今日(米国時間10/29)プラハで行われたFirebase SummitでGoogleは、そのアプリケーション*開発プラットホームFirebaseのさまざまなアップデートを発表した。それにより同社は、同プラットホームを、個人や小さなチームのための環境であるだけでなく、本格的なエンタープライズ開発ツールにも仕立てようとしている。〔*: 開発プラットホーム; 主にWebアプリケーションとモバイルアプリが対象。参考記事。〕
Googleは4年前にFirebaseを買収して、デベロッパーがそのSDKを使って重要なクラウドツール…データベースやストレージなど…に容易に接続できるようにした。その後同社は、その上に、モニタリングなどの高度な機能を加え、パフォーマンスの問題を解決し、アプリのユーザーのエンゲージメントを知るためのアナリティクスを加えたりしてきた。でも、これまでのそれらツールキットは、必ずしも大企業を視野に入れたものではなかった。
Firebaseのプロダクト担当Francis Maが、こう語る: “今日の発表は主に、モバイルアプリの構築と成長を志向しているエンタープライズと高度なアプリチームのための、機能とアップデートが中心だ”。
たぶん今日の最大のニュースは、企業対象のサポートが加わったことだろう。毎月150万のアプリおよびアプリケーションがFirebase上で作られているというが、しかしエンタープライズに深く入り込むためには、企業のITが問題にぶつかったとき電話できるところが必要だ。そのため同社は年内に、各種のサポートパッケージをベータで発表する予定だ。それらが、さらに幅広いGoogle Cloud Platformのサポートと組み合わさる形になる。
“すでにGCPの有償サポートを受けているユーザーは、そのGoogle Cloud Platform(GCP) Support ConsoleからFirebase関連の質問に答えてもらえる。またGCPのサポートパッケージには、ターゲットのレスポンスタイムや、専用のテクニカルアカウントマネージャー(Enterprise Supportの場合)などが含まれている。Firebaseのサポートに関して、別料金は発生しない”、とMaはGoogle Cloudとの一体性をブログ記事で強調している。
また、大きなチームや企業はさまざまな管理ツールを必要とするので、Googleは今日、Firebase Management APIを発表した。これによりIDEからFirebaseへの、プロジェクトのワークフローを、プログラムにより管理できるようになる。Maによると、これにはWebベースのIDE、StackBlitzとGlitchの統合も含まれている。“これらのプラットホームがFirebaseでアプリが作られていることを自動的に検出し、ボタンひとつでそれをFirebase Hostingへデプロイできるようにする。彼らのプラットホームを去る必要はない”、とMaは書いている。
そのほか、5月に発表されたGoogle MLキットの顔認識ツールへのアクセスの改良をはじめ、たくさんの発表があった。パフォーマンスモニタリングツールCrashlyticsが改良されて、PagerDutyの統合が行われた。アナリティクスツールFirebase Predictionsは、ベータを卒業して一般公開された。
これらの発表はすべて、Firebaseプラットホームの成熟を示すと同時に、単なるデベロッパーツールから、エンタープライズも視野に収めたツールへの機能拡張を、はっきりとねらっている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)