Waymoの360度ビデオを見ると自動運転車の仕組みがよく分かる、VR体験もあり

Uberに対する厄介で高価な訴訟が一段落した今、Alphabetの自動運転部門Waymoは、そこから一歩踏み出して、自動運転車の仕組みを一般大衆に教育しようとしている。

同社はブログ記事で、Waymoの自動運転車はこれまでに公道を500万マイル(805万キロメートル)走ったと発表し、Waymo 360-degree Experience(Waymoの360度体験)と名付けたビデオをリリースした。

360度で撮られているこのビデオは、Waymoの車がライダーやレーダー、カメラ、コンピュータービジョンなどを駆使して、自分のまわりの世界を見るだけでなく、近くの物の動きを予測することを見せてくれる。実際に、Waymoの自動運転車に装備された技術は、300ヤード(274メートル)先の物を見分けることができる。

このビデオは、アリゾナ州フェニックスで走行中に撮られた。そこは、Waymoの自動運転車が公道の上など現実世界の状況でテストされた25の都市の一つだ。

都市内の本物の道路を500万マイル走っただけでなく、Waymoはそのソフトウェアを、2017年に、シミュレーションやプライベートなテストコースで累計27億マイル(43億キロメートル)走行してテストされている。同社によると、いずれWaymoの車は、平均的アメリカ人が1年間に走るぐらいの距離をドライブするだろう、という。

膨大な量のテストをしなければならないのは、たった一つの事故でもこの新しい産業を後戻りさせてしまうからだ。一般大衆からの信頼と信用、これが克服すべき最大のハードルだ。そのためWaymoは、その徹底的なテストを、大衆が信頼する気になるレベルの体験にまで達しさせたい、としている。

このビデオは、デスクトップ、モバイル、そしてVRヘッドセットで視聴できる。

編集者注記: 原文ではWaymoの仮想世界での走行履歴が270万マイルとなっていた。正しくは、27億マイルである。

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Alphabetの2017Q4は新会長John Hennessyが期待されずコスト増も続き市場が嫌気

Googleの親会社Alphabetのこれまでの絶好調は、第四コーナー(2017Q4)で急ブレーキがかかった。それはこの、広告で巨費を稼ぐ巨大企業に対するウォール街の期待を裏切り、株価を5%下げ、数十億ドル相当の時価総額を削り取った。

広告システムの大部分はGoogleが保有し、今でもコンスタントにお金を刷り続けているが、最近では自社ブランドのハードウェアやクラウドコンピューティング事業など一連の大きな投資を通じて業態の多様化に努めている。“その他の売上”が伸びているからその努力は報われつつあり、“その他の投資”も年々増加している。しかしそれでも、同社の前方に横たわる難局を示唆すると思われる、二つの兆候がある。

今四半期では、他の大手テクノロジー企業と同様、Googleも税法の改正により99億ドルの税額支払いを記帳している。以下が、そのスコアボードだ:

  • 売上: 323億2000万ドル, ウォール街の予想318億7000万ドル, 前年同期比24%増
  • 利益: 一株あたり9ドル70セント, 予想は9ドル98セント
  • その他の売上: 47億ドル
  • その他の投資: 4億900万ドル
  • TAC*(売り上げに対する比率): 24%
  • 有料クリック(前年同期比): 43%
  • クリックコスト(前年同期比): -14%
  • クリックコスト(前期比): -6%

〔*: TAC, traffic-acquisition costs〕

昨年12月にEric Schmidtが、2004年以来の会長の座を降り、John Hennessyが新しい会長になった。〔が、市場は好感せず〕

とりわけ、これまでの各四半期は、売上に占めるトラフィック獲得経費(TAC)が、じわりじわりと増えてきている。それはまだ、赤信号というほどではないが、今後ますますモバイルへのシフトが大きくなることを考えると、将来に向かっての暗い材料ではある。アナリストたちの予測でも過去二回にわたってこの問題が指摘されているが、依然として増加傾向は続いている。

[上がり続けているTAC]

これまでひたすらお金を刷り続け、ウォール街の予測を上回ってばかりいた同社にとって、今日は意外な躓(つまづ)きの石が待っていた。この第四四半期の決算が発表された直後に、株価がダウンしたのだ。同社の株価は、過去一年で50%近くも上がっていたのに…。

[2017年には株価も絶好調]

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AlphabetがXムーンショット生まれのサイバーセキュリティ企業Chronicleをローンチ

あなたが、まだ間違って“Google”と呼んでるかもしれないAlphabetが今日(米国時間1/24)、新しいサイバーセキュリティ企業Chronicleのローンチを発表した。それは、企業のハッカー検出と撃退能力を高めることがねらいだ。ChronicleはAlphabetのXムーンショットグループから巣立ち、今ではGoogleなどと同じく、Alphabet傘下の単独企業だ。

Google VenturesからXに入り、その前はSymantecのCOOだったStephen Gillettが、この新会社のCEOになる。

最初にChronicleは、二つのサービスを提供する: 企業向けのセキュリティインテリジェンスとアナリティクスのプラットホームと、マルウェアやウィルスをスキャンするVirusTotalだ。後者はGoogleが、2012年に買収したセキュリティ企業だ。

Gillettが書いた記事によると、Chronicleの基本的な目的は、企業のセキュリティの盲点や死角を取り除き、企業が自分たちのセキュリティの全容を細部まで明確に把握できるようにすることだ。Gillettはこう書いている: “企業のセキュリティチームのスピードと実効性を今の10倍にしたい。そのためには、彼らにとってこれまで見つけることが困難だったセキュリティ関連のさまざまなシグナルを、容易に、はやく、そして低コストで捕捉分析できるようにしてあげることが、重要だ。Chronicleが提供するインテリジェンスとアナリティクスのプラットホームは、それを可能にする”。

XのCaptain of Moonshots(ムーンショットのキャプテン)、Astro Tellerによると、“企業のセキュリティチームが攻撃を見つけて調べるために必要な情報は、その企業の既存のセキュリティツールやITシステムの中にある。しかしそれらは膨大な量のデータの中に隠れているから、簡単には見えないし、理解も利用もできない”。

Chronicleのプラットホームは目下構築中で、まだその全貌は見えない。GillettによるとそれはAlphabetのインフラストラクチャの上で動き、機械学習と高度な検索能力により、企業によるセキュリティデータの分析を助ける。そしてChronicleのサービスはクラウドから提供されるので、“企業のニーズの伸縮に応ずる柔軟性とスケーラビリティがあり、企業自身が新たなセキュリティソフトウェアを実装したり管理する必要がない”。

このような、クラウドからのセキュリティサービスはChronicleが初めてではなく、ログを分析する専門企業もあり、またIBMなどもエンタープライズ・セキュリティには力を入れている。そんな競合環境における、Chronicleの差別化要因が何になるのか楽しみだ。

現時点で提供できる詳細情報があまりないことは、Alphabetも認めているが、今Chronicleのサービスは、いくつかのFortune 500社の協力により、アルファテストを行っている。

Chronicleは今日(米国時間1/24)の午後プレスコールを行うので、サービスの詳細が分かり次第、この記事をアップデートしたい。

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Eric SchmidtがAlphabetの会長の座を降りて‘テクニカルアドバイザー’になる

休日を控えて、すこし遅すぎたニュースかもしれないが、長年Googleの役員を務めたEric Schmidtが今日(米国時間12/21)、Alphabetの取締役会の常勤会長の役割を降りる、と発表した。

Alphabetは本誌TechCrunchに、この異動を確認し、Schmidtの声明を提示した。

その声明中で彼は曰く、“Larry, Sergey, Sundar, そして私の全員が、この異動がAlphabetの進化における正しいタイミングだと信じている。Alphabetという構造体は良好に作動しており、Googleおよびそのほかも栄えている。最近の数年間の私は、自分の時間の多くを科学とテクノロジーの諸問題、および博愛事業に費やしており、今後はその仕事を拡大するつもりだ”。

Schmidtは2001年にGoogleに加わり、ファウンダーのLarry PageとSergey Brinの強い要請によりCEOの座についた。それまでの彼は、Sun MicrosystemsとNovellに在籍した。Googleが2004年にIPOしたときは、この三人組があと20年間一緒に仕事をすることを誓った、といわれている。

しかしご存知のようにSchmidtは、2011年にバトンをPageに渡した。4年後、Googleの構造再編でAlphabetが生まれたとき、PageがそのCEOになり、GoogleはSundar PichaiがCEOになった。

今回の再度の異動についてAlphabetは詳細を明らかにしていないが、Pageは自分の声明の中で、何事(なにごと)にも積極的であったSchmidtについて述べている: “2001年以降、Ericはわれわれにビジネスとエンジニアリングの専門的能力と、テクノロジーの未来に関する明快なヴィジョンを提供した。17年間の奉職のさらなる継続として彼は、科学とテクノロジーの諸問題に関するテクニカルアドバイザーとして、われわれを助けてくれるだろう。弊社が成し遂げつつある進歩と、そのイノベーションを駆動する強力なリーダーがいることに、私はとても感激している”。

Alphabetは、来月の会議で新しい会長を任命する。今度は、非常勤タイプになるだろう。SchmidtはAlphabetの取締役会に残り、“テクニカルアドバイザー”〔技術顧問〕という、やや軽い役職になる模様だ。その具体的な仕事はまだ不明だが、いずれにしても2004年の誓いどおりに、彼は2024年までは在職するのだろう。

声明の全文はAlphabetの投資家サイトで読める。

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YouTubeが子ども向け/子どもが登場する悪質ビデオの排除基準をより具体化

YouTubeは、Web上の最良のコンテンツと最悪のコンテンツのごった煮にようなサイトだが、これからは子ども向けビデオにおける虐待や間違いを厳しく取り締まる気だ。おふざけビデオや倫理的にいかがわしいビデオで子どもをターゲットにしたり、利用したりしている連中は、ビューを稼ぎお金を稼ぐことが難しくなるだろう。

子どもたちはYouTubeのアルゴリズムが提案/推薦するビデオをよく見ているから、一部のユウチューバーたちは自分のコンテンツをそういう子ども向けストリームに忍び込ませようとする。たとえば自作のビデオにPeppa Pigを登場させれば、YouTubeのアルゴリズムはそれを、フレンドリーな架空の動物が現れる子ども向けビデオだ、と認識する。するとそのPeppa Pigは、屠殺場へ連れて行かれるのだ。退屈しているティーンにとっては笑えるかもしれないが、スポンサーを失いかねないYouTubeの広告部門にとっては、嬉しくない。

子どもが登場するけど子ども向けでないコンテンツも、厄介だ。血だらけの真っ赤な口をした小さな女の子が二分間泣き続けるビデオに、なぜ1億5000万ものビューワーがいるのか、ぼくには理解できないが、理解したくもない。でも、自分の子どもが見るビデオのキュー〔自動再生〜次の動画、など〕にそれが入っていたら、嬉しい親はいないだろう。

この“上昇中のトレンド”と戦うためにGoogleは、子ども向けコンテンツにいくつかの制約を設けた:

  • コントロールの強化 こんな警告: “未成年者が登場するが、それがアップロード者の意図ではなかったとしても、子どもを危険にさらすおそれがある”…これは血だらけの口のケースだ。そして、“ファミリー向けのキャラクターが登場するが、テーマやユーモアは大人向けである”。

  • いかがわしい子ども向けビデオは広告料無払い Peppa Pigがハムになるビデオは広告料がもらえない。
  • 悪質なコメントの監視と排除 YouTubeのコメント欄は、Penny Arcadeに言わせると、“樽の底にまた樽があり、その樽の底にも樽があり〜〜、それらの樽の中には病気の鼠が大量にいて、腐った下水の中へ次々と飛び込んでいる”。登場(出演)している子どもに対する不適切で忌まわしいコメントのあるビデオは、コメントだけでなくビデオごと消去される。
  • コンテキストを正しく理解する たとえば、Rick & Mortyは漫画だから子どもが見てもよい、とは言えない。同様に、本来は子ども向けのDora the Explorerが、(なぜか?)セクシーなコスプレになっていたら教育コンテンツではないだろう。

以上、YouTubeは、“監視を手伝ってくれるエキスパートを増員し、また、悪質ビデオの報告協力者(Trusted Flaggers)の数も増やして”、 摘発を強化していく、と言っている。

これで親たちが自分の子どもに、屠殺のやり方を質問されたり、なぜバナナにハンモックが必要か聞かれたりすることが、なくなるといいけどね。〔banana hammcok, 男性用Tバック下着のこと〕

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Alphabet、第3四半期決算好調――クリック単価もひさびさのアップ

今日(米国時間1/26)、Googleの親会社、Alphabetは、きわめて好調な四半期決算を発表した。アナリストの予測を大きく上回っただけでなく、さらに印象的な要素は、ここしばらく低下を続けていた重要な数値が成長に転じたことだろう。

その数値というのはクリック単価(cost-per-click)だ。クリック単価は広告の価値を測る重要な指標だが、対前期比で1%の上昇をみせた。対前年比では依然として18%のマイナスだが、今期のわずかな上昇はGoogleの広告ビジネスにとって重要な一歩だ。モバイル化と共にオンライン広告市場では競争が激化としているとはいえ、Googleの広告が他のプラットフォームに脅かされれてはおらず、依然として中心的な地位を占めていることを示すものだろう。

クリック単価の低落傾向はここしばらくGoogleが苦しめられてきた問題だった。まず昨年、2016年の第1四半期に、クリック単価が対前年比で減少した。このときは対前期ではプラスマイナスゼロだったが、その後は両者ともマイナスに転じた。Googleはクリック単価の低下を補うために総クリック数の増大を図らざるを得ないことになった。もちろんクリック総数は対前年比で増加を続けており、今期は47%アップしている。

今四半期の好調な決算発表を受けてAlphabetの株価はアップし、Googleの時価総額には数十億ドルが加わった。記事末に決算の主要な数値をまとめておいたが、この午後、株価は1000ドルを超えた。今日のアップ分を加えて、Alphabetの株価は今年29%アップしている。

今回の決算に対するひとつの説明は、 Googleのトラフィック獲得コスト(TAC)に関するものだ。今期、GoogleのTACは広告売上に対して23%を占めた。 これは対前年比でわずかなアップだが、アップには違いない。ウォールストリートはこの点と、さらにAlphabetの他の「賭け」が成功するかどうか注意深く観察しているはずだ。

「その他の賭け」、つまりNestやFiberなどGoogle本体以外の事業についてみると、前期の68億ドルから今期の87億ドルへと売上は増大している。また赤字のコントロールにも成功しているようだ。前年同期の8億6100万ドルから今期は8億1200万ドルへと赤字額もわずかに減少した。

第3四半期決算の主要数値は以下のとおり。

  • Q3売上:278億ドル。アナリスト予想は272億ドル
  • Q3利益: 1株当り9.57ドル 。アナリスト予想は8.33ドル
  • その他事業: 売上87億ドル、損失8億1200万ドル
  • 売上TAC比率: 23%
  • 有料クリック総数: 対前年比47%アップ
  • クリック単価: 対前年比18%ダウン、対前期比1%アップ

画像: Jeff Chiu/AP

〔日本版〕原文では「その他事業」の損失が$861 millionとなっているが、記事本文およびAlphabet発表を参照して$812 millionに訂正。なおAlphabet株価は一時1005ドルをつけたが現在はやや戻して991ドル前後となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lyft、評価額11億ドルで10億ドル調達――AlphabetのCapitalGがリード

ライドシェアリングの有力企業、Lyftが新たに10億ドルの資金を調達した。これにより同社の資金調達後後評価額は110億ドルとなった。このラウンドをリードしたのはGoogleの親会社、AlphabetのCapitalGだった。グロース投資に特化したベンチャーファンド、CapitalGのパートナー、David LaweeはLyftの取締役会に加わる。

Lyftはこのニュースを公式ブログで発表し、これまでに 5億回の営業走行を達成しており、アメリカでは人口の95%をカバーするようになったと述べた。カバー地域は今年の始めには54%に過ぎなかったという。

Lyftは今年4月に75億ドルの評価額で6億ドルを調達している。投資パートナーにはカナダの公務員年金基金が含まれる。また9月にはAlphabetが関係する投資家から10億ドルを調達することを明らかにしていた。

興味深いことにAlphabetのグロース投資ファンドはUberに対する初期の投資家の一つでもあった。 しかしその後Alphabetグループの自動運転車企業、WaymoはLiDARテクノロジーに関する企業秘密を不当に利用したとしてUberを訴えている。こうしたことが原因となってAlphabetとUberの関係は緊張したものに変わったようだ。

LyftもWaymoと提携したことを去る5月に発表している。これはLyftの自動運転テクノロジーに関するオープン・プラットフォームの一環とみられる。

取材中…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alphabet子会社のSidewalk Labsが、Torontoのウォータフロントを理想のスマートシティにする

スマートシティテクノロジーに力を注ぐSidewalk Labs(Alphabetの子会社)は、トロントの東部ウォータフロント地区に完全な多目的のコミュニティを構築しようとしている。最先端の建築技術、自動運転、天候を活かしたエネルギーシステム、その他のイノベーションを使って、生活地域をゼロから構築するのだ。もちろんコネクテッドテクノロジーに焦点を当てて、手頃な価格でアクセスできることも目標である。

これは明らかに野心的なプロジェクトだが、基礎作業のいくつかは既に先行している:(アルファベットの子会社の)Googleは、”Quaysaide”と呼ばれるこの新しい地区に居を構えて、東部ウォータフロントの旗艦テナントとなる。そしてSidewalk Labsはトロント市と提携して、パイロットテストと計画を開始するために、5000万ドルを拠出した。

Sidewalk Labsは、Waterfront Trontによって発行された提案依頼書(RFP)に応じた契約を締結済みだ。Waterfront Trontとは、カナダ連邦政府、オンタリオ州政府、トロント市が共同で構成している組織で、トロントの湖畔地域の開発を促進することを目的としている。気候の変動を意識し、市民が効率よく移動できることを考慮しながら、市街地の広がりを計画するのだ。

RFPに記載された、Sidewalk Labsが行政との共同プロジェクトで関わるエリアは、およそ324ヘクタールの広さに及んでいる(このうちの4.9ヘクタールは最初に用途が決められている)。そしてこれは現在開発中の北米最大の都市エリアである。これはスマートシティを最も初期段階から構築したいと考えるSidewalkの野望に対する良いターゲットとなっている。Sidewalkの発表によれば、最終的には、計画のパートナーたちはこのエリアを「何千人もの人々が暮らし、仕事をし、学び、遊び、そして街の生活を改善する新しいアイデアを創り、進めて行く場所」に変えたいと願っている。

Googleはそのカナダ本社と、およそ300人の従業員を、対象地区内の新しい事務所に移転させる予定だ。そして道路工事を含む、洪水を防ぐインフラストラクチャや、その他の必要な建築物は、市、州、連邦政府が共同で出資する12.5億ドルのファンドで賄われる。

居住者たちとステークホルダーたちを集めたコミュニティタウンホールでのキックオフイベントが、11月1日に予定されている。このニュースは、AlphabetのチェアマンであるChairman Eric Schmidtが、Sidewalk Labs CEOのDan Doctoroff、カナダ首相のJustin Trudeau (そう、夢想家の彼だ)、オンタリオ州知事Kathleen Wynne、そしてトロント市長のJohn Toryたちと共に、開発地区近くで開催した記者会見で発表した。

タウンホールイベントが重ねられるに連れて、この地域に対する計画はさらに明らかになって行くことだろう。そしてSidewalkは現地の意見を取り入れていく予定だが、このAlphabetの子会社はその目標を以下のように述べている「私たちはこの星を守るために、エネルギー、廃棄物、およびその他の環境課題に対する革新を目指しています:例えばそれは個人所有の車よりも、より手頃で、安全で、便利な様々な移動手段。建物の変化を前提として家や店舗のコストを削減する新しい建築手法。家族の訪問を歓迎し、夜も昼も、1年を通して楽しめる公共スペース。そして誰に対してもプライバシーとセキュリティを損なうこと無く、デジタルテクノロジーとデータで進化した場所などです」。

これは間違いなく、既にシリコンバレーの外では世界で最も活気に溢れ活動的なトロントの街の、テクノロジーとスタートアップシーンを加速することになるだろう。そうした加速こそが、トロントがSidewalkと一緒にプロジェクトを始めたいと思った、大きな理由の1つなのだろう。市はこの地域におけるGoogleによる投資とプレゼンスの強化をずっと望んでいたように思える。Google は現在、カナダ国内の様々なオフィスに、1000人以上の従業員を抱えている。

トロントの、新しいAlphabetシティに関するアナウンスのライブストリーム映像は、以下で見ることができる。


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(翻訳:sako)

HTC、重要情報発表のため株式取引を一時中止――Google、Android携帯事業を買収か?

台湾の有力電子機器メーカー、HTC(TWSE)は事業運営に「実質的な影響を与える情報」を公開するのに先立って、明日の株式取引を中止することを明らかにした。 このニュースはFinancial Timesが先ほど報じた。

この動きはHTCのモバイル事業売却の噂という火に油を注ぐこととなった。スマートフォン市場の激烈な競争をうけてHTCの業績はこの数年、悪化を続けている。

2013年第3四半期に最初の赤字を計上して以後、HTCの四半期決算は赤字が常態化している。 経営陣の刷新、資産の売却、VR分野への進出(Valveと提携)などが行われたものの会社の態勢を立て直すまでにはいたらなかった。

アジアのメディアはいち早くHTCのモバイル事業をGoogleの親会社、Alphabetが買収する可能性を指摘していた。 またChina Times〔中國時報〕 が「HTCはGoogleによる買収を発表するかもしれない」と報道した記事をHTCの投資家向けページが取り上げ、「対策」として「HTCは市場における噂や推測にはコメントしない」と発表したことも注目を集めた。

GoogleがHTCのスマートフォン事業を買収するとした場合、GoogleがAndroidデバイスのメーカーを救済するのはこれが初めてではない。GoogleはMotorola Mobilityを125億ドルで2011年に買収している。その後、2014年にはMotrola事業部は29億1000万ドルでLenovoに売却された。この際、Motorlaが保有していた多数の特許の大部分はGoogleが引き続き保有することとなった。

スマートフォン情報に詳しいEvan Blassは「ある情報源からHTCが9/21に開催する全社員ミーティングへの社内向け招待メールを入手した」とツイートした。テーマには「Googleによる買収」が含まれるとしている(下にツイートをエンベッド)

Blassは、同じ情報源が「GoogleとHTCは交渉を終了し、GoogleがHTCのハードウェア事業のある部分を買収することで合意した」と述べたという。HTCはブランド名を維持し、VRとViveを主力事業としていくということだ。

われわれはGoogleにコメントを求めている。新しい情報が得られしだいアップデートする。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


I

Google親会社のAlphabet、持株会社「XXVI」を設立して2015年の企業再編成を完了

かつてGoogleとして知られた会社 ―― 2015年に「会社の集合体」をAlphabetに再ブランドし、主要な広告収益事業を親会社が100%保有する企業ユニットに移行した ―― がこの事業再編成プロセスをようやく完了すべく、新たな持株会社、XXVI Holdings Inc.を設立した。

BloombergがFCC提出資料を発見し、金曜日(米国時間9/1)に報じた。

同社は声明でこの事実を正式に認め、2015年にAlphabet設立の際に発表した変更を実施するために、組織変更を行った。Google Inc.をGoogle LLCに変更し、Alphabet配下の新たな中間持ち持株会社 としてXXVI Holdings Inc.を設立する」と本誌に語った。

この新持株会社 ―― 命名は典型的なGoogle流で、アルファベットの文字数に由来する (ローマ字表記)―― の設立によってAlphabetは、Googleを今も法的にはGoogleの子会社である、2016年にスピンアウトさせた独立運営部門(たとえば、Uberと法廷闘争中のWaymo)や、 2014年にGoogleが買収したAI部門、DeepMindなどの部門からようやく切り離すことができる。

新持株会社はAlphabet傘下各社の株を保有する。Bloombergによると、これで今も法的にはGoogle傘下にある、いわゆる「その他」の子会社らをAlphabetに移すことが可能になる。その結果、どの会社もGoogleと同じ法的基盤に置かれる。

さらにGoogleは、corporation(株式会社)からLLC(有限責任会社)に形態を切り替えることで、各ビジネスユニットが親会社Alphabetの下で法的に別の事業単位であるという新体制の実態を反映した。

FCC提出資料には、「企業再編成の結果、AlphabetとGoogleはこれまで以上に効率よく、経済的、かつ透明性の高い運用が可能になり、各社は収益活動に専念できる」と書いてある。

Alphabetは再編成によって同社自身とGoogleの運営に関する透明性が高まると主張しているが、Googleの運営については必ずしもそうとは言えない。Bloombergが指摘するように、新体制は、Alphabetの収益源であり今や株主が単一(Alphabet)となり財務状況を公開する義務のなくなったGoogleにベールをかけることになる。従来、Googleは公開企業として財務状況を投資家に開示することが求められていた。

Alphabetの広報担当者は、この再編は法的形式のためと説明しており、最終的に株主によるコントロールや運営、従業員の管理に影響はないと言っている。

Alphabetの再編成は数年前から準備されており、法務部門が著しく複雑な状況(税法上の問題など)に対処する時間が必要だったことを踏まえると、このタイミングが最近の出来事に関係があるとは考えにくい。しかし、このところGoogleに規制の圧力がかかっていることは注目に値する。6月に欧州連合競争法の違反が発覚し、Googleは27億ドルの罰金を支払った。

欧州委員会は反トラスト捜査案件がまだ2件進行中であり、Google事業のほかの部分に関わる訴状を確認していることを示唆している。

最近Alphabet傘下の部門に影響を与えた行政審判は、同社のAIユニット、DeepMindが対象だった。7月に ―― 法的にはまだGoogleの子会社だった時期 ―― 英国のデータ保護監視当局(NHS)は、DeepMindがロンドン国民保険サービスと結んだデータ共有契約が、患者160万人分の医療記録を本人の合意なく共有するものだとして、英国プライバシー法違反と裁定した。

DeepMindがNHSと結んだ当初のデータ共有契約は、患者の個人を特定可能な医療記録の利用を可能にするもので、頑強な法的保護がなされていないことを問題視されていたが、繊細なデータが渡される部門の親会社が、広告の巨人Googleであるという事実から、批判の声が高まっていた。DeepMindがGoogleの広告ビジネスから法的に分離されることで、DeepMindが計画している同様のデータ共有契約 ―― 社内の健康部門経由 ―― に関する懸念が和らぐ可能性はある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleは昨年300億ドルでSnapchat買収を試みた――報道を受けてSnapの株価アップ

Googleがソーシャルメディアで失敗を繰り返してきたことはよく知られている。今回は同社がSnapchatの買収を試みていたことが報じられた。2016年にGoogleはSnapが最後の最後のベンチャー資金を調達する前(もちろん今年の株式上場以前だ)に同社と話し合いを行い、300億ドルという買収金額が示唆されたという。Business Insiderの Alex Heathのスクープによれば、この買収申し出はSnap社内では「公然の秘密」だったという。

しかし独立心が強いことで悪名高いSnapのCEO、Evan SpiegelはGoogleであろうと誰であろうと売却にまったく興味を示さなかったようだ。Snapは上場当初の5月に時価総額300億ドルとなったものの、その後株価は下落を続けて、現在は150億ドル程度に下がっている。

しかしGoogleがSnapに興味を抱いていたというニュースはSnapの株価を2.3%アップさせた。SnapchatクローンのInstagram Storiesの成功に加え、Snap関係者の株売却を禁じたロックアップ期間が 7月で満了し大口の売りが出る可能性が警戒されたことなどからSnapの株価はこのところ下落を続けていた。

Business Insiderの記事に対してGoogleはコメントを避けた。SnapはTechCrunchの取材に対して「噂は真実ではない」と答えた。GoogleのSnap買収の試みがごく予備的な段階であり、Snapのトップにまで達していなかったという可能性はある。

写真はSnapのCEO、Evan Spiegel(左)、Googleの会長、Eric Schmidt(右)

2016年の買収交渉が実を結ばなかった後でGoogleはグロース・ステージ投資組織、CapitalGから200億ドルの会社評価額でSnapに投資を行った。GoogleのEric SchmidtはSnapのSpiegelと以前から親しく、Snapのアドバイサーを務めていた。一方SnapはGoogleのクラウドツールを利用する他、Snapchatが向こう5年間に20億ドルをGoogle Cloudの使用料金として支払う契約を結んでいる。

2016年5月の段階ではSnapにはInstagram Storiesという強敵は現れていなかった。しかし昨年8月2日にStoriesがリリースされ、あっという間に普及し始め、これ以後Snapに対する市場の見方は完全に変化した。

GoogleがSnapを買収できれば、Google+、Buzz、Waveの失敗の後できわめて大きなメリットを得ただろう。Snapの膨大なユーザーの行動データを得て有効なソーシャルグラフを構築する役に立ったはずだ。またSnapも資金力豊富な親会社の下にあれば世界のソーシャルメディアの買収や巨額の投資を必要するARテクノロジーの開発にも有利だったはずだ。人工知能視覚やGoogle検索はSnapのビジネスを改善するために重要な役割を果たしただろう。

両者が力を合わせれば、ハードウェアではGoogle GlassとSnap Spectaclesを統合し、強力かつ魅力的なARデバイスを普及させることができたかもしれない。またGoogleの広告システムはSnapの収益化にとって有益だったはずだ。しかし逆に両者の全く異なる企業文化が破壊的な衝突を起こした可能性もある。

いずれにせよ買収が現実となることはなかった。結局Spiegelがつまづきの石だった。Spiegelと共同ファウンダーのBobby MurphyはSnapの議決権を完全にコントロールできるように会社を組織しており、他の株主の発言権は一切認めていない。つまり当時他の大株主がこぞって300億ドルを受け取ってGoogleグループに加わるべきだと望んでいたとしてもそれをSpiegelたちに強いる方法はなかった。Spiegelはそもそもマーク・ザッカーバーグの買収提案を蹴ったことで有名だ。

われわれがSnapの上場前に書いた記事のとおり、Snapに賭けることは良かれ悪しかれSpiegelに賭けることを意味する。Spiegelは外部の意見を聞かず、自らの第六感に従って行動することで知られている。この第六感は「消えるチャット」という驚くべきプロダクトを生み出した。また買収にも冴えをみせ、Snap BitmojiやAR顔フィルターを実現させている。しかしFacebookという巨人の攻勢にあってSnapが溺れそうな現在でもSpiegelは浮輪につかまることを拒んでいるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AlphabetのXラボがエネルギー蓄積プラント開発中――塩と不凍液でタービン駆動

再生可能エネルギーに関しては経済的な蓄積の方法が大きな課題となっている。これについてはTeslaやトヨタなど多くの企業が解決を試みている。ここにAlphabet Xラボ(以前のGoogle Xラボ)が参入した。 XラボのMaltaプロジェクトは商用電力網に利用できるスケールでの電力蓄積プラントの実現を目指す。

Bloombergによれば、Maltaプロジェクトは高熱の塩と不凍液の一種を利用したタービン発電システムだ。このシステムははリチウム・イオン電池より高い効率で安価にエネルギーを蓄積することを目指している。Teslaはリチウム電池を利用したPowerpackによるエネルギー蓄積をハワイのカウアイ太陽光発電施設でデモした。

MaltaはXラボのムーンショット〔アポロ計画に匹敵するような野心的プロジェクト〕の一つで、Googleの自動運転テクノロジーやGoogle Glassのここから生まれた。Xラボではいくつか異なるタイプのエネルギー関連テクノロジーを開発しているいるが、Maltaがもっとも有望であるらしい。

作動の仕組みはこうだ。2種類のタンクを設置し、一方に塩、もう一方に不凍液(に似た炭化水素液)を満たす。太陽光、風力などの再生可能エネルギー源から生み出された電力でヒートポンプ(冷蔵庫に似た仕組)を動かし、高温の空気と冷気を作り出す。高温空気は塩を加熱し、冷気は不凍液を冷やす。電力を取り出す必要が生じると、プロセスを逆転し、発生した高圧気体でタービンを駆動して発電する。

再生可能エネルギーでは発電のピークと需要のピークが一致しない。このギャップを埋めるためにエネルギーを蓄積する手段が必須となる。 化石燃料や原子力などによる発電の場合、電力需要が増加すれば簡単に発電量を増加させることができる。太陽光や風力では発電量は自然が決めることになる。往々にして自然のスケジュールは人間の都合とは一致しない。

従来の再生可能エネルギーではピーク時の需要に応えるのが難しく、逆に需要のない時間帯に過剰に生産されたエネルギーは捨てるしかなかった。これに対してMaltaやTeslaのPowerpackは閑散期にエネルギーを蓄積しピーク需要に対応できるようにすることが目的だ。政府や電力会社が再生可能エネルギーを重視するようになるにつれ、エネルギー蓄積テクノロジーの重要性はますます増加している。

〔日本版〕リンク先Bloomberg記事にプラントの概念図が掲載されている。塩/不凍液のタンクが2組、4本ある。どのようにしてタービンを作動させる高圧気体を発生させるのかなど詳しい仕組みは不明。トヨタが開発中の新しい固体電池についてのTechCrunch記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alphabet、EU制裁金27億ドルをよそに売り上げは好調

Alphabetの広告ビジネスは、EUから課せられた巨額の制裁金をよそに恐ろしいペースで成長を続けている ―― しかし、兆候のすべてがGoogleの完璧な未来を指しているわけではない。

EUは、 Googleのショッピング比較検索が反トラスト法に違反しているとして、6月末に27億ドルの制裁金を課した。Googleは今日の第2四半期決算にそれを盛り込んでいるが、売上は前年比20%増で「有償クリック数」も52%跳ね上がった ―― 基本的に有償クリックはGoogle広告を見る人口だ。利益以外の部門は予測を上回った。

しかしGoogleの決算報告には見過ごされがちなものがある。「トラフィック獲得コスト」(TAC)がGoogleの売上に占める割合は前年より増えている。昨年第2四半期は広告売上の21%だったが、今年は22%だ。わずかな違いに思えるかもしれないが、TACの増加は良くない兆候でありウォール街に対するネガティブな信号になりかねない。

決算報告が発表された後すぐ株価は最大3%下落した。同社株は今日1000ドルを越えたが、今後伸びていくためにはこうした課題を解決するシナリオが必要だ。先月は多少困難があったにもかかわらず、今年に入ってGoogleの株価は25%以上値上がりしている。

TACの増加は徐々にではあってもGoogleの今後にとってリスクになりうる。たとえ有償クリック数が増え続けたとしても、コスト増はバランスシートを圧迫する要因だ。Nestなどの新事業による「その他の賭け」(Other Bets)を追求する今も、Alphabetを推進するのはGoogle本体だ。Googleは今、副次的プロジェクトの無駄を省き、真のビジネスへの転換をはかっている。

Googleの第2四半期の経費は昨年の81億ドルから100億ドル以上へと膨れ上がった。売上は21%伸びたものの、コストがそれ以上に増えている。いずれも小さな兆候だが、Googleの未来を適切に見積ろうとするウォール街が見逃すことはない。

それでもGoogleはEUの制裁金を利益に織り込むことで将来予測を確定したかった。ウォール街はそのレンズを通して今日のGoogleの決算報告を見ている。同社の1株当たり利益は5.01ドル、売り上げは260億ドルで、アナリストの予測はそれぞれ4.46ドルと209億ドルだった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのCEO、ピチャイが親会社Alphabetの取締役に

GoogleのCEO、スンダル・ピチャイ(Sundar Pichai)が親会社、Alphabetの取締役に指名されたことが、今日(米国時間)、同社から正式に発表された

「スンダルはGoogleのCEOとして素晴らしい仕事をしてきた。Googleは規模、パートナー関係、プロダクトのイノベーションなどあらゆる面で力強い成長を遂げた。私はスンダルと仕事をすることを大いに楽しんでおり、Alphabetの取締役となることを嬉しく思っている」とAlphabetのCEO、Larry Pageは声明で述べた。

2015年にGoogle以外の事業を別会社に分離し、全体を持株会社としてAlphabetに再編する決定がなされたときからピチャイはGoogleの責任者を務めてきた。ピチャイは検索、広告、クラウド、マップ始めGoogleというブランド名がつく事業のほとんどを管轄している。AndroidとYouTubeもピチャイの監督下にある。

ピチャイは2004年にGoogleに参加し、Googleのコンシューマー向けプロダクト、エンジニアリング、検索などの責任者を務めてきた。

ピチャイが加わることになるAlphabetの取締役会のメンバーはラリー・ペイジの他に共同ファウンダーのサーゲイ・ブリン、元CEOのエリック・シュミット、Kleiner Perkinsのジョン・ドーア、Googleの上級副社長、ダイアン・グリーンだ。

Alphabetはこの後、株式市場が閉まるのを待って四半期決算を発表する予定。

画像: LLUIS GENE/AFP/Getty Images

〔日本版〕ダイアン・グリーンはVMwareの共同ファウンダー、元CEO

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IT企業トップ5の時価総額合計はいよいよ3兆ドル

(編集部)この記事の寄稿者はAlex Wilhelm

Alex WilhelmはCrunchbase Newsの編集長、TechCrunchのベンチャーキャピタル・ニュース専門のポッドキャストEquityの共同ホスト。 これまでの投稿:

Google Financeのデータによれば、今日(米国時間7/20)、テクノロジー企業のトップ5の時価総額の合計が3兆ドル〔336兆円〕を超えた。市場のテクノロジー・ブームは新たな段階に入ったと言えそうだ。

2000年のドットコム・バブルを象徴したのがNasdaq指数が5000を記録したことだった。New York Timesによれば、テクノロジー企業のビッグ5の時価総額が今や3兆ドルに達したことは、この分野が湧きたち、あらゆる面で新記録が生まれていることの表れだという。

現在の株式市場はテクノロジー市場といってもいい。まずはいくつかの数字を確認し、ここまで来た経緯を振り返ってみよう。

3兆ドルを超えて上昇中

Google Financeの数値をベースにCrunchBase Newsが作成したスプレッドシートによれば、ビッグ5(Apple、Alphabet、Amazon、Facebook、Microsoft)の時価総額合計は3.03兆ドルとなった。Yahoo Financeのデータでは3.002兆ドルだった。

なおWolfram Alpha(これについては後述)では2.978兆ドルという結果を出した。多少の誤差はあるものの全体として3兆ドルかそれ以上という点に間違いないようだ。

この額に達するまでにビッグ5はかなり波乱に満ちた経過をたどってきた。直近52週の最安値と比較すると、現在の株価の上昇率は以下のとおりだ。

  • Apple: 56.63%
  • Amazon: 44.61%
  • Facebook: 44.55%
  • Microsoft: 39.54%
  • Alphabet: 33.45%

52週の最高値と比較するとAppleは3.59%安、.Alphabetは0.24 %安となっているが、全体としてテクノロジー企業の株価が新たな水域に入ったことは間違いない。

さてここに問題はあるだろうか?

影響を考える

冒頭で述べたように、新記録というのはなんらかの頂点を表すことが多い。つまり普通でない事態だ。そしてテクノロジー分野ではこれが起きている。

私は5月にブログでこの点について書いたが、引用してみる。

ビッグ5は急速に13桁〔兆〕の領域に近づいている。テクノロジー企業のトップが現在のマーケットの勢いに乗って記録を更新するなら、あらなNasdaq
5000となるかもしれない。2000年のテクノロジーバブルのとき、この指数はある種の心理的なハードルとして意識されるようになった。テクノロジー・ビジネスが復調してNasdaq 5000が全く過去のものとなったは比較的最近だ。

それからわずか3ヶ月で1兆ドルは実現した。

もちろんテクノロジー企業にはネガティブなニュースもあった。これまで絶好調をうたわれてきた企業が閉鎖されたり、 大規模なレイオフを実施sたりしている。Theranosは危機が続いている。株式を上場したユニコーン・スタートアップの一部は、Blue Apronは苦戦している。しかし全体としてみればテクノロジー市場は好調だ。【略】

ここで。ビッグ5の時価総額の推移のWolfram Alphaのチャートをお目にかけよう。ご覧のように最近一度1兆ドル近くまで行ったが、実際に到達したのは今回が初めてだ。

とりあえずは良いニュース

私がテクノロジー・ビジネスについてCrunchbase Newsで書いてきた記事は非公開企業とそれに対するベンチャー投資に関するものが主だったが、公開企業に動向はこの市場全般を理解する上でも大いに参考になると思う。【略】

非公開企業の会社評価額と上場企業の時価総額はますます乖離していく傾向だ。このため上場に踏み切るユニコーン・スタートアップの数は予想より少なくなるだろう。また上場のためには会社評価額引き下げる必要も出てくるかもしれない。市場が過熱ぎみのときに上場するのは有利だが、これは同時に市場が乱高下したときに多大の損害を被る可能性があることも示している。

時価総額合計1兆ドルという事態は、説明も簡単でしないし今後の予想も難しいが、ビッグ5にとっては大きなマイルストーンとなったのは間違いない。

われわれCrunchbase Newsでは今後もビック5の動向を追っていく。当面、利食い売りが入るまでに株価がどこまで上がるか注目だ。

イラスト: Li-Anne Dias

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Analyticsに音声(+自然言語)で質問できるようになる…まず英語から

自分のWebサイトやアプリの利用状況を知りたくなったら、これからはGoogle Analyticsに直接尋ねることができる。

“先週はモバイルとデスクトップでどれだけトラフィックが違ったかな?”とか、“昨日の新規ユーザーは何名だっただろう?”、“先週はどこの国の人がいちばん多かったか?”、などなどを知りたくなったら、これまでのようにAnalyticsのダッシュボードを開いてチャートを操作しなくてもよい。

単純に、クェリをタイプしたり、大きな声で言うだけでよいのだ。プロダクトマネージャーのAnnissa Alusiが見せてくれたデモによると、まさしく、上の三つの質問*を言うと、それぞれ数秒後に答えのデータを見せてくれる。〔*: 質問…英語である… (1)“What’s the trend of mobile versus desktop traffic last week?”, (2)“How many new users did we have yesterday?”, (3)“What were our top countries last month?”〕

測定分析部門のシニアディレクターBabak Pahlavanによると、音声と自然言語による操作は、そう簡単に実装できるものではなかった。完成まで三年(三か月ではない!)を要し、GoogleがAndroidや検索ですでに使っている自然言語処理技術がなかったなら、もっともっと長くかかっていたであろう、と。

でもなんで、そんなに長期間かけて、こんな一見簡単なユーザーインタフェイスを実装しなければならなかったのか? ダッシュボードで十分じゃん。Googleの高邁な理念によると、ビジター数を知りたいなどの単純なデータニーズは顧客企業の各現場の一般社員が自分自身で簡単に満たせるようにして、データサイエンスの専門技術者を煩わせないようにしたい。彼らには、もっと高度なデータタスクを担当してもらいたい。 Pahlavanの説明によると、音声操作はデスクトップとモバイルの両方で使えるから、一般社員ユーザーは、会議が始まる前とか、これから顧客に会う前とかに簡単に、必要なデータを知ることができる。

Google Analytics voice

Alusiは曰く、“Analyticsのインタフェイスが良くなって、これまでよりもっと多くの人たちが利用できるようになる、という見方もできるわね”。

音声といっても、今のところ英語のみだが、この機能は明日から数週間かけて一般ユーザー向けに展開される。Googleの社内にはAnalytics Intelligenceと呼ばれるより総合的な企画があって、それによってGoogle Analyticsのデータをもっと分かりやすいものにしようとしている。音声と自然言語の導入はその一環だが、ほかにも、重要なインサイトやトレンドを自動的に高輝度表示にする計画などがある。

音声操作は今後、ユーザーフィードバックなどに鍛えられてますますお利口になっていくと思われるが、Alusiのプロマネ的視点によると、今は“何”(例: 何かの数値)を問う質問にうまく答えられるが、今後は“なぜ”に対しても答えていきたい、という。たしかに、“先月のインドからのトラフィックは前月比でどれだけ伸びたか?”、という質問だけでなく、“なぜそんなに伸びたのか?”という質問にも答えてほしいよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleのライフサイエンス部門Verily社が細菌に感染した蚊2000万匹をフレズノに放つ

Googleの親会社Alphabet傘下のライフサイエンス企業Verilyが、研究室で育てて、細菌に感染させた蚊2000万匹を、カリフォルニア州フレズノにリリースする計画を準備している。そしてそれは、良いことなのだ!

実は、ジカ熱を媒介するネッタイシマカがその地域に蔓延している。今年の初めには、ある女性がフレズノで、ジカ熱の最初の感染者と確認された。それは、それまで旅をしていたパートナーとの性的接触によるものだった。今では、何か対策をとらないかぎり、感染の流行が避けられないおそれがある。VerilyのDebug Projectと呼ばれるそのプランは、ジカ熱を媒介する蚊の人口(生息数)を一掃して今後の感染を防ぐ、というものだ。

蚊の人口をいじると予期せざる弊害はないのか? それはない。この種類の蚊は、2013年に初めてその地域に入ってきたのだ。既存生態系の一部ではない。

では、どうやって退治するのか? Verilyの雄の蚊はボルバキア菌に感染していて、人間には無害だが、雌の蚊と交配すると感染し、卵子を発生不能にする。

おまけに、雄の蚊は噛まないから、フレズノの住民が今以上に痒さを我慢することにはならない。

費用に関する発表はないが、蚊をリリースするチームのエンジニアLinus UpsonがMIT Technology Reviewで、次は同じことをオーストラリアでやる、と言っている。

“環境が変わっても同じ効果があることを、証明したいんだ”、と彼は同誌に述べている。

Verilyの計画では、フレズノの面積300エーカーの地域社会二箇所に、20週間にわたって、毎週100万匹の蚊を放つ。ボルバキア菌に感染している蚊をリリースする規模としては、アメリカでは過去最大である。

Fancher Creek地区の住民は今日(米国時間7/14)から、Verilyのバンがやってきて小さな虫たちの健康的な大群をリリースする様子を、目にすることになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Waymoが緊急車両に対処するテストを実施――現実の消防車、パトカーに混じって自動運転車が走行

Alphabetの自動運転事業部、Waymoではアリゾナのチャンドラー市消防警察部の協力を得てPacificaミニバンによる 自動運転車の緊急車両に対する反応テストを行った。ここでは消防車、パトカー、白バイなどが緊急走行する中をWaymoの自動運転車が走った。

Waymoのコメントによれば、「われれのシステムを搭載した車両は緊急車両が走行する環境でテストを行った。もちろんこれまでに通常の道路環境におけるテストは繰り返してきたが、現実の緊急車両といっしょに走るのは今回が初めてだった。テストの目的はWamo車の後ろに緊急車両が迫ってきたとき、それがどのように見えるか、聞こえるかといったデータをできるかぎり収集することだった」という。

収集されたデータは、Waymo車が実用化された際、救急車などの緊急車両に遭遇したとき適切に反応するためのライブラリの構築に用いられる。 これは自動運転車がプロトタイプから現実に販売される自動車に移行するためにくぐり抜ける必要がある必須の関門だ。

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クライスラーPacificaに装着されたのはWaymoが社内で開発したハードウェアで、Googleによればオーディオ・センサーは緊急車両のサイレンを当初のものより2倍の距離で認識できるように改良されているという。レーダーやLiDARなどの視覚センサーの認識能力も同様に大きく強化された。これがWaymoが路上での現実の緊急車両に対する反応を実験することにした理由だろう。以前のモデルに比べて最新のWaymo車は緊急車両の認識および対応を大きく改善するキットが組み込まれた。

現在Waymoはアリゾナ州のフェニックス市と隣接するチャンドラー市でオンデマンドによる自動運転車の乗客運輸サービスの実験を行っている。しかし緊急車両対応に関するデータは幅広くあらゆる状況で利用できるはずだ。今回収集されたデータなどをベースに、自動運転車はそれまで一度も緊急車両に遭遇したことがなくとも直ちに緊急車両だと見分け、適切な反応ができるようになるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

機械学習のDeepMind、国際展開を開始――最初の海外オフィスはカナダのアルバータ州エドモントンに

Alphabetの人工知能企業、DeepMindは本拠であるイギリスから海外への展開を開始した。最初の海外オフィスはカナダのアルバータ州エドモントンに置かれる。アルバータ支社はアルバータ大学と緊密に連携して調査・研究に当たる。

リーダーはアルバータ大の研究者、Rich Sutton、Michael Bowling、Patrick Pilarskiらとなる。最近、カナダでは人工知能開発に力を入れており、大学人が教育、研究を続けながら民間企業のプロジェクトにも貢献できる道が開かれつつある。これはその一例といえるだろう。

Sutton、Bowling、Pilarskiに加えてAdam Whiteも非常勤教授としてアルバータに戻りチームに参加する。またノーリミットのテキサス・ホールデムで人間のプロ・ポーカー・プレイヤーを破ったことで話題になったAIシステム、DeepStackの共同研究者6人もメンバーとなるという。

アルバータ大学との取り決めにはDeepMindが研究資金の提供を続けることが含まれる。Googleカナダのコミュニケーション担当ディレクターAaron Brindleは「この提携の目的は世界的にトップレベルの研究者をもっと大勢アルバータに引きつけることにある。これによって〔アルバータ大学の所在する〕エドモントンをテクノロジーのハブにしたい」と述べた。

DeepMindのアルバータ・チームのリーダー3人はいずれも「成功した方法を繰り返し、失敗した方法を避ける」という人間の学習方式をコンピューターにシミュレーションさせる方法を研究している。Sutton教授はまたDeepMindが2014年にGoogleに買収される前にの会社の最初のアドバイザーとなっている。アルバータ大学のメンバーは世界チャンピオンを破ったAI碁のAlphaGoやAtariのゲームを学んでプレイするAIシステムの開発にも参加していた。

画像: DeepMind

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SoftbankがAlphabetのロボット企業Boston DynamicsとSchaftを買収

【抄訳】
意外な展開になってきた。あの仲良しロボットPepperを作っているSoftbankがさきほど、Googleの持株会社Alphabetのロボット企業2社の買収を発表して、いよいよロボットに本気であることを示した。その2社とは、Big Dog(上図)を開発しているBoston Dynamicsと、二足歩行ロボットのSchaftだ。買収の価額等は公表されていないが、分かり次第お伝えしよう。

Alphabetにとってはこれは、Google時代に大量にやってきた買収や戦略的投資を整理する努力の一環だ。買収はしたけどその後、本体のビジネスにあまり貢献しなかった、という企業が整理の対象になる。

SoftBank Group Corp.の会長兼CEO Masayoshi Sonは、声明文の中でこう述べている: “今日なお、人間の力では解決できない問題が数多くある。知能化ロボットは情報革命の次の段階を推し進める重要な力となる。MarcとBoston Dynamicsの彼のチームは、先進的な動的ロボットにおける、誰もが認める技術的リーダーだ。彼らをSoftBank家に迎えて、その今後の前進をサポートできることは、きわめて喜ばしい。彼らはロボットという分野をさらに継続的に前進させ、人類の幸福に資する数々のアプリケーションを探求してくれるだろう”。

それは、人材引き抜きではなく全社的な買収のようだ。Boston DynamicsのファウンダーでCEOのMarc Raibertは、こう声明している: “Boston Dynamicsの全員が、SoftBankの大胆なビジョンと、同社が作り出しているテクノロジーの次の革命に参加できることに、感激している。そして、技術の進歩は人類の利益のためであるべき、というSoftBankの信念を、われわれも共有する。SoftBankと共にロボットにできることの限界を打破し、より知能的でより接続された世界にふさわしい、有益なアプリケーションを作っていける日を、待ち望んでいる”。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))