NetgearのメッシュギアOrbiルーターがギガビットクラスのWi-Fi 6をサポート

メッシュ用として気に入っているNetgearのOrbiが、大きくスピードアップした。その新しいルーターはRBK50と呼ばれ、Wi-Fi 6 802.11axをサポートしていて、メッシュを構成するルーター間をギガビット級のワイヤレスで接続する。〔主に家庭内メッシュのこと〕

WiFi 6はまだ新しい規格なので、サポートしているハードウェアはまだ多くない。以下、Netgearの発表声明から引用しよう:

業界トップのOrbi Mesh Wi-Fi Systemsが改良され、 4×4 Wi-Fi 6バックホールの1024 QAMをフィーチャーして、この専用ワイヤレスリンク間および、それと衛星間のスピードとカバレッジとキャパシティを増加する。

Qualcomm Technologies, Inc.のWi-Fi 6対応ネットワーキングSoCを使用しているWi-Fi 6用Orbiは、複数同時のWi-Fiストリームでも従来より高いパフォーマンスをサポートし、ギガビットのインターネットをさらに多くのデバイスに供給して、家庭のギガビットインターネットユーザーが新しいWi-Fi 6の利点を享受できるようにする。それは、次世代のモバイルやスマートホームデバイスの標準を目指した設計である。

この新しいルーターは2019Q3に発売される。価格の発表はない。

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Googleのレーダー技術によるジェスチャー入力方式SoliをFCCが認可、電波妨害問題をクリア

数年後にはタッチスクリーンを陳腐化するかもしれない、Googleのレーダーを利用するモーションセンサー技術を、アメリカの規制当局が認可した。Soli Projectと命名されたそのイニシアチブは2015年に、Googleの最先端の技術開発部門Advanced Technology and Projectsでスタートした

それ以降私たちは、Soliの技術的成果をいくつか見てきた。それはオブジェクトを認識でき、レーダーセンサーの消費電力を少なくできた。いちばん最近では、規制当局からの指示がきっかけで、もっと実用的な段階へ移行した。アメリカの連邦通信委員会(Federal Communications Commission, FCC)は今週初めに、Project Soliに対し、現在許されている以上の高い電力レベルでの運用を認めた。この政府機関はさらに、そのデバイスが“他のスペクトルのユーザーを妨害する可能性が極微なので”、航空機の中で使用してもよい、とした。

Soliのレーダーセンサーは25ドル硬貨サイズの小さなチップで、手や指のわずかな動きを高速高精度で追える。これによりたとえば、オーディオ装置ではボリュームのつまみを回さなくても、スピーカーの前で指をすり合わせるだけで音量を調節できる。FCCの今度の規制なら、スマートウォッチのボタンをエアプレスすることもできるだろう。

FCCは、安全性の懸念が一掃されればこのセンサー技術が公共の利益にも奉仕する、と言っている: “スマートフォンなどのデバイスをタッチをしない手のジェスチャーでコントロールできるようになれば、運動能力や発話能力、触知能力など多様な障害を持つ人びとを助けることができる。それにより、アメリカ社会のより多くの成員の生産性と生活の質が向上する”。

今本誌TechCrunchはGoogleに詳細を問い合わせているので、返事が得られ次第この記事をアップデートしたい。

FCCのこの認可の数か月前には、Facebookが、Soliのセンサーが高い電力レベルで運用された場合の電波妨害、という問題をこのお役所に持ち込んでいた。しかし両社は9月に合意に達し、 Soliは政府が許容したよりも高いがGoogleが求めたよりも低い電力レベルで運用される、という合意内容をFCCに届け出ていた。その合意内容が認可された、というわけだ。

この新しい分野でFacebookがルールを設けようとしたことは、理にかなっている。同社もまた、Oculusで同様のモーション技術を展開しようとしているからだ。Facebookはたとえば、腕の動きを作り出すデバイスで、ハグなどの社会的ジェスチャーをシミュレートする技術開発に投資している。

Googleのこの技術開発のアップデートはしかし、ある種の‘頭隠して尻隠さず’でもある。そう言いたくなるぐらい、最近の同社は問題含みの行為が多い。まず、Google+の大量のデータ漏洩、その前の、オンラインゴーストタウンの閉鎖。児童ポルノ対策の失敗。そして中国への再進出が、検索エンジンの検閲を伴うという報道

画像クレジット: Google

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ガラスを3DプリントするシステムをMITの研究者たちが完成

溶けたガラスのロープをエンドレスに吐き出すマシンは、この言葉だけを見ると不気味かもしれないが、MITの連中はまさにそれを完成させた。3D Printing and Additive Manufacturingに載ったペーパーで、研究者のChikara Inamura, Michael Stern, Daniel Lizardo, Peter Houk, そしてNeri Oxmanらが記述しているガラスの3Dプリントシステムは、熱い素材を完全にコントロールして最終製品を作ることができる。

彼らのG3DP2と呼ばれるシステムは、“3域温度コントロールシステムと4軸モーションコントロールシステムをデジタルに統合した、溶融ガラス用の新しいAM*プラットホームであり、その生産能力と信頼性はすでに産業用の実用レベルに達している。製品の精度と再現性は高く、それらも、これまでガラスでは不可能だったレベルだ”、という。〔*: AM, additive manufacuturing, 付加(的)製造技術…3Dプリントのこと。〕

このシステムは、溶けたガラスを収めた加熱ボックスと、オブジェクトをプリントする温度制御されたボックスを使用する。可動性のプレートが、プリントの進行とともにオブジェクトを下へ下へと下げていき、プリントヘッドはその上で動く。このシステムが興味深いのは、そのまま即、装飾や建築用に使える透明なガラス構造物を作ることだ。研究者たちは溶融ガラスを押し出すシステムに細心の注意を払い、不純物や構造上の問題がない状態でガラスが冷えて固まるよう工夫した。

“将来的には、ガラスの優れた素材特性(透明性、強度、化学的安定など)とこのAM技術を組み合わせることによって、新しい形の多機能なビルディングブロックを作れるようになるだろう”、と彼らは言っている。

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この腕輪は麻薬の過剰摂取を検出して死を未然に防ぐ

カーネギーメロン大学の学生たちのプロジェクトが、人命を救うかもしれない。HopeBandと名付けられた腕輪が、血中の酸素濃度が低いことを感知して、それが急を要するレベルならテキストメッセージとアラーム音を送る。

学生のRashmi Kalkunteが、IEEEにこう語っている: “友だちの誰かがいつも過量摂取を心配していたら、その使い方パターンを理解し、どんなときには誰に助けを求めるべきか知ってる人が近くにいるといいよね。HopeBandは、そんな人の代わりになることを目指して、設計したんだ”。

9月に行われたHealth 2.0カンファレンスでチームは、Robert Wood Johnson財団主催のOpioid Challengeコンペに応募して三位になった。彼らはその腕輪を、ピッツバーグの針交換事業*に送るつもりだ。売価は20ドル未満をねらっている。〔*: 注射針を新品の針に交換することでエイズなどの伝染を防ぐ。多くは地方自治体の公衆衛生事業の一環。〕

今年アメリカで過量摂取で死んだ人は72000人を超えている。こんなデバイスがあれば、人びとを少しは安全にできるだろう。

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ひとつの映画を1年かけて視るVery Slow Movie Playerってなんだか分からないがすごい

誰かが、Every Frame a Painting*〔直訳: どのコマも一枚の絵画だ〕を字義通りにとらえたのかもしれない: The Very Slow Movie Playerと呼ばれるこのデバイスは、映画を壁紙に換えて、1時間に1回ずつ映像を1秒間、前へ進める。家の中にとてもおもしろいオブジェクトがあることになり、よく知ってる映画ですら、新鮮に感じる。〔*: このチャネルは‘YouTube上の世界最高の映画学校’と言われる。〕

このアイデアは、デザイナーでエンジニアのBryan Boyerの脳に、われわれ全員がよく知っているあのときに生じた。家でじっと座って、遅いことの良さをうまく表現する方法を考えているときだ。

そのとき彼は、“映画を読書のスピードで消費することはできないだろうか?”、と考えた、ゆっくりと。“ものごとを極端に遅くしたら、それを正しく鑑賞する余裕ができる。…しかしその持続をもっと引き延ばすと、ものごととそれを視る者とコンテキストとの関係が変わり始める。映画を本来のスピードの1/3600のスピードで視たら、それはもはやとても遅い映画ではなくて、朦朧(もうろう)とした時計のようなものになる。でもVery Slow Movie Player(VSMP)で時間や時刻はは分からない。ただ、時間のにじみを背景にして自分自身を視るだけだ”。

Very Slow Movie Playerは、eペーパーのディスプレイをRaspberry Piのボードにくっつけたものだ。そこにムービーをロードすると、それを一度に一(ひと)コマずつ表示し、2分30秒経つと画面をアップデートする。〔==1時間で24コマ、すなわち映画1秒ぶんとなる。〕

通常の、毎秒24コマではなく、毎時間24コマを視ることになる。ふつうの映画の3600倍遅くて、1年に7千〜8千時間の絵が作り出されるだろう。〔2時間の映画なら7200秒、VSMPでは7200秒→7200時間=300日。〕

Boyerはプロジェクトを説明するポストで、こう言っている: “あまりにも遅いから、ふつうに映画を鑑賞することはできない。VSMPとにらめっこをしたら、あなたは毎回負けるだろう。それは、気づいたり、ちらっと見たり、調べることすらできるけど、ウォッチすることはできない”。

彼はそれを、Bill Violaの作品と比べている。その超スローモーションのポートレートも、最初から最後までウォッチすることはできない(よほど辛抱強い人でなければ)。そしてどちらも、映画(動画)と静止画像の中間に位置する冥界に存在する。

もちろん、画像そのものはもっと良くしてほしい。eペーパーの色深度は本質的に1ビット(黒/白)だ。だから映像の色や階調が表す微妙さはすべて、白か黒かのディザリングへと消えてしまう。

現状では場面のコントラストやゾーンは強調されるが、でも「裏窓」を映画として見たければいつでもできる。しかし、それを一つのプロセスとして、時間との関係として、現実世界と人生のコンテキストの中に存在するオブジェクトや画像として鑑賞したいなら、…そのためにVery Slow Movie Playerがある。

画像クレジット: Bryan Boyer

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四足ロボットANYmalがチューリッヒの地下の下水路を冒険旅行する

CheetahbotやSpotのような複数脚のロボットの多様な用途については、すでに多くが語られてきたが、でも実際にそれらが実現するためには、分野ごとに多くの困難がある。そして、下水道の点検という重要な仕事の訓練のために、このスイス製の四足ロボットは地下深くへと下(お)りていった。今後の実際の仕事には、人命救助もありうるだろう。

