Googleの最新アプリは白い線を引くだけ

本日(米国時間3/20)数多くのアプリ開発者が、Googleの拡張現実プラットフォーム向けに最新ARアプリを披露したが、Googleもじっとしていたわけではない。

Googleのチームが公開したのは、史上もっともシンプルなアプリかもしれない。チームはこのアプリを「実験」だと言っているが、それだけの理由はある。文字通り白い線を引くためだけのアプリだからだ。”Just a line” は、GoogleのVRペイントアプリ、Tilt Brushからあらゆるカスタムツールや設定機能を取り除き、宙に浮かぶデジタル白線で世界に注釈をつける能力だけを引き継いだ。

VR版との大きな違いは、VRヘッドセットを持っているひとよりも、ARCore互換のスマートフォンを持っているひとの方がずっと多いことだ。だからクールな3Dペインティングを多くの人が初めて体験できる。

ユーザーは端末を手に持って指を使って線を引く。ユーザーインターフェースは様々な物理的な動きに依存しており、携帯電話自体をメインコントローラーとして使う。自分の描いた美しい線をあとで見たいユーザーは、自分の作品を録画してダウンロードすることができる。

アプリを使ってみるためにはARCore互換の端末が必要になる。あと、出来上がるものへの期待をコントロールすることもおそらく必要だ。できることは線を引くこと! それだけ。

ダウンロードはこちら

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeではデスクトップのWebカメラから直接、ライブのストリーミングができる(エンコーダー不要)

YouTubeが今日(米国時間3/20)、セットアップの面倒なエンコーダーを通さずにWebカメラから直接、ライブのストリーミングを開始できる機能を立ち上げた。YouTubeのヘッダーにある“Go Live”ボタンを押すと、ストリーミングが始まる。あるいはyoutube.com/webcamを訪ねてもよい。ユーザーによる構成の指定などは、何も要らない。

今この機能が使えるのはChromeブラウザーのみだが、いずれ他のブラウザーでも使えるようになる。

これまでは、デスクトップやカメラやマイクロフォンなどからのライブストリーミングをするためには、それらが捉えた映像や音声をエンコーダーのソフトウェアを通して、YouTubeに送る必要があった。

今度の新しい機能により、とくにデスクトップからのライブストリーミングが超簡単になる。ということは、YouTubeでライブストリーミングをするユーザーが、とっても増えるだろう。

YouTubeはこれまで、この機能を一部のクリエイターたちを相手にテストしてきた。たとえばRawBeautyKristiは、美容のチュートリアルにこれを使ってみて、こう言っている: “めんどくさいエンコーダーが要らないから、こっちの方がずっと楽ね。これならもっとたくさん、ライブストリーミングができるわ”。

Curtiss King TVはファンのアップデートにこれを使い、そしてKens Kreationsはプロダクトレビューにこれを試用した。

今日はOakland RaidersにクォーターバックDerek Carrが、この機能のニュースを自分のYouTubeチャネルで発表した。

ライブストリーミングの市場は、ゲーム実況のTwitchやTwitterのPeriscope、FacebookのFacebook Liveなどなど、参加選手が多くなり、過熱している。とくにFacebookは、今週Patreonのクローンを会員制で立ち上げ、さらにそのほかのクリエイターたちの収入機会を用意するなどにより、クリエイターのコミュニティをねらおうとしている。

しかしYouTubeは、今回のWebカメラ直接ストリーミング機能は、クリエイターのための今後のさまざまな、そして使いやすい、ライブ機能の一環にすぎない、と言っている。

YouTubeはAsus, LG, Motorola, Nokia, Samsungなどのデバイスメーカーに働きかけて、彼らのカメラアプリに直接、ライブストリーミング機能を持たせようとしている。その機能はYouTubeの新しいディープリンクYouTube Mobile Liveを使用し、年内にそのほかのデバイスにも実装される予定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

トヨタが自動運転車の公道テストを休止、Uberの事故を受けて

Toyotaは、Uberの自動運転テスト車が歩行者の死亡事故を起こしたことを受けて、同社の自動運転システム‘Chauffeur’のアメリカにおける公道試験を一時停止する。

警察が発表した最初の所見では、被害者が道路の横断歩道以外の場所を急いで横断しようとしたため、人間運転者でも事故を避けることはきわめて難しかっただろう、という。しかしToyotaはBloombergの取材に対して、“テストドライバーたちの心情に及ぼす事故の影響”を考慮したため、と言っている。

ToyotaのスポークスパーソンBrian Lyonsによると、同社はその事故の原因や自動運転産業の未来に対する影響を考慮したわけではない。それは、他の自動車メーカーや業界関係者がこれまで言ってきたことと同じだが、Uberの事故に関するすべての情報が公になるまでは最終的な意思決定をしない、という各社の消極性を表しているようだ。

Toyotaは、完全な自動運転システム‘Chauffeur’と、事故を未然防止するための高度な運転者補助(ないし‘介入’)システム‘Guardian,’の両方を研究開発してきた。後者はいわば、人間運転者のフェイルセーフ化だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonが市場価値でAlphabetを抜く、Appleのダントツは揺るがず

Amazonは現在、マーケットの現在価値ではAppleにつぎ世界で二番目に大きい企業である。同社の時価総額は7632.7億ドル(NASDAQ:AMZN)、対してAlphabet(NASDAQ:GOOG)は7629.8億ドル“しか”ない。

Amazonは、前四半期(1710-12)がすごかった。株価は1月の初め以降29%も上がった。対してAlphabetの株価は高下した。

今日(米国時間3/20)だけを見ると、Amazonは2%上がり、Alphabetはフラットだ。今日の最終結果はまだ分からないが、たぶん逆転はないだろう。

現在、Amazonよりも時価総額が大きい唯一の企業はAppleだ。Appleの市場現在価値は8920億ドルだから、差は相当大きい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

売上と共に増大するテクノロジー企業の社会的責任

主要プラットフォームが成長を続けるなか、FacebookやApple、Google、Amazonをはじめとする大手企業は人類全体にまで影響を及ぼすようになった。そしてその影響はポジティブなこともあれば、そうとは言えないときもある。

そのため大手のプラットフォーマーは、ユーザーの行動を把握するだけでなく、どんな場合にユーザー(もしくはプラットフォーマー自身)が不正をはたらいたり、悪意を持ってサービスを操作したりするか、ということを理解しなければならない。同様に、AIのような個別のテクノロジーやそのほかの先進的な技術、そしてそれらの影響についても各企業が責任を負わなければならないのだ。

これこそが、テキサス州オースティンで先週行われたSouth by Southwest(SXSW)に共通するテーマだった。

勢いを増すAI議論

先述の通り、各プラットフォームがこの問題に深く関わっている一方で、テック界のアイコン的存在であるイーロン・マスクは、SXSWのQ&Aセッションのなかで、AIの暴走に対して不安の声を挙げた。彼は、狭義の意味での(そしてあまり賢くない)AIの時代が近いうちに終りを迎え、もっと汎用性の高いAIの時代が訪れると考えているのだ。特にマスクは、強力なAIが発展をとげるうちに、いずれ人間と同じような能力を持った機械が誕生することを懸念している。なお、既に弊誌のJon Shieverが指摘している通り、もちろんマスク自身は自らが構築してきた企業群を、来るべき終末の時への対策として考えているようだ。

SXSWに登壇したイーロン・マスクとJonathan Nolan(Photo: Getty Images/Chris Saucedo)

「狭義の意味でのAIは種の存続を脅かすレベルのものではなく、その影響はスキルの転移や職業の喪失、兵力の増強といった程度――つまり人間の存在を揺るがすような根本的な影響力は狭義のAIにはない。しかしデジタル・スーパー・インテリジェンスについてはそうは言えない」とオーディエンスに向かって語ったマスク。

さらに彼は、人類への影響という点において、未来のAIは核兵器をも上回るかもしれないと述べた。

テック企業の責任

あなたがマスクの意見に賛同するにしろしないにしろ、はたまた彼が自分のビジネスを推進するために虫のいいことを言っていると考えているにしろ、マスクはテクノロジー界のスタートアップ、そして大手起業が共に考えなければならない責任について触れていると言えるのではないだろうか。

少なくとも、CNNのDylan ByersとSXSWのステージに上がったAppleのEddy Cueはそう考えているようだ。彼はインタビューのなかで「テクノロジーは人類の可能性を広げる素晴らしいものだが、それ自体が善というわけではない。つまりテクノロジーを生み出す人たちがその方向性を決めるのだ」と語った。

確かにTwitterの共同創業者たちは、10年以上前に同サービスを作ったときに、そのうちボットが誕生して選挙に影響を与えることになるとは思ってもいなかっただろう。しかし時間の経過とともに、Twitterだけでなく主要プラットフォームすべてに関し、ユーザーはさまざまな動機を持ってサービスを利用しているということが明らかになった。そして各プラットフォーマーは、一部のユーザーが他の人たちを操作するためにサービスを使っていることがわかった時点で、何かしらの対策をとらなくならなければいけなくなったのだ。

SXSWの壇上で話すAppleのEddy Cue(Photo: Ron Miller)

ByersがApple以外の企業について何度も質問したにもかかわらず、CueはFacebookやGoogleといった企業の内情については知らないため、彼自身はAppleについてしか話すことができないとその質問をかわした(Cueは具体的な競合の名前さえ挙げなかった)。「Appleはあなた(Byers)が挙げたような企業とは違う。私たちは顧客のプライバシーを最重要事項として考えている」(Cue)。また彼は、Appleは広告企業ではないため、収集するデータの量もプラットフォーマーより少なく、「ユーザーの購買行動には興味がない」とさえ語った。

「フェイクニュース」対策としてのAI活用の課題に関するパネルディスカッション中には、Facebookのグローバル・ポリシー・ディベロップメント・チームのAndy O’Connellが、不正な操作が行われているとわかったときに、Facebookは何らかのアクションをとる責務を負っていると述べた。さらに、「フェイクニュースは社会全体の問題である一方で、私たちはテクノロジーの力を使って(その影響を抑える)対策を練っているほか、投資によって改善できる部分もある」と語ったO’Connel。彼によれば、Facebookの共同創業者・CEOマーク・ザッカーバーグは、プラットフォームの安全性を高める上でフェイクニュースの拡散が課題になっており、Facebookに流れ込む虚偽もしくは誤解を招くようなニュースの数を減らしていかなければならないと考えているようだ。

テクノロジーの限界

O’Connellの指摘通り、フェイクニュースはFacebookやテクノロジーの力だけでどうにかできるものではない。これは社会問題であり、社会全体が問題解決にあたらなければいけないのだ。もちろんテクノロジーがその助けになることもあるが、すべての問題についてテクノロジー頼みというわけにもいかない。ここで難しいのは、あるテクノロジーが誕生した時点では、それがどのような行動をとるかや、人がどのようにそのテクノロジーを使うかといったことを予測できないということだ。

(Photo: Ron Miller)

結局のところ、この記事で触れたような問題(なかには問題になるとさえ思われなかったものさえある)の解決は一筋縄ではいかない。どんなに善意を持って問題の解決にあたったとしても、すべてのアクションやその反応によって、さらに予想だにしない結果が生まれる可能性さえある。

しかし、あるテクノロジーがもたらす膨大な経済的利益や社会への影響に見合った責任を受け入れられるかどうかは、そのテクノロジーを生み出した企業にかかっている。この点についてCueは、「全員に(あるところで境界線をひく)責任がある。これこそAppleが行っていることであり、私たちがAppleという企業を運営する上で大切にしていることだ。今日の世界では誰もが責任を負わなければならず、私たちもそうしようとしている」と語った。

そうはいっても言うは易し行うは難し。暴走を止めるには十分な思慮や緻密さ、対応力が必要であり、ひとつひとつの決断がもたらす影響についても吟味しなければならない。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake

Google、サブスクリプション型ニュースを立ち上げ――News Inisitativeに3億ドル投資

今日(米国時間3/20)、Googleは独自の総合的なニュースサービス、News Initiativeを発表した。CBO(最高ビジネス責任者)のPhillipp Schindlerによれば、「Googleのニュースに関する取り組みをジャーナリズムの世界と結びつける」努力だという。

GoogleによればNews Initiativeはクオリティー・ジャーナリズムの強化、長期にわたって維持可能なビジネスモデルの確立、最新のテクノロジーによるニュースルームのイノベーションという3つの幅広い目標を目指すという。またGoogleは向こう3年間に各種のジャーナリズム関連のプロジェクトに3億ドルを投資することを明らかにした。

ニューヨークで開かれたプレスイベントでジャーリストを含む聴衆に対し、Schindlerは「Googleのビジネスは、その本質からして、われわれの目指す使命と結び付けられている。これは大企業にありがちな修辞と聞こえるかもしれないがそうではない」と述べた。もう少し直截に表現すれば、ニュースメディアはGoogleその他のインターネット・プラットフォームを友好的な目では見ていない。その理由は、Googleなどがオンライン広告ビジネスで圧倒的な地位にあるだけでなく、あからさまなフェイクニュースを別にしても、センセーショナルで内容に疑問の多い情報の拡散に大きな役割を果たしていると考えるからだ。

しかしSchindlerによれば、Googleがクオリティー・ジャーナリズムをサポートすることには「2つの面から明確なビジネス上の動機がある」という。

「第一に、Google検索はその本質からして、開かれたウェブとその情報への開かれたアクセスをビジネスの前提とする。その情報は当然ながら高品質のものでなければならない。第二に、GoogleのDoubleClickの広告ビジネスはパブリッシャーに利益を分配するシステムであり、昨年だけでも126億ドルがパートナーのパブリッシャーに支払われている」という。

「経済的な関係ははっきりしている。ジャーナリズムが成長しなければGoogleの成長もない」と Schindlerは述べた。【略】

Google.orgのJacqueline Fullerによれば、たとえばMediaWiseプロジェクトはPoynter Institute、Stanford University、Local Media Associationと提携し、2年間に300万ドルを投じてティーンエージャーにおけるメディア・リテラシーを高めるキャンペーンを組織するという。

ビジネスモデルについては、Googleはユーザーがパートナーのニュースを簡単に有料購読できるSubscribe with Google〔アメリカではUSA Today、New York Times、Washington Postなど、日本では毎日新聞が参加〕というサービスを開始する。ユーザーはGoogleアカウントさえ持っていれば、ワンクリックでニュースを購読できる。以後そのサイトではログインや支払処理など煩わしい手間は一切発生しない。

GoogleはまたGoogle Analyticsに新たにNews Consumer Insightsと呼ばれるダッシュボードを作成し、パブリッシャーが購読者の実態を分析し、売上を伸ばすことに役立てられるようにする。

テクノロジー面ではAMP(Accelerated Mobile Pages)フォーマットの利用によりモバイルデバイスへの記事のロードが高速化される。新しいAMPフォーマットは従来のテキストから画像、ビデオ、アニメーションを多く含むページに拡大されている。また各ニュースメディアのジャーリストリスト向けにOutlineという独自のVPNを提供し、安全なインターネット接続を可能にする。【略】

写真:Jonathan Brady/PA Images via Getty Images

アップデート:: プレスイベントの最後で行われたQ&AセッションでSchindlerは「News InitiativeはGoogleのニュースに対する取り組みの方向を変更するものではなく、これまで各種の活動を行ってきたニュース関連プロジェクトにより多くのリソースを割り当て、活動を支援することが目的だ。プロジェクトは最終的に[CEOのスンダル・ピチャイ]自身が指揮する。彼はこのことについて深い関心を寄せきた」と述べた。

SchindlerはまたGoogleは各種のパブリッシャーと協力して3億ドルの資金の使途を決定すると述べた。ただしこの新たなイニシアチブはビジネスモデルとしてもテクノロジーとしてもまずGoogleを益すると付け加えた。

Googleのニュース事業のバイスプレジデント、Richard GingrasはSubscribe with Googleというサブスクリプション(有料購読)モデルについてもう少し補足した。それによれば、パブリッシャーは購読者とメールを通じて独自に会話を行うことができるという。

Googleとパブリッシャーの間で購読料がどのような割合で分配されるのかについてGingrasは明確にするのを避けたが、「〔パブリッシャーにとって〕きわめて有利な条件だ」と述べた。Googleは処理のコストをカバーする最小限のみ受け取るという。「われわれの目標はこれによって利益を上げることではない」という。

Gingrasによれば、Googleは将来各種のプロダクトにサブスクリプション・モデルを拡大していくという。

「このNews Iisitativeは将来のGoogleのサブスクリプション・モデルの基礎となる。サブスクリプションに各種のプロダクトをバンドルしていくのはきわめて合理的なビジネスモデルだ」とGingrasは述べた。

〔日本版〕Google News Labのページが日本語でニュースイニシアチブについて説明し、報道機関からの問い合わせを受け付けている。GOOGLE NEWS INITIATIVEには毎日新聞を含め世界の主要なニュース・パートナーを示した地図が掲載されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ARスタートアップのMagic Leapが開発者向けポータルサイトとSDKを公開

eng-logo-2015Googleなどから巨額の資金を集めていた謎のARスタートアップMagic Leap。2017年末にようやく初のプロダクトとなるMagic Leap Oneを発表しましたが、そのハードウェアの詳細については、あまり明かされず、結局何ができるのかは漠然としたままでした。

ARゴーグル Magic Leap One 初公開、2018年発売。透過型『デジタルライトフィールド』ディスプレイ採用

そんな中、同社はMagic Leap One発表時に予告していた開発者プラットフォームとソフトウェア開発キット(SDK)を開発者向けに公開しました。

開発者プラットフォームCreator Portalでは、Magic Leapについてのガイドやチュートリアルを確認可能です。

それによると、Magic Leapは、LinuxやAOSPなどのオープンソースコンポーネントから派生したカスタムOS、Lumin OSを採用しているとのこと。Androidなどの既存のOSから多くのオープンソースコンポーネントを借用しているものの、その多くは空間コンピューティング向けにカスタマイズしているとのことです。なお、SDKは3Dエンジンとして、Unreal Engine 4とUnityをネイティブサポート。開発したアプリは、独自のアプリストア Magic Leap Worldで配布可能になります。

チュートリアルはいまのところエミュレーターを起動し、UnityやUnreal Engine 4を利用し始めるところまでが説明されています。

結局のところ、ハードウェアの仕様については不明なままですが、今後チュートリアルの追加に伴い、徐々に詳細が明らかになるものと考えられます。

Engadget 日本版からの転載。

IBMが“サービスとしてのディープラーニング”をWatson Studioから提供、簡単・易しいを重視

機械学習のワークフローと訓練モデルを作るサービスWatson Studioに今日(米国時間3/19)、新しいサービスDeep Learning as a Service(DLaaS)が加わった。すでに類似サービスもあるこのサービスは、機械学習の最新の進歩を、その難解さの敷居を下げ、企業ユーザーにとって使いやすい形で提供する。

この新しいツールを使うデベロッパーは、彼らがすでに使っているオープンソースのフレームワーク(TensorFlow, Caffe, PyTorch, Kerasなど)を使って自分たちのモデルを開発できる。実際にはIBMのこの新しサービスはこれらのツールを、基本的にクラウドネイティブなサービスとして提供し、デベロッパーはふつうのREST APIを使って、彼らが望むリソースや予算内でモデルを訓練できる。このサービスはコマンドラインインタフェイスと、Pythonのライブラリ、あるいは対話的ユーザーインタフェイスを提供し、それによりたとえば、NvidiaのGPUのどれを使うか、といったオプションを指定できる。

このような、ディープラーニングのための管理を伴う環境(managed environment, マネージドエンバイロメント)は、必ずしも新しいものではない。MicrosoftはAzure ML Studioで、高度なグラフィカルな環境によるMLモデルの構築を提供している。しかしIBMは、いくつかの独自のアドバンテージを主張しており、その中にはドラッグ&ドロップによるニューラルネットワークビルダーなどがある。それは、ノンプログラマーでもニューラルネットワークの構成や設計ができる、というものだ。

さらにIBMのツールでは、ハイパーパラメータがユーザーのために自動的にチューニングされる。これは従来、手作業でやると多くの時間を消費するプロセスであり、科学だけでなく一種のアートの側面も持つ。〔参考: Google Cloud ML Engine, Wikipedia

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IBM、どんな物にも内蔵できる「世界最小のコンピューター」を開発中

IBMは、ユビキタスコンピューティングに力を注いでいる。そしてそのアプローチは、コンピューターを砂粒と間違えるくらい小さくすることだ。将来この小さなコンピューターが普及すれば、製品の真偽確認や薬剤の追跡などに役立つだろう。

上の画像をよく見ると、砂山の上と人の指先の両方にチップがあるのがわかるだろう。その大きい方じゃない。もっとよく見ること!

これはIBMの “crypto anchor” プログラムから生まれた。製品のハイテク・ウォーターマークと呼ばれるもので、さまざまな方法を使って製品がメーカーが言う通りの工場で作られたものであり、偽物が混じったりしていない本物であることを証明するために使われる。

IBMが世界最小のコンピューターと言い続けるこのチップは、ブロックチェーンを導入することも目的のひとつだ。ブロックチェーンを利用したロジスティクスや追跡システムの高度なセキュリティーが、ワインボトルやシリアルの箱のようなものにも適用できるようになる。

A schematic shows the parts (you’ll want to view full size).

IBMはコンピューターを超小型にしただけではなく、これを非常に安く、おそらく1つ10セント程度にするつもりだ。つまり、このテクノロジーを装備する製品のタイプに下限はない。

それだけではない。これにはユビキタスコンピューティングの一般的な特徴もあてはまる。この賢い小粒はどこにでもいられて、ちょっとした計算をしたり周囲の状況を感知したり、他のデバイスやインターネットとつながる。あとは想像力次第だ。

これは小さい(約1 mm x 1 mm)ながら、一人前のコンピューター(最新型ではないが)の能力を持っている。数十万個のトランジスターとわずかなRAMと太陽電池と通信モジュールを備えたチップの能力は、おおむね1990年のチップと同じだ。当時はあれを使ってずいぶんいろんなことができていた。

もちろん現段階ではまだまだIBMの実験室内の研究プロジェクトであり、現実ではない。このプロジェクトは、同社が今後5年間のイノベーションを予言する “five in five” の一環だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スタートアップのプロダクトのコンテンツではなく機能の違いとその効果をテストするAirship

Facebookのアプリが友だちのとちょっと違う、と不思議に思ったことがある人は、Facebookがとてもユニークな、的を絞ったやり方で機能をテストしていることを、自分の体験として知ったのだ。

Airshipは、FacebookやDropboxなどがやってるそんな機能テストを、小さなスタートアップでもできるようにする。しかも、ごく簡単に、苦労なく。Y Combinatorのこの前のクラスを卒業したAirshipは、自分のプロダクトをユーザーのコードに直接統合し、テストしたい機能を、ねらったターゲットグループだけにonできるようにする。

いわゆるA/Bテストをやるツールはすでにいろいろあるが、それらはほとんど、コンテンツのテストに限られている(たとえば色や形の違い、文章の言い回しなど)。Airshipは、プロダクトとその機能のレベルで、まったく異なる体験を対象ユーザーに提供し、顧客とプロダクトとの対話的関係の、根本的な違いをユーザーであるスタートアップに教える。

“スタートアップが自力でこれをやるのは、とても難しい”、とAirshipの協同ファウンダーAlvin Yapは言う。“うちは、いろいろとコントロールできるようにした機能を、ユーザーがさまざまなターゲットグループに提供して、それらをテストできるようにする”。

異なる機能をテストできることにより、ユーザーであるスタートアップにはプロダクトの正しい方向性が分かり、どの機能がどのグループに否定的に受け止められたかも分かる。Yapによると、SnapやDiggのデザイン変更が失敗したのも、機能のレベルの判断(どんな機能をどんなターゲットグループへ)が欠けていたからだ、という。複数の機能候補があるときは、ターゲットを絞ることが正しい判断のために重要である。

Airshipは今、アナリティクスのSegmentと統合されているので、機能の受け取られ方の違いが数字で分かる。今後はもっとさまざまな統合に力を入れて、またコントロールの仕組みも、もっと細かく多様にしたい、と同社は言っている。

Airshipの利用料金は、月額80ドル(年払いなら月額64ドル)からだ。テストする機能の数が多いほど、料金は高くなる。また、14日間の無料トライアルもある。

ではAirshipを訪ねてみよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

月額約500円から利用できる、「家具」のサブスクリプション——家具ベンチャーのKAMARQがベータ版公開

身の回りにあるサービスの“サブスクリプション化”が急速に進み始めている。

家具ベンチャーのKAMARQ HOLDINGS(カマルク)は3月20日、月額約500円から家具を利用できるサブスクリプション型サービスのベータ版をリリースした。

これは家具を「所有するもの」から「利用するもの」へと変える新しい試みだ。KAMARQの新サービスでは申込金やデポジット、初回配送料といった料金は必要ない。月額料金は家具や最低利用期間によって異なり、最も安いものだと月額500円以下で利用できる。

たとえばこのラックは12ヶ月プランだと月額480円、6ヶ月プランだと月額1200円で利用できる。

最低利用期間を超えた商品については、いつでも新品や色違いの商品に交換可能。カラーバリエーションも充実しているため「気分を変えたいから違うカラーに」「少し傷んでしまったから新品に」といったかたちで、従来よりもフランクに家具と付き合えそうだ。引越しが多い人や、定期的に模様替えをしたい人には特に向いているだろう。

KAMARQ HOLDINGSは2014年の設立。2016年に環境エネルギー投資、セゾン・ベンチャーズ、iSGSインベストメントワークスなどから約3.5億円を、2017年11月には不動産事業を展開するLIFULLから約4億円を調達。これまで、家具×音をコンセプトにテーブルとスピーカーを組み合わせたIoT家具「SOUND TABLE」も展開している。

なお本日LIFULLとKAMARQの間で業務提携に向けて合意したことも発表(発表はLIFULLから)。LIFULLにてサブスクリプション型サービスの販売代理事業を行うほか、今後は同社オリジナル家具の展開も視野に入れてサービスを展開していくという。

Jeff Bezosが完全招待制のロボット・カンファレンスでAmazonロジスティクスの未来を模索?

今日(米国時間3/19)から、Amazonが秘密秘密と大声で言っていた例年のMARS Conference(火星会議)がパームスプリングスで行われる。その意味は二つある:

  1. あなた(人間)は招待されていない。
  2. これから数日間、Jeff Bezosが彼の最愛のロボットたちと歩き回っている写真が大量にメディアに配信される。

昨年、このロボットが大好きな億万長者は、重量1.5トンのメカスーツに搭乗して現れ、その恐ろしげな出で立ちでインターネットを騒がせた。そうやって自分をEllen Ripleyに擬した彼なら、地球上の全生命の終わりを告げる黙示録的未来の大氷河を破れるだろう。しかし今年の最初のショットはやや穏やかで、Bezosが“新しい愛犬”を散歩させている。それはBoston Dynamicsの最新の四脚ロボット、SpotMiniだ。

もちろんそのロボットは、Bezosに飼われるまでは、芝生の上で昼寝するしか、やることがなかった。しかしBezosとその仲間たちは、着実にAmazon Roboticsを立ち上げ、ロジスティクスの自動化のために買収するつもりだったが、Boston Dynamicsは今年初めに、GoogleからSoftbankへとオーナーを変えてしまった

しかしこの完全招待制のカンファレンスには、ほかにもたくさんのロボットが、億万長者の歓心を買うべく集まっている。Bezosは瓶投げゲームでロボットアームに挑戦し、さらに、配達ロボットPiaggio Gita2台が、BezosのSpotMiniBezos自身を追う。おまけに、空にはドローンが飛んでいる。

もしもあなたが、Amazonの億万長者オーナーなら、あなたも、月曜日の朝の散歩を愛犬ならぬ愛ロボと一緒にしているはずだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Microsoft、Windows 10のアクセシビリティー機能を大幅に強化

Microsoftは、Windows 10に視覚障害者向けの新機能を数多く追加する計画を今日(米国時間3/19)のブログ記事で発表した。Windows 10の次期バージョンに追加される機能の中で特に目立つのが「簡単操作」設定パネルの変更だ。

改訂された画面は、視覚、聴覚、操作の各グループに分けられ、よく使われる機能が先頭に置かれている。新たに追加された機能として、「すべてを大きくする」や「すべてを明るくする」などもある。

同社の画面読み上げアプリ、ナレーターが微調整されてキーボード入力への反応がよくなり、連続的な読み上げが改善された。Edgeブラウザーでは「ページ読み込み中」などの情報が追加されたほか、ユーザーは声の抑揚によってテキストのスタイルを制御できるようになった。つまり、テキストを太字にするために「太字開始」と言う代わりに、声の調子によって文字スタイルを調整できる。

視線制御も改善され、制御の一時停止が可能になった。ただし、この機能はまだベータテスト段階のようだ。なお、一部の新機能はInsiderビルドを通じて、早いもの好きの人たちはすでにプレビューしていた。

Microsfotは今年中にさらにアクセシビリティー機能を強化する。CEO Satya Nadellaが去る2015年に約束した「わが社のプロダクトデザインと企業文化の受容性を高める」ことが目的だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

eBayのARツールを使えばその品物の発送にぴったりのサイズのボックスを見つけられる

拡張現実(augmented reality, AR)の実用的な用途は画面にPokémonを出すことだけではない、ということにやっと誰かが気づいたようだ。オークションの大手Ebayが今日(米国時間3/19)導入したAR応用機能は、売り手が自分の商品を発送するのに最適のボックスを見つけるお手伝いをする。同社によると、商品はバックパックでもキッチン用品でも自動車部品でも何でもよい。とにかくUSPS(≒“郵便”)の定額料金でそれを送れるのに最適な箱を早く見つけて、時間を節約してくれる。

Ebayによると、これにより売り手は、いちいち郵便局へ行って正しいサイズの箱を探す必要がなくなり、送料も発送作業の現場で分かる。

この機能は、GoogleのARCoreを使った初期のアプリのひとつで、現在はARCoreに対応しているAndroidデバイスでしか使えない。

ARCoreはAppleのARKitに対抗するGoogleのAR SDKで、今年の2月に一般公開され、今ではその1.0を全世界に1億台あまりあるAndroidデバイスが利用できる。その主な機種は、Pixel, Pixel XL, Pixel 2, Pixel 2 XL, Galaxy S8, S8+, Note8, S7, S7 edge, LGE’s V30, V30+(Android Oのみ), ASUS Zenfone AR, OnePlus 5などだ。

このARを利用した発送機能は、スマートフォンの距離計機能や地図機能を利用して現在地を知り、移動した距離や方向を知ることもできるそうだ。

使い方は、このアプリを開いたら“Selling”をタップし、次いで“Which Box?”をタップ、するとアプリは、品物を反射のない平らな面の上に置け、と指示する。テーブルや床の上でよいだろう。次に、その品物のまわりに仮想ボックスを作って、どの箱が合うかを見つける。緩衝材の必要な品物なら、そのぶんのスペースも考慮する。

品物に仮想のボックスをかぶせたら、その状態で箱の上下や左右を見て、はみ出しがないかチェックできる。

Ebayによると、このAR利用の発送機能は、同社の例年のハックウィークのときに作られ、今年いくつかあったAR応用作品の中で唯一採用された。iOS版も今作っているそうだが、スケジュール等は未定だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、ゲームのライブ中継機能を一般公開、視聴者への報酬も可能に

Facebookは、TwitchやYouTubeに対抗してビデオゲームのライブストリーミング機能を強化すべくPC向けの新しいGames SDKを公開した。Facebookは、デベロッパーのBlizzardが作ったOverwatchなどのゲームで2016年からライブストリーミングをテストしてきたが、このたび全デベロッパーがPCゲームのライブストリーミングをニュースフィードに流せるようになった。さらにFacebookは、ストリーミングを見たファンにゲーム内アイテムやボーナスを報酬として渡せるしくみも提供する。たとえば、コメント欄の下に「Paladinsのストリーム中継を見てゲーム内で使えるコインをもらおう」などの広告がでてくる。

バイラルな成長と売上増加が見込めることから、多くのゲームデベロッパーがFacebookの新SDKを採用する可能性がある。一方プレーヤーはシンプルな公開機能を使って多くの視聴者を得ることができる。視聴者はFacebookで見れば賞品をもらえるので選ぶ理由がある。Facebookにとってはゲームストリーミングはニッチだが魅力的なコンテンツなので長時間の視聴セッションが期待できる。つまり、広告を載せたコンテンツで収益化するとともに、ユーザーを長期的に囲い込むことができる。

Facebookは、カスタム「アプリイベント」で高度な分析機能をデベロッパーに提供しており、今回Webとモバイルに続きPCでも利用できるようになった。ゲームデベロッパーがFacebookの拡張Friend Finderを統合すれば、ユーザーは友達とプレーしたり、ほかのプレーヤーのデータを見て一緒にプレーする仲間を見つけることもできる。SDKを利用したいデベロッパーはここで登録できる。

Facebookはゲームストリーミングの世界では遅いスタートだったが、急速に新機能を開発し、提携を結ぶことで視聴者ベースやコンテンツカタログを拡大してきた。昨年Eスポーツ分野のトップであるESLと提携し、つい最近Counter-StrikeとDOTAといったトップゲームのトーナメントをストリーム中継した。FacebookはMessngerゲームにもライブストリーミングを導入している。現在視聴者がスタープレーヤーに投げ銭するしくみをテストしているほか、ゲーム開発チームのメンバーとして何人かのプレーヤーも雇った

あらゆるものに手を出す巨大ソーシャルネットワークが、このニッチなコンテンツ部門で果たして成功するのか? 毎月8億人がFacebookとつながったゲームをプレイしているが、ゲーマーのリアル世界の友達がビデオゲームに興味があるとは限らないし、友達がプレイしているところを見たいかどうかもわからないの。ゲーム愛好者の特別な集団を見つけられなければライブ中継は失敗に終わるだろう。 Twitch のようなネットワークやYouTubeの片隅には、ゲームストリームを見るために集まっている人たちがいる。Facebookがゲームストリーマーや視聴者やデベロッパーを引きつけるためには、新機能を早く開発し、ユーザーの規模を生かして視聴者を拡大する必要がある。そうでなければゲーマは居心地のよい今の場所を離れないだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AIの未来とインテリジェントサーチ : SMX West2018レポート

3/13から3/15にかけて、米国のシリコンバレーの中心都市サンノゼにて「SMX West 2018」が開催され、SEO Japan編集部も参加して参りました。セッションレポート、スピーカーへの質問、独占インタビューなど、SMX Westの様子を数回に分けてお伝えしていきますので、どうぞお楽しみください!– SEO Japan

Shelby Reed

スピーカー:Shelby Reed氏 Microsoft Bingアド セールス部門長
モデレーター:Chris Sherman氏 Third Door Media

Shelby氏について

北米の広告セールス部門を統括
Bingとのパートナーシップで企業の成長を促す助けをしている

Shelby氏のバックグラウンドについて

自分が6歳の頃には周囲のいろんな事に対して疑問を持っていて、周りの大人に疑問をぶつけてましたが、どの疑問も検索によって解決され得るような世の中になりました。
この6歳の少女の疑問のように、顧客が抱える疑問に対して回答を提示できるようになるまで、業界が発展したのはとても幸運なことです。

AIの現状について

我々の仕事は顧客が検索を行う中で、正しい場所、正しいタイミングで企業のブランドメッセージに触れさせることです。

AIのAの字を、マーケターとしての能力の「Amplifying(拡大)」と捉えたらどうでしょう?

顧客に対して、より意味があり、コネクションが強く、関係性を重視した体験が提供できるようになるのです。

我々は情報世代から体験世代への過渡期にあります。

情報世代:コンシューマのインサイトを理解するために、膨大な情報を集め理解する。
体験世代:予測的な分析と、インテリジェントで行動を促すようなアウトプットを行う。

そしてチャットボットやAR/VRを通して、仮想空間ではなく現実空間でどのように自社のサービスと触れているのかを理解することが出来ます。

一方で、スナップチャットのようなリアルタイム動画共有は完全にメインストリームとなり、そして飽和状態となっています。

さらに、Cortana、Alexa、Siri、GoogleAssistantのようなデジタルアシスタントはほぼ市場に浸透しています。

ARはもう少しでマスマーケットに浸透します。これが実現することで、我々マーケターはより強いコネクションで、会話を通しながらも、感情でつながるような、完全没頭型の体験を提供することが出来るようになります。

我々はスマートでエンゲージした体験を作っていき、物事はよりシームレスになりますが、全てバックグラウンドでAIが働いていることに顧客は気づかないでしょう。

AIは「人、場所、もの」などの点を結び付け線にします。

今日は、AIの認知能力をどのようにしてマーケターが活用していくのかについてお話しします。

AIは理解します

AIは見ます

AIは聞きます

AIは話します

そして、AIは感じるのです。

検索とBingについて

検索はかつてないほど多くの人に信頼されています。とある調査によると、74%の消費者がWebサイトやブランドがいうことよりも、検索に信頼を置いています。
Search is Changing
2020年までに、200億ものIoTデバイスが存在するようになると言われています。

また同じ2020年までに、人々は企業との関係において85%は人を介さない形で持つようになるだろうという予測もあります。

現在でも月に1.48億人ものマンスリーアクティブユーザーがおり、180億もの質問がされています。

米国でも2人に1人はBingを使っており、5回に1回はBingを通して検索が行われています。

AIは知っている

デジタルアシスタントは時間、場所などの背景を理解しています。
理解しているからこそ、意図を理解し、アクションへつながるような提案をしてくれるのです。
予測からアクションまで
また、AIはテキストや音声入力で説明せずとも、意図を理解してくれる

例えば私が、「今日の晩御飯は何が良いと思う?」と夫にメールで訪ねたとしましょう。
初期のバージョンのCortanaならば、こう考えるでしょう。

メールを送ったのは「女性」で、送った時間は「夕方」 ⇒ 彼女の旦那さんが今日の晩御飯に何を食べたいかを聞いているはず ⇒ レシピを表示

ここに更なるシグナルを加えることで、答えは変わってきます。

メールを送ったのは「女性」で、送った時間は「夕方」。しかし彼女はまだ「オフィス」におり、過去には「レシピの検索はほとんどしない」ということが分かっている ⇒ 「今日の晩御飯は何が良いと思う?」というメールの裏に「今日は私のために何を作ってくれるの?」という夫への意図があることを読み取ることができる

(会場笑い)

AIは聞いている

我々はキーボードから卒業し、音声検索が主流になっていて、音声検索のエラー率は6.3%までになっています。(これは人間の翻訳家が、ミスを犯す確率と等しい)

2020年までに、50%の検索は音声と画像によるものになると言われています。

また、検索の言葉も変化しています。

「天気」 → 「今日は傘がいるかな?」
「ニュース」 → 「今日のトップニュースは?」
より口語的で、会話調のクエリへとなっていくでしょう。

また、音声は検索クエリの長さを長くしています。
音声検索クエリ長さ

さらに我々の別の調査では、シンプルな事実の検索から音声検索へ移行していることが分かりました。
音声検索への移行

逆に、個人の予定の予約、デリバリーのオーダー、旅行の予約、などは音声検索が比較的難しい領域です。この領域をカバーするためにチャットボットなどを活用しました。
Q&Aは「クエスチョン&アンサー」から「クエスチョン&アクション」になったのです。

検索のワードは、より複雑で、話し言葉ベースになっていくでしょう。

それを調べるために「ANSWER THE PUBLIC」という良いツールがあります。
Answer the public

※ANSWER THE PUBLIC・・・キーワードを入力することで、検索者のインテントを5W1Hなどで分析するツール。英語のみ対応。

このようなツールは、広告やオーガニックの戦略を考える上で助けとなるでしょう。

AIは話す

AIは話す
翻訳システムは、かつて無いほど即座に回答を返してくれます。

AIは見ている

AIは画像を見て理解しています。
画像認識技術によって、ファッションモデルの写真から、どのブーツを買えば彼女のスタイルを真似できるかを教えくれます。
AIブーツ画像
またHololensを使うことで、WEBの体験から実際に自身のリビングルームに擬似的に家具を置くことができるようにもなります。
hololens

AIは感じている

AIによって、生活内で生まれる感情がデジタルプラットフォームに組み込まれるようになっています。

Caption Bot

画像に写っている人が、一体どのような状況で、どのような感情を持っているのかを読み取ることができます。複数の顔の感情や、アナケンドリック(有名人)の顔を識別することができます。
caption bot

これらのあらゆる感覚を統合されることで、デバイスを問わずより没頭型の体験を顧客に提供できるようになります。

今後数年で80%のブランドがチャットボットを活用するようになるでしょう。

AIはセールスとなり、パーソナル旅行ガイドとなり、美容コンサルタントとなり、家の修理エキスパートとなるでしょう。

そんな中で、修理のMicrosoftとHomeAdvisorのパートナーシップが実現しました。

Home Advisorとの連携

HomeAdvisor・・・家の修理事業者を紹介するプラットフォーム。今までは、リストから修理事業者を選ばなければならなかったのが、自動で修理事業者を選定してくれる。例えば、「水道が壊れた」と入力することで、配管工が自動で選ばれ、当日のうちに修理事業者が家に来て修理を行ってくれる。

HomeAdvisor Ryan氏へスピーカー変更
Lian氏

Microsoftのチャットボットの活用について

配管工の仕事はトイレの修理から、台所の修理まで多岐に渡るため、チャットボットでメッセージの往復を自動化した。将来的には、写真から必要な修理を推定することを可能にする。

サービス連携

Botコネクター→様々なプラットフォームと連携(Skype メッセンジャーetc…)
botコネクター

再びShelby氏へスピーカー変更

Microsoft Cognitive Service

Microsoft Cognitive Serviceでは、以下のことができるようになります。

  • Vision・・・顔の表情から、ボットが画像や動画での感情を理解することができる。
  • Speech・・・話し言葉と、書き言葉の双方向の変換を可能にする。
  • Language・・・自然言語でのコマンドを理解させることができる。
  • Knowledge・・・ウェブ、学術、個人データからのリッチな情報を統合。
  • Search・・・BingAPIを利用して数十億のウェブページ、画像、ビデオ、ニュースへのアクセスが可能

Microsoft Cognitive Services

まだパイロット版ではあるが、検索結果内にチャットボットが表示される実装をしています。これにより、かつてないほど人間的な回答ができるようになるでしょう。
検索結果内チャットボット


アメリカでは日本以上にBingを使用しているユーザーは多く、検索のインターフェースもよりリッチなものになっており、以前多面強調スニペットの記事で紹介した「複数視点アンサー」などの検索画面での機能も採用されています。また、Shelby氏がAIの認知能力が向上していることに度々言及していましたが、これが今後もマーケターの役割を変えていくのは間違いないでしょう。– SEO Japan

Web戦略でお困りではないですか?

自然流入を増やしたい…
もっと問い合わせ、売り上げを増やしたい…
15年以上SEOサービスを提供してきたアイオイクスが、貴社の課題を解決するコンサルティングサービスを提供いたします。

SEOサービスについてはこちら

お問い合わせフォームへ
03-6408-287010:00 – 19:00 (土・日・祝日除く)

第三の時代を迎える「信用」について

【編集部注】著者のNik Milanovicはフィンテック推進派でPetalのCOOである。以前はFunding CircleとStanfordに在籍していた。

現在私たちの社会は、日々の生活を支える基本的なシステムの、大きな変化に目覚めつつある:それは信用(クレジット)システムの変化だ。一般的にはあまり知られていないことだが、信用基盤は文明そのものと足並みを揃えて存在してきたものだ。色々な意味で、信用システムは、常に人と人との間の基本的な関係 ―― すなわち「信頼」を、公的なものとして表現してきた。

信用の見え方、受け止められ方、そして使われ方は、この何千年もの間に劇的に変化してきたのだ。今日、過剰な技術と横溢するデータの黄金時代に支えられて、 信用さらに急激な変化を遂げている。しかし、その変化は、それぞれが独自の将来ビジョンを持っている、競合する勢力たちによって、多くの方向へと引っ張られている最中だ。

歴史の始まりにおいて、信用というものは、非常に個人的で主観的なものだった。これが何千年もの間続いていた。それが前世紀になって、奇跡が起きた。主に統計的モデリングを通して、信用というものが初めて「客観的」なものになったのだ。しかし、今日では、そのシステムに亀裂が見え始めており、私たちは今や新たな革命の入口に立っている。それが信用の「第三の時代」(Third Age)だ。

私たちは急激な飛躍を行おうとしている。昨年には信用イノベーションにおけるカンブリア爆発が目撃され、信用の将来の可能性について、数多くの可能性が明らかにされた。先行する2つの時代とは異なり、未来の信用は、個人的、予測的、自己修正的、そして普遍的なものとなる。

第一の時代:信頼の証としての信用(クレジット)

現代の人類学者たちは、初期の農業社会を、物品や労役を直接交換する、洗練されていない物々交換の世界として描いている。この図式の中には、信用システムが入り込む余地はない。相手が欲しい手持ちのものを、自分が欲しい相手の持ち物と交換するだけのことだ。しかし、歴史家のDavid Graeberがその優れた信用の語源の研究“Debt: The First 5,000 Years”(債務;その最初の5000年)の中で指摘しているように、こうした初期の文明の説明は確かなものではない。

物々交換システムには、「偶然の欲求の一致」として知られる、1つの重大な欠陥がある。もし私が養鶏家で、靴職人から靴を手に入れたいと思っているとする。すると物々交換では、こちらの鶏を欲しいと思っている靴職人を探さなければならない。もし自分の街で鶏を欲しがっている靴職人を見つけることができなかった場合には、第三者を巻き込んで、靴職人が欲しがっているものを探し、全員の欲求が満たされるまで取引を繰り返すことになる。

現在私たちは、この問題に対する簡単な解決策を持っている。それがお金だ。従来はあまりそのようにみなされては来なかったのだが、お金も実は信用の一形態なのである。お金の抜本的な革新性は、すべての取引に第三者(すなわち政府)を介在させたことだった。農夫は靴職人の欲しがっているものを何も持っていないときには、靴職人に対してドルで支払う。このドルは、靴職人が後に欲しいものを買う機会を保証してくれるものだ。これが可能なのは、人びとが1ドルの価値が変わらないと信頼しているからで、その信頼は政府がそれぞれのドルの価値を保証してくれるところから生まれている。あなたが支払いとしてお金を受け取るとき、あなたは受け取ったお金が、後日同じ価値で償還されるという政府の主張を信用していることになる。

最初の1万年間、信用は有用だった…しかし不完全なものだった。

人びとはお金のこの機能を当然なこととして受け入れているが、しかしそれは現代においてさえ、どこでも通用する話ではない。例えばジンバブエの三段階価格現象(three-tier pricing phenomenon)の例を考えて欲しい。政府は米ドルとの交換レートが1対1に固定されたボンド通貨(bond note)を発行した、しかし店舗は実際の米ドルをボンド通貨よりも割り引いて受け取った(つまり米ドルで購入した方がボンド通貨で購入するよりも安くなる)。これはジンバブエの市民たちが、政府に信用を全く与えていないことを示す具体例だ(これはまた、同国内のビットコイン価格の不可思議な不一致につながった)。

お金は、非常に多くの理由から、素晴らしい金融的手段である。それは交換の媒体である。それは価値を保存する。それはとても分けやすい。それは多くのものに対して交換可能である。それは普遍的に欲されている。それは流動的である。しかし、ごく初期の社会には現代のお金に似たものがなかったので、代わりに信用が利用されていた(文明の発達に沿った支払いの歴史に関してはここを参照)。

人間の経済があるところには、いつでも信用が存在していた。考古学者たちによって発見された最も初期の書き物のいくつかは、債務の記録である(歴史家John Lanchesterは、“When Bitcoin Grows Up”(Bitcoinが成長するとき)という素晴らしい記事の中で、信用の歴史について述べている)。しかし信用には多くの課題あった:信頼していない他人や外国人に、どのように信用を与えれば良いのだろうか?あなたが信頼している人であっても、彼らが返済してくれることをどうすれば保証できるのだろうか?ローンに対して請求する利息はどれくらいが正当なのだろうか?

初期のころの債務制度では、こうした事に対処するために、借り手が奴隷になったり、娘を差し出したりといった形でルール化し保証しようとしていた。こうした条件は借金を人為的に制限することとなった、すなわち、人類の歴史の大部分において、経済はあまり成長しなかった。その規模が信用の不足で制限されてきたからである。

というわけで、最初の1万年ほどは、信用は有用だった…ただし不完全に。

第二の時代:アルゴリズムとしての信用

全ては1956年に変わった。その年、あるエンジニアと統計家が、サンフランシスコのアパートで小さなテクノロジー企業を立ち上げた。同社は創業者たちにちなみFair, Isaac and Co.と命名され、やがてFICOとして知られるようになった。

Mara Hvistendahlが書くように「FICO以前には、信用調査機関は、対象とする人物の調査を、大家、近所の人たち、地元の店舗などで聴き込んだゴシップに、部分的に頼っていた。対象者の人種は不利な材料になり得たが、身なりのみすぼらしさ、モラルの低さ、そして『男のくせに態度が女っぽい』といったものも同様に不利な材料となった」のだ。またTime誌によれば、貸し手は次のようなルールを採用していた「ユダヤ人と大きな取引をする際には、相手を問わず必ず慎重な扱いをすべきだ」。「FairとIsaacが提唱した、アルゴリズムによる信用スコアリングは、こうした不公平な現実に対する公平で科学的な手法だった」。

FICOがいかに革命的であったかは、どれほど強調してもし過ぎることはない。多変量の信用スコアリングが登場する前は、銀行家は隣接する2軒の住宅の抵当額を決定する際に、両者を区別することができなかった。統計的な引受への動き(米国ではそのルーツは1800年代の早い時期の遡ることができる)は、雪だるまのように膨らみ、類似のアルゴリズムに基く信用システムを世界中に発生させた。信用とは結局リスクに関連するものだが、上記のようなシステムが20世紀半ばに開発されるまでは、リスクベースの価格設定はほぼ行われていなかった。

有名なのは、Capital One創業者のRichard Fairbankが、「情報に基く戦略」(information-based strategy)であるIBSを創業したことだ。彼は次のように述べている「まず第一に、リスクベースのビジネスの中で、誰もが同じ限度額のクレジットカードを所有している事実は奇妙である。[…]第二に、クレジットカードは非常に豊富な情報を扱うビジネスである、なぜなら情報革命に従い、外部から顧客に関する膨大なデータを収集することができるからだ」。

今では、アルゴリズムによる信用はあらゆる場所に存在している。米国の90%から95%の金融組織がFICOを利用している。昨年だけでも、FICOはロシア、中国、そしてインドにおける新しい信用スコアを提供し始めた。これは公共料金の請求書や、携帯電話の支払いといった新しいデータソースを活用したものだ。世界中の銀行は現在、あらゆる種類の信用について、リスクベースの価格設定を実施している。

新しい信用の世界はどのように見えるだろう?

何千ものスタートアップが、統計的モデリングと同じ概念を適用する新しい手法を模索している。たとえば 、香港のWeLabとドイツのKreditechは、ローンを処理するために最大2万点もの代替データを利用している(WeLabは4年間で280億ドル分のクレジットを提供している)。ケニアのmPesaBranchはモバイルデータを使用して途上国での信用を提供し、 Lendableはそれを心理データを使用して提供し、Koraはそれをブロックチェーン上で提供する。Funding CircleLending ClubLufaxなどの若いピアツーピア貸付スタートアップは、アルゴリズムによる引受手法を使って1000億ドル以上のローンを創出した 。

だが、この世界的な信用基盤に重大な欠点が無いわけではない。それをアメリカ人たちが認識したのが、2017年9月7日にクレジットビューローEquifaxが発表した、ハッキングによる1億4600万人分の消費者情報の漏洩である。

大規模な漏洩による後遺症は信用に関する激しい議論を巻き起こし、私たちに現行の信用システムのあり方を再評価することを強いることとなった。そして遂には第二時代の先を見据える会社たちを触発することとなった。ホワイトハウスのサイバーセキュリティ部門の権威であるRob Joyceは、社会保障番号(SSN:Social Security Numbers)を廃止する時期が来ていると主張している。現在はそれが信用スコアと密接に結びついてしまっており、個人情報が盗難にあってからでもそれを変えることができないからだ。

現在私たちは、自分自身のデータによって絡め取られている。私たちは、盗まれる可能性のある、安全ではないSSNやPINに頼らざるを得ないために、脆弱になっている。私たちは、その情報がどのように利用されるかに対しての選択はできない(1000億以上のFICOスコアが販売されている)。

FICOは、所得や支払いなどの関連要因も考慮しておらず、場合によっては単に芳しくない支払い履歴や、支払期日への遅れだけを反映していることがある。さらに、ある人のスコアの50パーセントは、その人の信用履歴(クレジット利用歴)に依存しているのだ。このことは信用を最も活用しなければならない若い借り手に対して、本質的に不利に作用するシステムとなってしまう。

最後に、Frank PasqualeがBlack Box Societyに書いているように、信用スコアリングは不透明である。これは、異なるグループにそれぞれ異なる影響を与える。アルゴリズムは誤って人間の偏見を取り込み、ローンをマイノリティに対してより高コストなものにする信用を積み上げようとすると、しばしば良くわからないルールに従うことを求められることがある。例えば誰かの信用に対して「ピギーバッキング」を行い報酬を支払ことなどだ、これは経済的不公平を恒久化させる仕組みとなる(ピギーバッキングとは他者のクレジットカードアカウントに、承認を受けて登録を行うこと。元のカード所有者のクレジット利用履歴が新たに登録した者の履歴としても利用できるようになる。このためクレジット履歴を持たない人が素早くクレジット履歴を得る手段として利用される)。

おそらくEquifaxに対するハッキングは良いことだったのだ。なぜならそれは、現行の履歴統計モデル、不透明なアルゴリズム、そして安全性の低い識別子に依存している信用システムが、完璧からは程遠いものであることを、大声で警告することになったからだ。ハッカーたちは本当は変装したロビンフッドで、時代遅れのスコアリングシステムに捕らわれている私たちを解放してくれたのではないだろうか?

現在の信用制度の弱点を乗り越えるべきときが来ている。そして今日の技術はその第一歩を踏み出しつつあるのだ。

第三の時代:解放としての信用

新しい信用の世界はどのようなものだろう?

昨年には、現在の信用システムを前進させるために、新しいアイデアのカンブリア爆発が起きた。今の段階では、どのシステムが勝つかを述べることは時期尚早だが、現在示されているものたちは真に驚異的なものばかりだ。信用システムは、革新による急激な飛躍の瀬戸際にある。このことにより金融包摂(financial inclusion:これまで金融に縁のなかった貧困層や中小企業などにも金融的恩恵を与えるようにすること)の世界が再編されることだろう。それは条件反射的で刹那的なものではなく、より個人的で予測的なものになるだろう。

未来の信用の最も革命的な側面の1つは、それが徐々に現金と似たようなものになるだろうということだ(反対に現金も信用に似たようなものになる)。消費者たちは信用(クレジット)を要求する必要はない。それは事前に様々な要素、例えば行動、年齢、資産、そして必要性などに基いて自動的に割り当てられることになるだろう。固定的な支払い金に分割されるのではなく、流動性の高いものになる。そして徐々に日常化されるにつれて、多くの場合そのコストは無償に近付くだろう。

消費者たちは全ての購入に対して、その裏側で自動的に決まる支払い方法の1つを使うことになる。決定の際には、現金もしくはクレジットのいずれかの支払い方法が、効率性と低手数料に対する最適化によって選択される。Venmo、クレジットカード、小切手、PayPalそして現金のすべてが、1つの支払手段として統合されているところを想像してみて欲しい。

人びとはもはや、別々のクレジットカード、学生ローン、住宅ローンといった、複数のクレジットラインを持つことはなくなる。人びとは、自身の持つことができる保証された「クレジットプラン」を持ち、全てが1つのマスター識別子あるいはプロファイルに関連付けられる。

ドル紙幣やプラスチックカードのような物理的な道具は、段階的に廃止され、博物館の中でのみ見ることができるようになる。購入に際して必要なものは、指紋などのバイオメトリック識別子となる。価格は限りなく分割することが可能になり、場合によっては小数点以下のセントに最適化される。これまで見えていた異なる種類の紙幣などは、目に見える所からは消えていく。

将来的には、人びとは行った仕事に対する「信用」(クレジット)が2週間毎に付与されるのを待つのではなく、報酬をリアルタイムで受け取るようになる(Walmartは現在これを実験している)。産業としてのペイデイローンは消滅する。WISH Financeは、キャッシュフローベースの融資引受のための、Ethereumベースのブロックチェーンを構築している。これを消費者に適用するのは簡単だ:通常の給与と支払いに基づいてリアルタイムに信用を取得すれば良い。

もちろん、信用の将来について話をする場合、ブロックチェーンについて話をしなければならない。

次のフェーズでは、個人を中心に信用は回転して行く。私たちはゲートキーパーたちの世界に住んでいる:現在信用調査機関などの中央データ集計業者は、信用の仲介者として行動している。しかし彼らの優位性は、徐々に個別に許諾されるデータによって侵食されていくことだろう(この概念は、自己管理されるアイデンティティ(self-sovereign identity)という名前で知られている)。これは、クロスボーダーの仕事とグローバル化が進む傾向に一致している:細分化が進む世界では、個人が核となる単位であり、自分の情報を第三者に依存せずに持ち歩く必要が出てくる。これによって、データにアクセスするために支払われている年間150億ドルに及ぶ手数料が削減され、情報は単一障害点を排除しつつ、より安全にすることが可能になる。

FICOのような、1つの万能スコアは分解されることになる。信用とは関係性のシステムである:私たちの信用が示しているものは、より広いネットワークに対する自分自身の立場なのだ。しかし、人びとは平均値で表現されるべきではない。機械学習を使用して、現在FICOの構成に寄与している要素と重みを分解することで、信用はもっと多変量のものになる(私が勤務するPetalはこれを使ってクレジットカードの大衆化を目指している)。

例えば350から850の範囲といった、1つの信用ベンチマークを、年齢に関係なく適用することにはあまり意味がない。よってこれからの消費者たちは共通の属性のある集団(cohort)と比べられることになるだろう。調査会社のExperianによれば、人びとは若いほど低い信用スコアを与えられている。とはいえ、青年期とは、信用を構築し、将来に備えてお金を貯めるために、もっとも借り入れを行わなければならないときである、

信用は文脈に依存したものになる。利用可能な最大信用枠は、給与や支払いなどの常に変化する要因に基づいて変動する。またそれは、個々の購入に対して固有のものでもある:購入しようとしている資産の価値と種類に基いて、異なるレベルの信用コストが算出されることになる。例えば、新生児用のベビーベッドを購入するための信用枠のコストは、ラスベガスへの旅行を購入するための信用枠のコストよりも安いかもしれない。Sweetbridgeが行っているように、固定資産は自動的に担保として用いることができるようになる(Koraの創業者が指摘しているのは、問題は貧困層が富を持っていないことではなく、その資産が活用できない状態であるということだ)。

信用は、心理学的かつ予測的なものである。あなたの過去の振る舞いを遡って見るだけでは十分ではない。あなたが移動したり、購入したり、活発に行動することで、信用力が動的に変化するのだ。それは特定のニーズに対して(あなたがそのニーズがあることを認識する前に既に)動的に割り当てられる(プリンタを買ったらインクが必要になるようなものだ)。

もちろん、信用の将来について話をする場合、ブロックチェーンについて話をしなければならない。初期段階では3つの用途に用いられる:

  • 細分化:Stellarのようなサービスを使えば、信用を細分化して、支払いを受け取ることは遥かに安く行うことができるようになるだろう。銀行が自身の口座に対して取引を確認することによる遅れも存在しない。

  • 引受:様々なデータソース、例えば信用調査機関、電話請求書、成績証明書、そしてFacebookなどからのデータが、普遍的なプロファイルに集約される(例えば uPortBloomが構築しているようなもの)。前述したように、これらは自己管理の対象であり、与信側が借り手の引受を行うことは遥かに簡単になる。

  • 契約の執行:スマート契約は自己執行を行い、債務の支払いを自動的に徴収し、もし信用が破綻しそうなときには再調整を行い、もし顧客の借金を統合したり年利を下げることができる場合には借換を行う。普遍的なIDと契約は、人びとが信用と共に「メキシコに逃亡」することを防ぐことになるだろう。

将来的には信用(および資本)は、人びとに対して予測AIに基いて自動的に割り当てられることになる。より良いリスクコストに対する価格設定によって、消費者が借りることのできる利率は限りなく0%に近付いて行くだろう。過去数年の連邦金利は約1%だった。1980年にはそれは18%だったのだ!機械学習と、Bainが言う所の「金が溢れる世界 」(A world awash in money)の組み合わせを使って、大規模な投資家たちが薄いリターンを探し回っていることで、利率は下がり続けている。

より高いレベルでは、Dharmaのようなブロックチェーンプロトコルが、最も効率的な方法で資本を割り当てる信用経済のための、スマートコントラクトを実現する。信用はアクティブな投資管理者の貸し借りに依存することはなくなる:現在コントラクトに結びついていないすべての資本は、信用供与を含む、リスク調整後の最高収益を継続的に探し続けるように、プログラムされるようになる。

信用供与者は、大規模なネットワーク効果を経験することになる。この「ネットワーク効果」とは、より多くのユーザーが参加するにつれて、ネットワークがユーザーにとってより価値のあるものとなる状況を表している。これはこれまでは信用には適用されていなかった:他の人があなたと同じクレジットカードを持っているからといって、あなたは何らかの利益を得ることはない。しかし、将来的にはそれが可能になるだろう。クレジットネットワーク内のデータポイントが増えるほど、より良い引受が提供され、より公平な価格設定が行われ、データの好循環が生み出されるだろう。ユーザーエクスペリエンスと価格設定は、結果として大いに満足できるものとなる。英国のOpen Bankingような動きはこの傾向を加速させるだろう。

Tom Noyesはこれをデータの民主化(The Democratization of Data)と呼んでいる。より狭くて局所的なデータの世界では(私たちの80から90%の行動は局所的なものだ)、分散したデータギャップの橋渡しを行うことで信用システムへの参加率は100%に近付いて行くだろう(現在は米国人の約71%だけがクレジットカードを所有している)。

そして、これらはより実現可能で、日常的なアイデアのほんの一部に過ぎない。Daniel Jeffriesのような未来学者は、様々な振る舞いを奨励する機能が組み込まれた通貨を思い描いている。例えば貯蓄と支払いの両方を行えたり、金融包摂を広めるための普遍的ベーシックインカムトークンなどだ。Bloomのようなプラットフォーム上では、現在100のアプリケーションが構築されつつあり、プロトコルレベルで信用が再考されている最中だ。これらのシステムは、将来が完全に実力主義になるのか、あるいは人びとは本質的にデータ無しに信頼を創造できるのかといった、第一原理問題(first-principles questions)に取り組んでいる。

私たちは第三時代の入口に立っている。信用の未来がどのようになるのかを正確に語ることは難しいが、私たちが立っている場所からは、それが信用の歴史から最大にかけ離れるものとなることはわかる。そして私たちは現在その第一歩を踏み出したばかりだということも。

[ 原文へ ]
(翻訳:sako)

Image Credits: Rafe Swan / Getty Images

トランプ介入でBroadcomの買収を退けたがQualcommに苦難が続く――創業家はVision Fundの資金で攻勢か

Qualcomm対Broadcomの歴史的戦いはとりあえず停戦となった。先週、トランプ政権がCFIUS(対米外国投資委員会)を通じて Broadcomによる買収の差し止めを命じたからだ。実現していればテクノロジー分野における過去最大のM&Aになったはずだ。

これでとりあえずモバイルチップ戦線は異常なしとなった。しかしQualcommとBroadcomは来るべき5G時代に向けてそれぞれ戦略を立て直する必要がある。取締役会から去った創業者の息子、Paul Jacobsによる買収の試みへの対処など、Qualcommの前には深刻な問題がいくつも待ち構えている。

一方、Broadcomも成長を続けるために新たな買収先を探す必要がある。

戦争ではいつもそうなるが、犠牲者は敵対する両陣営内に留まらない。 Qualcommが敵対的買収を防ぐためにとった措置は今後のM&Aにおいて企業統治や株主自主権の範囲の見直しをもたらすだろう。さらにアメリカに対する外国投資には一層厳しい監視の目が向けられることになる。

Qualcommは瓦礫から何を拾えるか?

敵対的買収というのはその結果がどうであろうと犠牲がつきものだ。取締役会、ことにテクノロジー企業の取締役会のもっとも重要な使命は、長期的に何が会社の脅威となるか、チャンスとなるかを見抜き、株主にとって最良の結果を得るよう適切に会社を導びくことにある。この点、敵対的買収への対処は消火作業に似ている。将来へのビジョンやそれを実現するためのロードマップはいったん脇に置き、危険な侵入者を追い払うために1分ごとに新たな策を投入する必要がある。

Qualcommも未来戦略の確立に注力すべきだが、現在は四方八方からの攻撃を受けている。 会社の将来に関して株主と戦い、収入に関してApple、Huaweiと戦い、NXPの買収で中国と戦い、さらには創業者の息子の買収と非公開化の試みとも戦わねばならない。

株主の多くはQualcommのパフォーマンスに満足していない。過去6年Qualcommの株価はかなりの乱高下をみせてきたが、結果として、今日の株価は2012年1月と同水準だ。同じ期間中にBroadcomの株価場合は740%アップしている。半導体各社の株価を総合した指数、PHLX Semiconductor Sector indexによれば、半導体業界は全体として280%のアップだ。

そこでQualcommの株主が35%のプレミアムを上乗せした1株82ドルというBroadcommの買収提案に乗り気になったのは当然だ。Qualcommの取締役会とは逆に株主はBroadcomに買収に前向きだった。Bloombergが報じたように、 Qualcommの取締役会は株主との戦いに敗れたことに気づいたいたようだ。【略】

Broadcomの提案が株主に承認されたことを知り、Qualcommの取締役会は買収に否定的なワシントンの政官界に働きかけの中心を移した。 Bloombergによれば「連邦政府への2017年のロビーイング支出はQualcommの場合、830万ドルで、Broadcommの8万5000のざっと100倍」だったという。こうなればワシントンは調整役というより味方だ。

1月にはいって、Qualcommの取締役会はCFIUSに対して自発的に予備的な秘密の通告を行った。これはBroadcomがQualcommの取締役会を支配しようとについて同委員会の調査を求めるものだった。ここでBroadcomはCFIUSの介入を逃れるためにシンガポール企業からアメリカ企業に戻ろうとした(米国企業であればCFIUSの管轄外となる)。これがアメリカ政府を激怒させ、Broadcommの提案の運命を決めた。Qulcommの取締役会の要請はBroadcommの失策を招き、最終的にトランプ政権による買収ブロックという結果となった。

Qualcommの取締役会は戦争には勝ったものの、依然としてPaul Jacobsなど数多くの敵対者を抱えている。延期されていた株主総会は今週開催され、現取締役は対立候補なしで再任の承認を求める。ロシアの大統領選挙同様、一部の株主はことの成り行きに不満を表明するために棄権するかもしれない。 Wall Street Journalによれば、「有力なプロキシー・アドバイザーのInstitutional Shareholder Services Inc.は …機関投資家向けの水曜のメモでQualcommの11人の取締役選任に当ってはBroadcomが推薦する4名の候補に投票するよう求める立場を再確認した。これは抗議の意思を示すためで、Broadcomm側取締役が選任される可能性はない」という。

今回のQualcommの株主総会が波乱含みなのは疑いない。Qualcommの取締役会と経営陣は「この問題は終わった」と主張するが、内紛もふくめてさらにいくつかの火事を消し止めねばならない。

Qualcommは依然として440億ドルに上るNXPの買収の中途にあり、中国の規制当局の承認待ちだ。当局がいつどのよう判断するかは明らかでない。しかし承認が得られたとしてもまだ契約は成立していない。Qualcommが買収を完了させるためには多大のコストとリソースを要するだろう。

さらに複雑なのはAppleとHuaweiに対するQualcommの知的所有権のライセンスを巡る訴訟だ。.ライセンス料はQualcomの収入のきわめて重要な部分を占める。取締役会は将来のビジョンを考える前に、まず当面の訴訟の動向と訴訟戦術に中を向けねばならない。

内紛というのは、Paul Jacobsが会社の支配を取り戻そうとしている件だ。昨日、Qualcommの取締役会はPaul Jacobsを取締役から解任する決議を行った。JacobsはQualcommのファウンダーの息子であり、2005年から2014にかけて同社のCEOを務めた。Jacobsは先週、エグゼクティブ・チェアマンから単なる取締役に降格されたばかりだった。New York Timesの記事によれば、「この別れは友好的なものではなかった。QualcomのトップからJacobs家のメンバーが完全に外れるのはここ33年で初めての事態だ」という。

別の記事によればJacobsは1000億ドルでQualcomを買収する準備を進めており、資金としてSoftBankのVision Fundを利用するという。言うまでもなくSoftBankは日本の会社であり、Vision FundにはサウジアラビアやUAEの国営ファンドの資金が含まれている。しかもQualcommはSoftBankのVision Fundへの出資者メンバーだ。

JacobsはDellの創業者、Michael Dellでが2013年に240億ドルを投じてDellを上場企業から非公開企業に戻した例にならおうとしている。JacobsはDellの非公開化に必要とした額の4倍もの資金を集められるだろうか? Qualcommは同社のファウンダーの息子による会社支配の試みを「外国勢力による」ものとして再度ブロックをトランプ政権に要求するだろうか?

Jacobsはどうにしか資金の都合を付け、取締役会は創業者の息子で前取締役による買収を差し止めようとワシントンに再度駆け込むことはしないだろう、と私は予測するが、さほど確信があるわけではない。

依然としてBroadcomの立場は強い

大いに目立つ失敗をしたものの、Broadcomがこの戦争で受けた損害はさほどでもない。今週発表された第1四半期の決算はアナリストの予測を上回った。特にワイヤレス・コミュニケーション分野での成長は対前年比88%と著しいものがあった。またBroadcommは大幅なコスト削減にも成功しており、粗利益率を64.8%もアップさせている(たしかにファブレスで特許料を主軸にしたビジネスモデルは効果がある)。

Broadcomは今後も健全なパフォーマンスを続けそうだ。最大の疑問は、Qualcomm買収が失敗に終わった今、Broadcomの次の手は何かだ。QualcommはBroadcomが買収可能なチップメーカーとしては最大にして最も重要なものだった((Intelはスケールが違いすぎる)。もしBroadcomがシンガポール企業からアメリカ企業に戻るなら、国内企業として改めてQualcommの買収を試みることができる。いずれにせよBroadcommがここ数年の成長速度を維持するためには適切な買収相手を発見する必要がある。 【略】

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Uber、アリゾナ州で自動運転中に死亡事故――NTSBが調査チーム派遣

昨日(米国時間3/18)、Uberがテスト中の自動運転SUVがアリゾナ州テンピで自動運転モードで走行中に女性の歩行者をはねた。女性は付近の病院で手当を受けたが死亡した。Uberは事故に関する捜査に協力すると同時にすべての自動運転のテストを中止し、「犠牲者の家族にお悔やみ申し上げます。われわれは地元当局の事故の捜査に全面的に協力しております」と発表した。またNTSB〔国家運輸安全委員会〕も調査を開始したことをツイートした。

NTSBはアリゾナ州テンピのUberの事故に調査チームを送った。続報あり。――NTSB

自動運転中の死亡事故はこれが初めだ。Uberの事故からは事故責任と自動車保険に関して数々の疑問が生じている。自動車は自動運転モードだったが、運転席には安全を担保する役割のドライバーが着席していた。理論上、危険な状況が発生すればこのドライバーが事故を防止するために介入するはずだった。

事故発生後、Uberはアリゾナ、ピッツバーグ、カリフォルニアで実施されていた自動運転のテストをすべて中止した。昨年、NTSBは 2016年にフロリダ州で起きたTeslaのオートパイロットシステムに関連する死亡事故を調査している。NTSPは事故時にTeslaのオートパイロットは技術的には所定の作動をしていたものの、事故を防ぐにはデザインに不十分な面があったとした。またドライバーがシステムを過信して運転に十分な注意を払わなかったことも原因の一つだと認めたている。

取材中

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Xboxコントローラーを採用した米海軍の原子力潜水艦が就役。最新潜望鏡の操作に使用、約400万円以上をコストダウン

eng-logo-20153月17日(米時間)、米海軍のバージニア級原子力潜水艦の15番艦 コロラドが就役しました。艦内にXboxのコントローラーを装備する初の潜水艦となります。

Xboxコントローラーがあるからといって、自由時間にゲームで遊ぶわけでも、ゲーム感覚で潜水艦を操縦するわけでもありません。潜望鏡の代わりとなるフォトニクスマストを操作するのに使用します。

従来の潜望鏡は1人しか見ることが出来ませんでしたが、先端にカメラが取り付けられたフォトニクスマストは、その映像をマルチスクリーンに映し出して大勢で見られるというもの。このフォトニクスマストの操作に、これまでは3万8000ドル(約403万円)する専用のジョイスティックを使っていましたが、コロラドではこれを約30ドル(約3000円)のXboxコントローラーに変更したわけです。

単純にコストダウンが出来ただけではなく、若い船員はコントローラーの操作にも慣れており、訓練に時間をかけなくてもすぐに使えるようになるとのこと。

ただ、コストダウンや使いやすさのためとはいえ、民生品のゲームコントローラーを使用するのは信頼性や耐久性などの面で問題も出てくるはず。しかし、この点についても、もちろん考えられています。

バージニア級原子力潜水艦は、もともとコスト削減のため民生品の転用を積極的に行っていく方針で設計されており、艦内の各部がモジュール化されています。こうすることで、壊れた箇所をすぐに交換でき、耐久性などで劣る民生品を使用するリスクを軽減しています。

潜水艦の耐用年数の間、Xboxのコントローラーが存在するかという点も気になりますが、このモジュール化により、実際には他のコントローラーも使用可能なものと考えられます。

なお、米海軍ではコロラドが初となりますが、米陸軍とボーイング社が開発中の車載用レーザー兵器 HEL-MD(高出力レーザー移動デモンストレーター)の操作にもXboxのコントローラーが用いられているようです。

Engadget 日本版からの転載。