Sequoiaはアーリーステージの投資にも熱心だ。

最近、われわれはSequoiaがUberに関心を抱いており、株式の公開買付に参加していることを報じた。この株式買い付けは既存株主を対象としたもので価格は時価をかなり下回る。日本の投資グループ、SoftBank Groupが公開買付をリードしている。

50億ドルというのは巨額だが、それも1000億ドルというSoftBankのVision Fundに比べると色あせてみえるのはやむを得ない。結局、レイトステージのスタートアップには巨額の資金を調達するチャンネルがいくつもあるということだ。10億ドルを超えるスタートアップ、いわゆるユニコーン企業につぎ込まれる資金は巨大で、このところのベンチャー投資は市場最高の水準となっている

Sequoiaは長年にわたって投資に成功しており、たとえば最近では、ポートフォリオ企業のWhatsAppをFacebookが190億ドルで買収している。SequoiaはAppleやGoogleの有力株主でもある。

画像: Blend Images/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アイスティーの会社が社名を “Long Blockchain”に変えたら株価急騰

公開市場で会社の価値を高めたい人へ。社名に “blockchain” をつければいい。少なくともLong Island Iced Tea CorpがLong Blockchain Corpに名前を変えたケースではうまくいった。

これぞ2017年というべき出来事だ。今日午前に社名変更を発表したの後、同社の株価は時間外取引きで最大500パーセント上昇し、約275%高で落ち着いている。

この日の午前まで、Long Blockchainは殆ど無名のノンアルコール・レモネードとアイスティーの会社だった。水曜日(米国時間12/20)時点で同社の時価総額は2380万ドルにすぎなかったが、時間外取引きのある時点では1億3800万ドル近くまではね上がった。これはウォール街基準から見れば小さいかもしれないが、要因が社名変更だけと考えるとかなりの出来事だ。

値上がり理由の大部分はbitcoinブームによる。今やこの暗号化通貨の価格に関する新たな話題を聞かない日はない。

NVIDIAやAMDといったbitcoin関連株がこの狂乱に乗じているのはもちろん、たとえば不振のバイオテクノロジー会社で数度の社名変更(直前はBioptix)を経たRiot Blockchainは殆ど無名だったが、暗号化通貨に焦点を切り換え社名に “blockchain” をつけてから、少ないながらも驚くべき値上がりをみせた。

Long Blockchainも似たような道をたどろうとしている。今後もノンアルコールのアイスティーとレモネードの販売は続けるが、ブロックチェーン技術にかかわる企業への投資あるいは提携を主要業務にすると言っている。NASDAQには新しい事業を反映した新しい取引きシンボルへの変更を申請するつもりだ。

同社はドメインをhttp://www.longblockchain.comに切り換え、新しいサイトには、Long Blockchainは「新しい機会を評価する準備段階にある」と書かれている。

Long Blockchainは、無名の極小価値株がブロックチェーンに乗じて価値を上げようとする数ある事例のひとつにすぎない。しかし一部の投資家は偽装や不相応な評価額の可能性を心配している

米国証券取引委員会(SEC)はこれまでに、暗号化通貨がらみの社名変更で利益を得た小規模株式会社を取り締まってきた。たとえば、暗号化通貨取引き事業を開始すると発表して過去3カ月で最大1万7000%も値上がりしたThe Crypto Co.の取引きを中止した。SECは同社株の取引きを1月まで停止し、「情報の正確性と妥当性に関する問題がある」としている。

しかしLong Blockchainに対してSECがどんな行動を起こすかは不明だ。現時点で同社に連絡はついておらず、SECにはコメントを依頼しているがまだ返答はない。

一つはっきり言えるのは、一連の出来事は、非常に奇妙で狂気でみた今年の暗号化騒動を反映しているということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

コンテンツ・クリエイターたちのネット上の事業化を助けるPodiaがシード資金を調達

一年半あまり前に本誌で取り上げたCoachは、個人教師(tutor, チューター)やそのほかのフリーランサーに、ネット上で自分のビジネスを成り立たせるためのツールを提供していた。しかしその後同社は方向を大きく変えるとともに、最近300万ドルのシード資金を獲得したことを発表した

そして、名前をPodiaに変えた。

CEO Spencer Fryの説明によると、Coachのユーザーは個人教師がそんなに多くなくて、むしろいろんなタイプのコンテンツ・クリエイターが多かった。したがってスケジューリングとか請求事務など、個人教師のための機能はあまり利用されなかった。そこでFryは、“コンテンツ・クリエイターのためのデジタルショップを作るサービス”、に特化することにした。

“収益源としては、最近の広告はコンテンツ・クリエイターにあまり向いていないし、アフィリエイトは小さなニッチビジネスにとどまっている。売上は、コンテンツを売ることから得るべきだ”、と彼は語る。

PodiaのWebサイトでクリエイターたちのプロフィールを見ると、同社の顧客の多くは今でもオンラインのクラスやハウツーのコンテンツを売っている。そのテーマは、マーケティングプログラミング食べ物(健康食など)などさまざまだ。Podiaに登録しているクリエイターは今7500名あまり、そのうちのほんのひとにぎりが、昨年10万ドル以上を稼いでいる。

コンテンツ・クリエイターたちの収益化を助けるツールはほかにもあるが、でもFryによると、GumroadやPatreonなどは、ニッチ的なビジネスモデルにのみフォーカスしている。それに対してPodiaは、クリエイターたちがオンラインのコースに課金したり、何かのダウンロードを有料にしたり、また有料会員制を設けたり、どんなビジネスモデルでも展開できる。また、自分の顧客リストを利用して簡単なメールマーケティングを繰り広げるツールも提供している。

Podia

Fryの主張によると、Podiaのやり方は全体的に“とってもクリエイターフレンドリーである”。何よりもまず、それは完全にホワイトレーベルのソリューションなので、各人が自分のWebサイトやドメインでビジネスを展開できる。

そして決済も、支払いは直接、クリエイターのPayPalやStripeのアカウントへ行き、手数料はない(Patreonは最近、それで失敗した)。Podiaの収入は、月額39ドル(初回のみ)または79ドルの会費のみだ。だからPodia経由で数十万ドル稼いでも、月に79ドル払うだけだ。

ところでシード資金を提供した投資家は、Zelkova Ventures, Designer Fund, そしてNotation Capitalだ。

名前を変えたことについてFryは、“Coachという名前はすぐに嫌いになった。そもそもGoogleの検索で‘うちのCoach’がなかなか見つからない”、という。podium(土台)の複数形であるPodiaなら、その問題もないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

競合が多い分野で月間2億ユーザーを突破、高品質Q&Aサイト「Quora」の差別化戦略

インターネットにはQ&Aサイトやフォーラムが数多く存在する。その中で、シリエコンバレー発のQuoraが目指すのは、質の高い知識を共有するためのQ&Aプラットフォームだ。Quoraは2009年創業。2017年4月のシリーズDラウンドで8500万ドルを調達し、その時の評価額は推定18億ドルでユニコーン企業となった。2017年11月には日本語版もリリースした。

QuoraのファウンダーでCEOのAdam D’Angelo氏は、11月16日、17日に渋谷で開催したTechCrunch Tokyo 2017に登壇し、Q&Aサイトとしては後発であるQuoraの他社との違い、グロースについて語った。モデレーターは、米国TechCrunchの元ライターで、現在はKantan GamesのCEO、Serkan Toto氏が務めた。

“質が落ちるのはシステム設計に原因”

D’Angelo氏はエンジニアのバックグランドを持つ起業家だ。中高時代から趣味でプログラミングを始め、大学でコンピューターサイエンスを学んだ。卒業後は、エンジニアとして、当時創業して1年ほどだったFacebookにジョインする。後にFacebookの初代CTOに就任し、1年半ほど同社の開発チームを率いた。

Q&Aサイトを立ち上げたのは、もともと知識を学ぶのが好きで、ユーザーが知識を共有するプラットフォームに関心があったからとD’Angelo氏は言う。ただ、こうしたサービスは規模が大きくなるほど、コンテンツの品質が落ちることに疑問を感じていた。その課題を解決できないかと考えたのが、Quoraを開発するきっかけだった。

「自分でプロダクトを作ったり、Facebookで働いたりした経験から、コンテンツの質が落ちるのはシステム設計に原因があると考えました」とD’Angelo氏。Quoraでは実名制を採用したり、ユーザーが回答を評価するボタンを実装したりするなど、高品質なコンテンツを奨励するシステム開発に焦点を当てていると話す。他にもそれぞれのユーザーの専門分野に合致する質問をフィードに表示したり、重複する質問は定期的に1つにまとめて、優れた回答がより広く読まれるようにするなどの仕組みも導入した。

Quoraの画面

こうした施策の結果、Quoraには多くの優良なコンテンツが集まるようになり、それが他サービスとの差別化につながったとD’Angelor氏は説明する。「良いコンテンツが集まり、それがシェアされ、それを見たユーザーがQuoraにサインアップするという好循環が生まれています」。現在、Quoraの月間ユニークビジターは2億人を超えるまでになっているという。

時間が経つほど、サービスは良くなっていくとD’Angelo氏は話す。「優れた回答は何年も役に立つものです。データベースにナレッジが集まるほど、より多くの人にとって便利なサービスになっていきます」。

プレイヤーからマネージャーへ

D’Angelo氏はエンジニアとしてキャリアをスタートし、FacebookのCTOを経て、現在はQuoraのCEOとしてマネジメントを行なっている。プログラマーはマネジメントよりコードを書き続けるキャリアを望む人も多いかと思うが、自身はどうだったかとモデレーターのToto氏の問いに対し、最初は自分もそう思っていたが、マネージャーの経験を積んで考えが変わったとD’Angelo氏は話す。

「マネージャーになって最初の頃は、自分でコードを書いた方が早いと思うこともありました。ただ、マネジメントを続けるうちに、自分一人より、チームの方が多くをこなせるということが分かります。大事なのは、世界にインパクトを与えられるかどうかです。自分でコードを書くより、会社を運営することの方がそれを達成できると思います」。

Quoraは立ち上げ当初から、スタートアップの起業家や投資家などに多く利用されていたという。「起業家は、日々決断しなければならないことが多くあります。良い判断をするためには、質の高い情報にアクセスすることが大事で、Quoraはその役に立っています」とD’Angelo氏。Quoraは起業家同士が互いの知識を共有する場であると同時に、優秀な投資家や採用候補者とつながる場としても機能しているそうだ。

セッションの最後、D’Angelo氏は日本の起業家に向け「プロダクトの差別化に注力すること」とアドバイスをおくった。「競合がいる中でも、独自の立ち位置のユニークなプロダクトを作ること。Quoraが成長を続けられたのも、これがあったからです」と話している。

Apple、批判の的のテンプレート・アプリ禁止条項を修正――実質はほぼ変化なし

Appleは昨日(米国時間12/20)、App Storeにおけるアプリ・レビューのガイドラインを修正した。このガイドラインはテンプレートその他を用いるアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリの登録を禁止するもので、大きな議論を引き起こしていた。

Appleが今年に入ってApp Storeの利用規約を改正したのは低品質のアプリやスパム・アプリが登録されるのを防ぐ狙いがあった。しかしこの方針は 当初の目的を超えてはるかにおおきなマーケットに影響を与えることになった。つまりレストラン、NPO、クラブ、その他、オリジナルかつ高品質のアプリをインハウスで開発する専門知識、資金その他のリソースを持たない各種スモールビジネスがネガティブな影響を受けている。

Appleの新しいガイドラインは「App Storeで受け入れられないアプリ」の定義をさらに詳しく述べている。

改正前のガイドラインの当該部分、4.2.6 App Store guidelineは以下のとおりだった。

4.2.6 商用のテンプレートによって作成されたアプリ、またはアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリは受け入れられない。

これに対して、今回改正された文言は以下のとおり。

4.2.6 商用のテンプレートによって作成されたアプリ、またはアプリ・ジェネレーション・サービスによって作成されたアプリは受け入れられない。ただし、アプリの登録がアプリのコンテンツ提供者自身によって直接申請される場合はこの限りではない。〔アプリ・ジェネレーション・〕サービス等はクライアントを代理して登録の申請を行ってはならない。また〔これらのサービスは〕クライアントがカスタマイズしてイノベーティブかつ独自のユーザー体験を提供するアプリを作成できるツールの提供に努めなければならない。

テンプレートのプロバイダーはクライアントのコンテンツを一つのバイナリーに統合するいわゆる“picker”モデルを利用することもできる。たとえばレストランの情報アプリであれば、それぞれのクライアントのレストランがが独立のカスタマイズされたページを持つ単一のアプリを登録申請することは可能であり、イベント情報アプリであれば、それぞれのクライアント・イベントが独立のページとして表示されるような単一のアプリを登録することはできる。

これによってAppleがテンプレート・アプリについてどう考えているかがよく分かる。

根本にある考え方は、スモールビジネスがテンプレートや仲介者(アプリ作成サービス事業者)を通じてアプリを作成するのはかまわないが、テンプレートのプロバイダーが実際のビジネスに代わってアプリを登録することをは許されない、というものだ。

AppleはApp Storeに登録されるアプリはコンテンツの元となるビジネス自身が登録申請すべきだと考えている(この考え方は以前も述べられていた)。つまり、地域のピザショップであれ教会であれフィットネス・ジムであれ、アプリを登録しようとする組織はApp Storeのガイドライン、規約その他の文書を熟読し、登録プロセスに積極的に関与しなければならないということだ。

Appleでは2018年早々にもアメリカ政府・自治体諸機関およびNPOについて99ドルのデベロッパー手数料を免除してこの新方針を受け入れやすいものにするという。

またテンプレート・サービスのような仲介者もすべて排除されるわけではない。テンプレート・サービスがアプリを作成する手助けをするのはけっこうなことだ―Appleはアプリが「どのようにして」作成されたかにはさして興味を抱いていない(ウェブページを単にアプリ化したものでないかぎり)。Appleが審査するのは「その結果」だ。

App Storeに登録されるためには、アプリは高品質で優れたユーザー体験をもたらさねばならないというのがAppleの考え方だ。つまりアプリにはそれぞれ独自性が必要であり、多数のアプリがそっくりな外見を呈してはならない。つまり互いにクローンであってはならない。また、されに重要な点は、ウェブページやFaceookページをそのままアプリ化したものであってはならないということだ。

Appleは「アプリは単なるウェブページ以上の深く豊かな体験をユーザーに与えるものでなければならない」と信じている。

上図:AppMakrで作成されたThe Official Lumineersアプリ

ただし、このルールが適用されるべき範囲を巡っては見解の相違が残る。

たとえば、現在多くのユーザーが「テンプレート・アプリ」を使っている。お気に入りのタコショップ、所属する教会、地元の音楽クラブ、学校、その他のアプリだ。ユーザーはこれらのアプリが単一のテンプレートから作成され、相互にそっくりだと知らないし、知ったところでそもそもそんなことは気にかけないだろう。

またある種のアプリが互いにそっくりであることはユーザーにとってかえって使いやすくなっているという議論もある。たとえば「モバイルから注文」がそれぞれ独自のデザインで独自のプロセスだったら使いにくいだる。どこからメニュー表示をさせればいいのかアプリごとに探す必要があるのがユーザー体験の向上だろうか?

しかしAppleはApp Storeに無数のコピーキャット、クローン・メーカーがはびこっっているのを強く嫌っている。クローン・アプリが優勢になれば、わざわざ高品質のアプリを作成するデベロッパーが不利になる。テンプレート・プロバイダーが単一のデベロッパー・アカウントで一挙に2万件ものアプリを登録するといった事態はApp Storeを窒息させかねない、と考えている。

しかし低品質のアプリの大群を規制する必要があるにせよ、App Storeにおけるテンプレート・アプリ全般の禁止は行き過ぎでありエコシステムにネガティブな影響を与えるとする意見も強い。

この問題はTed W. Lieu下院議員( カリフォルニア、33選挙区) の注目を引いた。Liew議員はAppleについて「〔規制の〕網を広げ過ぎている」と述べた。スパム・アプリ、違法アプリの排除の必要は認めるものの、「App Storeに対しなんら危害を加えておらず、これまで長年にわたって役立ってきた正規のデベロッパーを排除するものだ」とLiew議員は批判している。

しかし一方でAppleはネット中立性を支持して、何人も平等かつ自由なインターネットへのアクセスの権利を持つと主張している。にもかかわらずApp Storeレビューの新しい方針はスモールビジネスや小規模なNPOに対して不利に働く。しかもモバイル・デバイスからウェブへのアクセスは次第にモバイル・アプリを経由する傾向を強めている(上記グラフ参照。ブラウザは時代遅れになりつつある)。【略】

なるほど、ピザショップはUber Eatsを使うこともできる(高額な手数料を払えばだが)。ネールサロンは店をYelpに掲載できるし、パパママ・ストアもFacebookページを作れる。また事実作っているだろう。しかし全体としてこれはスモールビジネスが巨大アグレゲーターの支配下に置かれるるという傾向をますます強めるトレンドだ。

