ティーン監視アプリのTeenSafe、パスワード1万人分が漏洩

英国の研究者、Robert Wigginsが発見したところによると、TeenSafeのサーバー2台が侵入され、同社の監視サービスを利用している一部ユーザーのパスワードと個人情報が漏洩した。

TeenSafeは、10代の子を持つ親に、子供のテキストメッセージや通話、ウェブ履歴、位置情報、アプリのダウンロードなどを監視できるようにして、子供たちを守るためのサービスだ。データ漏洩を最初に報じたのはZDNetだった。

記事によると、TeenSafeは、同社がAWS上で保有するサーバーのうち2台を、誰でもアクセスできる状態に放置していた。しかも漏洩したデータベースには、親のメールアドレス、子供のApple IDメールアドレス、デバイス名、デバイス固有ID、および子供のApple IDの平文パスワードが保管されていた。

つまり…ほぼすべてだ。

TeenSafeでは、親が行動を監視できるように、ティーンエージャーが2要素認証を利用しないよう要求しているため、こうして個人情報が暴露された今、悪意のある侵入者に対していっそう脆弱だ。

TeenSafeは自社ウェブ上で、データは暗号化されているため不正侵入された際にもアクセス不能であると主張している。

ZDNetによると、サーバーには過去3カ月以内の顧客レコード1万200件以上が保存されていた。一部のレコードは複製であり、サーバーの一つにはテストデータが保存されていたらしいとも記事は伝えている。

まだ見つかっていない脆弱なサーバーがほかにあるのかどうかも明らかになっていない。

TeenSafeによると、100万組以上の親が同社のプラットフォームを利用している。

「当社サーバーの一つを公開中止とし、影響を受ける可能性のある顧客に対して警告を開始した」と日曜日(米国時間5/20)にTeenSafe広報担当者がZDNetに伝えた。

本誌はTeenSafeと直接接触していおり、情報が入り次第続報の予定。

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YouTubeが有料会員制のRedサービスを改築して単独の音楽ストリーミングを提供Google Play Musicはそっちへ吸収

メッセージングに関するGoogleのフォーカスもそうだが、ストリーミングと音楽を独立のプロダクトにしたいというYouTubeの取り組みにも、混乱と出鱈目がもっぱら感じられる。今回同社は、それを単純化し一本化すべく、音楽と動画を分離し、前者に関して新たなサービスを立ち上げた

そのYouTube Musicは名前が示すとおり、5月22日にローンチされる音楽ストリーミングサービスだ。それはApple MusicやSpotifyとまともに競合することを目指し、業界の標準的なやり方として、最初は無料の試用期間、その後は月額$9.99の会員制になる。

広告が入る無料バージョンもあるが、それにはBGM化や曲のダウンロード、音楽発見機能などの、有料版にある機能がない。なお、気になっていた人もいると思われるが、これまでのGoogle Play MusicサービスはYouTube Musicにリプレースされる。

YouTube Musicは元々、有料制のビデオストリーミングサービスYouTube Redの一部だった。しかし今回の分離により、月額$11.99出してYouTube Redの会員になる人は、両方のサービスを利用できる。そしてこれからは、音楽とビデオの両方をカバーするという意味で、YouTube RedはYouTube Premiumへと改名される。

ますます混乱してきたようだが、要するにYouTubeは、顧客に音楽オンリーの有料会員制サービスを提供し、あと2ドルでビデオも楽しめますという人参をぶら下げたのだ。もっと意地悪な見方をすれば、YouTube Redが2ドル値上げされたのだ。お好きな方の解釈を、お取りいただきたい。

でもこの分割はとても合理的だ。SpotifyやApple Musicのような優れた音楽ストリーミングサービスがあるのに今でもYouTube上で無料で音楽を楽しんでいる人は多い。とくに途上国では、公共交通機関の中や、いろんなところに、たくさんのYouTubeリスナーがいる。それは、Spotifyなどが食い込めない市場だ。

しかしYouTubeのこの新しいサービスは当初、先進国市場(“第一世界”)だけを対象とする。それらは最初、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、そして韓国。次の段階でオーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、イギリスへ展開される。

画像クレジット: Patrick T. Fallon/Bloomberg, Getty Imagesより

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AIでお利口になったGoogle NewsアプリがiOSとAndroidに登場

Googleは先週のI/Oイベントで、AIで強化したNewsアプリの新バージョンを披露したが、今日(米国時間5/15)ついにその新装アプリのiOSバージョンAndroidバージョンが127か国でローンチされた。この、設計もデザインも一新されたアプリは、これまでGoogle PlayにあったNewsstandアプリをリプレースする。

ニュースの発見や消費が前よりも容易になり、ユーザー体験を読者がカスタマイズでき、そして各種のメディア刊行物をこのアプリからサポートする。AIが読者の嗜好から学んでその人向けのコンテンツを提供するが、アプリ全体のデザインとレイアウトはきわめてすっきりしている。

アプリを開くと‘For You’(おすすめ)タブがあり、現時点の上位5つの記事や、あなたに向いていると思われるオピニオン、その下の長い読み物などがある。

‘Headlines’(ヘッドライン)というタグは最新のニュース集で、国際、国内、ビジネス、テクノロジー、エンタメ、スポーツ、科学、健康などに分かれている。記事タイトルをクリックすると、関連記事や社説、オピニオン、ツイート、ビデオ、イベントのタイムラインなどのリストが表示される。

  1. google-news-3

  2. google-news-1

  3. google-news-2

ユーザーが設定するカスタマイズには、AIが介入しない。だから好きなトピックやニュースソース、位置などを自由に指定できる。これは良い! 検索や記事を保存しておけるし、それらを一発で呼び出せる。

‘Newsstand’(ニューススタンド)というセクションでは、好きなメディアを指定できる。雑誌は1000種以上に対応しているそうだから、その中から好きなやつをタップして選ぶ。ただしこのセクションは、まだ建設途上のようだ。完成していない。

これもまだ未来形の機能である“Subscribe with Google”(Googleから購読する)では、各種メディアをGoogleのアカウントで有料購読できる。決済情報は、Google上のそれが使われる。それらのコンテンツは、NewsだけでなくGoogle Search(検索)や発行者のWebサイトでも閲読できる。

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開発フレームワークElectronのエクスプロイトでWebとモバイルの人気アプリが危険

広く使われているクロスプラットホームな開発フレームワークElectronのセキュリティチェックをバイパスするエクスプロイトが登場した。Trustwaveがポストしたそのエクスプロイトはすでにパッチされたので、デベロッパーは自分のアプリケーションを早急にアップデートすべきである。

そのエクスプロイトは一部のアプリケーションでnodeIntegrationの設定によりクロスサイトスクリプティングを可能にする。このメソッドでアプリケーションは自分のモジュールに接続できるだけでなく、Node.jsのモジュールにも接続できるようになる。

発表から引用しよう:

Electronのアプリケーションは基本的にWebアプリケーションであり、したがってユーザーの入力を正しく無害化できなかった場合にはクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃に対し無防備になる。Electronのデフォルトのアプリケーションは自分のAPIだけでなくNode.jsのすべての内蔵モジュールへのアクセスを含んでいる。そのためXSSの危険性は大きく、犯人のペイロードはchild_processモジュールにおけるrequireなどの悪質なことができるようになり、クライアントサイドでシステムコマンドを実行する。Atomには少し前からまさにそれをするXSS脆弱性があった。アプリケーションのwebPreferencesにnodeIntegration: falseを渡すことにより、Node.jsへのアクセスを削除できる。

Discord, Signal, Visual Studio Code, それにGithubなど、多くの人気アプリケーションがElectronを使っている。Slackも、そのアプリケーションにElectronを使っている。

そのエクスプロイトはnodeIntegrationの設定と新しいウィンドウを開くプロセスに依存している。多くの場合nodeIntegrationはfalseに設定されているが、たまたまnodeIntegrationをtrueに設定すれば、child_processモジュールを呼び出すなどの悪質なスクリプトを通してしまい、そいつはspawnのようなシステムコールにより、オペレーティングシステムのコマンドを実行できるようになる。

ElectronのWebサイトがここにあり、アップデートに関するブログ記事はここだ。このプラットホームを最近の数週間以内にアップグレードしていれば、多くのアプリケーションが無事だろう。

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DNAデータから髪、皮膚、目の色を予測する無料Webツール

IUPUI(インディアナ大学-パデュー大学・インディアナボリス校)理学部とオランダ、ロッテルダムのエラスムス医療センターの研究者が開発した新しいツールは、髪や皮膚や目の色をDNAデータから予測する。このシステムはWebアプリとして作られていて、受け取ったDNA配列を既知の色表現型と比較してそれぞれの色の確率を教えてくれる。

HIrisPlex-Sと呼ばれるそのアプリは、犯罪現場に残された微量のDNAからでも色を予測できる

「これまで警察機関や人類学者に、目の色や目と髪の色の組み合わせを知るためのツールを提供してきたが、皮膚の色はずっと難しかった」とIUPUIの法遺伝学者、Susan Walshは言う、「ポイントは、われわれが個人の皮膚の色を決める遺伝子のDNAマーカーを使って、5種類 —— 非常に淡い、淡い、中間、暗い、黒に近い —— に分類された皮膚の色を直接予測するようにしたこと。これは遺伝的祖先を識別するのとは異なる。人種や民族の同定よりも、金物店で塗料の色を探すのと似ていると言えるかもしれない。目撃証言を尋ねられたとき、ほとんどの人が髪の色、そして皮膚の色に言及する。われわれがやっているのは、遺伝学を用いて、彼らの見たものに客観的視点を加えることだ。

ウェブアプリはここで実際に試してみることができるが、注意しておくことがある。これは決してふだんウェブで見るようなユーザーに優しいアプリではない。ユーザーはテストに必要な特定の対立遺伝子を知っていて、CSVファイルにした対立遺伝子をアップロードしなくてはならない。それでも、無料であり警察にとってはもちろん、あなたの髪が染める前どんな色だったかを調べるためにも、非常に有用だと思われる。

「われわれのHIrisPlex-Sシステムによって、法遺伝学者や遺伝人類学者はDNAサンプルから目、髪、皮膚の色情報を初めて同時に求められるようになった。必要なDNAサンプルは、法医学の現場や人類学研究でよく見られるような質の低いものでもよい」とエラスムス医療大学のManfred Kayserは言った。

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Instagramがアンケートを楽しくするために絵文字スライダーステッカーを追加

もし新しいヘアスタイルの出来栄えを、友人たちにどれだけセクシーか「ナスビ度」(ナスの絵文字は一部の人たちの間ではセクシーな意味合いを持つ)で聞いてみたいなと思っていたならおめでとう。今日(米国時間5月10日)Instagramは、「絵文字スライダー」という機能を発表した。これは任意の絵文字を使ってフォロワーたちが投票を行う、フィードバックステッカーだ。この更新されたInstagramアプリは、現在App StoreとGoogle Playの両方で利用可能になっている。

たとえば、金曜日の夜に外出しないことにして、際どい自撮り写真を撮り、友人たちにその行為を、天使の絵文字もしくは怪しい悪魔の絵文字でレーティングしてしてもらうことができる。あるいは、ヘビなのか、それとも小さな足を持つサンショウウオなのかが判然としない生き物を見た際に、Instagramのストーリーをよく読む人たちに、ヘビの絵文字を使って「ヘビ度」を0から100パーセントの範囲でレーティングしてもらうこともできる。こうした実用的とは言い難い応用はいくらでも考えられる。

Instagramによると、絵文字スライダはpoll stickerの人気から生まれたと言う。poll stickerは確かに友人やフォロワーたちに自然な参加を促す楽しい手段だ。絵文字スライダを使用することで、単純な2択の質問代わりに、対象の「絵文字度」をアナログ尺度で尋ねることができるというわけだ。なにしろ2択なんてもう終わってるからね。

もしも使ってみる気になったなら、絵文字スライダーはストーリーのステッカートレイの他のナンセンスなものたちの中に見つけることができる。ただそれを選んで、質問を書き、ストーリーに放り込もう。やがて甘い甘〜いフィードバックがパラパラと…。

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(翻訳:sako)

ハッカーのKevin Mitnickがフィッシングで二要素認証をバイパスする方法を教える

二要素認証(two-factor authentication, 2FA)を破ろうとするハッカーは、ユーザーに偽のログインページを送り、ユーザー名とパスワードとセッションクッキーを盗む。

KnowBe4のチーフ・ハッキング・オフィサー(Chief Hacking Officer) Kevin Mitnick*が、そのハックをビデオで公開している(下図)。ユーザーがLinkedInを訪ねようとしたら、一字違いの“LunkedIn.com”のページを送ってログインさせ、パスワードと認証コードを捉える。そしてそれらを使って本物のサイトにアクセスしたハッカーは、セッションクッキーを入手する。そのあとハッカーは、いつまでもログインできる。これは要するに、一回かぎりの2FAコードを使って偽のログインをし、データを盗むのだ。〔*: Mitnickの著書。〕

“Kevinの友だちのホワイトハットハッカー(white hat hacker, 犯罪行為をしない研究者的ハッカー)が、ソーシャルエンジニアリングの巧妙なやり方で二要素認証をバイパスするツールを開発し、それを使うとどんなサイトでも破れる”、とKnowBe4のCEO Stu Sjouwermanは語る。“二要素認証はセキュリティの層を一つ増やすが、でもそれだけで企業を守ることはできない”。

ホワイトハットハッカーのKuba Gretzkyが作ったそのevilginxと呼ばれるシステムは、彼のサイトに詳しい技術的説明がある。

Sjouwermanによると、セキュリティ教育の中でもとくに重要なのがフィッシング対策であり、被害者がセキュリティについてよく知り、メール中のリンクをクリックすると危険!と知っていたら、このようなハックは成功しない。そのことをぼくに教えるために彼は、本誌ライターのMatt Burns(matt@techcrunch.com)が、記事中の誤字について述べているメール(偽メール)を送ってきた。そのメールにあるリンクをクリックしたらリダイレクトサイトSendGridへ連れて行かれ、そこからTechCrunchに放り込まれた。しかしそのペイロードは、きわめて悪質だった。


そしてSjouwermanは曰く、“これで分かったと思うが、今や新しいセキュリティ意識が必要であり、とくにフィッシングをシミュレーションで体験することが重要だ。なぜなら、防衛ラインの最後尾を固めているのはソフトでもハードでもなく、人間だからだ”。

彼の予想では、この偽メールを使ったテクニックが数週間後に流行(はや)って、ユーザーとIT管理者はセキュリティのためのプロトコルを強化せざるをえなくなるだろう、という。

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GoogleのWebサイト最適化ツールLighthouseが3.0にアップ、パフォーマンスの劣化原因を細かいレベルで突き止める

デベロッパーが自分のWebサイトを最適化したり、そのパフォーマンスを検査したりするためのツール、GoogleのLighthouseが今日(米国時間5/8)、3.0にアップデートされた。

このアップデートの最大の目的は、計測をより精密にして、かつ、それに対して何かができるようにすることだ。たとえばページのロード時間が長くて、それを遅くしている犯人はこのコンポーネントだ、と分かれば、具体的な対策が可能だ。たとえばGoogleには、Webサイトを素早くてなめらかにするGoogle AMPのようなプロダクトもある。すべてのWebサイトが最適化されて動くようになると、全体的なエンゲージメントも上がるから、Lighthouseの今度のバージョンでは、Webサイトで何が起きているのか詳しく分かるようになっている。今日その発表が行われたのは、Google I/O 2018の会場だ。

それは、Googleにとっても重要なことだ。ユーザーのWebサイトがGoogleの検索で上位に出てくるためには、そのWebサイトのユーザー(訪問者、利用者)に最良の体験を与え、人気を高めなければならない。そしてそんなWebサイトは当然、パフォーマンスが重要だ。Googleの検索サービスの人気と信用のためにも、そこで見つかるWebサイトはパフォーマンスが良好でなければならない。だから、多くのWebサイトのパフォーマンスがGoogleの人気や利用度も左右する。〔とくにモバイルでは、ロードの早いサイトがGoogle検索で好遇される。〕

またデベロッパーが調子の悪いWebサイトを調べるときには、小さなコンポーネントをひとつひとつ、そこで何が起こっているのかテストしなければならない。そこでLighthouseはデベロッパーに、どの部分でパフォーマンスの劣化が生じているのか、その犯人を突き止められる機能も提供している。その調べる粒度が小さければ小さいほど、改良すべき箇所もより具体的に分かる。

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Android Pではスマホの使い方をユーザーがコントロールできる機能を充実

Googleは今日のデベロッパーカンファレンスI/Oで、今度のAndroid Pオペレーティングシステムのための一連の新しいツールを発表した。それらはユーザーが使用時間をよりしっかり管理できるためのツールで、たとえばより強力なDo Not Disturb(邪魔しないで)モードや、アプリの使い方の現状を調べる方法などだ。

最大の変化は、Android Pで初めてダッシュボードが導入されることだ。ユーザーはその上で、自分のAndroidがどんな使われ方/使い方をしているかを一望できる。ちなみにその画面のバナーは“dashboard”ではなく“digital wellbeing”(デジタルの幸福)だ。そこで分かることは、自分のスマートフォンを何回アンロックしたか、通知を何回受け取ったか、どのアプリを何時間使った、などの数値だ。アプリの使われ方に関する情報は、デベロッパーがいろいろ盛り込むことができる。たとえばYouTubeでは、その特定のAndroidデバイスだけでなく、すべてのデバイスでYouTubeを見た合計時間が分かる。

Googleによると、ダッシュボードを導入したのは、デベロッパーたちが“意義あるエンゲージメント”と呼んでいるものを盛り上げるためだ。必ずしも健康的とは言えない、スクリーンのアイドルタイムを減らすこと。これからベッドへ行って寝るためにソファなどから立ち上がったら、お尻の下に自分のスマートフォンがあった、とか。このほか、Android Pでは、こんなことが新しくなる:

  • Do Not Disturbモードで通知を無視できる–スマートフォンを裏返すと自動的にDNDモードになる。このジェスチャをGoogleは“shush.”(シーッ)と呼んでいる。またテキストの通知だけでなく、ビジュアルの通知や電話の呼び出しも減らせる。
  • 寝る前にはスマートフォンを“wind down”モード(うとうとモード)にできるd–画面がグレースケールになり、明るさを徐々に減衰する。スマートフォンをふつうの活性状態のままベッドに持ち込まないための、工夫だ。
  • アプリのタイムリミットを設定できる–設定した時間が近づいたらユーザーに知らせ、実際にタイムリミットになったら画面をグレーにしてそのことを教える。.

これらの機能は以前、The Washington Post紙が報じた。テクノロジーのネガティブな側面への懸念、とくにその依存症的/中毒的な性質を取り上げた記事だ。Googleはすでに、子どものデバイスを管理するFamily Linkというツールを提供している。これはアプリへのアクセスをコントロールしたり、時間制限を設定したり、夜間の使用不能を設定したりできる。AmazonのFireタブレットも強力なペアレンタルコントロールを提供しているし、Appleも今年後半にはiOSのペアレンタルコントロールを強化するようだ。

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Google、Assistantの声にジョン・レジェンドを追加

AlexaとSiriの最近のアップデートに負けじと、今日(米国時間5/8)Googleは、Assistantプラットフォームに6種類の声を追加すると発表した。

同社は今日のI/Oカンファレンスで、もっと「人間の話し方に近い」自然なAI音声を開発中であることを発表した。一時停止を自然にするなどの細かい改善によって、Assistantと「より自然な会話」ができるようになるという

新バージョンのAssistantには男性女性両方の声が実装され、Wavenetという同社が1年半前から取り組んできた機械学習技術に基づいて作られている。Googleは、世界中の方言に対応するさらにカスタマイズされたバージョンを開発している

その一方で、Microsoftはちょっとしたビッグネームをスタジオに迎えて音声のパーソナリティーを付加する。はじめにミュージシャンのジョン・レジェンドが今年中にAssitantに加わり、AlexaのスーパーボウルCMを現実に変えつつある。Alexa、君の番だ。

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これがUberの空飛ぶタクシーのコンセプトだ

Uberはユーザーが空飛ぶUberを呼び出せる未来を構想している。そしてそれはCEO Dara Khosrowshahiが言う「大きく大胆な賭け」だ。彼は今日午前のCBSのインタビューで、大きく大胆な賭けがUberを作ったと話した。

「われわれはこの乗り物を使ってネットワークを作り、一般の人々が渋滞を避けて長い距離を移動したいとき、手頃価格で空飛ぶタクシーを使えるようにしたい」とKhosrowshahiは言った。

目標は無人運転で4人乗りの空飛ぶタクシーを作って料金を安くすることだ。ユーザーはアプリでエアタクシーを呼びUberの屋上施設で乗り込む。CBSのインタビューによると、タクシーは複数のプロペラと電動モーターのおかげで比較的静かになるとUberは言っている。

同社は2020年までにトライアルを始める計画だ。

Uberは今日(米国時間5/9)、明日のUber Elevateカンファレンスでエアタクシーの詳細を発表する予定。

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Androidの新しいジェスチャーはiPhone Xそっくり

Googleは、Android次期バージョンの新機能の一部をデベロッパー会議で披露した。その中にとりわけ馴染みのある機能があった。Android Pにはアプリ間を行き来するナビゲーションに新しいジェスチャーが加わる。その動きはiPhone Xそっくりだ。

Android Pには、われわれが1年以上前から研究してきた新しいナビゲーション方式を導入する」とAndroidのエンジニアリング担当副社長、Dave Burkeが言った。「新デザインによってAndroidのマルチタスキングは、これまでより使いやすく理解しやすくなるだろう」

おそらくGoogleは新しいマルチタスキング画面を1年間検討してきたのだろうが、Appleをコピーしなかったとは信じ難い。iPhone Xは2017年9月に発表された。

Android Pでは、従来のホーム、戻る、およびマルチタスクのボタンがなくなっている。画面下端の中央には薄い横長のボタンが1つだけある。このボタンを上向きにスワイプすると、マルチタスク画面になって最近使ったアプリの一覧が表示される。画面を左右にスワイプすれば目的のアプリを選ぶことができる

もう一度上にスワイプすると、推奨アプリの並んだアプリドロワーが画面上端に表示される。いつでもボタンをタップすればホーム画面に戻れる。これらのジェスチャーはアプリを使っているときにも機能する。アプリの中では左下隅に戻るボタンが追加される。

薄いボタンを左右にスワイプすると隣のアプリに切り換えられる。これはiPhone Xと全く同じだ。複数のアプリをめくっていくこともできる。指を離すと選んだアプリに移動する。

Android Pベータは何種類かのデバイス向きに今日から入手できる。エンドユーザーには今後数カ月のうちにこの新バージョンがやってくる。

iPhone Xのジェスチャーは驚くほどエレガントで効率的なのでGoogleの選択を責めることはできない —— そしてもちろん、あのPalm Preによく似ていることもわかっている。iPhone Xを使ったあと現行バージョンの動くAndroid機を使うと、最近使ったアプリに移動するのに複数回のタップが必要なためずっと遅く感じる。

変化をもたらしたのはAppleであり、どのスマートフォンもiPhone Xのように動作すべきことは明らかだ。それでもGoogleが何か言われるのは仕方のないことだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterに暗号化DM機能が隠されていた

TwitterのAndroidアプリの奥深くに、ユーザー同士で暗号化されたダイレクトメッセージをやりとりできる “Secret conversation” というオプションが見つかった。この機能があれば、Signal、Telegram、WhatsAppなどの暗号化メッセージアプリに頼ることの多かった機密性の高い会話をTwitterで行える。

暗号化DMオプションは、Twitter for Androidアプリケーションパッケージ(APK)の中にあるのをJane Manchun Wongが最初に見つけた。APKにはTwitterが密かにテストしている機能や近く公開される予定でまだ一般に提供されていない機能のコードが含まれていることがよくある。Twitter広報はこの件についてコメントを拒んだ。Twitterがいつこの機能を正式公開するのかわからないが、少なくとも開発されていることはわかった。

暗号化DM登場の18カ月前、内部告発者のEdward SnowdenはTwitter CEO Jack Dorseyにこの機能を要求し、当時Dorseyは「あってしかるべき機能なので検討する」と答えた。

Twitterは同機能を「検討」からプロトタイプへと昇格させた。上のスクリーンショットには、暗号化メッセージの詳細、秘密の会話の開始、本人および会話相手の暗号化キーを表示して安全な接続を検証する、などのオプションが見える。

TwitterのDMは、電話番号もメールアドレスも使わずに、知らない相手と連絡をとる便利な手段となっている。記者に特ダネを送ることから、問題の警告、ビジネスの検討、あるいはナンパまで、Twitterはオープンなメッセージングメディアとして有力な地位を築いてきた。しかし、暗号化されていないとメッセージは政府やハッカーやTwitter自身に覗かれる恐れがある。

Twitterは長らくそのサービスを、政治活動や暴動までも支援する場であると位置づけてきた。しかし、政治的不一致や暴露、漏洩などの影響を恐れる人たちは、強力なエンドツーエンド暗号化が可能なSignalなどのアプリを使うのが常だった。暗号化DMの提供によって、世の中を変えようとする「チェンジメーカー」たちを呼び戻し、今もTwitterにいる人々を守ることができるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Fitbit、スマートウォッチ・アプリに生理周期モニター機能を追加

Fitbitは新しいスマートウォッチ、Versaを発表した3月のイベントでFitbitアプリに女性の健康モニター機能を追加する計画を明らかにしていた。 iOS版とWindows版双方にこのアップデートがいよいよ実施される。女性ユーザーは運動や睡眠のパターンと同時に生理周期をモニターできるようになる。

この機能は同社のスマートウォッチ、VersaとIonicの双方で利用できる。これにより生理周期だけでなくく妊娠可能期間の推定も可能となる。Fitbitのヘルスモニター機能への追加として大変有用なものといえる。スマートウォッチを発表した当初、普通のユーザーの手首には大きすぎて女性ユーザーを遠ざけるという批判を浴びた。しかし新しく発表されたVersaは小型化されており、多機能でスマートなデザインとなった。

新機能はAndroidユーザーの場合、今月末に利用できるようになる(FitbitはGoogleのCloud Healthcare APIを利用すると発表しているが具体的なスケジュールは明らかにされていない)。

なおAndroid版Fitbitは今週中にQuick Replies機能が使えるようになる。この機能はスマートウォッチから「イエス、ノー、よさそうだね」というプリセットされた返信をワンタッチで送れる。Facebook Messenger、What’s Appを始め、多くのポピュラーなメッセージ・サービスがサポートされる。

今週はFitbitのパートナー各社から血糖値チェックを含めユーザーの健康モニターを助けるさまざまな新機能やカスタム文字盤の提供が発表された。パートナー企業にはDexcomを始め、Diplomat Pharmacy Inc.、Fitabase、Go365、Limeade、One Drop、Sickweather、Walgreensなどのヘルス関連企業が含まれる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Assistantで映画チケットを買えるようになった

Google Assistantに新しい機能がやってきた。Fandango との提携によって、映画のチケットを簡単に買えるようになる。Google Assistantに映画のチケットが買いたいと言えば、近くで何を上映しているかを教えてくれるので、あとはどの映画館でどの映画をやっているかを見ればよい。

このサービスはStar Wars™ のマーケティング・ホリデーに因んで、May the Fourth™(5/4)にスタートする。そしてSolo: A Star Wars Storyの前売り券はその当日発売になる。

この機能はSiriには前からあったがGoogle AssistantではFandangoアプリをダウンロードしなくても購入できる。Siriで利便性が大きく損なわれていた点を改善した。

現在はAndroid端末のGoogle Assistant専用だが、もしあなたがiOSでGoogle Assistantアプリのヘビーユーザーなら、今年中には映画チケットを買えるようになるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alexaのスキルにスキル内購入を書ける、デベロッパーに収入の道ひらける

【抄訳】
Amazonが今日(米国時間5/3)、Alexaのスキルを作っているデベロッパーが、そのスキルの中にスキル内購入を実装できるようにした。またそのために、スキルのためのAmazon Pay、Amazon Pay for Skillsを立ち上げた。これからはデベロッパーが、AmazonのEchoスピーカーのようなAlexa対応デバイスの音声アプリケーションから、収入を得ることができる。たとえばそれがゲームなら新しい武器を売ることができるし、無料の音声アプリの中に有料コンテンツのお買い上げお誘いを置くことができる。

この機能は2017年11月に発表されたが、これまではJeopardy!など、一部のアプリやゲームのデベロッパーだけが利用できていた。

音声アプリケーション(Amazon語で“スキル”)にスキル内購入が加わったら、お客はそこで売られているものを購入し、音声で支払うことができる。金額などの決済情報は、すでにそのユーザーのAmazonアカウントに結びついている。

有料にするコンテンツやその価格はデベロッパーが決められるが、購入の実際の処理はAmazonが扱う。またセルフサービスツールを使ってデベロッパーはスキル内購入を管理し、その売り方を最適化できる。ただしAmazonは、Prime会員向けには何らかの特典(値引き、特別コンテンツなど)を提供するよう、デベロッパーに要請している。なお売上に対するAmazonとデベロッパーの取り分は、30:70である。

【中略】

デベロッパーが売上を得る方法は、スキル内購入だけではない。

たとえばブランドやお店などは、イベントのチケットや花の配達など、さまざまな商品やサービスを、Amazon Pay for Alexa Skillsを利用して売ることができる。Amazon Payは既存のCRMと注文管理機能を統合しているので、お店は物やサービスを売るプロセスの中で販売管理ができる。その機能も、今日から一般公開される。

また、スキル内で何かを売るのではなく、人気の高いデベロッパーへの直接の報酬提供方式としてDeveloper Rewards(デベロッパー報酬)というプログラムもある。これは、スキルのデベロッパーのエコシステムを育てることが目的だ。

スキルのエコシステムと言えば、今日の発表ではAlexaのスキルの総数は40000、12月の25000から大きく増えている。

しかしこのエコシステムはロングテールがとても長くて、ユーザーのいない、またはほとんどいないスキルも多い。音声アプリの開発を体験してみるためにだけ作った、というものもある。音声デバイスの使われ方に関する調査によると、音声アシスタントでいちばん多く使われているのは、ニュースと情報、スマートホームのコントロール、タイマーのセット、リマインダーなどだ。多くは、音声アプリでなくてもよいものだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Telegramの史上最大、17億ドルのICOが大混乱――初期投資家が大量に利食い売り

Telegramの新規暗号通貨売出しは新たな非集権的インターネットのプラットフォーム構築の資金となると期待されていた。しかし現実としては精緻に組み立てられた企業の資金調達市場に大混乱をもたらす結果となっている。Telegramの初期の投資家が利食いを狙って大量のトークン売却に出ているからだ。

今週、Wall Street Journalが報じたところによればTelegramは最近ICOの一般向け販売をキャンセルした。同社がこれに先立って特定投資家向けのトークン販売で17億ドル相当の資金調達(SEC提出書類)に成功したことはTechCrunchも報道している。 しかしこの問題が起きたのはそれより以前からだった。

TelegramはTON(Telegram Open Network)と呼ばれるブロックチェーン・テクノロジーを利用したプラットフォームとこれを利用するためのメッセージ・アプリを提供している。Telegramのビジョンは、各種支払だけでなく、ファイル保存、検閲を受けないブラウジング、その他各種の非集権的アプリのプラットフォームとなることだ。この3月、Telegramはメッセージ・アプリの1日当たりアクティブユーザーが間もなく2億人になると発表していた。当初のホワイトペーパーによれば、Telegramは招待オンリーの特定投資家と一般投資家、双方へのトークン売出しで12億ドル相当の資金を調達することを計画していた。

Telegramは調達額目標を17億ドルにアップし、その後一般投資家への売出しをキャンセルした。これは同社がTONネットワークを構築するために必要な資金をすでに確保したことを意味すると同時に、SEC〔米証券取引委員会〕がスタートさせた公衆から資金を調達するICOに関する調査を避ける意味合いだと考えられている。

この結果、一般投資家はGramと呼ばれるTelegramのトークンを直接購入することができず、トークンが取引所に現れるのを待つことになったが、Gramの取引所における売買が開始されるスケジュールは現在不明だ。しかしTelegramのメッセージ・アプリが大成功を収めていること、また初期投資家は大幅な割引価格でトークンを購入できたため、トークンを取引所外で売買するセカンダリーマーケットが出現した。これにより一部の投資家はすでに大金を手にしている。

TechCrunchが取材したある情報源によれば、初期投資家向けトランシュではトークンあたり価格は0.37ドルだったという。それが現在では1.30ドルでの売りを狙っている。実現すれば、公開取引が開始される前にすでに3.5倍の値上がり益を手にできる。これ以外にもさまざまな価格で同種の取引が行われてきたとTechCrunchでは考えている。簡単に大きな値ざやが稼げるところから新たな仲介者も現れた。売り手と買い手をマッチングさせ、取引が成立すれば手数料を得るブローカー業者だ。

ここに挙げたのは同種の非公式取引の一例にすぎない。Gramに対する需要が旺盛なためトークンを所有する初期投資家は現金化の機会を得た。また一般向け売出しがキャンセルされため、この傾向にはますます拍車がかかった。初期投資家は大幅な割引価格でGramを購入できたのできわめて容易に大きな利益を手にすることができるわけだ。

TechCrunchが取材した別の情報源によれば、Telegramはこうした非公式なトークンの売買が行われていることを認識しているものの、なんら法規に違反しているわけではない――ICOは公的規制を受けていない――ため、打つ手はないのだという。Telegramがこうした巨額の資金移動をコントロールできていないという事実はICOプロセスに強い懸念を抱かせる。【略】

TelegramのICOはこれまでで最大の暗号通貨売出しによる資金調達だ。2位のFilecoinの2億5000万ドルのICOをはるかに引き離している。しかしICOとして模範的なものとなったとは到底いえそうにない。

トークンの無秩序な売買に加えて、このICO自体の不透明性が当初から強く批判されていた。 Pantera Capitalの Charles Noyesは、TelegramのICOを「オポチュニスト的」と述べ、ホワイトペーパーについて「簡単に言えば、こうなれば良いという希望的観測のリストだ。クラッシュと炎上を避けられたらこうなるはずという筋書きを述べたもの」だと批判した。MIT Technology Reviewの記事は「大胆だがアイディアに乏しい」とした。またこの文書中のテクノロジー面の理論付けは他のプロジェクトからリサイクルされたものだという批判も出ていた。

しかも現在Telegramにとっての難題はICO関係だけではない。ロシア政府は強引な検閲によりTelegramのメッセージ・アプリを無効化しようと試みている。Telegramに対する取締りを逃れるために利用されていたIPアドレスでロシア政府よってブロックされた数は1900万に上ると推定されている。この大規模なもぐら叩きの巻き添えを受けてTwitch、Slack、Soundcloud、Viber、Spotify、Fifa、Nintendoなどのサービスにも被害が出ている。

TechCrunchはTelegramのCEO、Pavel Durovにコメントを求めたが本記事執筆時点では回答がない。

情報開示:執筆者のJon Russellは少額の暗号通貨を所有している。

画像:Carl Court / Getty Images

〔日本版〕フランス政府は政府職員がTelegram利用することを禁止し独自アプリに移行させることを準備中。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

高校生が作成した”SmartLens”アプリは、汎用ビジュアル検索への第一歩だ

数年前、私はカメラを向けるとそれが何かを教えてくれるようなアプリを熱望していた。結局その問題は、皆が期待していたものよりもはるかに困難だったが、そのことは高校生Michael Royzenのやる気を削ぐものではなかった。彼のアプリであるSmartLensは、何かを見て、それが何かを特定し、さらに詳細を知りたいという問題を解決しようとするものだ。正直なところそれは完璧な成功とは言えないが、ポケットの中に忍ばせておくことに抵抗はない。

Royzenが私に連絡してきたのは少し前のことだったが、私は興味深いと(実は正直疑わしいと)思っていた。GoogleやAppleのような企業もずっと失敗してきた(少くとも良い製品はリリースできていない)課題解決を、空き時間を使って作業している高校生ができるものだろうか。私は彼と喫茶店で会い、実際に動作するアプリを見て、嬉しい驚きと、ちょっとした困惑を感じた。

このアイデアは単純だ:携帯電話のカメラを何かに向けると、何千万枚ものイメージを使って訓練され、巨大だが高度に最適化された分類エージェントを利用して、アプリがその対象を識別しようとする。WikipediaとAmazonに接続することで、アプリが識別したものに関して、より詳細に知ったり購入したりすることができる。

それは1万7000以上の物体を認識する。多くの種類の果物や花、ランドマーク、道具などなど。アプリはリンゴと(少々変わった見かけの)マンゴーの区別や、バナナとプランテーンを区別すること、そしてサイドメニューとして注文したピスタチオの識別には少々苦労した。その後、私自身が行ったテストでは、近隣の植物を特定するのにとても便利であることがわかった:ツルニチニチソウ、アネモネ、カタバミなどなど、どれも迷うこと無く識別したのだ。

驚くべきことに、これらは全てオフラインで行われているのだ。画像をモバイル回線やWi-Fiを通してどこかのサーバーに送信して、解析しているわけではない。すべてがデバイス上で、1〜2秒以内に完了する。Royzenは、さまざまな情報源から自分自身の画像データベースを構築し、AWS EC2の計算時間を何日も使って複数の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練した。

さらに、アイテム上のテキストを読んでAmazonデータベースを照会することによって、さらに多くの商品を認識することができる。それは、書籍、薬のボトル、その他のパッケージ商品を、ほぼ即座に識別し、それらを購入するためのリンクを提示する。オンライン時にはWikipediaリンクもポップアップするが、かなりの量の基本的な説明がデバイスにダウンロード済である。

注意点として、SmartLensのダウンロードサイズは500メガバイトを超えていることを指摘しておかなければならない。Royzenのモデルは巨大である。なぜなら、携帯電話上にすべての認識データとオフラインコンテンツを保持しなければならないからだ。これはFire Phone(RIP)上のAmazon自身による認識エンジンや、Google Goggles(RIP)、あるいはGoogle Photosのスキャン機能(SmartLensが0.5秒で認識できる対象に対して役に立たなかった)などとは、相当異なるアプローチを採用している。

「デスクトップクラスのプロセッサを搭載したここ数世代のスマートフォンと、それらのプロセッサ(とGPU)を利用できるネイティブマシンラーニングAPIの登場によって、ハードウェアは驚異的な高速のビジュアル検索エンジンとなりました」とRoyzenは電子メールに書いてきた。しかし、同様のことをすることが当然期待される大企業たちはどこもそうしたプロダクトを作成していない。それは何故だろう?

アプリケーションのサイズとプロセッサへの負荷は確かに問題の1つである。しかしエッジならびにオンデバイス処理は、こうしたことが最終的に目指している場所である。Royzenは、それに対して早めのスタートを切っただけなのだ。難しい点が2つある:収益化することは難しく、検索の質も十分には高くないということだ。

現時点では、SmartLensはスマートではあるものの、間違いがないとは言えない。対象が何であるかの正解にたどり着く直前には、(しばしば起きることだが)爆笑ものの間違いを答える。

それは私が持っていた本を「白い鯨」だと識別したが、それは書籍「白鯨」ではなかった。また、それがクジラ形の文鎮だと言ったものは、園芸用のコテだった。多くのアイテムでは、より高い確信度の推測に到達する前に、「人間」もしくは「プロダクトデザイン」という推測がチラついた。ひとかたまりの花の集まりが、4から5種類の植物として認識される…その中にはもちろん「人間」も混ざっている。私のモニターは「コンピューターディスプレイ」、「液晶ディスプレイ」、「コンピューターモニター」、「コンピューター」、「コンピュータースクリーン」、「ディスプレイ装置」などとして認識された。ゲームコントローラはすべて「コントロール」だ。スパチュラは木製のスプーン(まあ近いかな)だったが、不可解なサブタイトル「ブービー賞」が添えられていた。何だって?!

こうしたレベルの性能(そして楽しくはあるものの、奇妙な振る舞い)は、GoogleやAppleがリリースするスタンドアロン製品では許容されないだろう。Google Lensは遅くて出来の悪い代物だが、便利で役立つアプリの中の、オプション機能に過ぎない。もし花を人間として識別するビジュアル検索アプリを出したなら、企業はいつまでもそのことを言われ続けるだろう。

そしてもう一つの課題は収益化の側面である。理論的には、友人が持っている本の表紙を認識して即座に注文することは可能だが、そのことは、写真を撮って後で検索することや、最初の数単語をGoogleやAmazonに入力すれば用が足ることに比べて、それほど便利だとは言えない。

その一方で、ユーザー側にも迷いがある。それが識別できるのは何か?それが識別できないのは何か?何を識別すれば良いのか?それは犬の品種や店舗などの多くのものを識別することを意図しているが、例えば、友人が持っているクールなBluetoothスピーカーや機械式時計、あるいは地元のギャラリーに飾られた絵の作者などを識別はしない(とはいえ、いくつかの絵は認識される)。それを使っているうちに、私は花の識別のような、うまくいくことが証明されたタスクだけに使うようになっていったように思う。しかしそれ以外の不確実で上手く行かないものに関しては、フラストレーションが溜まるだけなので、試してみる気にはなれなかった。

それでも近い将来に、SmartLensのようなものが存在しないと考えることは、馬鹿げていると思う。数年のうちには、私たちがそれを当然のものとして扱うようになることは、あきらかだ。また、それらはオンデバイスで行われ、解析のために画像を何処かのサーバーへとアップロードする必要はないだろう。

Royzenのアプリ自身は課題を抱えているものの、多くの状況で非常にうまく動作するし、明白な有用性がある。ここでのアイデアは、道の向こうのレストランに携帯電話を向けたなら、2秒でYelpのレビューが見られるといったものだ、マップを開く必要もなく、住所や名前を入力する必要もない。こうしたことは既存の検索パラダイムの自然な延長線上にあるものである。

「ビジュアル検索はまだニッチですが、私の目標は、あるアプリケーションが身の回りの全てのものに関する有益な情報を教えてくれるようになったら、どのように感じるかを皆に伝えることなのです ―― それも今すぐに」とRoyzenは書いている。「しかし、大企業が最終的には競合製品を発売することは必然です。私の戦略は、最初の普遍的なビジュアル検索アプリとして市場に出て、先行者であり続けられるように(あるいは買収されるように)できるだけ多くのユーザーを集めることです」。

しかし、私の最大の不満は、アプリの機能そのものではなく、Royzenがそれをマネタイズする際に決定したやり方である。ユーザーはアプリを無料でダウンロードすることができるが、立ち上げるとすぐに、月額2ドル(日本だと月額200円)のサブスクリプションを促されるのだ(まだアプリがちゃんと働くかどうかも見ていないのに)。もしアプリが何をして、何をしないのかを既に知っているのでなければ、そのダイアログを見た瞬間に考える間もなく削除することだろう。そして仮にそれを支払うことにしたとしても、それを永遠に払い続けることはない。

アプリを有効にするための1回限りの手数料を徴収することがおそらく妥当だろう、また紹介コードの提供という選択肢は常に存在している。しかし商品のテストさえしていないユーザーから月額家賃を徴収しようというのは、成功の見込みがない。私はRoyzenに懸念を伝えた。私は彼が再考してくれる事を願っている。(訳注:5月2日現在、サブスクリプション登録は必要なままだが最初の30日間は無料となっている。この期間中に解約すれば料金は発生しない)。

既に撮影した画像をスキャンできるようにしたり、検索に利用した画像を保存できるようにするのも良いだろう。確信度インジケータのようなUIの改善や、それがまだ識別中であることを知らせる何らかのフィードバックもあると良いだろう、少くとも理論的にはそうした機能が考えられる。

なんだかんだと言ってはみたが、私はRoyzenの努力には感銘を受けている。一歩退いて眺めてみれば、高校生であるということは置いておくとしても、このように洗練されたコンピュータービジョンタスクを実行可能なアプリを、1人でまとめ上げたというのは驚異的なことだ。これは、10年前のGoogleのような、大きくて遊び心のある会社から出てくることが期待できるような(やり過ぎ)野心的アプリケーションの一種である。これは今のところ普通のツールというよりは、好奇心先行のものかもしれないが、最初のテキストベースの検索エンジンも似たようなものだった。

SmartLensは現在App Storeから入手可能だ ―― お試しあれ。

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(翻訳:Sako)

2017年のアプリケーション購入額は1064億ドル。2022年には1565億ドル見込み。

App Annieの最新レポートによれば、全世界を通じたアプリケーションストアでの売上額は、本年末の段階で1064億ドルに達する見込みであるようだ。さらに、2022年段階では1565億ドルにも届きそうだとのこと。昨年12月の段階では、売上額が1100億ドルに達するとしていたので、若干の下方修正ということにはなってはいる。成長著しいのはアジア太平洋地域(Asia-Pacific region)で、もちろん中国が、全世界における支出の40%を占めてNo.1となっている。

レポートによれば、全体の支出額が増加しただけでなく、デバイス毎の支出も増加傾向にあるとのこと。1台あたりの支出額は、2017年の20.94ドルだったが、これは2022年には25.65ドルまで伸びそうだとしている。

さらにダウンロード数も2022年までに45%の伸びとなり、2582億に達する見込みであるようだ。

2022年までのダウンロード数予測で、大きく伸びが期待されているのはインドを含むアジア・太平洋地域だ。インドネシアやベトナム、そして中国の郊外エリアにおける成長が期待されている。ちなみにアメリカ大陸において成長を引っ張るのはブラジルで、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)地域をリードするのはエジプト、ウクライナ、ポーランド、そしてロシアだと予想されている。

アメリカや日本などの安定的成熟市場にあっては、2022年までのダウンロード数は安定成長となりそうだとのこと。もちろんダウンロード数自体は多く、アメリカでは年間21本の新しいアプリケーションをダウンロードし、日本では15本となっている。

そうはいっても成長の鈍化によって、開発者としては新たなユーザーを獲得するための方策を探っていく必要も生じるのだろう。

利用者の支出額は2022年までに92%の伸びを示し、1565億に達する見込みだ。

支出額の多い国々は中国、アメリカ、日本、韓国、ドイツだ。中でも中国は、2017年比で107%の成長を遂げ、624億ドルとなる。アメリカについていえば、97%の成長で150億ドルから297億ドルとなる見込みだ。

1台あたりの消費額は2022年までに23%の伸びを示し、25.65ドルとなる。

1台あたりの購入額でのトップは日本で、2022年に140ドルとなる見込みだ。世界平均の6倍で、圧倒的な首位となる。

アメリカも2022年には倍増する見込みだが、額は60ドルを超えるあたりとなるようだ。

支出がもっとも多くなるのは、やはりゲームだ。しかし他ジャンルのアプリケーションも市場を広げることとなりそうだ。2022年までに、ゲーム以外の支出も750億ドル程度増加しそうだとのこと。出会い系(デート)アプリケーションや音楽、ビデオストリーミングなどのサブスクリプションによる増加が大きい見込みなのだとのこと。

レポートの全文はこちらから読むことができる。

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(翻訳:Maeda, H

iOSのカメラアプリHalideは写真の位置データを削除できる、セルフタイマーもサポート

iOS用の高度なカメラアプリHalideは、AppleのデザイナーだったSebastiaan de WithとTwitterのエンジニアBen Sandofskyが昨年ローンチし、そして今日(米国時間4/30)はこれまでで最大のアップグレードを発表した。このアップグレードには、セルフタイマーや、写真レビュアーの新設計、障害者等向けアクセシビリティの改善、などが含まれる。でも、おそらく、今回の最良の機能は、写真のプライバシーの保護だろう。写真を他と共有する前に、その写真のメタデータから位置情報をなくせるのだ。

Halideがとくに優れているのは、プロフェッショナルなカメラ機能を簡単なジェスチャーで使えることだ。だからアマチュアにもプロにもどちらにとっても、魅力的なアプリだ。

今ある主な機能は、手動の焦点調節ダイヤルや、その逆の自動焦点モード、RAWとJPGをサポート、グリッド/レベルツール、ライブのヒストグラムなどだ。

そして今回のアップデートで、Apple Watchコンパニオンなど、さらに便利な機能が加わった。

Apple Watchのアプリをインストールすると、リモートでフレームを決めたり、Halideのシャッターを切ったり、タイマーをセットしたりできる。つまり、自分の手首から撮影をコントロールできる。

Apple Watchがなくても、セルフタイマー機能がある。設定は3秒、10秒、30秒の三種類だ。起動するとシャッターボタンが押された状態になり、ボタンの近くのアイコンにカウントダウンが表示される。

フォトレビュアーも新しくなった。撮影済みのグリッドをスクロールして、そこからすぐに撮影状態に戻れる。

アクセシビリティの改善ではDynamicとBold Typeが加わり、VoiceOverがサポートされた。Halideの作者たちによると、30秒のタイマーもアクセシビリティを意識した結果だ。素早く動けない人でも、利用できるように。

しかし、今回の最大の変化は、写真のプライバシーだ。

今の写真には、大量のプライベートデータが含まれていることを知らない人や、忘れている人は多い。写真ファイルのメタデータには、カメラやレンズやフラッシュに関する情報や、日付時刻、写真の位置情報などが隠されている。そんな情報は、共有したくないと思うこともあるだろう。Webやソーシャルメディアにポストするときには、とくに。

今度のHalideでは、トグルスイッチのon/offで位置データを削除できる。それにより、FacebookやInstagramやWhatsAppなどに写真を投稿するとき、個々の写真ごとに、位置の共有を制限できる。

アプリのダウンロード数は公表されていないが、Appleのオプトイン方式のアナリティクスによると、月間ユーザー数は10万あまりだ。サードパーティによるユーザー追跡は、行われていない。プロシューマー層というニッチを対象とする有料アプリにしては、いい数字だね。

Sandofskyはこう言っている: “うちはメールやプッシュ通知みたいな成長戦術をやっていないから、この数字を誇りに思うね。このアプリは、多くの人たちの本当のニーズを満たしているのだ、と思う”。

Halideは、App Storeから5ドル99セントでダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa