オープンソースの持続可能性

オープンソースのメンテナーたちは疲れ果てて、支払いを受けることも稀である。新世代にむけて経済を変えていこう。

オープンソースの持続可能性とは、ずっと矛盾した表現に他ならなかった。世界中のエンジニアが、その汗と心を、情熱溢れるプロジェクトへ注ぎ込み、現代のインターネット経済の中で使われるソフトウェアを支えている。その見返りとして、彼らは称賛以外の何物も求めず、そのプロジェクトが生き続け改善されていくことに向けて努力するのだ。それは、分権化されたボランティア精神たちの、信じられないような運動であり、人間性が最高の形で現れたものだ。

インターネットとコンピューティングの巨人たち(世界で最もオープンソースを使うユーザーたち)は、数兆ドルの価値を誇っているが、その富が、彼らに力を与えているオープンソースプロジェクトのメンテナーたちに滴り落ちて(トリクルダウン)行っているのかどうかについては、あまり考えられていないだろう。昼には別の仕事を行いながら、メンテナーたちは、GitHub上でのひっきりなしの無料サポート要求に晒されながら、重大なバグを修正するための時間を見つけるのに苦労しているかもしれない。メンテナーたちののバーンアウトは深刻な問題なのだ。

その悲惨な状況は、Nadia Eghbalが書きフォード財団によって公開されたオープンソースの状況についての画期的なレポートの中で、ほぼ2年前に報告されている。オープンソース基盤を「道路や橋」と比較しながら、Eghbalはオープンソースが向き合う問題の包括的な概要を示しただけでなく、より多くのオープンソース利用者たちに対して、その経済学に注意を払うこと、そして最終的にはこうした重要なプロジェクトたちが持続可能になるように力添えを行うことを呼びかけたのだ。

それから2年が経ち、新しい起業家たちの集団、オープンソースメンテナー、そして複数の組織たちが、Eghbalの呼びかけに取り組み、オープンソースの中心にあるボランティア精神を維持するためのソリューションを生み出しながら、同時にその仕事を維持可能なものにするための新しい経済モデルを発明しつつある。全てはまだ初期段階であり、それがオープンソースの成果と品質に対して、長期的にどのような影響を持つかは未知である。しかし、それぞれのソリューションは、今後のオープンソースにおけるキャリアの考え方を、根本的に変える可能性のある道を提供している。

「道路や橋」が崩れて行くことを誰も気にしない

2年前のEghbalの報告書には、オープンソースのメンテナーたちが直面している広大な問題、そしてそれ以降も本質的に変わっていない課題がまとめられている。それは、ありふれたものになることで意識されることが減ってしまう「一般化の悲劇」の典型的な例である。Eghbalが当時書いたように、「基本的に、デジタルインフラストラクチャにはフリーライダーの問題がある。リソースは無料で提供され、誰でも(個々の開発者か、大手ソフトウェア会社かに関わらず)それらを利用する。このため、そこに貢献を返そうと考えるものはおらず、誰かがそれをやってくれるのだろうと考えるのだ」。オープンソースソフトウェアがその影響の頂点に達するにつれて、これは脆弱な生態系へとつながっている。

しかし、問題はさらに深刻だ。人びとは、単にフリーライディングをしているだけでなく、しばしばその自覚さえないのだ。普通のソフトウェアエンジニアたちは、アプリケーションの最も基礎的な部分を支えているオープンソースに注がれた職人技が、どれほどのものかをつい忘れてしまいがちだ。例えばNodeエコシステムを支えるモジュールリポジトリであるnpmは、70万近くのプロジェクトを登録している。最近新しいReactアプリを始めたところ、npmは私の初期プロジェクトにわずか数秒で1105個のライブラリをインストールした。こうしたプロジェクトは何だろう?

そしてさらに重要なことだが、がその背後にいるのだろう?ライブラリの依存関係ツリーは、ライブラリを生み出し機能させている全ての人びとを抽象的な存在にしてしまう。そうしたブラックボックスによって、それぞれのオープンソースでは、想像よりもずっと少ない人数のメンテナーしか舞台裏では働いていないということや、そうしたメンテナーたちが資金不足によって、ライブラリのために働くことが難しくなっているかもしれないということが、分かりにくくされてしまう。

Eghbalは、OpenSSLを例とした挙げた。これはWeb上の暗号化された通信の大部分を担うライブラリだ。Heartbleedセキュリティバグが公表されたときに、人びとはOpenSSLプロジェクトが非常に小さな個人のチームの仕事であり、そのうちの1人だけがフルタイムで働いていることを知って驚いた(そのフルタイム作業者も、業界基準に比べれば非常に少ない給与で働いていたのだ)。

このような状況は珍しいことではない。オープンソースプロジェクトにはしばしば多くのコントリビューター(協力者、貢献者)がいるものの、特定のプロジェクトを本当に推進しているのは、一握りの個人たちに過ぎないのだ。燃え尽きや、関心の喪失などによって、そうした推進力を失ってしまえば、プロジェクトは簡単に漂流してしまう。

無償が無償でなくなるとき

オープンソースが消えることや、メンテナーが燃え尽きることを望んでいる人はいない。しかしコミュニティの中には、商業的な関心に対する、強い文化的な抵抗が存在している。金は腐敗しており、オープンソースに対するボランティア精神を損なわせるというわけだ。より現実的には、仕事に対する実際の支払いが非常に難しい、世界中に分散したボランティアチームに対する、お金の管理の課題がある。

驚くことではないが、オープンソースの持続可能性を考える最先端では、物事は違う角度から眺められている。弁護士であり、License Zeroの創始者であるKyle Mitchellは、世間には「オープンソースは天からの恵みのように降り注ぎ続け、その背後にいる人びとは抽象的な存在として捉えていても良い」という前提があるのだという。彼はこうまとめる:「それは本当に間違っています」。

その見解は、人気のあるJavaScriptコンパイラBabelのメンテナーであるHenry Zhuによっても繰り返された。「私たちはVCからの数百万ドルという資金を持つスタートアップたちを信頼していますし、『どんどん失敗せよ』という文化も奨励していますが、だとしても何年もの献身を捧げてくれたであろうボランティアたちに、何か報いようと考えることは望ましくないことでしょうか?」と彼は語る。

Open Collectiveの創業者であるXavier Dammanは次のように語る「どのようなコミュニティにも、極論に走る人物は常にいます。私は彼らの話を聞いてその言い分も理解しています。理想的な世界では、皆がベーシックインカムを得ることになるでしょう。それには私も同意します」。しかし世界はまだ、そのようなインカムモデルには移行していないのですから、オープンソースの仕事を支援することも、選択肢として与えられるべきです。「全員がオープンソースコミュニティのために資金調達を行わなければならない、ということではなくて、希望する人ならそれができるようになっているべきであり、私たちはそういう人たちと働きたいと思っているのです」と彼は言う。

Mitchellは、最も重要な課題の1つは、単にお金について話すことに抵抗がなくなることだと考えている。「そうなるまで、お金は汚いもののように感じられることでしょう」と彼は言う。「私はコミュニティの中で、お金がより大きな役割を果たすところを見たいと思っているのです」。彼が指摘したまた別の課題の1つは「素晴らしいメンテナーになることを学んだとしても、素晴らしいオープンソース請負人やコンサルタントへの成り方がわかるわけではない」というものだ。GitHubはコードリポジトリサービスとしては素晴らしいが、最終的にはメンテナーたちにその仕事の経済性を教えるものではない。

コントリビューター個々人を支援する:PatreonとLicense Zero

おそらく、オープンソースを維持する上で最大の議論は、誰もしくは何をターゲットにするかを決めることだろう:(頻繁に複数のプロジェクト間を移動する)個別のコントリビューターたちなのか、あるいは特定のライブラリそのものなのか。

Feross Aboukhadijehを例に取ろう。Aboukhadijeh(実を言うと、彼は約10年前にスタンフォードで私のルームメイトだった)は、特にNodeエコシステムにおけるオープンソースの世界で、主役となっている。彼はNode.js Foundationのボードメンバーに選任され、GitHub上で125レポジトリを公開しているが、その中にはWebTorrent(1万7000スター)や Standard(1万8300スター)などの人気プロジェクトも含まれている。

Aboukhadijehは、オープンソースにもっと時間を費やす方法を模索していたが、1つのプロジェクトに依存したり、昼の光も見られないような民間企業でコードを書いたりすることは望んではいなかった。そこで彼はサポートの手段としてPatreonに目を向けた。

(情報開示:私の直近の雇用主であったCRVは、PatreonのシリーズAに対して投資を行っている。私はこの特定の会社に対して、能動的にも受動的にも金銭的な関心を持っていない。 私の倫理宣言によれば、私は通常ならCRVのポートフォリオ企業については書かないのだが、このエッセイはオープンソースに焦点を当てているため例外とした)。

Patreonはクラウドソース型のサブスクリプションプラットフォームで、おそらくそれが支援しているクリエイターたちでよく知られている。しかし最近では、注目されるオープンソースのコントリビューターたちによる利用も増えている。ファンたちと交流し、彼らの仕事を維持するためだ。Aboukhadijehも、他の人たちがやっているのを見て、彼のページを立ち上げた。「沢山の人たちがPatreonsを始めていました。これは私のJavaScriptサークルの中のミームの一種となっていました」と彼は言う。Patreonの彼のページには、現在72人のコントリビューターが名前を連ねており、月に2874ドル(年に3万4488ドル)の資金を提供している。