最近、TechCrunchはApp Storeにアプリを登録している多くの会社が 2018年1月1日という締め切りを言い渡されたことを報じた。この期限までにアプリを新しいガイドラインに対応させないかぎり、レビュー・チームはアプリをApp Storeから排除するという。一部のアプリはすでにこの禁止条項を適用され、登録申請を却下されている(すでにライブであるアプリは次のアップデートまで適用を除外されているが、この状態がいつまで続くのかは不明だ)。

Appleの新方針のために一部の会社は運営停止に追い込まれている。

今回修正された後の字句をみても、影響を受けた会社が以前のとおり運営を続けられるようになったとは思えない。 こうしたサービスはやはり「クライアントがカスタマイズしてイノベーティブかつ独自のユーザー体験を提供するアプリを作成できるツール」を新たに提供する必要がある。

言い換えれば、Google Sites のようなシンプルな構成ではなく、Squarespaceのような凝った構成にせよ(ただしアプリだが)ということだ。

テンプレート・ベースのアプリの例。 一般ユーザーはテンプレートだと気づくだろうか?

しかし今回影響を受けた会社は、すべてがスパム・メーカーというわけではない。一部はウェブページをラップしてアプリにするだけのツールを提供していたものの、一部はグレーゾーンだった。

これにはChowNowのような、特定のバーティカルに属するスモールビジネスがApp Storeを利用することを助けようとするものが含まれる。CowNowは近隣のレストランがモバイル経由で注文を受けるためのアプリだが、同様のアプリはフィットネス・ジムや教会、スパ、コンサート、政治家など非常に幅広い分野に存在する。

こうしたビジネスはApp Storeガイドラインの4.2.6(ときおり4.3)項によって登録を拒絶されつつある。こうしたアプリの申請者によれば、Appleに対し電話などで直接説明を求めようとしても困難だという。

修正以前の4.2.6項は、テンプレート・ベースのアプリ全般を禁止し、4.3項はスパム・アプリ全般を禁じる網羅的条項だった。4.3項はAppleがあるアプリを排除したいが、アプリ作成ウィザードやドラグ・アンド・ドロップなどによって一挙に作成されたものだということを証明できない場合に用いられることを意図したものだということだ。

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Appleがこの方針をWWDCで発表したとき、テンプレート・プロバイダーの多くは自分たちに影響が及ぶとは考えていなかった。この禁止方針はクローン・アプリ、スパム・アプリを締め出すためのものだと考えたからだ。そのため、App Storeのレビュー・ガイドラインがテンプレート・プロバイダー自身もApp Storeから締め出されれることを明らかにしたためパニックが広がった。これらのテンプレート・プロバイダーは自分たちがスパマーだとは考えていなかった。

修正後のApp Storeのガイドラインは、字句の訂正により明確化されているものの、本質的なAppleの意図は変わっていない。

ともあれアプリが実質的にはウェブページそのものである場合、あるいは他のアプリとデザインがそっくりである場合、申請の手間をかけるには及ばない。App Storeがそういうアプリを排除することは動かない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ホームセキュリティサービスのOomaがAI機能搭載のライブストリーミングビデオカメラButterfleyeを買収

Oomaは、今でもVoPのプラットホームとして知られている企業だと思うが、このほど、AIを利用する家庭と企業用のビデオカメラ、スマートセキュリティカメラを作っているセキュリティプラットホームButterfleyeを買収した。OomaはButterfleyeのカメラを同社のセキュリティソリューションOoma Homeに統合するつもりだが、元のブランドでカメラを売ることも続ける。

両社は、買収の財務的詳細を明かしていない。

OomaのCEO Eric Stangは、今日(米国時間12/20)の発表声明でこう述べている: “Butterfleyeには、すばらしいインテリジェントなセキュリティカメラシステムがあり、その能力を私たちのセキュリティサービスOoma Homeに加えられることはすごく嬉しい。私たちの戦略は、Oomaのスマート通信プラットホームをベースとして、インターネットに接続された高度な家庭向けセキュリティサービスを提供することであり、今回の買収はそのための重要な一歩である”。

2015に創業されたButterfleyeは、そのカメラを2016年にIndiegogoのクラウドファンディングキャンペーンでプレゼンした。同社はその後400万ドル近くを調達したが、業界やメディアのレーダーにはなかなか映らなかった。その機能の中には、顔認識、個人認識、温度・音・動きのセンサー、そしてセキュリティカメラとしての24/7ライブ(リアルタイム)ストリーミングは、どんなデバイスへも送れる。

一見するとButterfleyeは、Amazonで30ドル以下で買える安物のWi-Fiカメラにしか見えないかもしれない。でもそんなカメラと違うのは、インテリジェンス(AI機能)があり、しかも頑丈だ。ただしお値段は、ワイヤレスカメラ1台で199ドル99セント以上、3台パックで499ドル99セントだから、誰もが真剣に対応すべきデバイスだ。名前が知れ渡っているNestの高級カメラも、同じ価格帯だけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

純正より2割安いAmazon Alexa搭載スマートスピーカー、Ankerが発売

eng-logo-2015アンカージャパンは、Amazon Alexa搭載のスマートスピーカー「Eufy Genie」の販売を招待制で開始しました。価格は4980円(税込)で、アマゾン純正のEcho Dotより1000円安いのも魅力です。

Eufy Genieは、アマゾンの音声アシスタント Alexaを利用できるスマートスピーカーです。「アレクサ」と話しかけるだけで、最新ニュースや天気、スケジュールの確認や音楽再生、スマートホームデバイスの操作などが可能。また、豊富な「スキル」で機能を追加することもできます。

スピーカーは2W出力で、HiFiオーディオ技術により音の歪みを最小限に抑え、音質を向上させているとのこと。サイズは90 x 90 x 48.5mmとコンパクトで、重量は258gです。

本製品の最大の魅力はやはり価格。アマゾンのPrime会員ならEcho Dotを3980円で購入できるものの、そういった特典を除けば税込4980円はスマートスピーカーとしては最安値です。なお販売はAmazon Echoと同様に招待制で、購入するにはAmazonの商品ページから「招待メール」をリクエストする必要があります。

製品の詳細はこちら
アンカーのAlexaスピーカーは税込4980円。手のひらサイズにアルミ合金振動板搭載

Engadget 日本版からの転載。

AR技術でSFアニメの世界観が現実に、キャラクターに会えるライブ配信アプリ「hololive」がリリース

ここ数年でSHOWROOMLINE LIVEツイキャスなどリアルタイムに視聴者とコミュニケーションがとれるライブ配信サービスは一気に普及した。今年はそこにコマースの要素を掛け合わせてライブコマースサービスも盛り上がりをみせているが、配信を行う演者は基本的に人間だ。

でも人間だけではなく、キャラクターによるライブ配信にもニーズがあるのではないか。本日リリースされた「hololive(ホロライブ)」は、まさにキャラクターが生きているかのような感覚を味わえるライブ配信アプリだ。

hololiveではVRやARの技術を活用して、キャラクターによるライブ配信を実現。キャラクターの3D映像を現実空間にAR投影すれば、まるで自分と同じ空間でライブが行われているかのような体験ができる。ライブを視聴しながらコール&レスポンスを楽しんだり、キャラクターの写真や動画を撮影したりすることも可能だ。

キャラクターの操作にはVRデバイスを使用。装着した人間の顔や体の動きなどがリアルタイムに表示される仕組みになっている。

対応機種はARKitに対応するiPhoneとなるが、その他のデバイスでも非ARモードでライブ配信を視聴できるようにしていく方針。合わせて今後はゲームやアニメのキャラクター、バーチャルアイドルによるライブ配信を随時追加していく予定だ。

hololiveを提供するカバーは2016年の創業。2017年8月にはみずほキャピタル、TLMおよび個人投資家数人から約3000万円を調達しているほか、VR・AR関連のスタートアップを対象にしたHTCのアクセラレータープログラム「VIVE X」に日本企業として唯一採択されている。カバー代表取締役の谷郷元昭氏は、地域情報サイトの「30min.(サンゼロミニッツ)」を手がけた(現在はイードに譲渡)サンゼロミニッツの創業者。また、アエリア元取締役でエンジェル投資・スタートアップ支援を行う須田仁之氏、アジャイルメディア・ネットワーク元CTOの福田一行氏が参画している。

なおカバーでは、ARKit非対応環境のユーザーにもhololiveを体験できるよう、12月21日20時からLINE LIVEでの配信も行うとしている。