Google Assistantで映画チケットを買えるようになった

Google Assistantに新しい機能がやってきた。Fandango との提携によって、映画のチケットを簡単に買えるようになる。Google Assistantに映画のチケットが買いたいと言えば、近くで何を上映しているかを教えてくれるので、あとはどの映画館でどの映画をやっているかを見ればよい。

このサービスはStar Wars™ のマーケティング・ホリデーに因んで、May the Fourth™(5/4)にスタートする。そしてSolo: A Star Wars Storyの前売り券はその当日発売になる。

この機能はSiriには前からあったがGoogle AssistantではFandangoアプリをダウンロードしなくても購入できる。Siriで利便性が大きく損なわれていた点を改善した。

現在はAndroid端末のGoogle Assistant専用だが、もしあなたがiOSでGoogle Assistantアプリのヘビーユーザーなら、今年中には映画チケットを買えるようになるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのVR180対応のカメラがLenovoから登場

Lenovoは、ヘッドセットのMirage Solo発売に合わせて、Googleの180度テクノロジーに対応した最初のカメラを発表した。Lenovo Mirage Cameraは、YouTubeクリエイター向きを強く意識した製品で、13メガピクセルの魚眼レンズ2基が両目の位置に配置され、VRビューイングに最適な高画質の3Dビジョンを提供する。299ドルというか価格は、試してみようというクリエイターにとって高すぎることはないが、そのニッチの大きさが果たしてどのくらいなのかは考えなくてはならない。今日から出荷される。

カメラはYouTubeのVR180プラットフォームをベースに作られていて、クリエイターが少しでも簡単にVRのライブ撮影できることを目的としている。実際360度カメラは多くの注目を集めてきたが、クリエイターはこれで何ができるのかわかっていなかった。Googleの割り切りは、撮影対象を360度の半分にしてメディアとカメラを簡易化することで、そこまでコストをかけずに鮮明な3D 4Kビデオを提供することだった。

カメラの作りは非常にしっかりしている。はっきりした高級感はないものの、十分堅牢で何よりも携帯性が非常に高い。多くの360度カメラと同じくバッテリーの持ちは2時間とさほど長くないが、交換可能で1台スペアがついてくるのがうれしい。VR180とは180度を意味している。これは、特にカメラの上端に指がかかっていると180度の半球に映り込んでしまうのでよくわかる。

GoogleのVR180アプリを使うと、写真をプレビューしたり、カメラからYouTubeにライブストリームすることができる。

これは成功のための正しい答なのかもしれないが、問題は商品の登場が遅すぎたのではないかということだ。山ほどのYouTubeクリエイターが、VRビデオを試そうとしてフラストレーションを募らせていることは間違いない。ヘッドセットの数は増えているものの、VR視聴者の数はチャンネルを維持できるのにはいたっていない。「マジックウィンドウ」モードを使うとヘッドセットがなくてもモバイルやデスクトップでVR180ビデオを見ることはできるが、当然のことながら最大の売り物である3D機能は失われる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Kubernetesのための機械学習ツールKubeflowが発表から4か月で最初のバージョンをリリース

Googleが作ったオープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesは、おそらく同社が想像しなかったほど華々しく成長した。そしてその人気が増すとともに、多くの関連プログラムが生まれてきた。今日(米国時間5/4)はGoogleが、オープンソースのツールKubeflowのバージョン0.1のリリースを発表した。これは、Kubernetesのコンテナに機械学習をさせるためのツールだ。

Googleはかなり前にKubernetesをCloud Native Computing Foundationへ移したが、積極的な関与は継続し、今回のKubeflowもそのひとつだ。このプロジェクトは昨年末オースチンで行われたKubeconで発表されたばかりだが、早くもかなりの勢いがついている。

GoogleでKubeflowを運用しているDavid Aronchickは、その前の2年半、Kubernetesのチームを率いた。その彼の言うKubeflowの基本的な考え方とは、データサイエンティストたちが、Kubernetesのクラスターの上で機械学習のジョブを動かせるアドバンテージを享受できることだ。Kubeflowを使って機械学習のチームは、既存のジョブを簡単にクラスターに付けられる。

今日の発表でプロジェクトは前進を開始し、その節目を報告するブログ記事は、安定性のアップと、コミュニティの要望に応じて実装した多くの新機能を強調している。新機能には、機械学習のジョブをコラボレーションと対話により訓練するJupyter Hubや、Tensorflowの訓練とホスティングなどが含まれる。

Aronchickが強調するのは、このプロジェクトがオープンソースなので、いろんなツールを使えるということ。最初のバージョンがGoogleの機械学習ツールばかりサポートしていても、 Tensorflowに縛られることはない。今後のバージョンでは、そのほかのツールのサポートも期待できる。

最初の発表からわずか4か月あまりでコミュニティは急速に成長し、70名を超えるコントリビューターと20社あまりのコントリビューター企業がいて、15のレポジトリーに700以上のコミットが行われた。次のバージョン0.2は、夏になる。

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VR180カメラからYouTubeにライブストリーミングができるモバイルアプリが登場

来週に控えたGoogleの大規模な開発者会議であるGoogle I/Oを前にして、同社は自ら提唱したVR180フォーマットカメラ用の新しいモバイルアプリを発表した。このアプリを使えば、ユーザーはデバイスのセットアップや、クリップの閲覧と管理を行ったり、そして写真や動画コンテンツをGoogle PhotosやYouTubeにアップロードしたりすることができる。このこのアプリは、Daydreamを実行する初めてのスタンドアロン型バーチャルリアリティヘッドセットであるLenovo Mirage Soloと、Lenovo Mirage Cameraの発売に合わせて登場した。どちらのデバイスも本日(米国時間5月4日)から販売が始まっている。

1月のCESで、GoogleはMirageや、Horizonという名の中国のメーカーYiのカメラなどを含む新しいVR180カメラを発表していた。

Lenovoの3Dカメラの詳細はこちらから。

“VR180″という名前は、YouTubeとGoogleのDaydream VR部門の協力によって作成された、180度のパノラマビューを撮影する新しいVRフォーマットを指している。このフォーマットの特徴は、没入感のある写真や動画は撮影することはできるものの、それが360度全周には広がっていないということだ。

VR180カメラでキャプチャしたコンテンツには、3D写真やウルトラHD 4K解像度のビデオが含まれるが、これらは2Dと3Dの両方で表示および共有が可能だ。これをVRで表示するには、Google Cardboard、Daydream、あるいはPlayStation VRなどの、VRヘッドセットを使用することができる。

昨日、iOSAndroidの両者へ提供の始まった新しいVR180アプリは、Sensor Towerのデータによれば、VR180カメラをサポートすることを目的としたものだ。

App Storeの説明では、このアプリはモバイルデバイスからVR180カメラをセットアップして管理し、「ライブプレビュー」機能を使用して、カメラからの180度のVRコンテンツを取り込むことが可能だ。

ファイルは、携帯電話やクラウド(GoogleフォトやYouTubeなど)に転送することができる。VR180のウェブサイトの説明では、アプリとカメラを使ってYouTubeにライブストリーミングをすることも可能だ。

また、クリップを友人や家族と直接共有したり、不要なクリップを破棄することもできる。

さらに、バッテリーの充電状況、撮影状況、空き容量といった、カメラの状況に関する情報も表示される。

VRコンテンツを撮影できるシンプルな方法の提供(構えて撮影するだけのカメラ)は、より多くのひとがVRを試す機会を増やし、思い出を記録する新しい手段となる。たとえば、アプリストアのスクリーンショットでは、結婚式や赤ちゃんと一緒にいる母親の撮影のような、カメラの個人的な使用事例を宣伝している。

VRが没入型の思い出を再現してくれるという考えは、なにもGoogle独自のものではない。Facebookも今週、“VR Memories”と呼ばれるものを発表した。これは古い写真を取り込み、コンピュータービジョンを活用して、平面的な2D画像と動画を、VRの中で眺めることができるように空間に配置するものだ。

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(翻訳:Sako)

GoogleがモバイルVRの計算負荷を減らすツールSeuratをオープンソース化

今日(米国時間5/4)はGoogleが2017年のI/Oで行った、VRに関する多くの約束を果たす日だ。さきほど同社は、モバイルの高忠実度なVRから計算の複雑さを減らし、パフォーマンスを大幅に向上するツール、Seuratをオープンソースにする、と発表した。

このローンチは、Mirage Soloのリリースと平行している。こちらは同社のVRプラットホームDaydreamの初めてのヘッドセットで、それはGoogleの位置追跡システムWorldSenseを使っている。このヘッドセットはスタンドアローンで、〔クラウドなどではなく〕モバイルのチップセットで動くから、ゲーム用PCに接続されるヘッドセットよりもリソースの制約が厳しい。

Seuratは、ポリゴン(多角形)の数を減らすことをねらったソフトウェアツールだ。Seuratが基本的にやるのは、VRのユーザーが、さまざまな動きの中で持つすべての視点から、実際には見れない/行けない領域を取り除くことだ〔前面に物がある、など〕。たとえばSeuratは、そこに恒久的にあるオブジェクトを取り除く。仮想現実の中で見えない部分は、実際に存在しないと見なしてもよい。だからそこは、ポリゴンの計算をしない。

上のBlade Runnerの例では、ひとつのシーンに4660万個の三角形があるが、Seuratはそれらを30万7000に減らした。高性能なハードウェアから描画能力に制約のあるモバイルのVRハードウェアへ移植するときは、このような省略能力がデベロッパーにとって助かる。

このツールのソースコードとドキュメンテーションは、GitHub上にある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waymoのバンがアリゾナで大きな衝突事故に遭う、違反車ではなかったが

Waymo(元Googleの自動運転部門)の自動運転車が今日(米国時間5/4)の午後、アリゾナ州チャンドラーで大きな事故に遭った。地元警察によると、セダンが別の衝突を避けようとして正規のレーンを逸れたときにWaymoのバンにぶつかった、損害は軽微、とABC 15が報じている。今、チャンドラーの警察に詳細を問い合わせている。

アリゾナでセーフティドライバーのいない車をテストしている、とWaymoは言っていたが、これは違う。衝突のとき人間運転者が運転席にいたが、しかし車は自動運転モードだった、と警察は言っている。

上空からのビデオを見ると、これは軽い接触事故ではない。セダンの前方クランプルゾーン(衝撃吸収帯)は壊れ、ガラスは割れている。バンに大きな破損はないが、右前のタイヤはつぶれている。どちらもその後、牽引移動された。

報道では、東に向かっていたセダンが交差点で別の車を避けようとして西行きのレーンに侵入し、Waymoのバンに当たった。そのとき後者が衝突を避けようとして何をしたかは、まだ分かっていないが、同社の記録から明らかになるはずだ。今同社に問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

画像クレジット: ABC 15

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GoogleのAdvanced Protection ProgramでAppleのiOSアプリが利用可能に

昨年10月、Googleは高度なセキュリティー保護サービス、Advanced Protection Programを提供開始した。Gmail、Google Calendar、Google Drive等のサービスに保存したデータを最高水準で保護することを保証するしくみだ。このプログラムを利用するユーザーは、2段階認証のためにセキュリティーキーを利用しなければならないことに加え、Googleデータをアクセスするためには、Google自身のウェブまたはモバイルアプリを使う必要があった。


このたびGoogleはこの最後の制約を少々緩和して、Appleのメール、カレンダー、及び連絡先のiOSネイティブアプリからも利用できるようにした。Advanced Protection Programを利用しているユーザーは、これらのアプリにもアクセスを許可できるようになった。

「われわれのゴールは、オンライン攻撃を受けるリスクのあるユーザーが誰でもAdvanced Protection Programに参加できるようにすること」とGoogleでこのサービスのプロダクトマネージャーを務めるDario Saliceが言う。「本日われわれは、iOSユーザーのプログラム参加を容易にした。今後も世界中のユーザーにとって使いやすいプログラムになるよう努力を続ける」

プログラムの目的は従来通り、高度な攻撃の被害者になりやすいジャーナリスト、活動家、政治家、ビジネスリーダー等の人々を守ることにある。Appleの純正アプリに対応することで、同サービスがいっそう多くの人たちにとって魅力的になるだろう。要するに、なぜか誰もがGoogle製モバイルアプリを気に入っているわけではない、ということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

デスクトップのChromeはユーザーの閲覧行動から学んで自動再生ビデオを無音にする

Webで最大に疎(うと)ましいものといえば、大音量の自動再生ビデオだ。Chromeやそのほかのブラウザーはここ数年、こいつと戦ってきたが、対策の多くはユーザーのアクションを必要とした。そこでChromeは、モバイルへの導入に続いてデスクトップでも、自動再生をブロックするサイトをブラウザー自身が判断できる機能を実装した。それは、ユーザーのそれまでの行動〔や設定〕から、嫌われてるサイトを見抜くのだ。

Googleによると、自動再生のほとんどが6秒以内に、停止されたり、無音にされたり、あるいはタブを閉じられたりしている。タブを閉じるのは6秒よりもっと早いと思うが、Googleとしては、“聴きたい/視たい意思”を確認するために6秒待った、ということだろう。

今後Googleは、ユーザーの閲覧行動から学習して、無音にしたいサイトを知る。GoogleにログインしていないユーザーやChromeを使い始めたばかりのユーザーの場合は、上述の6秒テストで判明した迷惑サイト上位1000を、自動的に無音にする。

Googleによると、このシステムはユーザーによって訓練されると、迷惑な自動再生サイトの約半数をブロックする。でも、完全なシステムは存在しないから、判定を間違えることもある。そんなときは手作業で無音を解消しなければならない。

モバイルでは、やり方がやや違う。ユーザーがホーム画面に載せていたサイトは、そのまま受け入れる。お気に入りのサイトをホーム画面に登録している人は、そんなに多くないと思うけど、だとするとモバイル上では自動再生の完全禁止になってしまう〔閲覧履歴によるパーソナルな判定をしないから〕。

なお、この機能はオーディオに対してのみである。Chromeによって無音化された自動再生ビデオは、ユーザーがそのページや動画を消さないかぎり、再生を続ける。それに、ユーザーがそのサイトのどこかをタップしたりクリックしたりすると自動再生がまた動き出す。この水漏れ穴は、ぜひふさいでほしいね。

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Wear OS(元Android Wear)のGoogle Assistant機能がI/Oを前にして充実

今年のI/O(Googleの開発者大会)はまだ一週間先だが、すでにGoogleは、ちょろちょろとニュースを小出しにしている。それは来週のビッグイベントへの呼び水か、それとも、当日のわずか二つのキーノートには盛りきれないものが多いからか。いずれにしても今日(米国時間5/3)は、Android OSのウェアラブル用バージョンWear OS(旧名Android Wear)のアップデートが発表された。

来週Wear OSがどんな扱いをされるのか、それまはだ未知数だが、今回はそのAssistantアプリが本格的に更新された。スマートウォッチとアシスタントアプリは、まるで当然のような組み合わせだ。SiriはApple Watchの人気を押し上げたし、それに音声アシスタントならウェアラブルの小さな画面が気にならない。

Googleは昨年、独自のAssistantをAndroid Wearに導入し、その後何度も重要なアップデートをしている。中でもとくに良いのは、状況に応じて追加質問をしてくれるスマートサジェッションだ。たとえば天気予報を尋ねると、そのほかの日も知りたいか、と言ってくる。

Assistantの手首用バージョンでは、音声による答をインターネットに接続されたヘッドフォンでも聞ける。来週展開されるこのアップデートでは、ウェアラブル上でActions*が使えるようになり、サードパーティ製の機能を楽しめる。たとえば自分の手首から、LGのスマートオーブンを余熱できたりするだろう。〔*: Actions, Amazon AlexaのスキルやApple Siriのコマンドに相当。〕

ささやかなアップデートだが、GoogleがI/Oの前からWear OSを気にかけている様子は微笑(ほほえ)ましい。ウェアラブルへの関心はApple以外では鎮静しているから、このオペレーティングシステムも伸び悩んでいる。来週Googleが、この分野でも斬新な何かを見せてくれることを、期待したい。

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GoogleはGoogle Assistantのアプリケーション開発振興のためスタートアップを育てる投資育成事業を開始

Google Assistantのエコシステムをどうしても育てたいGoogleは、ついにそのために自腹を切ることになった。今日(米国時間5/2)の同社の発表によると、Assistantのアプリケーションを作る初期段階のスタートアップに、資金やそのほかのリソースを提供していく新しい事業をこれから立ち上げるようだ。

新製品に関してそのエコシステムを育てたい企業が、こんな事業を発表することはよくある。しかしGoogle Assistantの場合はすでにかなりの数のサービスが開発されているにもかかわらず、同社は“このクリエティビティをもっと鼓舞するために”、新しい事業を立ち上げるのだ、という。

Googleの、検索とGoogle Assistant担当VP Nick Foxも、こう言う: “Google Assistantでは、デベロッパーやデバイスのメーカーやコンテンツでのパートナーたちが新しいユーザー体験を作っていけるための、オープンなエコシステムの育成に力点を置きたい。Google Assistantに関してはすでにデベロッパーたちの多くのクリエティビティが見受けられるが、それをさらに促進するために、初期段階のスタートアップのための新たな投資事業を始める”。

投資だけでなくGoogleは、彼らスタートアップにメンターシップ(個人指導)や、技術者、プロダクトマネージャー、デザイナーなどからのアドバイスを提供する。そしてこの事業の対象になったスタートアップは新しい機能やツールにいち早くアクセスでき、またGoogle Cloud Platformとプロモーションの支援にもアクセスできる。これはまさに、アクセラレーターないしインキュベーターと呼びたいような事業だが、Googleはそう呼んでいない。

Foxによると、投資額に上限はない。“ふさわしいと思われる額を投資して、デジタルアシスタントのアプリケーション(ハードウェアもありうる)開発という、この新しい分野でスタートアップが成功できるように努めていく。しかも資金を提供するだけでなく、これらのスタートアップと積極的にパートナーして、彼らのプロダクトが市場で成功するよう、わが社の強みも生かしていく”。

この事業の対象となる最初のスタートアップGoMomentは、ホテルのためのコンシエルジュサービス、そしてEdwinは英語の個人教授、BotSocietyPulse Labsはデベロッパーツールだ。

これらのスタートアップは、Googleのねらいをよく表しているようだ。Foxによると、Googleが求めているスタートアップは、“旅行やゲームなど、Assistantをおもしろく活用できそうな特定業種をエンドユーザーとする”デベロッパーたちだ。Googleは一部のパートナーシップについてはその関わりをより深めると同時に、一方多くの場合は単純に、Assistantのような技術に関心のあるスタートアップを求めているのだ。

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Google MapsがそのAPIの構成と課金方式を抜本的に変えて単純化、月200ドルぶんまで無料

GoogleがGoogle Maps APIを大きくアップデートし、それに伴い名称をGoogle Maps Platformに変えた。

これはこのAPIプラットホームの近年で最大の変化のひとつで、Google Mapsのデベロッパーからの利用を大幅に単純化するとともに、APIの課金方法も変わった。そして6月11日からは、デベロッパーは有効なAPIキーと、Google Cloud Platformの有料ユーザーとしてのアカウントが必要になる。

まず、これまで18に分かれていたMaps APIが三つのプロダクト、Maps, Routes, およびPlacesに統一される。ただし、既存のコードはそのまま無変更で動く。

また課金体系は、これまでのStandardとPremiumという二つのプランに代わり、単一の料金プランになる。サポートはこれまでPremiumプランのみだったが、これからは全域的に無料で提供される。無料プランはないが、月額200ドル相当ぶん*までの利用は無料となる。また、企業顧客向けには特注プランがある。〔*: 上のリンク先に200ドルでどれだけのことができるか、例がいくつか示されている。〕

特定業界向けのMapsソリューションも、既存のものを継続し、今後新たなものをローンチしていく。たとえば今年初めには、Mapsのデータを利用して現実世界を舞台とするゲームを作るゲームデベロッパーのためのプログラムを立ち上げた。そして今日は、アセットトラッキング*とライドシェアリングのための同様のソリューションを発表した。Lyftのアプリは昨年から、このライドシェアリングプロダクトを使っている。〔*: アセットトラッキングサービスの。〕

今日の発表声明は、こう書いている: “われわれのアセットトラッキング提供物は、車両などの資産(アセット, assets)の位置をリアルタイムで追跡し、車両を複雑な行路へルートすることによって企業の効率を改善する。今後はわれわれがインサイトと専門的能力を提供できるようなほかの分野にも、新たなソリューションを導入していきたい”。すなわちGoogle Mapsは今後、そのビジネス利用〜企業利用の本格化多様化に力を入れるようだ。

しかしGoogle Mapsとしてはこれは、正しい方向性だろう。Google Maps APIのアクセスは往々にして、問題を生じてきた。とくに無料利用のレベルを変えたときには、騒動が起きた。今日の変化により、これからはデベロッパーコミュニティからそのようなリアクションが起きることもないだろう。デベロッパーの仕事を、今後長期にわたって楽にしてくれる、と思われるからだ。

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Googleの高価格なスマートカメラClipsが母の日をねらって50ドル値下げ

5月は祝日が多いから、どこがどんな特売をやっても不思議ではないが、しかし母の日の13日までClipsカメラを50ドル値下げするというGoogleの決定は、このまだ第一世代の製品の売れ行きに関して疑念を抱(いだ)かせる。

昨年10月に、同じく新製品のPixelスマートフォンと共に発表されたClipsは、今年の2月の終わりに、やっと発売された。しかしGoogleは売上を公表しないが、どうやらこの製品はヒットしなかったようだ。このデバイスをめぐるメッセージングは消費者にとって少々わかりにくく、そして249ドルという価格は本誌のレビューなどでも酷評された。

Googleは、こんなにすごくてマジックのようなAIやMLや本体上のデータ処理能力を搭載して250ドルは超お買い得、と言い張ったが、まったく新しいカテゴリーの初めての製品だから、消費者が手を出しにくいお値段はだめだ。しかも今どき、誰もが持ってるスマートフォンのアプリで、いろんなことができるから。

レビューにも書いたように、“Clipsでは短い動画だけでなくGIFも撮れるが、今は24時間全員の手元にカメラがある時代だから、こんな珍製品が249ドルとはちょっと厳しい”。

50ドル下げて199ドルになっても、母の日のギフトとしてはお安くない。しかしGoogleはどうしても特売をやる気であり、この製品への関心も、アメリカ以外では育ちつつある。“スマートカメラ”のClipsは、ソーシャルメディアに直行できる画像とビデオが売りだ。でも人気拡大の鍵は、やはり口コミだな。

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GoogleがApache AirflowによるワークフローオートメーションツールCloud Composerをローンチ

Google Cloudgが今日(米国時間5/1)、Cloud Composerの最初の公開ベータを立ち上げる。それは、Apache Airflowプロジェクトをベースとするデベロッパーのためのワークフローオートメーションツールだ。

通常、ITチームは必要に応じて独自に自動化ワークフローを作るが、それは、さまざまなツールと、いつも動くとは限らないBashスクリプトを寄せ集めた混乱になりがちだ。AirflowとCloud Composerは、ワークフローを作ってオーケストレーションするための標準化された単一の方法をチームに提供する。

Googleによると、この新しいツールはPythonをデフォルトの言語として使用し、これによりチームは、オンプレミスのさまざまなツールや複数のクラウドにまたがるワークフローを構築できる。またオープンソースのプロジェクトなので、ワークフローを複数のプラットホームに亙っても使用できる。Google Cloud Platformに深く統合されているサービスだが、ロックインはない、とGoogleのチームは言っている。

“Cloud Composerでは、Google Cloud Platformの長所とAirflowを結びつけたかった”、とCloud Composerのチームが今日の発表で書いている。“Airflowの最良の機能をそのインストールや管理に要するオーバヘッドなしで提供できるサービスを作ろうと思った。余計な作業に時間を取られなくなれば、もっと重要なもの、すなわちワークフローに多くの時間を割けるようになる”。

Airflow、そしてその拡張であるCloud Composerでは、さまざまなタスクとそれらに期待する結果を、Directed Acyclic Graph(DAG, 有向非循環グラフ)というもので定義する。これらは、標準的なPythonのファイルで、ワークフローをその細部まで定義している。完全なドキュメンテーションは、ここにある。

Googleによると、同社はAirflowのコミュニティにも積極的に参加している。そしてすでに、相当数のプルリクエストを貢献している。

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Google、NvidiaのTesla V100 GPUをクラウドで提供開始

Google は今日(米国時間4/30)、Nvidiaの高性能GPU Tesla V100がCompute EngineおよびKubernetes Engineで利用可能になったことを発表した。現在はまだ公開ベータだが、GPU作業でGoogleの完全サポートを必要とする利用者には、やや性能の低いNvidia P100 GPUがベータを終え一般公開された。

V100 GPUは、今もNvidiaの高性能コンピューティングのラインアップの中で最も強力なチップだ。登場からしばらく時間がたっており、Googleはやや遅れた参入となった。AWSIBMはすでにV100を顧客に提供しており、Azureではプライベートプレビューを行っている。

GoogleはNvidiaのマルチGPUプロセッシングのための高速インターフェースであるNVLinkも使用していることを強調しているが、ライバル各社もすでにこれを使っていることは指摘しておくべきだろう。NVLinkはGPU-to-GPUのバンド幅を従来のPCIe接続より9倍速くすることで作業によっては40%性能が高くなるとGoogleは約束している。

もちろん性能のためにはお金が必要だ。V100の使用料は1時間につき2.48ドル、P100が1.46ドルだ(これは標準価格であり、Preemptible仮想マシンは半額で利用できる)。これ以外に通常の仮想マシンまたはコンテナを動かすための料金を払う必要がある。

現在V100マシンは、1 GPUまたは8 GPUの2種類の構成で利用可能で、将来は2または4 GPUの構成も加わる予定。P100には、1、2、または4GPUが用意されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DeepCodeはAIの力でコードを洗う…未来のフロントエンドはプログラミングの自動化

チューリッヒのDeepCodeは — 基本的にはコードを分析して改良するためのツールだが — プログラマーのための文法チェッカー/文章改良ツールGrammarlyみたいだ。このシステムはユーザーのGitHub上のリポジトリを読み、25万のルールのコーパスを使って問題とその修復方法を教え、ただしそれによって互換性が壊れないように、そしてもっと良いプログラムになるようにする。

Veselin Raychevが創業し、アドバイザーとしてMartin VechevとBoris Paskalevが加わった同社のチームは、機械学習とAI研究の幅広い経験がある。このプロジェクトはスイスのチューリッヒ工科大学からスピンオフした独立の研究プロジェクトが、プログラミングのためのユーティリティになったものだ。

で、その実際の仕事ぶりはどうか? かなりよろしい。自分の公開リポジトリのひとつをこのシステムに通してみたが、449のファイルに対して49件の提案をもらった。その中には文字通りのコード書き換え — name: String,name: {type: String},に変える — もあるし、必要なファンクションコールがないようだ、という示唆もある。自分のコードに隠れているバグを見つけたいときには、なかなかおもしろいツールだ。このツールがくれるアドバイスは、驚くほど正確だ。それは、人間が見逃しがちな間違いのあるコードを大量に読んだ(学習した)結果作りだすリコメンデーションだからだ。

Paskalevは語る: “コードの意図を理解するプラットホームを作った。それは何百万ものリポジトリを自動的に理解し、デベロッパーがやろうとしている変更に注目する。そしてAIエンジンをそれらの変更で訓練し、プラットホームが分析するコードのすべての行に、ユニークな提案を提供する”。

“今は25万あまりのルールがあり、毎日増えている。競合システムはルールを手作業で作ってるから、最大のシステムでも、長年かけてやっと3000か4000のルールを作った程度だ”。

自己資本のみだった同社は最近、ドイツのbtov Partnersから110万ドルを調達した。ファウンダーたちはいずれも複数回の起業経験がある。PaskalevはVistaPrintとPPAGの創業に関わったし、Raychevは、プログラミング言語のセマンティクスの機械学習という分野の研究者だが、以前はGoogleで働いていた。

DeepCodeは単純なデバッガーではなく、コードを“読んで”それを他の実装と比較する。そしてそれにより、どの行も最高のパフォーマンスを発揮できるように、改良を示唆する。今チームは、多くのプログラマーがそれを使ってくれることを待っている。

“われわれのは、Grammarlyが書かれた言葉を理解するようにソフトウェアのコードを理解する、ユニークなプラットホームだ。その最初のサービスだけでも、ソフトウェア開発のコミュニティは数十億ドルを節約できるし、その次には業界をコードの完全な自動合成へと変身させるフロントエンドを提供できるだろう”、とPaskalevは述べている。

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Google、撤廃案に先立ちクリーンパワー計画の支持を表明

GoogleはAppleに続き、IT企業大手としてクリーンパワー計画支持を表明した。同社はオバマ時代の法案を支持する声明を環境保護庁に提出し、その後TechCrunchにも提出文書を提供した。

2030年までに発電所の二酸化炭素放出量を30%以上削減することを目標とする同法案は、トランプ政権によって撤廃されようとしている。Appleの先日の提案と同じく、Googleは法案が撤廃された場合の環境面、経済面、両方の悪影響を指摘している。

「風力および太陽光発電の普及 —— ならびに関連サプライチェーンの整備 —— はここ数年の米国経済の中で最も急成長している分野である」と同社が4月25日付けの書簡で言った。「雇用の成長は、労働力全体の成長を大きく上回っている」

さらにGoogleは、同法案を支持する個別の事情として、同社の再生可能エネルギーへの転換の取組み、およびクリーンパワー計画によって起きる雇用の促進を強調した。「クリーンパワー計画は今後もイノベーションと雇用を拡大し続ける。同時にアメリカの電力システムを近代化し、二酸化炭素放出を減らし、地球温暖化による脅威の緩和に貢献する」とGoogleは言った。

窮地に追い込まれたスコット・プルート長官率いる環境保護庁(EPA)は、この法案は同庁の認可を不当に拡大していると指摘した。先月末トランプ大統領は大統領命令を発動し法案の見直しを命じた。この動きを多くの評論家は法案撤廃への第一歩であると見ている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが単独のトゥドゥアプリGoogle Tasksをリリース、メールやカレンダーと連携あり

今日(米国時間4/25)はGmailのデザイン一新というビッグニュースが目立ったが、しかしGoogleはその陰でひっそりと、同社の生産性アプリケーションの一員となる新しいツール、Google Tasksを立ち上げた。このアプリケーションはその名のとおり、タスク(仕事、作業)のリストや予定表(to-dos)を作って見て編集できる場所だ。それには、新しいGmailやGoogle Calendarを起源とするタスクも含まれる。

Gmailにもタスクを作る機能はあったが、それはユーザーインタフェイスのどこかに埋もれていた。しかし今日の構造改革により、Tasksは独立し、メモ帳のGoogle KeepやGoogle Calendarなどと肩を並べる独立の存在になった。ただしGmailからそのサイドバーの中へ起動することもできる。

Gmailから来る新しいユーザーも多いから、独立のアプリケーションとしてGoogle Tasksを作っておく方が良いだろう。to-do(仕事などの予定リスト)は、メールの受信トレイを見ているときだけ使いたくなるもんではないからね。

このアプリは、トゥドゥリストとしてはごくふつうだ。タスクリストを作る、タスクをサブタスクに分類する、などのことができる〔例: ○○大会→案内業務〕。ドラッグ&ドロップでタスクの優先順を変えたり、忘れてはいけないタスクの日程をリマインダーに登録できる。ただし、日にちは登録できるが、時間(時刻)までは登録できない。そりゃ困る!という人もいるだろうね。

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Google Tasksの機能は、単体ですばらしいというより、GmailやCalendarなどGoogleのそのほかのサービスと組み合わせて真価を発揮する。別のところで作ったタスクにアクセスできるのは便利だし、変更を受信トレイに反映できるのも良い。あるタスクの起源であるメールを、探して見ることもできる。そのメールは、Google Calendarからでも見られる。

このアプリはG Suiteの一員になるから、そのうちなくなるモバイルの“実験”ではない。後日、別のトゥドゥリストアプリが登場する心配もない。

アプリはiOSAndroidの上で無料でダウンロードできる。〔訳注: デスクトップではWebから。…このリンクはGoogle Appsの公式サポートページにある。〕

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Google Cloudのマネージドデータベースサービスがクラウドサービスとしての機能を充実

Googleがクラウドから提供しているデータベースが今日(米国時間4/25)、アップデートされた。画期的な新製品に生まれ変わったわけではないけど、それらのアップデートはすべて、企業がクラウドへ移行するときに経験するさまざまな痛点に対処している。

Googleのプロダクト管理のディレクターDominic Preussによると、Googleは長年、データベースの世界における思想のリーダーを自負している。思想のリーダーとは言ってもこれまでは、Bigtableに関するペーパーなどが主で、実際の製品で示す思想ではなかった。しかし最近では、グローバル分散データベースCloud Spannerが示すように、市場でもその姿が目立つようになった。

Preussによると、Googleのエンタープライズユーザーは彼らの既存のワークロードをクラウドへ移すことから始めるところが多い。しかしそれが一巡したら、新しいアプリケーションをクラウドに載せようとする。そしてそのとき求めるのが、クラウドのプロバイダーがアプリケーションやインフラの管理を肩代わりしてくれる、いわゆるマネージドサービスだ。

今日の発表も、エンタープライズに、彼らが求めるある種のマネージドデータベースサービスを提供していくことがメインのテーマだ。

まずそれは、ベータでローンチされるCloud Memorystore for Redisだ。これは完全に管理されるインメモリのデータストアで、大きなバッファリングをインメモリのキャッシュでやりたい、などのニーズに応える。

ビッグデータワークロード用のNoSQLデータベースサービスCloud Bigtableに、新しい機能が加わった。その、いずれregional replication(リージョナルレプリケーション)という正式名で呼ばれることになる機能は、オンプレミスのワークロードにApache Cassandraを使っていたエンタープライズに、Google Cloudにおけるその代替系を与える。そして、この、異なるゾーンにまたがるレプリケーションにより、Google Cloudに保存するデータの可用性と耐久性が高くなる。

今回のアップデートには、Cloud SQL for PostgreSQLのSLAにおける可用性を99.95%にすることも含まれる。またCloud Spannerには、コミットのタイムスタンプがつく。

Googleのクラウドデータベース周辺には、今後どんな新メンバーが登場するのか。Preussはその答を言わないが、今同社はエンタープライズができるだけ多くのワークロードをクラウドへ移行できるようにしたい、と考えているそうだ。つまり、マネージドサービスが今後も増える、ということだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Gmailにメジャー・アップデートが来た――自動消滅、スヌーズ、カレンダー統合など新機能多数〔日本語対応済〕

今日(米国時間4/25)、Googleはここ数年で最大となるGmailのアップデートを行った。Googleのフラグシップ・サービスの一つであるGmailに、テスト中だったものも含め多数の新機能が追加された。TechCrunchではその一部を今月上旬にいち早く紹介している。今回Gmailではデザインも一新されたが、既存のユーザーに違和感を与えることはないはずだ。

新機能はここしばらく続いていたリークのとおりなので大きな驚きはない。 またテスト中の機能のいくつか(すべてではない)が正式にGmailに採用されたのも予想どおりだった。しかし派手なメディア報道では見逃されがちだった細部の改良が重要だと思う。新設された右サイドバーからGoogleカレンダーが開けるようになった。またGoogle TasksやGoogle Keepとの統合も使い勝手の改善に大きく貢献している。

ともあれ順を追って見ていこう。 新Gmailでまず目につくのは受信トレイ(Inbox)そのものだ。メッセージの上にマウスポインターを乗せると、クリックしなくても右端にアーカイブ、削除、既読にする、スヌーズの各アイコンが表示される。スヌーズは今回新たに追加された機能だ。

スヌーズを選択すると、ドロッダウン・メニューでスヌーズ期間を今日中、明日、カスタムなどに設定でき、その期間終了時にメールが受信トレイに現れる。受信トレイを常にクリアしておきたいユーザーには便利な機能だ。受信トレイを空にしておいても、重要なメールは指定したタイミングで再表示される。メールを開いて読んでいるときはスヌーズ機能は使えない。

今回のアップデートでいちばん大きいのは「秘密モード」でメールを送信できるようになったことだろう。コンセプトはシンプルだ。送信者はメールが読める期間を指定できる。受信者はこのメールについて転送、コピー、ダウンロード、印刷が一切できない。期間終了後メッセージは自動的に消滅する。もちろん受信者がスクリーンショットを取るのを止める方法はないが、Googleの狙いはそこではない。受信側のデバイスが悪質なハッカーに侵入され、データが盗まれた場合でも、秘密モードで送信されたメールはすでに消滅していて安全だ。またさらにセキュリティーを高めるために個々のメールについても二段階認証を設定できる。受信者はメールを開く祭にGoogleが作成したパスコードをSMSで受信し、入力する必要がある。

もう一つの大きなアップデートは「重要メール通知」機能だ。これはGoogleが人工知能を用いて重要性が非常に高いと判断したメールについてのみメール着信の通知を行う。またGoogleは「購読解除」の提案も行う。ニュースレターなどを購読しているが、実際にはほとんど開かなくなっているという場合が多々ある。こうした際、Googleは購読解除を勧める。どうせ読まれないのであればニュースレターの発行者側にとっても無駄な手間となるのでこれは便利な機能だ。

さらにもう一つの重要アップデートは強化された新しいオフライン・モードだ。 GmailがProgressive Web Appsと呼ばれる高度なウェブ・アプリに移行したこともあり、オフラインGmailには最大で過去90日分のメールをローカルに保管し、検索することができるようになる。 ただしこの機能の公開は数週間後になる見込みだ。

新Gmailで私がいちばん便利だと感じたのは受信トレイ右側に新設されたサイドバーだ。ここにはGoogleカレンダーのウィジェットが常駐し、その日のスケジュールが一覧できる。また新しい日程を書き込むのも簡単だ。

右サイドバーにはメモアプリのGoogle KeepとGoogle TasksというToDoアプリも統合されている。残念ながら今のところKeepのメモをメールに添付したり、逆にメールをKeepにドロップしたりはできないようだ。Google Tasksはメールに多少連動しており、メールをTasksにドラグしてきて新しいタスクとすることができる。私は普段ToDoリスト管理にTrelloのアドオンを使っているし、Gmail自身のアドオンにもこの機能がある。とはいえサイドバーにTasksが統合されれば使いみちは広いだろう。

UIのデザインも一新されたが、行間も3段階に調整できるなど従来の機能はすべて維持されている。デフォールトがいちばん行間が広いが、添付ファイルの表示に新機能が追加されている。単にペーパークリップのアイコンで添付ファイルがあることを示すのではなく、件名の下に添付ファイルのアイコンとファイル名名の冒頭が表示される。

受信者はメール自体を開かずアイコンをクリックして直接添付ファイルを開くことができる。

繰り返しになるが、メッセージのソート、フィルター、スターを付けるなど従来のGmailの機能はほとんどすべて維持されている。メイン、ソーシャル、プロモーション、新着、フォーラムに自動的にメールを分類する機能が気に入っている場合は引き続き利用できる。またページの左下端にはハングアウト関係のアイコンが表示される。Googleがハングアウトで何を目指しているのかいまいち不明だが、ともあれここに表示されることになった。

新バージョンはGmailアカウントを持つユーザーすべてに向けて順次公開中だ。設定(歯車アイコン)に「新しいGmailを試す」というオプションが表示される。これまでのアップデートと同様、現在は「以前のGmailに戻す」ことが可能だ。将来ある時点でGoogleはGmailを完全に新バージョンに固定するのだろう。G Suiteの管理者が新バージョンを使う場合、G Suite Early Adopter Programを有効にしておく必要がある。

〔日本版〕記事本文では「メールを開いた状態でスヌーズできない」とあるが、訳者のアカウントではメールを開くと件名上部のバーに一連のアイコンが表示され、時計アイコンをクリックすればスヌーズが実行できる。逆に訳者のアカウントでは「自動消滅」機能は未公開。現在アカウントによって利用できる機能に差があるものと思われる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

家庭用ルーターGoogle Wifi日本版が26日発売。複数台連携前提で小型化した高性能機

eng-logo-2015Googleが、家庭用Wi-Fiルーター『Google Wifi』日本版を発表しました。本体を複数連携して使う、いわゆる「メッシュWi-Fi技術」をコンセプトとした、手に乗るサイズの小型ルーターです。

発売は4月26日。価格は1台が1万5000円、3台パックが3万9000円。米国では2016年11月に登場し、そのユニークなコンセプトやちょっとかわいい本体デザインから注目されていたモデルの日本版がいよいよ発売となります(なお本日開催された発表会では、出席者より「どうしてここまで遅くなったのか」という質問が出ましたが、Google側の回答はノーコメントでした)。

Gallery: Google Wifi 日本版 | 26 Photos
(TechCrunch Japan編集部注:全画像はEngadget 日本版記事でご覧いただけます)

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ルーターとしては、対応無線規格はIEEE 802.11ac/a/b/g/n。2.4GHzと5GHzの同時使用に対応したタイプです。速度は「(11ac)2×2 Wave2」との表現があります(11acでの5GHz側接続は最高866Mbpsと考えて良さそうです)。

またユニークな点として、設定にスマートフォンかタブレット(対応OSはAndroid 4.0以上、またはiOS 8以上)が必須となりますが、それらと通信するためのBluetooth Smart機能も備えます。

高性能モデルでは重要視されるSoCに関しては、詳細は不明ながら、ARM系の4コアCPU搭載品であると明記。RAM容量は512GB、本体内ストレージは4GBのeMMC接続フラッシュメモリを搭載するなど、基本性能も充実します。

Google Wifiを他のルーターと比べた場合、主な特徴は2点。1点目は、上記のようにスマホアプリの使用を必須としたことなどによる、セットアップや運用の簡便さ。2点目は複数台連携を前提とすることで、高性能ルーターでは宿命とも言えるアンテナと本体の大型化を避けた点です。

まずは、Google Wifi専用アプリ(名称もGoogle Wifiです)から紹介しましょう。

主な機能としては、基本設定をはじめ、ネットワークチェック(接続状況の確認)や、家族利用に便利な端末ごとの使用時間制限(スケジュール機能による自動切断にも対応)、特定端末の速度優先設定をはじめとする各種端末管理、来客時に便利なゲストネットワークの構築などとなります。

このあたりだけを見ると大きな特徴はありませんが、特筆すべきは操作の快適さ。他のルーターでもアプリによる設定が可能なモデルはありますが、多くのモデルはWebブラウザからの(反応がイマイチ遅い)専用設定ページを経由して……という操作が基本。

対してGoogle Wifiアプリでは、スマートフォンを使っているいつものリズムで操作が可能。一通り設定などを確認してみても、処理待ちが長く、待っているのかハングアップしているのかを疑ってリロード……といったイライラとは無縁でした。

またユニークなところでは、「ネットワーク名に絵文字などが使える点」なども特徴として挙げられました。

半ば余談ですが、興味深かったのが通信品質チェックの細かさ。インターネット速度の計測、複数台使用時のメッシュWi-Fi接続品質、実行端末とのWi-Fi速度(実測)と、調べたいところが一通り計測できる仕様です。

さらにインターネット速度に関しては、アプリ側の通知で速度に応じ「なかなか高速です」といったメッセージを表示するなど、開発陣に俺ら――新しいWi-Fiに接続すると真っ先に回線速度を調べるタイプの人間――がいるのか? と思えるほどの充実度です。筆者は発表会でチェックしていて「さすがGoogle」と、妙に感心させられました。

もう一つの特徴である「メッシュWi-Fi前提の設計」ですが、こちらによる恩恵が本体の小型化です。

本体サイズは直径が106.12mm、高さが68.75mmという、てのひらに乗る大きさ。重量も340gと比較的軽く、部屋のインテリアを邪魔しにくい設計です。動作状態を示すLEDも、中央に柔らかめの灯りがともる仕様となっており、いい意味でルーター然としていません。もちろん冷却はファンレスで可能な設計。動作音も発生しません。

また、ACアダプタとの接続がUSBタイプC端子になっているという、ユニークな特徴も。ACアダプタ側の出力値は5V/3Aのため、いざという時はモバイルバッテリーでの運用も可能です。

さて、否が応でも気になるのは、本機が快適に通信できる面積の目安でしょう。こちらは1台で「マンションや中規模住宅」として約85平方メートル(m2)以下を推奨。2台連携では「大きめの住宅」な85~170m2、セット購入もできる3台では、170~255m2で「さらに大きい・複雑な構造の住宅」をカバーする、とのこと。

さて、メッシュWi-Fiで重要なこととして「複数台あるルーター(あるいは中継器)間の接続状態をいかに安定させるか」という点があります。ここが弱ければ機器間が通信速度のボトルネックになって、ともすれば1台の大型ルーターのほうがいい、ということになりかねません。

Google Wifiの技術的な特徴として、このメッシュ間の通信設定をバックグラウンドで常時行い、いわゆる「ユーザーが意識せずとも上手くやってくれる」状態が基本となっているところが挙げられます。裏を返せば凝った設定は不可能なのですが、ここは設定難度の高さから家庭用では敬遠されがちだったメッシュWi-Fiを家庭用として導入できたポイント、と呼べるところでしょう。

なお、この「通信設定の自動化とリアルタイム設定」に関してはクライアント機器との間でも「ネットワークアシスト」の名称で導入されており、最適な通信チャンネルや帯域を自動選択し、積極的に切り替え。部屋の中を動いて通信するといった回線の状況が変動しやすい状況でも、可能な限り実効速度が落ちないよう、バックグラウンドで設定を変更します。

このようにGoogle Wifiは、米国版の発売から1年以上が経過しても、いまだにライバル機種では導入されていない、ユニークな思想や設計を備えた機種。またWi-Fiに関する自動設定を積極的に活用して快適さに繋げるなど、「ネットワーク屋」としての側面も持つGoogleならでは、と呼べるポイントも備えます。

価格は比較的高価ではありますが「Wi-Fiを快適に使いたいが、家族から機器の置き場所にダメ出しをされることが多くて……」という方などにとっては、数少ない選択肢の一つとなりそうなモデルです。

Engadget 日本版からの転載。