それはいささか少ないようにみえるかも知れないが、彼は様々な組織からの資金でPatreonを補っていると説明してくれた。例えばBrave( ユーティリティトークンモデルに基づく広告ブロッキングブラウザー)やPopChest(分散動画共有プラットフォーム)などだ。そうしたものの合計で、彼は月に数千ドル以上を手にしている。

Aboukhadijehは、Twitterが収入源を構築していく上で、大きな役割を果たしたと語った。「Twitterは、開発者たちが何かを話し合う場所として、そして会話が始まる場所として重要なのです…」と彼は語った。「私の仲間でPatreonで成功した人たちは、みな私のように沢山ツイートを行って、とても上手くやっています」。

大いに成功した場合には、収入はとても大きくなる可能性がある。人気のJavaScriptフロントエンドライブラリであるVue.jsの作者であるEven Youは、231人のパトロンから毎月1万5206ドルに達する収入を得ている(年額18万2472ドル)。Graphtreonによれば2016年3月にPatreonに参加して以来、収入は上下しているものの、パトロンの数は一貫して増えてきている。

Aboukhadijehは、大きな利点の1つとして、彼自身の資金に対する所有権を持っていることを指摘した。「Patreonをやったことは嬉しいですね。なぜならお金が自分のものになるからです」と彼は言う。

Patreonはユーザーから収入を得るための直接的なアプローチの1つだが、また別の方法としてデュアルライセンスを提供するというやりかたもある。無料ライセンスと商用ライセンスの2つを提供するのだ。これがLicense Zeroのモデルで、昨年Kyle Mitchellによって提案された
。彼は私に「License Zeroは、シンプルな答のない本当にシンプルな問いかけに対する回答なのです、すなわち、私たちはオープンソースビジネスをどのように個人に開放することができるのか?」と語った。

Mitchellは変わった経歴の人物だ。法律学校に行くことを選んだ昔からのコーダーなのだ。成長の過程で彼は、ウェブの上で発見したソフトウェアを使いたいと思っていた。しかし「もしそれが無料でなかった場合には、子供だったのでダウンロードすることはできませんでした」と彼は言う。「それが法律への道を拓くことになった知的財産問題へと私を誘いました」。

License Zeroは、2条項BSDライセンスに基づく許可ライセンスである。ただし、商用ユーザーは90日後には商用ライセンスの支払いを行わなければならない。このことで企業は、実際の購入の前にプロジェクトで試用することができる。もしライセンスを購入することができない場合(例えば、メンテナーがもはや存在しない)には、条項は強制力を失い、ソフトウェアは完全にオープンソースとして提供される。このアイデアは、一般ユーザーはいつでもソフトウェアを無料で利用できる一方、商用ユーザーは支払いを行う必要があるというものだ。

Mitchellは、これがオープンソースでの努力を続けようとする個人にとって、適切なアプローチであると考えている。「最も重要なことは、時間予算です ―― オープンソースプロジェクトを抱える多くのオープンソース企業や個人が、お金をサービスから得ています」と彼は言う。問題は、そうしたサービスは1つの企業に集中することになり、そのプロジェクトをなるべく良くするための時間を奪い去ってしまうことだ。「もし金儲けをするための時間が、オープンソースを良くするために使われないとしたら、それはオープンソース自身の足を引っ張ってしまいます」と彼は語る。

確かにLicense Zeroは、オープンソースはすべてのユーザーに無料で提供されるべきであるという概念からは離れてしまう、文化的な飛躍だ。しかしMitchellは、「企業はいつでもソフトウェアに支払いを行っています。そしてそれを無料で手に入れることができる場合でも支払いを行うこともあるのです」と述べている。企業は適切なライセンスを気にしているため、そのことがオープンソースソフトウェアのオープン性と精神を維持しながら、収入を得るための手段となる。またそれは、販売目的のために、オープンソースのメンテナーに重要な機能(例えば管理用ダッシュボードとか、大規模対応機能とか)を取り除く作業を強いることがない。

既存のプロジェクトのライセンスを変更するのは難しいかもしれないので、このモデルはおそらく新しいプロジェクトで使われることが最善だろう。これは潜在的に、Patreonやその他のサブスクリプションプラットフォームを補足したり置き換える手段を提供し、個人のオープンソースコントリビューターたちに、生活の場を与えながら、コミュニティにフルタイムで取り組む持続的な手段を見つけさせる。

組織を支援する:TideliftとOpen Collective

個人を支援することには多くの意味があるが、しばしば企業は、自身のソフトウェアを支えている特定のプロジェクトやエコシステムを支援したいと考える。だがそうすることがほとんど不可能なこともある。企業がオープンソースに資金提供をする場合には複雑な手順が必要とされる。例えば実際に送金する先の組織を特定するなどの作業などだ(そして多くの場合、税務署に対してその組織が確かに非営利組織であることを証明しなければならない)。TideliftとOpen Collectiveは、そうしたチャンネルを開くための2つ方法だ。

Tideliftは、Donald Fischerが率いる4人のオープンソース信者たちによる独創的な計画だ。CEOであるFischerは、General CatalystとGreylockでの元ベンチャー投資家であり、長年に渡りRed Hatの役員も努めている。その最新の取り組みとして、Fischerはオープンソースエコシステムの中心の会社たちに投資を行っている。例えばAnaconda(Pythonの科学と統計コンピューティングに焦点を当てている)、Julia Computing(Juliaプログラミング言語に焦点を当てている)、Ionic(クロスプラットフォームモバイル開発フレームワーク)、そして今はLightbendという名前になったTypeSafe(Scalaプログラミング言語の背後にいる)などだ。

Fischerと彼のチームは、オープンソースエコシステムが自分自身で持続できるようにするプラットフォームを作りたいと考えている。「オープンソースがソフトウェアの大きな部分を占めているにも関わらず、オープンソースのクリエイターの多くが、生み出している価値の多くを手にすることができていないという点に、ある種欲求不満を感じていました」と彼は説明する。

Tideliftは、「ソフトウェアのセキュリティ、ライセンス、そして保守などの分野」で保証を提供するようにデザインされている、とFischerは述べた。そのアイデアの起源は、Linuxを商用化したRed Hatから得られたものだ。ここでのアイデアは、企業はクリティカルな脆弱性対応や長期間に渡るサポートなどの保証を受けることができる場合には、喜んでオープンソースにお金を払うというものだった。さらにTideliftは、ライセンス問題の取り扱い等の、オープンソースを商用化するために必要な日常的なタスクを請け負う。

Fischerは、Tideliftから購入する企業とスタートアップが取り組むプロジェクトの共生を狙っている。「私たちはオープンソースを、関係者全員とって良いものにしようと努力しています。そこにはオープンソースの開発者と利用者の両方が含まれています」と彼は言う。「私たちが焦点を当てているのは、上流のオープンソースプロジェクトで問題を解決することです」。企業は保証を購入しているものの、それは排他的なものではない。たとえば、脆弱性が検出された場合には、全ての人向けに修正が行われる。

Tideliftは当初、React、Angular、Vue.jsといったJavaScriptエコシステム向けに立ち上げられた。しかし、時間の経過とともにより多くのコミュニティに広がって行くだろう。同社はベンチャーキャピタルのGeneral CatalystとFoundry Group、そして元Red Hat会長兼CEOだったMatthew Szulikから1500万ドルの資金を調達した。

Fischerは、同社がオープンソースのコントリビューターのための経済学を変えることができると期待している。彼はコミュニティが、「必要最低限の収入」を伴った「なんとか生き延びる」というモデルを脱却して、偉大なソフトウェアのメンテナーたちが「大きな成功を収め、それによって金銭的に大いに報われる」ことを支援したいと望んでいる。

Tideliftが商品化とソフトウェアの保証に焦点を当てているのに対して、Open Collectiveはオープンソースそのものの収益プロセスを、オープンソース化したいと考えている。

Open Collectiveは、お金を受け取ることができるツールを「グループ」(collectives)に対して提供するプラットフォームである。同時にそのグループのメンバーに対して、そのお金を民主的かつ透明なやり方で支出するメカニズムも提供している。

例えば、Open Collectiveが支援しているBabelを見てみよう。Babelは現在、毎年コントリビューターたちから、年間予算11万3061ドルを受け取っている。しかしもっと興味深いのは、このグループがどのようにそのお金を費やしているかを誰でも見ることができるということだ。Babelは現在、その口座に2万8976.82ドルを所有していて、かつすべての出費が記載されている。例えば、このエッセイの最初の方で取り上げたコアメンテナーのHenry Zhuは、6月2日にサンフランシスコとシアトルでの2週間分のLyftの費用として、427.18ドルを計上している。

Open Collectiveの創業者であるXavier Dammanは、この徹底的な透明性が、その参加たちによって、どのようにオープンソースの経済を考慮されるかを変える可能性があると考えている。DammanはOpen Collectiveを(ユーザーがウェブサイトのコードを見ることができる)ウェブブラウザの「ソースを見る」機能に喩えた。「プラットホームとしての私たちの目標は、できるだけ透明にすることです」と彼は語った。

DammanはかつてStorifyを創業した人物だ。その当時彼は、助成金を受け取って、ジャーナリストたちが匿名のタレコミを受け取ることを助けるようにデザインされたオープンソースプロジェクトを開発した。問題は「助成金を得たのはいいのですが、私はそのお金をどうすれば良いか分からなかった」ことだ。彼はそれを他のオープンソースプロジェクトに与えることを考えたが、「法的に、それはただ不可能でした」。法的実体や書類がなければ、お金は使うことができないものだったのだ。

Open Collectiveはこれらの問題を解決するためにデザインされている。Open Collective自身は、デラウェア州のC-corpと501(c)6の非営利団体の両者であり、そのプラットフォームでホストされているグループに向けられたすべての資金を、財政的スポンサーとして法的に受け取る。これにより、組織は企業に対して請求書を送ることができるようになり、このことで企業は小切手を切るための書類を受け取ることになる。「請求書を手に入れることができれば、問題は解決するのです」とDammanは説明する。

一旦プロジェクトにお金が入ったら、それを使う方法を決めるのはコミュニティのメンテナー次第だ。「それぞれのコミュニティのルールを決めるのは、各コミュニティに任されます」とDammanは語る。彼は、オープンソースのコントリビューターたちは、しばしば通常行われていないあまり面白くない種類の仕事を代行して貰うためにお金を使うことが多いと指摘する。Dammanはそれを「人にお金を払って、場所を綺麗に保つ」ことになぞらえた。公園を積極的に掃除したいと思う人はいないが、もし誰も公園を掃除しなかったら、だれも公園を使わなくなってしまう。彼はまた、実際の対面ミーティングが、よく使われる収入の使い道だと説明した。

Open Collectiveは2015年後半に立ち上げられ、以来647のオープンソースプロジェクトを支えてきた。これまでのところ、人気のあるJavaScriptビルドツールであるWebpackが最も収益を上げており、現在の収益は年間31万7188ドルに達している。組織の主な目的の1つは、より多くの営利企業たちが、オープンソースに資金を投入するように促すことだ。Open Collectiveは、主要な寄付者のロゴを各グループのページに配置して、オープンソースへのコミットメントに対して目に見える称賛を与えている。

Dammanの究極の夢は、所有権そのものの概念を変えることだ。私たちは「競争を協調に変えるだけでなく、所有を共有に変えることもできます」と彼は期待を述べる。

持続可能性を持続する

残念ながら、オープンソースの持続可能性の議論はとても初期の段階である。Patreon、License Zero、Tidelift、Open Collectiveは、持続可能性のためのインフラストラクチャを提供する異なるアプローチだが、最終的にはそうしたインフラストラクチャを有効なものにするためには、誰かが支払いを行う必要がある。Patreonで昼の仕事を埋め合わせることができているエンジニアは、ほんの一握りだけだ。そして私のみたところ、1人のフルタイムメンテナーをOpen Collective上で支援できているグループは2つだけである。License ZeroとTideliftはあまりにも新しいので、まだどのようになるかは判然としない。

とはいえ最終的には、私たちは文化を持続可能性に向けて変えていく必要がある。BabelのHenry Zhuは次のようにコメントした「私たちのコミュニティの文化は、例えば雇用の提供や資金の提供といった、できることで対価を与え、コミュニティのプロジェクトを支援するようなものでなければなりません。オープンソースを単に取り込んで使い、そのコストを無視したままではなく、私たちはその持続可能性に責任を負うべきなのです」。

ある意味、私たちは単に、一般化の悲劇における、元々のフリーライダー問題に戻っているだけだ ―― だれかが、どこかで支払いをしなければならない、しかしその便益は皆で分け合うのだ。

しかし、こうした変化は、コードを扱う私たち全てに起こり得るものだ ―― すべてのソフトウェアエンジニアとプロダクトマネージャーの全てに。営利企業で働いている場合には、あなたの仕事を効率的にしてくれているコードを支援できる方法を率先して探そう。オープンソースコミュニティーの分権化とボランティア精神は、すべての財政的コントリビューターに対しても、まったく同じ種類の分権化された精神を要求する。持続可能性は私たちひとりひとりが、日々取り組むべきことだ。もし私たち皆が、自分の役割を果たせば、人類が生み出した、歴史上最も偉大な知的運動の1つを支えて、オープンソースの持続性の矛盾を永遠に葬り去ることを助けることができるのだ。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Massimiliano Clari / EyeEm / Getty Images

TencentがLinux Foundationのプラチナ会員になる、Huawei、Alibabaに次ぎ中国勢活発

時価総額5000億ドルの、中国のインターネット巨人Tencentが、Linux Foundation(LF)のプラチナ会員になり、オープンソースへのフォーカスを一層強化しようとしている。

同社はかなり前からLFやLinuxそのものと縁が深く、今年の初めにローンチしたLFのディープラーニング事業の創設メンバーでもある。このたび最高ランクのプラチナ会員になったことにより、同社はLFの理事会にも加わり、同団体とより密接に協力していくことになる。すなわちTencentはLFのプロジェクトやコミュニティに“さらなるサポートとリソース”を提供していくとともに、LFが持つ専門的能力や経験を利用していく。

その一環として同社は、オープンソースのマイクロサービスプロジェクトTARSと、オープンソースのネームサービスプロジェクトTseerをLinux Foundationに寄贈する。同団体のディープラーニングファウンデーションには、オープンソースのAIプロジェクトAngelを提供する。

Tencent Mobile Internet GroupのゼネラルマネージャーLiu Xinが、声明で述べている: “The Linux Foundationのプラチナ会員になれたことは光栄である。オープンソースは、Tencentの技術戦略の中核である”。

そのほかのプラチナ会員は、Cisco, Huawei, Microsoft, AT&T, Samsung, IBMらだ。

今年初めにTencentは、ハードウェア方面のオープンソースを推進する取り組みの一環として、もうひとつのオープンソース団体Open Compute Project(OCP)に加盟した。

Tencentの主要なライバルであるAlibabaも、オープンソースのコミュニティに大きなプレゼンスを維持している。

Alibabaは昨年来、Linux Foundationのゴールド会員だが、その貢献度は大きくて、クラウドコンピューティングサービスAlicloudなどを提供している。また、初の中国の外のクラウド投資として、MariaDBに2700万ドルを投資した。中国国内ではクラウドストレージのQiniuやビッグデータのDt Dreamなどに投資している。

画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

プログラマーのための即席ファイル共有ツールTransfer.shはコマンドラインで使う

今日このごろファイル共有ツールはあまりにもありふれている。Dropboxがあり、Google Driveがあり、iCloudがある。でも、コマンドラインで迅速容易にシェアしたい、と思ったらどうだろう? そこでプログラマーのRemco Verhoefは、Transfer.shを作った。

このサービスは要するにファイルダンプで、curlでtransfer.shにファイルを送ると14日間保存されて、その後自動的に削除される。たとえばぼくは、この画像を、自分の.bashrcにちょっとコードを加えることによってアップロードした。

このシステムは、よくある、必要な仕事だけをしてくれる小さくて巧妙なツールの例だ。Verhoefは、仕事中に簡単にファイルをアップロードしたいから、これを作った。

彼曰く: “ぼくがこのアプリケーションを作ったのは、sshシェルの中から誰かにログのデータをシェアする必要があったからだ。そこでぼくは、コマンドラインを使ってcurlでファイルを簡単にアップロードしたり変えたりできるWebアプリケーションを作った。コンテンツを暗号化したり、それらに対してgrepなどを使ったりもできる。curlは、ほとんど、どんなプラットホームにもあるからね。アプリケーションはオープンソースにしたから、ほかの人たちも使えるし、みんなぜひ、自分のサーバーを動かして使ってほしい”。

“ビジネスモデルなんか、ないよ。今でもサイトを動かしているのは、一種の礼儀だな。でも人気が出てきてユーザーが増えてるから、このまま動かすのは難しい”、とも言っている。彼には自分のデベロッパーショップがあって、ICOのセキュリティなど、いろんなプロダクトを売っている。

Verhoefは、彼のプラットホームのセキュリティは約束していない。単純に便利なツールであるだけだ。彼は、ファイルをgpgにパイプしてアップロードすることを勧めている。

このプロダクトが、善いことだけに使われていないことが、彼のチームの不満だ。

“たくさんの人たちが使っている。ログファイルをアップロードするために使っている人もいれば、隠し撮りビデオを全部エクスポートするやつもいる。マルウェアやボットネットなどの配布に悪用されることもある。でもそれらは、なるべく早く見つけてやめさせている。ポルノサイトがポルノ写真のサーバーとして使ったこともあるが、それを見つけたときは、写真を全部、犬と子猫の写真にリプレースしたよ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GitLabのハイエンドの利用プランがオープンソースのプロジェクトと教育機関に無償提供

GitHubがMicrosoftに買収されたことに多くのデベロッパーが深い不安をいだき、その多くはGitHubに代わるものを探している。候補の一つがGitLabで、同社も鉄は熱いうちに打つことに決めたようだ。今後より多くのデベロッパーが同プラットホームに集まりやすいようにGitLabは今日(米国時間6/5)、セルフホスティング・タイプのGitLab Ultimateプランと、そのGitLabがホストするGoldプランを、オープンソースのプロジェクトと教育機関向けに無料にした。