ETH Zurich / Daniel Winkler

このロボットはANYmalと呼ばれ、スイス国立工科大学、略称ETH Zurichと、そこからのスピンオフANYboticsの長期的なコラボレーションだ。その最新の冒険は、大学のあるチューリッヒ市の地下にある下水道の旅で、最終的には、検査や修理の自動化を目指している。

多くのロボットプラットホームと同様、ANYmalも長年の開発史を抱えている。でもカメラや、ライダーのようなセンサー類が小型化高性能化したのはごく最近のことなので、暗闇の中での作業も可能になり、第一候補として下水管という汚い場所でテストされることになった。

多くの都市が延々と長い々々地下構造を抱えており、しかもそれらの点検は専門家にしかできない。危険でかったるい仕事だから、自動化の最右翼候補だ。人間がやると1年に1度しかできない点検を、ロボットなら楽々、一週間に一度できる、としたらどうだろう。おかしい箇所を見つけたときだけ、人間を呼べばよい。災害で人が行けなくなった場所や、小さすぎて人が入れない場所でも、活躍してくれるだろう。

関連記事: MIT’s Cheetah 3 robot is built to save lives(未訳)

しかしもちろん、ロボット軍団が(前に何かで見たように)下水路に住めるためには、その環境を経験し学習しなければならない。最初は最小限の自動化にとどめ、徐々にやれることを増やしていくのだ。

ANYboticsの協同ファウンダーPeter Fankhauserが、ETHZのストーリーでこう言っている: “研究室でうまくいっても、現実世界でうまくいくとは限らない”。

ロボットのセンサーやスキルを現実世界の状況でテストすると、エンジニアたちが取り組むべき新しい知見と大量のデータが得られる。たとえば、完全に暗い環境でもレーザーを利用する画像タスクなら行えるが、大量の水蒸気や煙が充満していたらどうか? ANYmalは、そんな環境でも正しい感知能力を発揮できなければならない。それが、最初からの設計目標だった。

ETH Zurich / Daniel Winkler

彼らはまず、脚にセンサーを付ける方式を試した。良い結果とまずい結果の両方が得られた。次に試したのが、ANYmalが手のひらを壁に触れてボタンを見つけたり、温湿度や壁の質感を得る方法だ。この方法は、操縦者の即興や機転が必要で、完全自動化にはほど遠かった。まず、ロボットにやらせることを、リストアップしよう!。

下のビデオで、チューリッヒの地下を旅する下水道検査官ANYmalをウォッチできる。

画像クレジット: ETH Zurich

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クリスマスにAlexaがクラッシュ、サーバーの過負荷か

Amazonの今朝(米国時間12/26)の発表によると、Alexaデバイス、中でもEchoとEcho Dotは、ホリデーシーズンのベストセラーだった。しかしクリスマスの日に生まれて初めて自分たちのデバイスをセットアップする新しいユーザーの急増は、Alexaが対応できる範囲を超えていたようだ。クリスマスに何千もの新しいAlexaデバイスのオーナーたちが全員同時に、自分のEchoをAmazonのサーバーに接続しようとしたとき、そのサービスは短時間クラッシュした。

The Guardianが最初に報じたAlexaのサービス停止は、GMTで午前10時ごろ起こり、音楽やスマートホームのコントロールなど、いつもやらせる仕事ができない、という苦情が既存のEchoオーナーたちから殺到した。

インターネットにも、家の中のWi-Fiにも問題ないのに、デバイスをセットアップできない、それはきっとサーバーのダウンだ、という苦情も多かった。

AmazonはGMT 1:43PMに、ヨーロッパでは原因を特定できた、とツイートした

“2時間あまりヨーロッパのEchoデバイスの一部の、接続が不安定でした。”

AmazonのTwitterアカウントがこうツイートしたころには、サービス停止は直っていたから、それは2時間ぐらい続いたようだ。

Amazonのスポークスパーソンも本誌TechCrunchに対して、サービス停止を認めた。

“昨朝短時間、Alexaの一部の顧客に間欠的に迷惑をおかけする問題が起き、サービスとの対話ができなくなりました。現在Alexaのサービスは正常に機能しております。”

サービス停止の原因やその対策について、Amazonは黙っている。しかし原因はたぶん、サービスへのリクエストの急増だろう。クリスマスにはApple App StoreでもGoogle Play Storeでも、Alexaアプリがトップだった。だから大量の、初めてEchoを使うオーナーが、セットアップのためにサーバーに殺到したことがトラブルの原因だろう。

WebサイトDown Detectorも、ヨーロッパで起きたAlexaのトラブルに気づき、ピーク時には2183件の報告が来た、と言っている。報告は2時間後には収まってきた。

Alexaのサービス停止はこれが初めてではないし、今年初めてでもない。このサービスは、サーバーの問題や過負荷によって、ときどき無応答になる。たとえば3月には、Alexaのモバイルアプリが動いているのに音声がダウンした

そして9月には、ヨーロッパ全域でAlexaがダウンした。アイルランドにおけるAWSのダウンが原因らしい。その前月にはアメリカでもサービス停止が起こり、EchoなどAlexaデバイスは、どんなリクエストにも“sorry, something went wrong.”(すみません。問題が起きました。)と答えた。

ヨーロッパはAlexaの成長市場なので、今年は6月にイタリアとスペインに導入した。今ではほかに、イギリス、オーストラリア、インド、ニュージーランド、ドイツ、日本、アイルランドにも対応している。

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魚を拡張現実を生成するタンクに入れてみたらそれを本物の現実と区別できた

ニュージャージー工科大学の研究者たちが、グリーングラス(glass knifefish)の“姿勢維持”機能を調べているとき、動物の電気的感知器官をリアルタイムで騙(だま)すための拡張現実を作った。その魚はさまざまな穴を自分の家にして身を隠す習性があるが、研究者たちは、魚が自分を安全に保つために利用している自動的自律的なセンサー機能を、このやり方で知りたいと思った。

准教授のEric Fortuneはこう語る: “いちばん興奮したのは、この研究によって、われわれが10年以上前から夢見ていたやり方で、フィードバックを調べられるようになったことだ。ほとんどすべての動物が、自分の体を動かすことによってまわりの環境を感知しているが、この、運動によるアクティブな感知の基本的な過程を、拡張現実を利用してリアルタイムで調べたのは、おそらくこれが初めてだろう”。

魚がARのヘッドセットを装着したのではなく、研究者たちは水中で揺れる隠れ家の動きをシミュレートした。

Fortuneは曰く: “この魚が隠れ家の位置をフォローすることは前から分かっていたが、ごく最近分かったのは、人間の目の動きにも似た小さな動きを彼らが生成することだ。そこでわれわれは、拡張現実のようなものによって、魚の感知システムと運動システムとの関係を撹乱することはできないか、と考えた。しかし両者の結びつきを維持したままそれをやるのは、きわめて難しかった”。

その試験では、魚を管の中に入れて(上図)、管の動きと魚の目の動きが同期するようにした。魚が前や後ろへ動くとき、その動きは隠れ家の動きにも及ぶ。その動きを魚が見たとき、何が起きるのか。隠れ家の動きと魚の動きが同期したとき、魚はその動きが隠れ家の“リアル”な動き(単独の動き)でないことを、感知できた。つまり魚は、自分が仮想環境の中にいることを知っていた。

“動きの刺激の起源が独立のものであるときと、自分の動きのフィードバックであるときとを、魚は区別できた。この実験により、われわれが観察していた現象が、魚が自分の動きから受け取るフィードバックによるものであることが分かった。基本的にその動物は、自分のまわりの感覚世界を自分がコントロールしていることを、知っているようだった”。

もしかしたら魚は、Job Simulatorをプレイできるかもしれない。

“同じような実験を、人間の視覚についてもできるのではないか。それにより、神経生物学の貴重な知識が得られるだろう。また、視覚と運動のコントロールに関しては、人工的なシステムより動物の方がずっと上手だから、われわれが公開するデータを技術者が機械の制御に利用できたら、とても強力なフィードバックシステムが可能になるだろう”。

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人間の爪のミクロン単位のゆがみから症状の治癒や悪化を判定する超小型センサーをIBM Researchが開発

IBMが今日(米国時間12/20)、人間の手の指の爪につけて、パーキンソン病なやそのほかの疾病の治療薬の効果をモニターする、小さなセンサーを開発した、と発表した。そのデータを分析する専用のソフトウェアと共にセンサーは、ユーザーが物を握ったときの爪の歪(ゆが)みを測定する。ほとんどどんな活動にも、物を握る行為があるので、そのソフトウェアが分析すべき大量のデータが生成される。

センサーを爪ではなく肌につけて運動をモニターし、筋肉や神経の健康を調べる方法もあるが、IBMのチームによると、皮膚を使う方法には感染など多くの問題があるので、爪の曲がりから得られるデータを使う方法を選んだ。

ただし、多くの場合に、爪はわずかしか曲がらないので、感度の高いセンサーが必要になる。研究者たちはこう説明している: “分かってきたのは、人間の指が、それらで物を握ったり掴んだり、曲げたり伸ばしたりするとき、一定のパターンで変形することだ。この変形の大きさは通常、ひと桁の数ミクロンのオーダーで、肉眼では見えない。しかし、ひずみゲージを使えば容易に検出できる。ご参考までに、人間の毛髪の太さは50から100ミクロン、赤血球の径は10ミクロン未満だ”。

現在のプロトタイプバージョンでは、センサーを爪に接着している。爪はけっこう丈夫なので、そのやり方でもリスクはほとんどない。肌につけるセンサーよりは、ずっと安全だ。センサーのデータはスマートウォッチへ行き、そこで機械学習のモデルを動かして、震(ふる)えなどのパーキンソン病の症状を検出する。モデルは、装着者が今何をしているかも検出できる(ドアノブを回している、ドライバーを使っている、など)。装着者が自分の指で数字を書くと、それも正確に判読できる。

今後は、このセンサーのプロトタイプとモデルの改良により、そのほかの疾病も認識し分析できるようにしたい、とチームは望んでいる。このセンサーが市販される時期については、まだ発表の段階ではないようだ。

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単純安価でレンジの広いメッシュネットワークを作れるLibreRouterプロジェクト

都市では、どこにいても、あたりの10か20ぐらいのルーターや、携帯電話用のタワー、そのほかのワイヤレスのインフラストラクチャによって電波が飽和している。しかし田舎では、たった一つのインターネット接続が村全体をカバーしているかもしれない。LibreRouterは、そのようなコミュニティが、自分たち専用の現代的で堅牢なメッシュネットワークを作って、その限られた接続を最大限に利用するための、ハードウェアとソフトウェアのプロジェクトだ。

想定しているユースケースは、たとえば衛星や有線の接続終点がその地域の中央にあって、それを利用したい人びとはその周辺に住んでいるけど、Wi-Fiの到達域である100フィートの圏内ではない、といった状況だ。そしてそんな場合は往々にして、線の延伸やセルタワーの増設は高くつきすぎるので不可能だ。

関連記事: The Last Thousand Miles(未訳)

そこで、人びとを信号の近くまで来させる代わりに、メッシュネットワークで信号を彼らのところまで持っていけばよい。複数のワイヤレスルーターを互いに接続して、それらのルーターの圏域内のどこへも/どこからでも信号を渡し伝えていくのだ。

このやり方には、問題もある。ルーターの費用が高すぎたり、メンテナンスや修理が困難だったり、ネットワークそのもののセットアップやトラブルシューティングが難しかったりするだろう。だから一般市販のルーターは、あまり適していない。そこで、問題意識を共有するハッカーたちが独自のソリューション: LibreRouterとそのためのソフトウェアLibreMeshを作った。

それは、画期的なデバイスでもなければ、一風変わったソフトウェアでもない。彼らがそれをテストしたアルゼンチンやメキシコ、スペイン、カナダなどの田舎のコミュニティで使われる、目的を絞ったハードとソフトだ。

その目標を、LibreRouterのNicolás PaceがAPNIC説明している。それは、安価で堅牢でスケーラブルで運用しやすいメッシュネットワークを作ることだ。すべてを彼らがやるのではなくて、彼らが作ったのはハードウェアの実動プロトタイプと、よく知られ信頼されているワイヤレスのユーティリティOpenWRTをベースとするソフトウェアスタックだ。

彼らが設計したルーターは、現代的で強力で、しかも通常のツールと一般市販の部品で容易に修理できることを目標にしている。ソフトウェアは、ワンクリックで終了するほど簡単ではないが、メッシュの構成の難しい部分の多くを自動化する。レンジは数メートルではなく数キロメートルだから、かなり広い範囲を接続できる。

もちろん、それらはすべてオープンソースで、したがってつねにコントリビューターを求めている。Paceによると、関心は十分に多くて、設計が完成したら今後2年間で2500台のデバイスを発売できる。

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自動車技術の各種応用製品を指向するFordが犬を花火の騒音から護るノイズキャンセル犬小屋を開発

犬は可聴域が人間より相当広いので、われわれには平気なノイズでも彼らにとってはつらいことがある。花火はとくに多くの犬たちにとって厳しいし、パニクったペットを鎮めようとすう飼い主にとってもつらい。そんな彼らを助けるべく、Ford…そう、自動車のFord…はノイズキャンセル犬小屋のプロトタイプを作った。同社によるとそれは、同社のSUV車Edgeのエンジンとトランスミッションの音を和らげるために導入したノイズ制御技術を応用している。〔可聴域: 人間は20-20000Hz、犬は67-45000Hz(英語版Wikipediaより)。〕

犬小屋の中のマイクロフォンが花火の音を検出すると、内蔵のオーディオシステムがそれに対抗する妨害波を送出し、その騒音をかなり減らすかまたはキャンセルする、とFordは言っている。犬小屋の素材が高密度コルクなので、それも外部のノイズを抑える。

このノイズキャンセル犬小屋はまだ発売されていないが、Fordによるとそれは、“自動車技術のノウハウを日常の問題解決に応用するインターベンション(interventions)と呼ばれるイニシアチブの最初の製品”、だそうだ。

小さなお子さんのいる方なら覚えておられるかもしれないが、昨年FordはMax Motor Dreamsと呼ばれる小児用ベッドを開発した。それは、走っている車の中ならよく寝る赤ちゃんの習性に着目したベッドで、静かな低燃費カーでは赤ちゃんが寝なくて困った方もおられるだろう。そのベッドには、車の揺れを模すための小さなモーターと、道路上のノイズを再生するオーディオ装置、そして街路灯の光を模すLEDライトがついている。

当時Fordは、関心が多ければその小児用ベッドを発売する、と言っていたが、口コミで広まったにもかかわらず、Max Motor Dreamsが市場に登場することはなかった。それは、このノイズキャンセル犬小屋を買いたい人にとって不吉な情報だが、でも祝日の花火から犬を護る方法はほかにもある。また、犬の不安を解消するThunderShirtという製品もあるが、その効果はもちろん、犬によって違うだろう。

画像クレジット:Ford

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荷物を盗んだ軒先泥棒をグリッターまみれにしておならの匂いをスプレーする防犯ボックス

ポーチに置かれた荷物を盗まれるのは、中に何が入っていたにせよ、腹立たしい体験だ。家宅侵入と窃盗が同時に行われるんだから。犯人の顔と車の番号が写った写真を警察に持って行っても、とくに警察の繁忙期であるクリスマスシーズンなんか、まともに相手にしてくれない。

同じ体験をしたエンジニアでユウチューバーのMark Roberは、警察がだめなら自分で犯人を懲らしめよう、と決心した。彼が作った箱は、泥棒さんがその家にはもう二度と近づかないであろう、と思わせるしろものだ。それだけでなくそいつは、最高品質の掃除機が欲しくなるだろう。

これが、そのビデオだ:

この遊び心溢れる(溢れすぎる)復讐ツールは、技術的にもきわめて巧妙だ。

まずそれは、GPSがついているので、箱がどこへ持ち去られたか分かる。

その箱を開けるやいなや、特製の桶が高速回転して、あたりに大量のグリッター(装飾用反射素材小片)を撒き散らし、犯人の全身に付着する。車の中で開けたら、社内がグリッターで充満する。ビデオの4:00あたりのグリッターの大爆発は、一種のアートを見ているようだ。

数秒後に、おならのスプレー缶が噴射する。しかもそれは、何度も何度も噴射される。泥棒さんが箱をそこらへ投げ捨ててくれると、GPSのデータがあるので回収に行ける。

YouTubeに投稿された長いビデオは、その一部始終を4方向(4台のカメラ)から撮影している。

これは、泥棒さんを痛い目に遭わせるのではなく、グリッターとおならの匂いにまみれた自分のバカぶりを、自覚してもらうことが目的だ。

しかしこれは、自分でやらない方が良い。その巧妙な作りを見て、自作したくなる人もいると思うが、でもビデオを見るだけの方が健康に良い。

もっと詳しく知りたい人は、このプロジェクトの共同制作者Sean Hodginsの技術的詳細ビデオを見るべし。

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Amazonが再びGoogle Chromecastsを売っているが後者はPrime Videoをサポートせず

GoogleとAmazonの長年の抗争が休憩モードに入ったようだ。Amazonは今再び、GoogleのChromecastデバイスを売っている。そのデバイスはAmazonが2015年に同店から閉め出して、Prime Videoをサポートしているデバイスしか売らないという方針を掲げた。1年前に同社は、Chromecastを扱うと言ったがそれは長続きせず、両社は再び喧嘩モードに入った。今回はAmazonのEcho Showの、YouTubeプレーヤーが争点になった。

でも今、事態は再び鎮静モードに入ったようだ。

Android Policeが、ChomecastsがAmazon.comで再び売られていることを見つけた。

その記事は、35ドルの第三世代Chromecastと、69ドルのChromecast Ultraが売られている、と言っている。

Amazonはこの件で何も発表していないが、本誌TechCrunchが確認したところによると、Amazonはこれら二つのデバイスを公式に扱っており、店頭に出たのは偶然でも間違いでもない。

Amazonが昨年Appleと仲直りをしてApple TVを扱うようになったのも、Prime Videoがサポートされたからだから、Chromecastのユーザーが同じくPrime Videoのサポートを期待するのは無理もない。でも少なくとも今日(米国時間12/14)の時点では、それはない。

迷惑するのは消費者だから、AmazonとGoogleが仲良くできないのは、みっともないことである。

これまでAmazonの買い物客が、あの人気の高いストリーマーを見つけられなかっただけでなく、ChromecastにPrime VideoがなければFire TVにGoogleのYouTube TVがない、という不毛なやり合いになっている。これらのストリーミングサービスのどちらにもアクセスできることは、どんなメディアプレーヤーにとっても重要なセールスポイントだ。Rokuのような、どちらか片方だけに与(くみ)しないプラットホームに人気集中するのも、当然だ。

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Puma、1986年の最高にマニアックなシューズRS-Computerを再発売

今どき自分の歩数を測定するのに困ることはない。しかし、自分がそうしていることを他の人に確実にわからせるにはどうすればいいだろうか? これみよがしにスマホや時計を5分毎に見るのは面倒だ。では、今ここに歩数管理コンピュータが靴の外に飛び出していて誰が見てもわかるようになっている靴があると言ったらどうだろうか? それはPuma。1986年に生まれ、2018年に再び生まれる——ほんの少し。

RS Computerはパーソナルコンピューター時代初期に起きたつまづきのひとつだ。みんなAmigaやMacを買っているのだから、コンピューターシューズも買うに違いないと誰もが思った。そうはならなかった。言うまでもなく。

しかし、1986年にまったくクールでなかったものが、30数年たった今、不思議と人を引きつける。しかも、歩数をチェックしたくなるたびにコマンドラインインターフェースのパソコンと専用16ピンケーブルでつなぐ必要がなくなった。

そう。再発売されたRS Computer(RSは “running system”の意味で “robo-shoe” ではない)は明後日、限定小売店舗でごく限られた数だけ販売される。エレクトロニクスは小さくするのではなく(その気になれば実際完全に隠すこともできた)、現代のデバイスで使えるようにするためにのみ変更された。そのとおり——Apple IIeやCommodore 64を引っ張り出す必要はない。

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  2. puma-rs-computer-3

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あのケーブルの代わりにBluetoothがあり、ユニットの中にある加速度センサーば歩数や距離をもっと正確に測ってくれるだろう。最大30日分のデータを保存可能で、micro USB経由で充電する。

私はこの巨大コンピューターに文字通りネジがついていているのが気に入っている、赤と黒のボタン(バッテリーの端子に似ている)はおそらく何の役目も果たしていないだろうがそこにある。これは間違いなく人々の注目を集める靴だ。調子に乗ってCasioの電卓時計をはめてZack Morrisの巨大携帯電話を持ったりしないこと。それはやりすぎと言うもの。限度を知ることが大切だ。

86足のRS Computerが明後日(米国時間12月13日)、ロンドン、ベルリン、東京のPumaストアおよびKithを始めとする少数の小売店で販売される。今すぐ地元の店に電話をして在庫を確認すべきだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ライカ、決定的瞬間のためのCLストリートキットを発売

Leicaの高価——だが魅力的——なCLは、中古のトヨタカローラ以上払うことなく手に入るオリジナルライカにいちばん近いカメラだ。昨年発売されたこのCLは、事実上Mシリーズの機能削減モデルで、この一年間レビューで激賞されている。そしてクリスマスシーズンの今、LeicaはCLとズミクロンTL 23 mm/F2 レンズをセットにしたStreet Kitを発売した。このフラットパンケーキ・レンズは「報道写真で実証済みの35 mm相当」レンズで、中央ヨーロッパの暗い路地をさまよいながら撮るストリートショットにも十分だ。

そして悪いニュース。Leicaは伝統的に最高の出来栄えのカメラ機器を最高の価格で提供してきたが、これも例外ではない。おそらく次のミレニアムまで使い続けられるであろうカメラを手に入れられる特権を、わずか4195ドルで買うことができる。これはMシリーズよりかなり安いが、あなたのスマホについているカメラと比べると相当高い。このパッケージはカメラとレンズを別々に買うよりも800ドル以上安い。

ともあれ、堅牢で念入りに仕上げられた美しいカメラのセットが、今も存在しているところを見るのは嬉しいものだ。それに、フォトグラフィックアートの創造には、この入場料を払う価値があると思わないだろうか? Leica愛好家のアンリ・カルティエ=ブレッソンはこう言っている、 “Au fond, ce n’est pas la photo en soi qui m’interesse. Ce que je veux c’est de capter une fraction de seconde du reel.”[つまるところ、私の興味は写真そのものにはない。やりたいのは現実の一瞬を切り取ることだ]。

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QualcommがSnapdragon 855と新しいアンダーディスプレイ指紋センサーを発表

今週Qualcommは、マウイで今年のSnapdragon Summitを開催して、プレスやアナリストたちももてなしている。残念ながら行けなかったわれわれにも、Qualcommは2週間前にそのニュースのプレビューをくれている。その三日間を同社は、5Gへのフォーカスで幕開けすることに決め、また新製品Snapdragon 855モバイルプラットホームのプレビューもあった。そのほか同社は、ディスプレイの裏に実装する超音波利用の指紋判読センサーの発表も行った。

おたくのご近所に5Gのタワーが出現するのはまだ先の話だと思うが、その話題は数年前から過熱しているから、そろそろ5Gが現実になる、と言っても過言ではないだろう。AT&TとVerizonは今週マウイで5Gのネットワークをデモしている。Qualcommによるとそのイベントは、“5Gのお披露目パーティー”だそうだ。今後数か月間はたくさんの参入企業が、これと同じ言葉を使うだろうね。

短期的にそれよりおもしろいと思われるのは、同社が同じく今日(米国時間12/3)発表した新たなフラグシップ、855モバイルプラットホームだ。記者やアナリストたちに詳細は提供されなかったが、同社は855が“世界初のマルチギガビット5Gをサポートする商用のモバイルプラットホームだ”、と強調した。

また855は新しいマルチコアAIエンジンも目玉で、前のモバイルプラットホームに比べ3倍のAIパフォーマンスを提供、さらにまた、コンピュータービジョン専用シリコンにより、高性能なコンピューテーショナルフォトグラフィー(GoogleのNight Light的なもの)やビデオキャプチャーがサポートされる。

この新しいプラットホームはゲーム用に最適化されている、と同社は言う。そのプロダクト名
は“Snapdragon Elite Gaming,”だが、詳細は不明。さらにARの追究も継続し、Qualcommはそれを“extended reality”という独自のブランドで呼んでいる。

でも今回いちばんおもしろいのは、ニュースの最後に登場した脇役かもしれない。すなわち指紋センサーが今やスタンダードになり、中級機のスマートフォンにも載る。その新しい3D Sonic SensorsでQualcommは、ディスプレイの裏に鎮座する高性能超音波指紋ソリューションを約束する。ある意味でこれは、Qualcommの既存のディスプレイ直下型センサーの新しいブランド名だが、新しい技術もある。そこで今回の売りは、指紋スキャナーが、汚れたディスプレイや、ユーザーが画面保護膜を使っていても、十分に機能するという点だ。目の前に迫っているMobile World Congressには、この新しい指紋スキャナーを搭載した新しいフラグシップスマートフォンが、かなりの数、登場するのかもしれない。

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Duet Display 2はハードウェアアクセラレーションを使って効率アップ

Duet DisplayはiPadをMacのセカンドモニターにするアプリだ。このほど大幅に効率を高めるメジャーアップデートを行った——CPU使用量が減り、本物の外部ディスプレーとして認識されるようになった。

Duet Displayを過去数年間使ってきた人は、改善ではなく改悪となる変化を経験しているかもしれない。ある時AppleがmacOSを改訂してDuet Displayの方法を使えなくしたからだ。

Duet Displayは代替手段としてAirPlayを使うしかなかった。その結果アプリの機能は限られ、上下に黒いバーの入る16:9画面がいくつか使えるだけになった。

しかしそれは過去の話で、Duet DisplayはGPUアクラレーションを活用する方法を発見した。これは、あなたのiPadがmacOS設定にディスプレーとして現れることを意味している。消費電力も小さくなるはずだ。私の経験では通常の外部モニターにずっと近くなった。移動が多く大画面を必要とする人には優れた解決策だ。

Luna Displayはハードウェアドングルを使って同じことをしてきた。Duet Displayはこのアップデートでライバルに追いつこうとしている。

バージョン2.0へのアップデートは無料。iPadとMacの両方に最新バージョンをダウンロードすること。新規ユーザーはDuet Displayを10ドルで購入できる。年間20ドルまたは25ドルの追加料金を払うと、ワイヤレス接続やApple Pencilサポートなどの追加機能が利用できる。

アップデート:Duet DisplayがLuna Displayについてこう言っている:

[誤解のないように言うが、追いついたのではない。うちの方が速いしすべてソフトウェアで価格はほぼ10分の1。つまりLunaは時代遅れだ。]

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Laco RAD-AUXは「フォールアウト」の世界から飛び出したウォッチだ

Lacoはドイツの小さな時計メーカーで、Fliegerシリーズで知られている。大型の竜頭と見やすい文字盤のパイロット向けにデザインされた腕時計だ。このほど同社は aBlogToWatchと提携してして、ゲームFalloutにテーマに廃墟のVaultから出てきたような時計を作った。

価格は2950ドル。ムーブメントはETA 2824.2、側とバンドは本格的アンティーク調で、ケースは1950年のA-Bombミリタリーに立ち返ったデザインだ。限定143台の生産で予約受付中、3月に出荷予定だ。パッケージ全体がゲームFalloutシリーズからでてきたようなルックスだ。なおゲームを開発したBethesdaは本製品には関わっていないが、あらゆる部分がFalloutユニバースへのオマージュだ。

この製品で特に興味深いのは、aBlogToWatchとの提携だ。人気の腕時計ブログでAriel Adamsが運営している。この種の連携は概して面白みのないブランド時計に、醜いブログロゴがどこかに隠されているケースという結果に終わるものだ。しかしこのパートナーシップはLacoとAdamsのきのこ雲の上を飛ぶイマジネーションから生まれた。ともあれ、これは3DプリントのPip-Boyをまだ見たことのない人にはたまらない一品だ。Vault住民に幸あれ!

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プラハ旧市街を360度パノラマで撮った(ような)405ギガピクセルの巨大写真を見よう、世界記録かもしれない

Jeffrey Martinは巨大なパノラマ写真で世界を撮影していて、その写真をマウスでさっとスワイプすれば友だちの家などにも行ける。今回彼は自分の記録を塗り変えて、プラハの旧市街の幅90万ピクセルの写真を、6か月かけて制作した。

その写真はここで見られるが、その総球体解像度は405ギガピクセルというすごい数値だ。Martinは600mmのレンズと50MPのデジタル一眼レフカメラを使って、旧市街のほとんどあらゆるものの写真を撮った。カテドラル・コンドミニアムやプラハ城も見れるし、道路標識や看板、それに鳩も分かる。それは、美しい都市の美しい眺望だ。

Martinによると、撮った写真の後処理に6か月以上かかり、数千点の写真と加工を必要とした。どのファイルもPhotshopが扱える最大サイズの6倍の大きさで、部分写真の貼り合わせには細心の注意を要し、ものすごく苦労した。

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ドローンが初めて臓器移植用の腎臓を運び結果は良好

ドローンを使う配送に実用性があるのは、二つの分野だけではないだろうか: テイクアウトと臓器移植だ。どちらも、荷重が比較的軽いし、しかも時間要件がきわめて厳しい。そして確かに、冷蔵ボックスに収めた腎臓を運ぶボルチモアでの実験は、うまくいった。このぶんでは、良質な装具に収めたあなたの昼食のパッタイも、無事に早く届くだろう。

このテスト飛行を行ったのは、外科医のJoseph Scaleaが指揮するメリーランド大学の研究者たちだ。Scaleaは、空輸では十分な柔軟性が得られないことに不満を感じていた。そして、そのいわゆる‘最後の1マイル問題’の当然のようなソリューションが、ドローンだと思った。

Scaleaと彼の同僚たちはDJI M600ドローンを改造して冷蔵ボックスを運べるようにし、飛行中の臓器の状態をモニタするためのバイオセンサーを設計した。

数か月待って、彼らの研究に腎臓が与えられた。それは、テスト用には十分だが、移植用には使えない、という状態のものだ。チームは、ボルチモアに到着したそれをコンテナに収め、距離と条件がさまざまに異なる14の旅程ミッションを実行した。最長は、病院までの距離が3マイル(約5キロメートル)、最高速度は時速67.6キロメートル(42マイル)だった。

腎臓の生検は飛行の前後に行われ、また小型の航空機による参照飛行のあとにも行われた。小型航空機は、中距離の臓器輸送によく使われている。

画像クレジット: Joseph Scalea

結果は良好だった。風や、ドローンのモーターの熱などが心配されたが、モーターと回転翼が離れているドローンを選ぶなどで対応し、ボックスの温度は冷凍よりやや高い摂氏2.5度が維持された。ドローンの振動や機動によるダメージは、見受けられなかった。

ドローンにも、そして臓器の輸送方法にも規制があるので。このような配送方法が近日中に実用化されることはないだろう。しかしこのような研究が、規制の改定の契機になると思われる。リスクが定量化されれば、腎臓や肝臓、血液などの組織や、そのほかの重要な医療用品を、この方法で輸送できるようになる。多くの場合、一分一秒を争う状況で。

とくに有益なのが、災害現場だろう。航空機はもちろん、陸上車両もそこへ行けない状況がありうる。そんなとき、ドローンは必要な品物を届けられるだろう。しかしそうなる前には、飛行によって血液が凝固しないなど、実用化に向けての十分な研究が必要だ。

この研究の詳細は、IEEE Journal of Translational Engineering in Health and Medicineに載ったペーパーに書かれている。

画像クレジット: Joseph Scalea/メリーランド大学ボルチモア校

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