GitLabのCEO Sid Sijbrandijはこう語る: “教育機関やオープンソースのプロジェクトは、自分たちのソフトウェアプロジェクトのセキュリティやパフォーマンス管理が完備していない場合が多い。幸いにも今のGitLabは業績も良く、多少の余裕があるので、これらの重要なコミュニティにGitLab UltimateとGitLab Goldの両プランの完全な機能集合を無償でご提供できる”。

GitLabに移行することへの関心は今とても強くて、きのうのGitHubのニュースが流れて以降同プラットホームには14300あまりのユニークビジターがあり、そのデベロッパーたちはGitLab.com上に10万以上の新たなリポジトリをオープンした。その多くがGitLabの無料で制約のあるCoreプランで登録したが、それは基本機能はすべて揃っているものの、大型のプロジェクトには向いていない。

しかしGoldとUltimateは、通常一人あたり月額99ドルの有料制だが、コードリポジトリとしての基本機能のほかに、ロードマップの公開や、依存性とコンテナのスキャン、Kubernetesクラスターのモニタリング、そして近い将来、ライセンスポートフォリオの管理が加わる。

ただしGoldとUltimateプランを無料で利用する場合はサポートが含まれない。サポートを必要とするデベロッパーやオープンソースプロジェクトは、別途一人あたり月額4ドル95セントを払えばよい。

もうひとつの制約は、教育機関(学校、大学)はOKでも個々の学生には適用されないこと。その理由をGitLabは、GitLab側の管理の負担を軽減したいため、と言っている。“あなたが学生であなたの教育機関がGitLabに登録していない場合は、GitLab.com上の公開されているプロジェクトのすべての機能や、プライベートなプロジェクトの無料機能を利用できる。それ以外は有料になる”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

蜜蜂の個体数を調べて群の健康状態をチェックするRaspberry Piのプロジェクト

蜜蜂を飼うと、そのお世話がたいへんである。そこでプログラマーのMat Kelseyは、彼の羽根のある蜂蜜メーカーたちが今どれだけ巣箱にいるかを知るためのカウンターを作った。彼のシステムはRaspberry Piと機械学習のアルゴリズムを使って、巣箱に入る蜂の個体数を調べ、その時系列を見ることによって群(むれ)の状態をモニタする。

“巣箱を置いたとき最初に考えたのは、‘出入りする蜂の数をどうやって数えるか?’だった”、とKelseyは書いている。“調べてみたら、蜂にとって無害な良い方法はまだないことが分かった。でも、個体数とその変化が分かれば、コロニーの健康状態もよく分かるはずなんだ”。

そのシステムは、巣箱のドアの写真を10秒おきに撮る。そしてその背景を外挿して、その間にフレームに入ったオブジェクト…すなわち蜂…の数を数える。蜂は絶えず動き回っているし、巣箱から出て行く蜂は数えないから、難しくておもしろい問題だ。

ソースはGithubでダウンロードできるし、詳しいブログ記事もある。今は、蜜蜂のコロニーの崩壊が世界的な問題になっているから、なおさら重要なツールだろう。しかも、Raspberry Piがこんな複雑なこともできるなんて、嬉しいよね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GUNはオープンソースのP2Pデータベース――ノードがオフラインでも機能する

GUNはオープンソースの分散データベース・システムでデベロッパーは簡単にP2Pネットワークで作動するアプリを開発できる。しかもこのネットワークでは一部のノードがオフラインであっても作動する。今日(米国時間5/23)、このデータベースを開発した会社(ピストルのロゴと社名は一考の要があるかも)はDraper Associatesがリードしたラウンドで150万ドルのシード資金の調達に成功してことを発表した。今回のラウンドにはSalesforceのマーク・べニオフのAloha Angels、Boost VC、CRCM Venturesなどのエンジェル投資家が加わっている。

GUN のファウンダー、Mark Nadalは私の取材に答えて、「データベースに取り組み始めてから4年になる。きっかけは、私の初期のプロジェクトでの失敗のほぼすべてがデータベースが原因だったからかだ」と語った。データベースがダウンすればサービスはすべてダウンする。そこでリアルタイムでアップデートしても整合性が保たれる分散データベース・システムの開発を始めたたのだという。

GUNはマルチマスタ・レプリケーションによるP2Pデータベースであり、クラウド・サーバーはネットワークの一つのピア・ノードに過ぎない(もちろんユーザー側ブラウザに比べてはるかに大量のリソースをを持ち、信頼性もはるかに高い)。GUNユーザーにはアップデートにおけるコンフリクト解消などのデータベース運用上必須のツールが標準で提供される。データは自動的にピアに拡散、同期される。ユーザーがオフラインになるとデータはローカルにキャッシュされ、再度オンラインになったときにネットワークに書き戻される。

Nadalは2014年にFirebase、MySQL、MongoDB、CassandraをベースにGUNの最初のプロトタイプを開発した。これはかなりつぎはぎの仕事だったが、引き続きこのアイディアを追求するに足るだけのデベロッパーの関心を集めることができた。

現在GUNを利用してRedditのクローン から分散版のYouTubeのコピーまでさまざまなデータベースが実験されている。

Nadalはまた一部の現行データベースに比べてこのシステムはスピードの点でも大きな優位性があるとしている。「予備的なテストの結果ではわれわれのキャッシュはRedis、MongoDBなどに比べて28倍速いと判明した。GUNは現在、ゲーム、IoT、VR、分散的機械学習などの分野におけるパイオニア企業と提携を進めている」という。

オランダ海軍はすでに艦上のIoTサービスの一部にGUNを採用している。AI/機械学習分野で利用しているグループも多い。Nadalはこのデータベースはブロックチェーン・テクノロジーとの適合性が高いとして、この分野のデベロッパーもGUNに注意を払うべきだと考えている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

OpenStackがオープンソースのCI/CDプラットホームZuulを切り離して独立化

OpenStackほど複雑なオープンソースプロジェクトはほかにないと思われるが、これは要するに、AmazonのAWSのような総合的なクラウドコンピューティング環境を、企業が自分のデータセンターの(主としてプライベートな)インフラストラクチャとして装備するためのシステムだ。それを構成するさまざまなサブシステムを作るためにチームは、独自のDevOpsツールを作らざるをえなかった。2012年には、その一環として、オープンソースの継続的インテグレーションとデリバリ(CI/CD)プラットホームZuulを作った。そしてこのほど、Zulu v3のリリースを契機に、ZuluをOpenStackから切り離して独立のプロジェクトにした。でもOpenStackのエコシステムを去るわけではなく、依然としてそれは、OpenStack Foundationがホストするツールだ。

構造をざっと展望すると、OpenStack Foundationは一種の母体的組織であり、その傘下のメインプロジェクトとしてOpenStack本体のほかに、昨年おそく登場したKata Containersと、今回のZuulがある、という構造になる。すなわちOSFは近年、本体OpenStackのほかに、関連のインフラストラクチャプロジェクトも揃えよう、としているのだ。

Zuulはデベロッパーたちに、プロジェクトに新たな変更を加えようとするときの、コードのマージ、ビルド、そしてテストの工程を自動化するシステムを提供する。サポートする開発プラットホームはかなり幅広くて、GitHubや、コードレビューとプロジェクト管理のツールGerritなどもサポートしている。

Zuulの現在のコントリビューターは、BMW, GitHub, GoDaddy, Huawei, Red Hat, そしてSUSEだ。BMWのソフトウェアエンジニアTobias Henkelは語る: “ソフトウェアプロジェクトがCD/CIを幅広く採用することは、高品質なソフトウェアをタイムリーにデリバリするための基盤だ。それにより、個々のコミットチェックからフルリリースに至るまでの、開発サイクルの重要な部分を、すべて自動化できる。弊社BMWのCI/CDチームは、Zuulコミュニティの一員であることを誇りとし、オープンソースのZuulプロジェクトの積極的なコントリビューターであり続けたい”。

Zuulがスピンオフして独立した今の時期は、CI/CDに関して選択肢がとても多くなっている。GoogleとNetflixはオープンソースのSpinnakerで、Zuulと同様の機能を提供しようとしているし、またJenkinsとその類似プロジェクトたちも依然として強い。これらに対してZuulは、大規模で複雑な開発プロジェクトをうまく扱えるmulti-repo gatingマルチリポジトリ・ゲーティング)機能の有利性を強調している。

今カナダのバンクーバーで、これらのオープンソースプロジェクトの代表者たちによるOpenDevカンファレンスが行われており、そこでOpenStack Summitも併催されているので、数日〜数週間後にはこれらのプロジェクトすべてに関するより詳しい情報が出てくることだろう。

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GoogleがモバイルVRの計算負荷を減らすツールSeuratをオープンソース化

今日(米国時間5/4)はGoogleが2017年のI/Oで行った、VRに関する多くの約束を果たす日だ。さきほど同社は、モバイルの高忠実度なVRから計算の複雑さを減らし、パフォーマンスを大幅に向上するツール、Seuratをオープンソースにする、と発表した。

このローンチは、Mirage Soloのリリースと平行している。こちらは同社のVRプラットホームDaydreamの初めてのヘッドセットで、それはGoogleの位置追跡システムWorldSenseを使っている。このヘッドセットはスタンドアローンで、〔クラウドなどではなく〕モバイルのチップセットで動くから、ゲーム用PCに接続されるヘッドセットよりもリソースの制約が厳しい。

Seuratは、ポリゴン(多角形)の数を減らすことをねらったソフトウェアツールだ。Seuratが基本的にやるのは、VRのユーザーが、さまざまな動きの中で持つすべての視点から、実際には見れない/行けない領域を取り除くことだ〔前面に物がある、など〕。たとえばSeuratは、そこに恒久的にあるオブジェクトを取り除く。仮想現実の中で見えない部分は、実際に存在しないと見なしてもよい。だからそこは、ポリゴンの計算をしない。

上のBlade Runnerの例では、ひとつのシーンに4660万個の三角形があるが、Seuratはそれらを30万7000に減らした。高性能なハードウェアから描画能力に制約のあるモバイルのVRハードウェアへ移植するときは、このような省略能力がデベロッパーにとって助かる。

このツールのソースコードとドキュメンテーションは、GitHub上にある。

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フランス政府のすべての省庁がTelegramやWhatsAppなどの利用を禁じられ国営メッセージングアプリの使用を義務付け

フランス政府によると、一般的に人気のある暗号化メッセージングアプリTelegramやWhatsAppなどが政府職員間でも使われているが、それらには外国からの盗聴等のリスクがありうるため、今年の夏以降、フランス政府が独自に開発した暗号化メッセージングサービスに全員が移行する。

Reutersの記事によると、大臣たちには、外国製でしかもサーバーがフランス国内にない暗号化アプリが使われることに対して懸念がある。デジタル省のスポークスウーマンは、こう語る: “アメリカやロシアなど外国によって暗号化されるのではない暗号化メッセージングサービスを見つける必要がある。Facebookの例にも見られるように、侵害の危険性はつねにあるのだから、われわれ自身が主体的に選択や開発をする必要がある”。

TelegramのファウンダーPavel Durovはロシア人だが、今は外国に亡命している。そして彼のメッセージングアプリは、暗号鍵をロシア当局に渡さなかったために、彼の母国ではブロックされている

WhatsAppはTelegramと違って、そのプラットホームの全域にわたってエンドツーエンドで暗号化されている。しかも、尊敬されているオープンソースのSignal Protocolを使っているが、しかしWhatsApp自身はアメリカのテクノロジー大手Facebookがオーナーであり、開発もアメリカで行われている(Signalも開発はアメリカ)。

その親会社Facebookは現在、大々的なデータ誤用事件の渦中にあり、その事件では何千万ものFacebookユーザーの情報が、ユーザーがそれを知ることも同意することもないまま、問題の多い政治コンサルタントに渡された。

デジタル省のスポークスウーマンによると、フランス政府内の約20名の閣僚と一般公務員が、その新しいメッセージングアプリを試しており、夏までには政府内の全員の使用が義務化される。

最終的には全国民が利用できるようになる、と彼女は付け加えた。

Reutersによると、スポークスウーマンはさらに、国が雇ったデベロッパーがそのアプリを、ネットからダウンロードして無料で使えるコードを使用して設計した、と述べた(すなわちオープンソースのソフトウェアを使ったようだ)。しかし彼女は、使用されたコードやそのメッセージングサービスの名前を挙げることを拒(こば)んだ。

先週の終わりごろZDNetが、フランス政府はTelegramのようなアプリの使用を別のもので置き換えたがっている、と報じた。しかしTelegramは、大統領のEmmanuel Macronも大ファンらしい。

その記事は、フランスのデジタル大臣Mounir Mahjoubiの発言を引用している: “今、安全な公共的メッセージングを開発している。それは私権のある提供物に依存しないものになる”。

報道によるとフランス政府はすでに、国防関連とIT関連のサプライヤーThalesが作った安全なメッセージングプロダクトを一部で使用している。ThalesのWebサイトには、スマートフォンのインスタントメッセージングアプリCitadelが載っていて、“プロフェッショナルたちが信頼しているメッセージング”であり、“多くの消費者向けメッセージングアプリのものと同じと分かる機能”を提供するとともに、“スマートフォンやコンピューター上の安全なメッセージングサービスと、エンドツーエンドの暗号化された音声通話やファイル共有など多くの関連機能がある”、と説明している。

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Microsoftが新しいIoTサービスのために独自のLinuxカーネルを作った

今日(米国時間4/16)サンフランシスコで行われた小規模なプレスイベントでMicrosoft は、マイコンを使用するデバイスを対象とする、安全なエンドツーエンドIoTプロダクトのローンチを発表した。それらは、小型で消費電力の少ないマイコン(micro control unit, MCU)を使って最小限のコントロールやネットへの接続を行うデバイスだ。そのようなデバイスは、玩具や家庭用品、産業向けアプリケーションなど、さまざまなところで使われているが、頻繁なアップデートは行われず、セキュリティに不安のあるものが多い。

今回のAzure Sphereと呼ばれるプロダクトは、機能性能等が一定の基準を満たす一連の証明済みのMCUsを対象とする。そしてMicrosoftの法務部門のトップBrad Smithが今日の発表で強調しているのは、チップに対するAzure Sphereの認定ライセンスを無料にして、そのエコシステムの立ち上げに勢いをつける、という点だ。

アップデートや遠隔測定が困難なデバイスはセキュリティも困難だから、まずそれがインターネット接続機能を内蔵していることが重要だ。そしてその接続機能により、Azure Sphereのクラウド上のセキュリティサービスにもアクセスする。

ということは、それらのデバイスではWindowsが動くのだろうか? いや、違う。Microsoftはこのプロダクトで初めて、独自のLinuxカーネルとディストリビューションを立ち上げる。そのAzure Sphere OSと呼ばれるオペレーティングシステムは、今日のMCUsの多くが使っているリアルタイムオペレーティングシステムの、Microsoft独自のアップデートだ。

Windowsのエンタープライズとセキュリティのためのパートナー担当部長Rob Leffertsは、今日の記者発表でこう述べた: “Azure SphereでMicrosoftはまったく新しい種類のIoTデバイス、すなわちMCUに対応する。Windows IoTはMCUの少なくとも100倍のパワーのあるマイクロプロセッサーユニット(microprocessor units, MPUs)〔通常のCPU〕の上で動くが、Azure Sphere IoT OSに使われているMicrosoftがセキュリティを強化したLinuxカーネルでは、OSSのライセンスのもとにチップレベルのパートナーたちが迅速に新しいイノベーションを実現できる”。

そしてそれらのパートナーたちも、オープンソースのリリースを自分たちの製品に組み込めるので、とても気が楽である。

このプロジェクトで最初にスタートを切るのが。MediaTekの一連のMCU新製品群だ。これらは、低電力消費シングルコアのARM-A7システムで、スピードは500MHz、Wi-Fi接続機能と、そのほかいくつかのI/Oオプションを備える。

オープンなエコシステム、という点では、Smithによると、それらのデバイスはAWSやAlibaba Cloudなど、そのほかのどんなクラウドの上で動くサービスからも使用できる。

実はAmazonのAWSも昨年のre:Inventデベロッパーカンファレンスで類似のプロジェクトを発表している。デバイスが特定のクラウドに縛られず、しかしクラウドサービスと組み合わさってこそ真価を発揮するのだから、これら大手のクラウドプロバイダーたちがMCUsに関心を寄せるのも当然だ。たとえば新しいデバイスの認証や、オペレーティングシステムのアップデート、それらデバイス上で動くソフトウェアの管理、などでAzure以外のクラウドが利用されることを、彼らは期待するだろう。

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Windows 3.0のFile ManagerがオープンソースになりWindows 10でコンパイルできる

Microsoftが1990年代のFile Manager(ファイルマネージャー)のソースコードを公開した。Windows 3.0の上でわれわれ全員がドラッグしたりドロップしたりした、あれだ。コードはGithub上で入手でき、Windows 10でコンパイルできる。

File Managerは、multiple-document interface(MDI)を使って一つのウィンドウ内に複数のフォルダーを表示する。このインタフェイスはその後のWindowsでは大幅に変わったが、Windowsの初期の10年ぐらいはスタンダードだった。

オープンソースコミュニティへのこの小さなギフトはたしかに楽しいけど、嬉しくない人もいる。Hacker Newsの上でこう述べている人も: “Microsoftがオープンソースにするのは、ごみかまたはまったくメンテナンスされてないものばかりだ。著名なプロジェクトが二つメンテナンスされているが、ユーザーに断りなく勝手にテレメトリー(遠隔測定)をやっている。やめろ、というコメントが数百もあるのにね。われわれの情報がどこへ行くか分からないようなプロジェクトに、Microsoftの人気プログラマーScott Hanselmanも関わっている。顧客に対する乱暴な姿勢は、相変わらずだね”。

でも、この“ギフト”だけは、ただ単純に懐かしくて楽しいだけだろう。コンパイルした結果を@johnbiggsへのツイートで教えてほしい。それがちゃんと動くか、知りたいんだ。

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25歳になったRed HatはLinuxの先を見つめる

Red Hat Linuxディストリビューションは先週25歳になった。最も初期のLinuxディストリビューションの1つとして始まった企業は、いまや最も成功したオープンソース企業となり、その成功は他の企業たちが従う触媒となった。今日のオープンソースの世界は、LinuxがMicrosoftのデスクトップ支配に敢然と立ち向かうかのように見えた90年代半ばの熱狂とは異なっているものの、RedHatそのものは今でも強くなり続けている。

こうしたこと全てを視野に入れつつ、私は同社の過去、現在、未来、そしてオープンソースソフトウェア一般について、同社の現CEO(元Delta Air Linesの COO)Jim Whitehurstに話を聞いた。WhitehurstがRed HatのCEOに着任したのは10年前のことなので、彼は業界の最初期にはまだ関わっていなかったものの、いまやかつて無いほどの広がりを見せつつある、企業におけるオープンソースの進化に関しては、間違いなく目撃した人物なのである。

「10年前のオープンソースは、従来のソフトウェアに代わる、実用的な選択肢を提供することに重点を置いていました」と彼は語った。「既存の技術を置き換える技術レイヤーを販売していたのです。[…]当時はオープンソース技術を用いることで、低コストでの構築を行えることが売りでした。安価であることが、その価値の中心だったです」。

その当時、市場はWindowsをLinuxに、そしてIBMのWebSphereJBossに置き換えようとしていたのだという。またそれが、エコシステムにおけるRed Hatの役割も定義していた、技術的な情報の中心はパッケージングに関するものだった。「RedHatは、こうしたオープンソースプロジェクトへの取り組みを始めて、それらが従来の企業の中で利用可能になるようにしてきたのです」とWhitehurst。

Jim Whitehurst、Red Hat社長兼CEO(写真:Joan Cros/NurPhoto、Getty Images)

だが約5〜6年前に、何かが変わった。GoogleやFacebookなどの大企業たちが、自分たちのプロジェクトのオープンソース化を開始した。何故なら彼らはオープンにした基盤技術の一部を、競争上の優位性だとみなしていないからだ。自分で抱え込む代わりに、それらを彼オープンにしておくことで、その周りに形成されたエコシステムから利益を得ることができたのだ。「最も重要な点は、この考えに改宗したのはGoogleとFacebookだけではなかったということなのです」とWhitehurs。「オープンソースを巡るソーシャルテクノロジーにより、プロジェクトの遂行が簡単になりました。企業たちもそのことに対する功績を認められています」。

彼はまた、開発者たちは現在、その職歴の一部にオープンソースへの貢献を含めるようになっていることも指摘した。職場を定期的に移動する人材がますます増えているため、才能の獲得を競う企業たちは、彼らに競争上の優位性を与えない技術の少なくとも一部は、オープンソース化することを余儀なくされている。

オープンソースのエコシステムが進化するにつれて、Red Hatも進化してきた。企業たちがオープンソースの価値を理解し(そして恐れることを止め)始めるにつれて、RedHatは潜在的な顧客に対し、オープンソースがただ節約になると語ることから、いかに革新の推進に役立つかをアピールするようになり始めた。「私たちは『とにかく使える者たち』の段階から『革新する者たち』への段階に移りました。私たちが推進している技術は、今や真に新しい革新を推進しているのです」とWhitehurstは説明する。「いまや私たちは、お金の節約について語るのではなく、企業内での革新の推進を支援しようとしているのです」。

ここ数年、この革新を推進するための買収も行われてきた。例えば、Red HatはIT自動化サービスのAnsibleを2015年に買収した。また先月には、Kubernetesコンテナエコシステムの主要な独立プレイヤーの1つであるCoreOSの買収を行っている。もちろん全てはオープンソースとしての出自を保ったままだ。

Linuxディストリビューションの周りで行うことのできる革新だけでも沢山あり、そして公開企業として、RedHatはコアビジネスを超えて、顧客に役立つものをその上に構築しなければならない。そのような取り組みの一環として、例えばOpenShiftのようなサービスが立ち上げられた。これはRed Hat Enterprise Linux上のコンテナプラットフォームであり、DockerやKubernetesといった技術を統合して企業内でより簡単に利用できるようにするものである(オリジナルのLinuxディストリビューションが果たした役割と似ている)。

こうしたことに取り組む理由は?「私はコンテナが、アプリケーションの構築、展開、管理を行うための主要な手段となるだろうと信じています」と彼は言う。そして特にCoreOSの買収後、RedHatはコンテナとKubernetesの両方のリーダーになったと主張する。「ITの将来におけるコンテナの重要性について考えるならば、その価値は私たちにとっても、顧客の皆さまにとっても明らかです」。

他にRed Hatが注力している主要なオープンソースプロジェクトは、OpenStack である。これは、AWSやその他のクラウドプロバイダーを代替するオープンソースのオンプレミス環境への、企業の大規模な移行に対して否定的な見解が多く出された昨今の情勢を考慮すると、少々驚くような話かもしれない。「OpenStackは、大規模なテクノロジー企業たちにとって、Amazon対抗の救世主になるだろうという思いがありました」とWhitehurstは語る。「しかし、問題なく動作するOpenStackを利用しても、Amazonが5年前に既に実現していたことをようやく実現できるだけなのです。Cisco、HP、あるいは大手OEMたちにとって、OpenStackはある意味失望でした。しかし、ソフトウェア会社としての私たちからの立場から見れば、魅力的なものなのです」。

OpenStackは特に電気通信事業者に人気が高いため、Whitehurstは、それが5Gへの移行で大きな役割を果たすだろうと考えている。「通信事業者たちと話してみると、[…]OpenStackが5Gをリリースするためのプラットフォームになることを確信できます」。

OpenShiftとOpenStackによって、Red Hatは、将来のアプリケーション開発と、そのアプリケーションが実行されるインフラストラクチャの両方を、カバーできると考えている。さらにその少し先に目を向けて、Whitehurstは、自社製品をよりスマートで安全にするために、人工知能と機械学習をどのように使用できるかの見極めを始めていると語り、またその技術をエッジコンピューティングのためにどのように利用できるかの検討も始めていると指摘した。「今や大企業もオープンソースに貢献していますから、私たちが知識として使える材料には実質的に限りはありません」と彼は語った。

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Linux Foundationにディープラーニングのオープンソース団体が加わる

名前はLinuxでも、Linux Foundationかなり前から、Linuxのためだけの団体ではない。今ではCloud Foundry, Automotive Grade Linux Initiative, Cloud Native Computing Foundationなど、さまざまなオープンソースの財団やプロジェクトを支えている。そして今日(米国時間3/26)Linux Foundationにはさらにもうひとつの財団、LF Deep Learning Foundationのサポートが加わった

LF Deep Learning Foundationの目的は、“人工知能や機械学習、およびディープラーニングのオープンソースのイノベーションをサポートして支え、これらの重要な技術を世界中のデベロッパーとデータサイエンティストにとって可利用にすること”だ。

創設メンバーは、Amdocs, AT&T, B.Yond, Baidu, Huawei, Nokia, Tech Mahindra, Tencent, Univa, そしてZTEだ。今後、さらに増えていくであろう。

The Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinはこう述べている: “AIや機械学習およびディープラーニングのエコシステムにおける多くのプロジェクトに長期的な戦略と支援を提供し続けることを目的とする団体をご提供できることは、きわめて喜ばしい”。

同団体の最初の公式プロジェクトはAcumos AI Projectで、これはLinux Foundationがすでにホストしている、AT&TとTech Mahindraのコラボレーションだ。Acumos AIは、AIのモデルとワークフローを開発、発見、そして共有するためのプラットホームだ。

Linux Foundationが支えるそのほかの団体と同じく、LF Deep Learning Foundationもさまざまなレベルの会員資格を支援企業に提供し、また非営利団体も会員として受け入れる。LF Deep Learningの会員は、同時にLinux Foundationの会員にもなる。

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オープンソースのライブラリのセキュリティチェックと脆弱性フィックスを代行するSnykが$7Mを調達

オープンソースのライブラリはデベロッパーにとってとても重要なリソースだが、今日の慌ただしいアプリケーション開発環境では、それらが安全なコードであるという確信を持つことが容易ではない。そこでSnykは、デベロッパーがオープンソースのコードに脆弱性を見つけて直す作業を支援し、確実に安全なコードがプロダクションのその後の工程で使われるようにする。同社は今日(米国時間3/6)、Boldstart VenturesとCanaan PartnersがリードするシリーズAのラウンドで、700万ドルを調達したことを発表した。

このラウンドには、Heavybit, FundFire, VeeamのPeter McKay、およびそのほか数名の投資家が参加した。同社は2016年に、同じくBoldstartがリードするラウンドにより、300万ドルのシード資金を獲得している。

この種のバグフィックスは、アプリケーションが完成して世に出てからではなく、開発チーム自身がやった方がよい、とSnykのCEOで協同ファウンダーのGuy Podjarnyは信じている。今は開発工程にセキュリティチームがいないやり方が一般的になりつつあるが、そうでない方がよい、と彼は言う。ソフトウェアが何か月も何年もかかって構築されるときはそれでも良いが、しかし今日のような開発スピードでは、デベロッパーチームとは別のセキュリティチームがソフトウェアをチェックするやり方は、合理的でも効率的でもない、とPodjarnyは主張する。

“われわれは開発工程の中へエレガントに統合し、オープンソースの部分に既知の脆弱性を見つけ、それらをフィックスする”、とPodjarnyは説明する。同社はユーザーのGitHubリポジトリの中のコードをモニタするが、サードパーティの企業とソースコードを共有している場合も、どのファイルを使っているのかという“マニフェストファイルにアクセスできれば、われわれの仕事にとってとくに問題はない”、と彼は言う。

同社はインターネットのあちこちから情報を集めて、彼らがモニタしているオープンソースプロジェクトの既知の脆弱性とその特徴を知る。ユーザーが使っているライブラリと、使用している言語(JavaScript, Java, .netなど)が分かれば、今使っているコードが古いバージョンである(かもしれない)ことも分かる。

そしてそれらの脆弱性が見つかったら、そのコードに依存しているものを壊さずに早く効率的にフィックスする方法のアドバイスと共に、プルリクエストを送る。

  1. deep-integrations-into-a-large-and-growing-list-of-platforms.png

  2. detailed-advisories-for-vulnerabilities-in-the-snyk-vulnerability-db.png

  3. detailed-test-reports-with-a-single-click-fix-button.png

PodjarnyはBlaze.ioの協同ファウンダーだったが、同社は2012年にAkamaiに買収された。彼は買収後に、その企業のWeb体験ビジネスのCTOになり、2015年のSnykの立ち上げまでそこに在籍した。

そのときのスタートアップ体験が、ニューヨークのアーリーステージVC Boldstart VenturesのファウンダーでマネージングパートナーEd Simの目にとまった。“彼がAkamaiに売ったスタートアップにもうちは投資したが、彼と彼の協同ファウンダーたちには深いセキュリティ経験があった。また同社(Snyk)は、企業の大きな満たされざるニーズ、すなわちコードを継続的にデプロイしていくときの、オープンソースコードのセキュリティの確保というニーズを、満たすことができた”、とSimは語る。

SnykはまだシリーズAの企業だが、しかし今では月間ダウンロード数が35万もあり、大手の有料ユーザー企業が130社いる。同社は今後、対象とするオープンソースプロジェクトをもっと多くしていきたい、と考えている。また、現在30名の社員を、その倍にしたい。今同社は、テルアビブとロンドンにオフィスがあり、ボストンに小さな営業とサポートのオフィスがある。

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MIT発のスタートアップFeature Labsは機械学習アルゴリズムの開発を加速する

MITで始まった研究にルーツを持つスタートアップのFeature Labsは、データサイエンティストたちが機械学習アルゴリズムをより迅速に構築することを支援する一連のツールを、本日(米国時間2月22日)正式にリリースした。

共同創業者兼CEOのMax Kanterによれば、同社はデータサイエンティストたちにしばしば手作業を強いて時間のかかる「特徴量設計(feature engineering)」を自動化する方法を開発したのだと言う。「Feature Labsは、企業がインパクトのある機械学習プロダクトを企画し、実装し、そして何よりも大切なことですが、デプロイすることを支援します」とKanterはTechCrunchに語った。

「Feature Labsは、機械学習アルゴリズムの実行に使う生データから、ドメイン知識を使って新しい変数を抽出するプロセスである特徴量設計を自動化した点が独創的なのです」と彼は付け加えた。

同社は、”Deep Feature Synthesis”と呼ばれるプロセスを使用して、これを実現している。これは例えばウェブサイトの訪問回数や放棄されたショッピングカートアイテムといった生の関連するトランザクションデータ・セットから特徴量を生成し、自動的にそれを予測シグナルに変換するのだ、とKanterは説明した。

これは、現在の時間がかかりエラーが発生しやすい、人間主体のプロセスとは大きく異なると彼は述べている。自動化された特徴量設計は、データサイエンティストたちが手作業で作成したものと同様の変数を提供するが、準備作業に沢山の時間を割く必要がなくなるため、遥かに作業が効率化される。「データサイエンティストたちにこの自動化されたプロセスを提供することで、彼らは予測する必要があるものを見つけ出すことに、より多くの時間を費やすことができるようになります」と彼は言う。

写真: Feature Labs

同社はこれを、幾つかの方法を通して実現している。まず最初に、同社はFeaturetoolsというオープンソースのフレームワークを開発した。これは、開発者たちがFeature Labsのツールセットを使い始めるための手段を提供するものだ。Kanterによれば、開発者たちはこれらのツールを使用して、小さなプロジェクトを構築して、アルゴリズムを使うことに慣れることができると語る。彼は「この提供の目的は、開発者たちに、新しい機械学習問題に対して自動特徴量設計を適用する実験を行う機会を提供して、私たちのビジョンを共有することです」と会社の発足を発表したブログ記事に書いている。

とはいえ、ある企業が実験段階を超えて、プロジェクトを拡大しようとしたときには、彼らはFeature Labsの商用製品を購入する必要がある。製品は顧客の必要に応じてクラウドもしくはオンプレミスの形態で提供される。初期の顧客には、BBVA Bank、Kohl’s、NASA、そしてDARPAが含まれている。

同社はまた、実際には昨年の3月にクローズした150万ドルのシードラウンドも発表した。このラウンドは、First Star Venturesと122 West Venturesから参加し、Flybridge Capital Partnersが主導したものである。

Feature Labsの製品は、Kanterと彼の共同創業者Kalyan VeeramachaneniとBen Schreck(MITのComputer Science and AI Lab(CASL)所属)による研究に基いているものだ。同社のアイデアは2015年に形を取り始め、ここ数年は初期顧客を相手にどの製品を洗練させていた。このことによって本日の発表にたどり着いたのだ。

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LinuxのリーダーLinus TorvaldsがIntelのMeltdown/Spectre対策を“完全なごみ”と酷評

つねに歯に衣(きぬ)着せぬLinus Torvaldsは、今でもLinuxオペレーティングシステムの最深奥部分のコードを書き続けているが、今回はIntelに対して、率直な非難の言葉を投じた。彼によると、Meltdown/Spectre問題に対するIntelによる最新の対応(パッチ)は: “完全なごみだ”。そしてこんな疑問文も: “彼らに、お前らは頭がおかしい、と言ってやれる人は一人もいなかったのか?”。

これら一連の悪口は、公開メール〔Linuxカーネル・メイリングリスト〕上で、イギリスに住むAmazonの技術者David Woodhouseとの対話の中で吐露された。その問題自体が(少なくともぼくのような門外漢にとっては)相当ややこしいが、Torvaldsの主張では、それに対するIntelのフィックスは、“基本的に何もしない、しかし要らないことをたくさんしているフィックスの、イカれた実装”だ、という。

そのフィックスは、主にIntelのチップの問題であるMeltdownの対策であるはずだが、しかし単純にそれだけをやるのではなくて、もっといろんなフィックスがあって、それらをユーザーまたはアドミニストレータがブート時にいちいちオプトインしなければならない。そもそもそんなに重大な脆弱性なら、なんで(ユーザーやアドミンに、ブート時に)尋ねたりするのか?  しかも将来のCPUが必要としないと思われる機能に関して、なぜそこまで低レベルの作業をやらせるのか? その選択(オプトイン/アウト)は、良くって不必要、悪ければユーザーの誤誘導ないしパフォーマンスの劣化に帰結するのではないか?

また、同一のパッチにいろんなものを詰め込んでいることに関してTorvaldsは、これまでのソリューションと重複を指摘している。たとえば脆弱性の悪用に対する保護は、GoogleのProject Zeroの“retpoline”テクニックが対応済みだ。

では、なぜやるのか? Torvaldsの推測では、Intelのテクニックの大部分、この場合はIndirect Branch Restricted Speculation, IBRS(間接分岐の予測を制限する)は効率が非常に悪いので、全面展開すると性能劣化が広範に及ぶからだ。そこで、そうする代わりに、メインのMeltdownフィックスをオプションにして、冗長な部分を加え、パッチをいかにもそれらしく見せている。〔IBRSと名付けられたIntelのフィックスについては: 参考文献。〕

Intel本気でこのクソをアーキテクチャにするつもりか? 誰も彼らに、お前らはバカだと言ってやれなかったのか?

彼らは文字通り、イカれたことをしている。まったく、意味のないことをしている。そのために、きみ[Woodhouse]の主張に疑問符がついてしまう。このパッチは、まともではないことを、している。

…彼らの中に、‘王様は裸だ’と言える人がいなかった。意味もなく完全なごみを詰め込む人たちしか、いなかった。こんなことを書くこと自体が、悲しいよ。

Torvaldsの毒舌を諌(いさ)めようとしていたWoodhouseも、最後の方ではTorvaldsの批判を認め、IBRSは“下品で恥ずべきハック”だ、と言っている。“それをオプトインにする正当な理由はない”、とも。

【後略】
〔Intelからの儀礼的形式的なリプライなど〕

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自動車技術のためのディストリビューションAutomotive Grade LinuxをToyotaとAmazonがサポート

【抄訳】
かつてオープンソースのソフトウェアは大企業が避けて通るものだったが、その後の時の経過とともに、大中小あらゆる企業で使われるようになった。そして今回ご紹介するAutomotive Grade Linux(AGL)は、Linux Foundationの、オープンソースを自動車業界に持ち込もうとするプロジェクトだ。AGLのグループは今日(米国時間1/10、ラスベガスで行われたCESで発表を行い、ToyotaとAmazonがこのプロジェクトを公式にサポートすることが明らかとなった。

ToyotaはAGLを2018年型Camryに使っており、プロジェクトにプラチナメンバーとして参加する。一方Amazonは、シルバーメンバーだ。今日はToyotaとAmazonのマッシュアップがほかにもあり、しかもそれは偶然ではないだろう。

AGLグループのそのほかの既存メンバーは、自動車メーカーではFord, Mazda, Honda, Subaru, Suzukiなど, サプライヤーではDenso, Panasonic, LGなど, そしてチップのメーカーはNvidia, Intel, ARMなどの大手だ。メンバー企業は合計で110社になる。最近NTT Dataが加盟したことによって、大手通信企業もいることになった。AGLグループの事務局長Dan Cauchyはこう語る: “今、多くの通信機器メーカーとも話し合っている。CiscoやEricssonsのような世界的企業だ。どの企業もコネクテッドカー*関連の何らかのグループに所属しており、全員がAGLには関心を持っている。〔*: connected car, インターネットに接続されている自動車〕

しかしこれまでAGLが主にフォーカスしていたのは、自動車のインフォテインメント方面だ。昨年その分野で大きな進歩を遂げたグループは最近、AGLディストリビューションのバージョン5.0をリリースした。

Toyotaの参加によってAGLは一層評価が高まり、Cauchyによると同社のサプライヤーに対するLinuxの布教効果も見込める。Cauchyは曰く、“これによってAGLのシステム寿命が長期的なものになった。少なく見積もってもあと20年は存続するだろう。しかもそうなると、なかなか抜けられないね”。

しかも今AGLは、インフォテインメント以外にも手を伸ばそうとしている。中でもホットな話題といえば、当然ながら自動運転だ。そしてそれを目指して、Linux Foundationのいくつかの基盤的部分とAGLの連合が形成されようとしている。

“インフォテインメントでもそうだったけど、自動運転技術についても共通のプラットホームが必要だ”、とCauchyは述べる。“各社がばらばらに車輪を再発明している現状は、馬鹿げている。むしろ、Linux Foundationがこれまでやってきたものを、うまく組み合わせるべきだ”。

そしてその筆頭が、リアルタイムLinuxだ。これはもうすぐLinux Kernelのコンパイルタイムオプションになる。AGLはそれに対してさらにセキュリティを厚くし、自動運転車をハッカーにやられないようにしたい。遠隔通信や地図関連の技術も重要だ。とくに地図データは、各社ばらばらでなく、全メーカーが共有できる形式であることがきわめて重要だ。地図の共通化は、AGLがメインの課題として追究している安全性の面でも欠かせない。

【後略】



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分散データベースNomsを抱えるAttic LabsをSalesforceが買収、Quipとの統合を目指す

オープンソースの分散データベースNomsを作っているAttic Labsが今日(米国時間1/8)、Salesforceに買収されたことを発表した。これはSalesforceの2018年初の買収だが、その契約条件は公表されていない。Crunchbaseによると、昨年の同社の買収はデジタルクリエイティブエージェンシーSequence一社のみで、10社あまりを買収した2016年に比べ、一休みという形になった。

Nomsがローンチしたのは2016年の8月で、そのとき同時にAttic Labsは、Greylockが率いるシリーズAで810万ドルを調達した。ファウンダーのAaron BoodmanとRafael Weinsteinをはじめ、Attic Labsのチームのメンバーの多くが、それまでGoogle Chromeを手がけていた。Boodmanは、Greasemonkeyの作者でもある。

Gitと同じように、Nomsでもユーザーは複数のマシンのオフライン上でデータを複製し、それをシンクしたり編集できる。バージョニングの機能があるので、編集してもデータの前のバージョンは壊れないから、必要なら復活できる。Gitと違うのは、Nomsはテキストファイルよりも定型データの保存に適していて、とても大きなデータ集合もサポートする。Attic Labsは今日の発表声明の中で、Nomsは今後もオープンソースであり続ける、と言っている。NomsのフォーラムでBoodmanは、そのデータベースに対して、“今すぐやらなければならないことはない”、と述べている。

買収が完了したらAttic Labsのチームは、Salesforceが2016年に7億5000万ドルで買収したドキュメントコラボレーションプラットホーム〔“コラボレーション型ワープロ”〕Quipに加わる。Attic Labsによると、Nomsの技術が“Quipの能力を拡張して、ライブのデータソースに接続できるようにし、人びとが容易に迅速で効果的なコラボレーションをできるようになる”、という。

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アナリティクスダッシュボード作成プラットホームKeen IOがScaleworksの傘下に

非上場企業に主に買収という形で投資をしている、テキサス州サンアントニオのプライベート・エクイティ企業Scaleworksが、休日明けを待ちかねたかのように、同社の最新の買収のニュースを共有した。同社は昨日(米国時間12/22)のMediumのブログ記事で発表したのはKeen IOの買収だ。

買収価額などはは公表されていないし、両社からコメントも得られていないが、Keenは2011年に創業されてからこれまでに3000万ドル近くを調達している。

Keen IOは、デベロッパーがカスタムなアナリティクスダッシュボードを(自分のアプリケーションのために)作るためのツールを作っている。ScaleworksのゼネラルパートナーEd Byrneは、買収の発表声明でもあるブログ記事の中で、Keen IOについて次のように説明している:

“Keen.ioは2011年に創業され、デベロッパーがカスタムなアナリティクスバックエンドを作るための便宜を提供している。同社を利用して企業は、チームや顧客のためのあらゆる種類のアナリティクスを容易に構築して自分のアプリケーションに埋め込むことができ、またお気に入りのSaaSツールにアナリティクスダッシュボードをつけることもできる”。

Byrneはさらに、これまで同社が扱ってきた企業の多くがKeen IOを使ってダッシュボードを作っていることを、長年見てきたので、かねてから同社に着目していた、と述べている。しかしもちろん、Scaleworks傘下の企業ばかりではない。Keen IOのWebサイトによると、今、3500社、約50000名のデベロッパーが、Keen IOのツールを使ってダッシュボードを作っている。その中には、EMC, Adobe, Kik, Pandora, Ticketmaster, Freshdeskなどの著名企業もいる。

同社は2015年に、その中心的なツールData Explorerをオープンソース化し、ユーザーがこのデータ探究ツールを自由に改良できるようにした。同社の最新の資金調達は、2016年の、Pelion Venture Partners率いる1470万ドルだった(CrunchBaseによる)。

ScaleworksはB2BやSaaS企業に的を絞ったプライベート・エクイティ企業¶で、これまでChargify, Earth Class Mail, Assembla*, Filestack, Followup, Qualarooなどに投資/買収してきた。〔*: Assembla日本語記事

〔¶: private equity firm: 非上場企業を対象とする投資会社、主に買収という形が多い。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

オープンソースの分散グラフデータベースDgraphが$3Mを調達しv.1.0にやっと到達

【抄訳】
このところ人気が盛り上がっているDgraphは、オープンソースの分散グラフデータベースで、デフォルトのクェリ言語としてFacebookのGraphQLをベースとする同社独自のGraphQL+-を使用する。今日(米国時間12/19)同社は、Bain Capital Venturesらから300万ドルの資金を調達したことを発表した。そのほかの投資家として、Atlassianの協同ファウンダーMike Cannon-Brookes, Blackbird Ventures, AirTreeなどの名が挙げられている。同社はこれを機に、その主製品であるデータベースがバージョン1.0に達したことを発表した。なお、300万ドルという額面には、昨年のシード資金110万ドルも含まれている。

DgraphのファウンダーManish JainはこれまでGoogleでWeb検索と知識グラフ(ナレッジグラフ)プロジェクトを担当していた。【中略】〔資金調達の経緯〕

Jainによると、グラフデータベースは長年、既存のリレーショナル・データベースを補完する二次的なデータベースとみなされていた。しかし最近では、アプリケーションがますます複雑になるにつれて、いろんなものともののあいだの、大量の関係を表現し追跡する必要性が生じてきた。となると当然、グラフデータベースの出番だ。Jainの予想では、今後ますます、多くの企業がDgraphのようなプロダクトをメインのデータ格納庫として使用するようになるだろう。グラフデータベースは、速さでリレーショナル・データベースに負けないだけでなく、いろんな形の関係性を表現できる柔軟性があるからだ。

DgraphがNeo4などの競合製品より優れているとJainが信ずるのは、それが最初から分散データベースとして構築されているからだ。投資家も同意見で、Bain Capital Venturesの専務取締役Salil Deshpandeは、昨年同社のシードラウンドに参加したとき、こう述べた: “今あるグラフデータベースは本物の分散ではない。それらはノードが一つなら立派に動くが、ノードが複数になると、いろんなアーキテクチャ的ハックに頼らなければならないから、スケールしない”。

Dgraphのプロジェクトは2015年にスタートし、これまでバージョン1.0に達していなかったが、それでもかなりの数のデベロッパーがプロダクションで(本番で)使ってきた。現在のユーザーは、ゲームサービス、広告、フィンテック企業などで、ユースケースは不正ユーザーの検出などだ。このほか、検索エンジンやIoT、医学研究、機械学習、AIなどのユースケースも多い。

Jainによると、プロジェクトをオープンソースにしたのは熟考を重ねた結果だ。Apacheライセンスにしたのは、エンタープライズユーザーに受けが良いからだ。彼によると、このようなプロジェクトが十分な採用数に達するためには、オープンソース以外の道はない。“Uberが使い始めたら、新しいユーザーがどっと増えるだろうね”、と彼は言う。

収益源としては、近くリリースするDgraphのエンタープライズバージョンが軸だ。それはクローズドソースで、同社がホストするバージョンだ。Jainは冗談半分で、それぞれの顧客のそれぞれ独特な環境の面倒をいちいち見てあげるよりも、サービスをこっちでホストした方が楽だ、と言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa