AmazonのEcho Inputは初めてのスピーカーのないEchoだ

Amazonが今日(米国時間9/20)のハードウェアイベントで、Echo Inputという新製品を紹介した。それは上図のように、Echo Dotのとても薄くて小さなバージョンで、Amazon作のAlexaデバイスとしては初めて、スピーカーがない。スピーカーが必要なら、ユーザーがお気に入りのものを自分で接続する。そのために3.5ミリのオーディオケーブルかBluetoothを使うが、マイクが4つあるのでAlexaに話しかけることはできる。Echo Dotと違うのは、オーディオは接続したスピーカーから再生され、デバイス本体からではない。〔オーディオ出力の要らないスキルもありえる。〕

厚さ12.5ミリと薄いから、どこにでも入り込める。家中至るところに置いてもよいだろう。

スピーカーを接続したEcho Inputは、既存のマルチルームの音楽グループの一員になれる。

Amazonによると、人気のスピーカーがこれを同梱して売られることも想定している。たとえばBoseは、このデバイスの最初のパートナーだ。

Echo Inputの色は黒または白で、アメリカとイギリスとドイツでは年末に34ドル99セントで発売される。

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ウォルマートが17000台のOculus GoヘッドセットをVRによる作業訓練用に試験的に採用

作業訓練は以前から、企業が仮想現実を利用する最初の主要な分野になる、言われていた。Walmartはすでに、そのトレーニングセンターにVRハードウェアを導入してその方向性を見せていたが、今回同社は、その5000近いストアのすべてにOculus Goヘッドセットを送って、Walmartの社員の教育訓練の頻度を上げようとしている。

この大型店の巨人は、Walmartスーパーセンターの各店舗にヘッドセットを4つずつ、そしてNeighborhood Marketには2つずつ送る。それは全社員を教育訓練できるほどの大量ではないが、それでもWalmartともなれば全体で約17000台のヘッドセットが年内に発送されることになる。

昨年同社は、STRIVR Labsの協力により、同社の200あるトレーニングセンター“Walmart Academy”に仮想現実によるトレーニングを導入する、と発表した。今回はさらにその進化形であり、前のようにPCにつないだOculus RiftではなくOculus Goを使用し、単体VRヘッドセットによる社員教育の将来性をさぐる。今回の、各店におけるわずかな台数でのテストがうまくいけば、OculusとFacebookにとっても勝利になる。なにしろこれまでVRヘッドセットといえば、実際に順調に使用する時間よりも、トラブルシューティングの時間の方が長いことで、悪名高かったのだから。

Oculusで企業とのパートナーシップを担当しているAndy Mathisが、プレスリリースでこう述べている: “Walmartは、VRを利用して社員教育の充実を図った最初の企業のひとつだ。今後その利用は、どんどん拡大するだろう。この分野でVRが魅力的なのは、ふつうのやり方では費用が高すぎたり、難しかったり、そもそも不可能だったりするような教程やシミュレーションを、VRは可能にするだけでなく、今すぐ気軽にできるからだ”。

仮想現実では、プロセスや製品が実在する前にそれらを体験できる。社員にとってその体験は、既存のオプションよりもおもしろいから、居眠り効果などもなく、学習効果が上がるだろう。

STRIVR LabsのCEO Derek Belchはこう述べる: “VRはシミュレーションをベースとする体験的学習の機会を与える。それは、2Dの教材ソフトなどでは不可能だった。VRと教育学習の関係が、Walmartの先進性によりこれほど急速に進展していく様子は、見るだけでも感動的である”。

STRIVRのVR教材ビデオは主に360度ビデオを使用し、画面上に対話を促すプロンプトが出るので、社員は実際のインフラストラクチャが存在する前に、新しい店舗形態などに触れる機会を与えられる。Walmartは、ネットで買った物のための“Pickup Towers”〔日本語参考記事〕という具体例を挙げて、実際に店に据え付けられる前に、VRでそれらと対話する体験があれば、稼働開始も早い、と述べている。

ヘッドセットの店舗への発送は、来月から始まる。

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GoogleやFacebookも使っているデザインツールFramer Xの魅力は開発工程の上流下流への柔軟な対応

デザインツールはどの企業にとっても、ますます重要になっている。今日はそのレースに、新人が入ってきた。

新人とは言ったが、Framer Xは三年前にできたFramerの改造バージョンであり、ファウンダーのKoen BokとJorn van Dijkはさらにその前の2011年に、デザインソフトのSofaをFacebookに売っている。そしてFramer Xは、Reactベースのリッチなデザインツールで、どんなデザイナーでもインタフェイス成分を描けて、それらを技術者のコラボレーションチームに送れる。

その鍵は、再利用性と忠実な再現性だ。Framer Xでは、技術者たちが今本番開発に使っている成分を送って、デザイナーたちはそこから仕事を始められる。逆にデザイナーはボタンやアイコンをデベロッパーにファックスで送るのではなく、その成分のSVGコードをデロッパーに送れる。

[Framer Xはベクターツール]

Framer Xではまた、ユーザーがFramer Xのストアで成分やそのほかのデザインアイテムをパッケージとして集め、デザインの過程でそれらに容易にアクセスできる。Framer XのFramer X Storeは一般公開されているので、たまにデザインをするような人が経験豊富なプロのデザイナーの作品をベースに仕事を始められる。

また、企業がその社内だけで使うプライベートなストアを、Framer Xの上に開ける。

Framer Xの使用料はユーザー一人あたり月額15ドルだが、企業のプライベートなFramer Xストアは、企業の規模などに応じて適宜課金される。

Framer Xの強敵といえば、InVision, Adobe, Sketchなどだ。

同社によると、現在の月間アクティブユーザーは約5万、企業ユーザーは200社だ。その中には、Google, Facebook, Dropboxなどもいる。資金はこれまで、Greylock, Foundation Capital, Designer Fund, Accel Europeなどから900万ドルを調達している。

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GoogleのCI/CDプラットホームCloud Buildがコンテナイメージの脆弱性をスキャンする

Googleが今日(米国時間9/19)、同社のCD/CIプラットホームCloud Buildの重要なアップデートを発表した。それにより、このサービスを利用して構築されるすべてのコンテナイメージに対し脆弱性スキャンが行われる。Container Registryに対するその脆弱性スキャンはまだベータだが、現代的なDevOpsの実践手法を採用した企業に対し、彼らがデプロイするコンテナに確実に、既知の脆弱性がないようにすることがそのねらいだ。

Googleがいみじくも言うように、セキュリティプロトコルがつねに確実に実践されているようにするための唯一の方法は、その工程を自動化することだ。今回の場合では、Cloud Buildの新しいイメージはすべて、Cloud Buildがそのイメージを作ってそれをContainer Rgistryに保存するそのときに、自動的にスキャンされる。

このサービスは、セキュリティ関連の標準的ないくつかのデータベースを利用して脆弱性を見つける。現在、脆弱性を見つけることのできるのは、Ubuntu、Debian、そしてAlpineのパッケージだ。CentOSとRHELにも、近く対応する。

問題を見つけたらユーザーに通知するが、ユーザー企業が自動化のルールを決めて、自動的にアクションをさせることもできる。アクションへのメッセージングとアクションの実行にはそれぞれ、Google CloudのPub/Sub通知と、サーバーレスのCloud Functionsを用いる。ユーザーは、脆弱性の重度やCVSSのスコア、どのパッケージが危ないか、有効な対策の有無、などに関する詳細レポートを受け取る。

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GoogleのCloud Memorystore for Redisが一般公開、ミリ秒以下のレスポンスを約束

Googleは今日(米国時間9/19)、5か月の公開ベータを経たCloud Memorystore for Redisを一般公開した。それは、完全な管理を伴うインメモリのデータストアだ。

このサービスはRedisプロトコルに完全に準拠していて、インメモリのキャッシングを必要とするアプリケーションにミリ秒以下のレスポンスを約束する。そしてRedis準拠なので、デベロッパーは自分のアプリケーションをコードをどこも変えずにこのサービスへマイグレートできる。

Cloud Memorystoreには二つのサービスティアがある。シンプルなキャッシング用のベーシックと、高可用性のRedisインスタンスを必要とするユーザーのためのスタンダードだ。スタンダードではGoogleは、99.9%可用性のSLAを提供している。

最初にベータでローンチして以来Googleは、このサービスにできることを徐々に増やしてきた。たとえば今ではさまざまな性能数値をStackdriverで見ることができる。また、カスタムのIAMロールや、改良されたログ機能も加わった。

課金は時間と容量の従量制で、サービスのレベルや使用するキャパシティによって異なる。完全な料金表がここにある。

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SonyがPS1の縮尺版PlayStation Classicを出す、当時の人気ゲーム盛りだくさんで

もしもあなたが、二杯目のビールを飲み終わったら必ず、ゲームがアートへ成熟していく過程における初代PlayStationの偉大なる功績について20分のスピーチをするタイプの人なら、この記事はあなたにぴったりのニュースだ。

Sonyは今日(米国時間9/18)、その初代PlayStationにあの(うまくいった)Nintendo Classicの待遇を与えるべく、PlayStation Classicと呼ばれる縮尺バージョンのPS1を出す意思を表明した。そのおチビさんのゲーム機は、12月3日に定価99ドル99セントで発売される。

この種の企画の先鞭をつけたNintendoの人気燃え々々のSNESとNES両Classicと同じく、SonyのPlayStation Classicも、キャッシュに往年の人気ゲームが最初から載る。その人気ゲームとはFinal Fantasy VII [編集者注記: おお!いいね!], Jumping Flash, Ridge Racer Type 4(アールフォー リッジレーサータイプフォー), Tekken 3(鉄拳3), Wild Armsなど計20本だ。

このゲーム機を発表するSonyのブログ記事日本語ページ〕は、“25年近く前に初代のPlayStationが生まれた。Sony Computer Entertainmentが開発したそれは、全世界で売上が1億台を超えた史上初めての家庭用ビデオゲーム機になり、3Dのグラフィクスをリアルタイムで描画するゲームを初めて家庭でプレイする機会を消費者に提供した”、とノスタルジアたっぷりに述べている。もちろんそのノスタルジーは、われわれの中にもある。

“昔からのファンは懐かしいゲームを再発見できるので、ノスタルジーを満足させることができるだろう。そしてこのプラットホームを最近知ったばかりのゲーマーは、画期的なPlayStationコンソールのその始まりの姿を体験して楽しめるだろう”。

Sonyによると、その新しいミニPlayStationは本物のPlayStationより45%小さくて、同じく先祖を模倣しているコントローラーもやはり小さい。コントローラーは二つ付くので、対戦ゲームも楽しめる。テレビなどとの接続用に、HDMIとUSBのケーブルもある。カナダとアメリカでは一部の店が予約販売を行なうが、上記以外の15のゲームも含めて詳細も発表されるから見落とさないように。Sony自身が詳細をシェアするのは、来月または再来月だ。すべてのゲームを“オリジナルフォーマットでプレイできる”、と言っているから、何もかも単純だったあの日を、再び体験できるだろう。

このようなノスタルジー商法を大歓迎する人がほとんどだと思うが、でもすごくキュートだから新鮮さもある。ボタンも何もかもすべて円(まる)いから、星のカービィみたいに円いものはキュートに感じるんだ(キノピオもそうだったね)。

1995年の大流行の時期にPS1に深入りした人なら、当時最先端だったあの形の記憶が今でも脳裏にはっきり残っているだろう。ボタンを押したときに感じるその深さ(押し込み感)も、正確に記憶に残っているはずだ。ディスクドライブの蓋が、あくびをするように優雅に、はらはらさせるかのようにゆっくり開(あ)くときの様子も。すべて心に深く刻まれているだろう。

ぼくたちはあれに、わずか5年の寿命しか与えなかったけど、でも、あと数か月与えてはどうだろう?

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これがGoogleの149ドルのスマートディスプレイ、Home Hubだ

Googleは10月9日のハードウェアイベントで新しいハードウェア製品をいくつか発表すると言われている。本誌は発表が期待される新製品の詳細情報を得た。

Googleは独自のスマートディスプレイを開発していると噂されていたが、このほどAndroidAuthorityの記事によって、Google Home Hubの画像と価格の詳細がわかった。

via Android Authority

デバイスはいかにもGoogle Home製品らしい外観であり、必要なものをすべて備えた上に多くの機能が追加されている。

7インチの画面を有し、価格はわずか149ドルで、これは現在最安値のLenovo Smart Display 8インチの199ドルよりもかなり安い。ちなみにLenovoの10インチ版は249ドル、ステレオスピーカー付きのJBL Link Viewも同価格だ。

Lonovoの製品をいじってみて、Googleはスマートディスプレイ向けに気の利いたソフトウェアを提供していると思うが、いくつか奇妙なことも体験した。デザイン上、画面は基本的に付け足しなので、システムが答えを言っているときにユーザーが画面を見ていることを前提にできない。Googleにとっては難題だろうが、一切話さなくてもアクションを実行できるタッチ操作をある程度導入してもよいと思う。そうでないと、画面はYouTubeビデオやスライドショーを見るとき以外、常に居場所がないように感じる。

楽しみなのは、もしいるのならどんなソフトウェアウィザードが隠されているかだ。記事によるとこのデバイスには他のスマートディスプレイのようなカメラはついてこない。これは同社のビデオ通話サービスであるDuoを推進する目的から考えると奇異に感じる、Googleは安いカメラ部品の価値もないことに気づいたか、あるいはプライバシーの懸念からからもしれない。

もし、噂されていた149ドルという価格が正確で、Googleがパートナー会社のSmart Displayにある機能を大方取り込むとすれば、これは非常にクールだがあまり使われないデバイスになりそうだ。この製品の狙いがどこにあるのかどうにもわからない。

記事はかなり正確のようなので、これ以上は数週間後にGoogleが出すもの待つしかない。Techcrunchは10月9日に行われるGoogleのPixel 3ハードウェアイベントに注目し続ける。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが日本で複数のAI関連事業を立ち上げ、UNIQLOとパートナーシップ

Googleが今日(米国時間9/18)東京で行われたCloud Next 2018イベントの場を利用して、日本市場にフォーカスした二つのイニシアチブを発表したのは、当然のことだ。このイベントはメインのカンファレンスがサンフランシスコで行われ、複数の国際的イベントが東京など各地で行われる。

発表には、ベーシックなアップデートとしていくつかの日本語ローカライゼーションも含まれ、その中には、CourseraのコースMachine Learning with TensorFlow on Google Cloud Platformの日本語化や、クラウド技術者の資格検定Associate Cloud Engineerの日本語化、50種のクラウド実践演習(各30分)Qwiklabsの日本語化などがある〔日本語化の例はここで〕。

さらにGoogleは、東京にAdvanced Solutions Labを立ち上げる。同様のラボは、アイルランドのダブリンとカリフォルニアのサニーベール、そしてニューヨークにもある。それらはGoogleのエキスパートたちによる4週間の機械学習教育訓練コースを軸として、機械学習のさまざまな学習オプションとコラボレーションによる演習経験を提供する。

(写真: Hitoshi Yamada/NurPhoto via Getty Images)

Googleは今日、新しいテクノロジーの採用をめぐって、ユニクロの親会社Fast Retailingとのパートナーシップを発表した。社名が示すように同社は小売業の高速化に関心があり、成長の加速化のためにGoogleのG Suiteや機械学習ツールを利用していきたいようだ。このパートナーシップ事業の名前は、’Ariake’である。

Fast RetailingのCEO Tadashi Yanaiはこう言っている: “全社員が情報にアクセスできるようにすることが、Ariakeプロジェクトの基盤のひとつだ。それによって社員たちは、論理や判断、共感といった人間の特性を生かした意思決定ができるようになる。毎シーズン、事業計画を書いているが、G Suiteのような共同作業ツールを使えば、それらを全社員が共有できる。Google Cloudとのパートナーシップは、需要予測のようなものをとっくに超えて、全社員の協働的な仕事のやり方を抜本的に変えた”。

画像クレジット: Tomohiro Ohsumi / Getty Images

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米司法省、イーロン・マスクの「非上場化」ツイートの捜査を開始

本日(米国時間9/18)午前、Teslaの株価は5%下がった。CEO Elon Muskが同社の非上場化について発信した8月7日のツイートに関して、米国司法省が犯罪捜査を開始したというニュースが報じられた後のことだ。本捜査は先日本誌が報じた証券取引委員会による同社の捜査に続くものだ。

「先月Elonが同社の非公開化を考えていると発表した後、Teslaは司法省から文書の任意提出の要求を受け、以来当社は協力的に応じている」とTeslaの広報担当者がTechCrunchに提供した声明で語った。「まだ召喚状や参考人招致その他の公式手続き依頼は受けていない。当社は本件に関する情報を入手したいという司法省の意思を尊重しており、同省が受け取った情報を精査することで早期に問題は解決すると確信している」

Bloombergによると、司法省による犯罪捜査は現在「初期段階」にある。

「一般に司法省は、捜査の存在の有無について、確認も否定もその他のコメントもしない」と司法省広報官がTechCrunchに伝えた。

その後Muskは株主と話しあい、会社の非上場化プロセスについて調べたあと、Teslaにとって最善の道は公開企業のままでいることであると確信し、一連の発言(ツイート)を撤回した。当時のTeslaブログの記事から抜粋する:

「私に届いたフィードバックを見たところ、Tesla株主の大半が上場企業であり続けるべきだと信じていることがわかった。また、何人かの機関投資家は、彼らには非上場企業に投資できる金額が制限されるという内部コンプライアンスの問題があることを説明した。そしてほとんどの個人投資家にとって当社が非上場になった場合に株を保有する明確な道筋がない。私が話した株主の大部分は、Teslaが非上場企業になっても株を持ち続けると言っていたが、素直な気持ちは「お願いだからやめて」だった。

TeslaとSpaceXの億万長者リーダーは当時、会社を820億ドル(1株あたり420ドル、借金を含む)で買い戻すつもりであり、そのための資金調達は手配済みだと書いた。後に彼は、資金の提供元がサウジアラビア政府系ファンドであることを明かした。

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ルノー・日産・三菱連合がGoogleとパートナーして車載システムをAndroidベースに

Googleが、車の売上ベースでは世界最大の自動車メーカー連合であるRenault-Nissan-Mitsubishiとパートナーして、Androidベースのインフォテインメントシステムを数百万台の自動車に搭載していく。彼らはWall Street Journalにそう語った。その次世代型インフォテインメントシステムとダッシュボードディスプレイはAndroidを使用し、2021年にローンチする。

運転者は車のダッシュボードから、Googleの地図やアプリストア、音声アシスタントなどにアクセスできる。このパートナーシップは、自分のオペレーティングシステムをより多くの自動車に載せたいと願っているGoogleの野望の実現に向かう、大きな一歩だ。この連合は今年の前半に計550万台の車を売り、VolkswagenやToyota Motorを上回った。

連合の役員たちはWSJに、多くの顧客がすでにGoogle Mapsなどのアプリを使い慣れているので、運転時には連合が自分たちで独自開発したソフトウェアよりも、Googleのアプリが好まれる、と語っている。

またGoogleが2007年にソフトウェアをオープンソースにしたことも、役員たちは評価している。連合のコネクテッドビークル担当VP Kal MosはWSJ紙に、“ここ数年で信頼が築かれた”、と言っている。

GoogleとパートナーすることによってRenault-Nissan-Mitsubishiは、ソフトウェアを自分たちのエコシステムで独自開発するよりテクノロジー企業とパートナーする、という戦略において、ライバルの自動車メーカーよりも先んじることになる。しかしこれによって多くの顧客を勝ち取ることにつながるかもしれない反面、貴重なユーザーデータのコントロールをGoogleやAppleなどの企業の手に渡すことにもなる。彼らはWSJの取材に対して、Googleは車載アプリから集めたデータにアクセスできることになるが、しかしその前にユーザーの許可を求める必要がある、と述べている。

そのほかの自動車メーカーも、たとえばVolkswagenはAudiの車載ナビにGoogle Earthを入れているし、Volvoは、次の車載インフォテインメントシステムをAndroidベースで構築する。

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SalesforceのCEO Marc Benioffがアメリカの顔と言われたTime誌を個人資格で買収

またテクノロジー業界の億万長者による大手ニュース出版社の買収だ。1月にTime Inc.を買収したMeredith Corporationが今日(米国時間9/17)、その社名と同名の雑誌をSalesforce.comの協同ファウンダーMarc Benioffと彼の妻Lynne Benioffにキャッシュ1億9000万ドルで売ることに合意した、と発表した

Meredithは3月に、Time, Sports Illustrated, Fortune, およびMoneyの計4誌を売ることを計画している、と述べた。それは、向こう2年間で40億ないし50億ドルを確保する目標の一環で、それにより同社ポートフォリオに残っているそのほかの出版事業の収益力を上げたい、とされた。今日の発表で同社は、Timeを売って得られる収入は債務返済に充てられ、2019会計年度には債務を10億ドル減らしたい、と言った。

MeredithによるTime Inc.の買収は、その財務的支援者がKoch Equity Developmentだったため論争を招いた。このプライベートエクイティファンドの経営者CharlesおよびDavid Kochは、保守的な運動や理念の支援者として知られている。

一方、進歩的な政治の支援者であるBenioff夫妻は、Timeの買収を個人として行なう。Benioffが会長兼協同CEOであるSalesforce.comやそのほかの企業は、この取引と無関係である。Marc BenioffはWall Street Journalに、彼と彼の妻はTimeの日常的操業や編集の意思決定に関与しない、と述べ、次のように付言した: “われわれは世界に対するインパクトがとても大きい企業に投資しようとしている。それは、ビジネスとしてもきわめて強力だ。家族としての投資対象を決めるときは、いつもそんな企業が対象だ”。

テクノロジー業界の億万長者が大手出版社を買収した例としては、AmazonのCEO Jeff Bezosによる5年前のWashington Post紙の個人的買収や、慈善団体Emerson CollectiveのLaurene Powell Jobsによる昨年のThe Atlantic誌の筆頭株主権の取得、Alibaba GroupのJack Maによる2016年のSouth China Morning Post紙の買収などが挙げられる。なお最後の例は、Ma個人ではなく企業が行った買収だ。

過去にはアメリカを代表するニュース誌と呼ばれたTime誌も、他の印刷媒体と並んで、デジタル化の功もなく、部数と売上の低迷に悩まされた

Wall Street Journalのインタビューで同誌の編集長Edward Felsenthalはこう述べている: “最近の数年間は、週刊誌という過去のイメージを払拭して変身するために、多大な努力を重ねてきた。現在、ビジネスとしての利益性は堅調である”。

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Appleの新しいiPhoneの中では業界初の7nmチップが動いている

Appleは予想通り今日(米国時間9/11)、最新世代のiPhoneを発表した。そしてそれとともに、その新しいチップA12 Bionicを発表した。

A12 Bionicが独特なのは、7nmプロセスで作られていることだ。チップの仕様や性能を表す測度はメーカーによってまちまちだから、単純な比較はできないが、7nmが最先端の技術であることは確かだ。Appleは、業界初の7nmチップ、と主張している。それには、計69億6000万のトランジスタが載っている。

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Appleの全世界マーケティング担当SVP Phil Schillerはこう言う: “チームがやったことはまったく本当のブレークスルーだ。A12 Bionicは業界初の7nmチップだ”。

A12 BionicはAppleが設計したチップで、6コアのCPUと4コアのGPU,そして機械学習のワークロードを動かすためのApple独自のNeural Engineを積んでいる。高性能コアのパフォーマンスは前よりも15%早くなり消費電力は40%減った。また効率性コアでは最大50%の省エネを実現した。

GPUも、前より50%速くなった。モバイルのゲーマーたちよ、喜べ。

Neural Engineは今や8コアのシステムで、スピードが上がっただけでなく新たな機能が加わった。Schillerによるとチップは機械学習のワークロードの性質を見極め、それをGPU, CPUあるいはNeural Engineのどれにやらせるかを決める。

トータルでは、A12 BionicのNeural Engineは毎秒5兆の演算ができる。A11では6000億だった。ただしそれがどういう演算なのかAppleは詳細を言わないので、いまいち腑に落ちない。いずれにしても、相当速いチップであることは、確かなようだ。

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VCたちはどれだけ稼いでいるか

ベンチャーキャピタルは不透明な業界と思われているので、われわれの多くが、平均的なVCの年収などを知らなくても当然だ。

しかし、ベンチャー企業の報酬に関するJ. Thelander Consultingの調査報告書を見ると、やはりVCたちは大金を稼いでいる。

では、どれだけ? そう、VCたち204名のうち(男172女32)、平均的なゼネラルパートナー(GP)の今年の予想年収は63万4000ドルだ。この中には2017年の業績に対するボーナスも含まれる。

VC企業の規模によって、平均年収に差がある。たとえば運用資産残高(AUM)が2億5000万ドル未満のVC企業のVCたちは、それより大きなVC企業のVCよりも年収が低い。

[VCたちの2018年平均総報酬]

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VC企業でランクのトップにいるGPたちは、報酬パッケージも最大だ。彼らの年額ボーナスの平均は、アソシエイトパートナーやエントリーレベルの投資家たちの平均基本給より大きい。

この調査は、Sequoias, NEAs, Kleiner Perkinsといった、AUM 数十億ドルクラスの世界的VC企業を調べていない。しかし上の結果を外挿すれば、彼らはもっと稼いでいるだろう。

注記: 実際の年収は、上記にVC企業の運用益の分け前、いわゆるcarried interestを加えた額である。

〔訳注: VCといえば個人のVC、VC firmといえばVC企業のこと。〕

[あるミーティングでVCたちの真実を垣間見た](未訳)

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ドローンにオプティカルフローを教育して小さな穴を高速で通過させるテクニック

メリーランド大学の研究者たちが、鳥や虫が飛ぶときのテクニックをドローンに教えて、小さな穴を高速でくぐれるようにした。ドローンはわずかに数回、環境を調べて開口部を定義し、大きなドローンが不定形な穴を訓練なしで通り抜ける。

そのGapFlytと呼ばれるプロジェクトは、Nitin J. Sanket, Chahat Deep Singh, Kanishka Ganguly, Cornelia Fermüller, Yiannis Aloimonosの計5人が立ち上げ、簡単な昆虫のような目を使ってドローンを教育した。

彼らが使ったテクニックはオプティカルフローと呼ばれ、きわめて単純な単眼のカメラを使って3Dモデルを作る。各時点の像の中の特徴をマークすることにより、ドローンは各像(写真)の変化に基づいて穴の形と深さを知る。ドローンに近いものは遠いものより大きく動くから、ドローンは前景と遠景を見分けることができる。

ビデオを見てお分かりのように、研究者たちは自分たちのシステムをテストするためにかなり雑然とした環境をわざと作った。Bebop 2ドローンがNVIDIA Jetson TX2 GPUを搭載して、穴のまわりを蜂のように飛び回り、そして秒速2メートルという、まあまあのスピードで通り抜ける。遠くに似たような壁を作ってドローンを混乱させようとしても、彼らのテクニックはその新しい面倒な状況に影響されなかった。

メリーランド大学のPerception and Robotics Group(知覚とロボティクスグループ)の報告によると、ドローンはさまざまな開口部を85%の精度で通過できた。タトゥイーンのベガーズ・キャニオンを避けて飛ぶときのルーク・スカイウォーカーほど速くはないが、でも感動的なスタートだ。

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昆虫からヒントを得た羽ばたくロボットが一回の充電で1キロメートルを飛ぶ

イエバエやミバエなどの、信じられないほどの敏捷さは、すべてのロボットとドローンを赤面させる。でも彼らに見倣ったデバイスが、やっと追いつきつつある。このたび新たに作られた四翼の羽ばたきロボットは、ミバエのあまりにも敏捷な飛行方法の模倣に成功しただけでなく、一回の充電で最大1キロメートルも飛ぶことができる。

デルフト工科大学のロボティクスの研究者たちは、昆虫の飛び方に関して彼らがまとめた理論を、実際にロボットとして実装し検証するための飛行体を作りたい、と思った。もちろんそれはワイヤレスで、しかもプロペラなど昆虫に本来ない推進機構があってはいけない。

彼らは単に、羽ばたきで前進するクールなロボットを作りたかったわけではない。昆虫が、突風や自分を叩(はた)こうとする人の手の動きなどに反応するときの、リアクションとコントロールはおそろしく速い。これほどの情報伝達能力を自動操縦ドローンや小型飛行機が持ったら、すごいことになるだろう。あなたが乗ってるジェット旅客機が稲妻を自動的にスムーズに避けることができたら、すてきではないか。

しかし昆虫よりもずっと大きなものになると、その飛行方法は質量が大きすぎて機能しない。彼らの羽ばたきロボットはScience誌の表紙を飾り、彼らのこんなペーパーが載った:

重量とサイズの制約が厳しいので、これまでの設計の多くが、その原型となった生物の飛行性能に到達できていない。それらは必要なレベルの敏捷性を欠き、離陸に必要なパワーがなく、1分以上飛ぶことのできる十分なエネルギーを搭載できなかった。

それだけではなく、Robobeeのような小さなロボットは電源に接続するケーブルを必要とし、そのほかの小さな羽ばたき機は手動による有線の操縦を必要とする。それでは、だめだ! そこでデルフトのチームは、小さな動物の生物的機構を忠実に模倣することをやめて、同じ飛行特性を現実的な大きさで実現できる、ほかの方法を探した。

彼らが作った四翼で尾のないスタイルの創造物DelFly Nimbleは、奇抜だが疑う余地なく有効だ。彼らのロボットは秒速7メートル(時速約25キロメートル)で飛び、定位置でホバーリングでき、急降下や回転など、あらゆる極端な動きがスムーズにできる。ジョークではなく実際に、継続的な推力のあるローターでそれらができる。羽根の動きを調整してコントロールする。このビデオで、そのほかの妙技を見てみよう。

たぶん、いちばん驚異的なのは、その航続距離だ。このロボットは一回の充電で1キロメートル飛ぶ。無人ロボットで‘キロメートル’などという数字は、ほとんど軍用品の仕様だ。

しかしDelFly Nimbleは、興味深い科学的データも作り出している。研究のリーダーMatěj Karásekが説明する:

動物実験と違って、ロボットの脳の中で起きることを完全にコントロールできる。そのため、飛行をアシストしている新しい受動空気力学の仕組みを見つけて記述できる。そのほかの飛行動物の、高速傾斜旋回の間の方向制御の仕組みも、そこから理解できるだろう。

開発は継続しており、生物学者や政府機関方面からオランダの発明家たちに宛てた、関心表明の手紙も日増しに増えている。

画像クレジット: デルフト工科大学

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iPhone XRは「買い」

iPhone XRは反省の産物のごとくやってきた。実際、驚きはなかった。Appleは常に全力で突き進んできた——最新、最高、文字通りの最大。最前線で命を張ることは、同社にとってイメージと市場シェアと株価の拠り所だ。

iPhone XRはそうではない。昨日の イベントを見る限り、この端末は等外馬だ。シングルレンズカメラと低解像度画面はネット上のディスプレイマニアの間で批判の的になった。これは、この会社が作る必要のあった製品そのものでもある——結局Appleは山ほど売ることになるだろう。実際このエントリーレベル機がプレミアムの兄たちより多く売れてもさほど驚かない。

過去24時間、かなりの人たちが、どのiPhoneを買うべきか私に聞いてきた。答えは相手によってまちまちなのは当然だが、多くの場合にXRがもっともしっくりくる。昨日のハンズオン記事にも書いたように、これは一般人のためのiPhone Xだ。

昨年の10周年記念端末は、テクノロジー、価格、予算、あらゆる面でiPhoneの限界を押し広げた。それは2008年のApple Store導入以来最大の飛躍であり、1000ドルスマートフォンの誕生でもあった。

ものごとがその方向に進んでいくことは誰もが知っていたし、、Samsungを始めとする各社はAppleに戦いを挑んできたが、iPhone Xは消費者がスマートフォンにいくら払うつもりがあるかの限界をテストする結果になった。当初の売上はこの製品にとって理想的ではなかったが、はるかに高いその価格は、同じ利益をあげるためにAppleは少なく売るだけでよいことを意味していた。

しかしAppleはsの100万円携帯のVertuではない。製品を実際に消費者の手に届けることは、新しい端末を売るのと同じく重要な側面だ。初期の報道では、Appleはより広い消費者層にアピールするために、LCDに戻してコストを下げることを考えていると言われていた。

Wall Street Journalは6月に、需要は「Appleが最初のOLEDスマートフォンを準備していた一年前に多くの業界人が予想していたよりも伸び悩んでいる」と書いた。AppleにとってLCDに戻ることは、最も先進的なスマートフォンを出したあとに一歩後退するように感じたのだろう。

しかし、それを気にする人たちがいる一方で、テクノロジーの刷新は、消費者の要求よりもライバルの先を行きたいという欲求に動かされることがよくある。そして、最高解像度の画面はすばらしいものの、必ずしも1000ドルに値するすばらしさではない。

iPhone XRはAppleにとって、よりバランス志向のアプローチだ。しかしこの端末は、iPhone Xをベースに比較的求めやすい価格を維持しつつ、Xと一緒に発表されたときのiPhone 8のような遺物感をもたせないことに成功している。

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XRは大衆向きiPhone。人々のためのiPhoneだ。私はこれをiPhoneのiPod Miniと呼んでおり、Matt Burns記者はこれをiBookと呼んでいるが、言いたいことは同じだ。より安く、よりカラフルな選択肢だ。すくなくとも同僚の一人は、どの色にするかで少々強迫観念を感じている。

749ドル(8万4800円)は決して安くないが、XSとXS Max(それぞれ999ドル/11万2800円と1099ドル/12万4800円)と比べるとお買い得に感じるし、欠けている機能の殆どは平均的ユーザーの日々の利用に影響しそうにない。そうそう、シングルレンズカメラがポートレイトモードを模倣することで、いっそう違いを和らげている。

もし私が今新しいiPhoneを買うなら、まず間違いなくXRで行く。わかってほしいのだが、私はニューヨークシティーに住むITブロガーだ。金のなる木をもっているわけではない。

あなたが今iPhoneの潜在顧客なら、おそらく同じ気持ちだろう。XRは断然買いだ。Appleは山ほど売ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhone XSとXS MaxがデュアルSIMになった…中国以外はeSIM対応のみ

デュアルSIMにすべき理由は、たくさんある。だからAndroidスマートフォンは、SIMカードを二枚挿入できるのが多い。Appleも、物理的なSIMトレイを載せてデュアルSIMの世界へ入ってきた。世界のほかの場所ではeSIMを使うが、中国では二つの物理的SIMカードを使う。

空港で第二のSIMカードを買って自分のスマートフォンに挿入することは、できない。iPadのときと同じように、自分のiPhoneを使ってプランに登録しないといけない。eSIMをサポートしている通信企業はまだ少ない。Appleは、Verizon, T-Mobile, AT&T, Bell, EE, Vodafone, Airtel, Deutsche Telekom, Truphone, GigSky, そしてJioのロゴを載せている。

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今回のAppleのやり方を見て、もっと多くのキャリア通信企業がeSIMに切り替えることを期待しよう。Spotifyなどにユーザー登録するときのように、自分が使いたいモバイルプランに簡単に登録できるようになるのが、理想だよね。

二つのSIMカードを使う場合は、二つの電話番号や二つのプランを使い分けられる。圏域が分断されているところでは、それが便利だ。分断されている各地域ごとに通信企業がある国も、少なくない。そんな国であっちこっち旅する場合は、SIMカードの入れ替えが必要だ。

中国ではeSIMが使えないので、中国で売ってるiPhone XSとXS Maxは、二つのSIMカードを挿入できるタイプだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

NvidiaがローンチしたTesla T4は最速のデータセンター用推論プラットホームだ

Nvidiaが今日(米国時間9/1)、データセンターにおける機械学習と推論のための新しいGPUを発表した。そのTesla T4 GPUs(TはNvidiaの新しいアーキテクチャTuringを指す)は、クラウドコンピューティングのメジャーなプロバイダーのほとんどが現在提供しているP4 GPUsの後継機種だ。Nvidiaによると、GoogleはT4 GPUsをクラウドプラットホームで採用する最初の企業のひとつだ。

Nvidiaによると、T4はP4よりも相当に速い。たとえば言語の推論では、T4はCPUを使うよりも34倍速く、P4より3.5倍速い。T4のピーク時性能は4ビットの整数演算で260TOPS、浮動小数点演算で65TOPSだ。T4は、標準的な75ワットのLow Profile PCI-eカードに載っている。〔関連記事

しかしもっとも重要なのは、Nvidiaがこれらのチップを、AIの推論専用に設計したことだ。NvidiaのVPで同社のTeslaデータセンター事業部のGM Ian Buckはこう語る: “Tesla T4が推論用としてこれほど効率的なGPUであるのは、Turingアーキテクチャの新しいテンソル・コアのせいだ。CEOのJensen Huangがすでに述べたように、そのTensorコアはゲームやレンダリングやAIにも有効に利用できるが、設計の前提は推論だ。トータルでこのチップには、320のTuting Tensorコアと2560のCUDAコアがある”。

Nvidiaは今回、新しいチップのほかに、同社のソフトウェアTensorRTの、ディープラーニングのモデルを最適化するアップデートをローンチした。この新しいバージョンには、TensorRT推論サーバーも含まれており、それはデータセンターの推論のための完全にコンテナ化されたマイクロサービスとして、既存のKubernetesインフラストラクチャにシームレスに接続する。

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Apple Watchは最初の心電計ではないが、消費者に与える影響は膨大だ

Apple’s COOのJeff Williamsは、Apple Watchが一般販売用心電計としてのFDA認可を受けたと、Apple本社で行われたスペシャルイベントで高らかに宣言した。Appleはものごとの最初になるのが大好きだが、この陳述は虚偽である。

AliveCorはKardiaMobileという製品で昨年11月以来「初」の称号を保持している。KardiaMobileは100ドルのスティック型デバイスで、スマートフォンの背面に取り付けて使用する。しかも皮肉なことに、同じくFDA認可を受けているKardiabandは、Apple Watchと共に使うブレスレット型心電計でAppleストアで販売されており、今週FDAがAliveCorのテクノロジーを使って血液検査をすることなく血液疾患のスクリーニングを行うことにゴーサインを出したばかりだ。

しかし、Apple Watchは幅広い消費者に影響をあたえる最初の製品になる可能性をもっている。まず、Appleは世界ウェアラブル市場の17%という確固たるシェアを持っており、2018年だけで推定2800万台を売っている。AliveCorのKardiabandとKardiaMobileの販売台数はわからないが、これに近い数字であるとは考えられない。

もう一つ、多くの人は、たとえ自分の心臓の状態に不安をもっていたとしても、それを調べるためだけの装置を買うことには抵抗があるだろう。自動的な統合によって、関心のある人たちが別製品を買わずに測定を始めやすくなる。さらに、心臓疾患は米国で最大の死亡原因であり世界人口の大きな部分に影響を与えているにもかかわらず、おそらくほとんどの人は自分の心拍リズムを日々考えることがない。心電計を腕時計自身に組み込むことで、モニタリングすることへの障壁が減り、一部の人がもつであろう心臓の状態を知ることへの恐怖を取り除くことができるかもしれない。

そして、Appleブランド自体の存在がある。今や多くの病院がAppleと提携してiPadを使っていることから、Apple Watchでも協業体制をとると考えることは理にかなっている。

「医者や病院も健康保険会社も自家保険の雇用者も、Apple、XiaomiFitbit、Huawei、Garmin、Polar、Samsung、Fossilその他のウェアブルメーカーと個別の提携を結びたいとは思っていない。必要なのは、どの患者にも適用できるクロスプラットフォーム製品だ」、とCardiogramのファウンダーで、心電計研究者のBrandon BallingerがTechCrunchに語った。「だから、もしAppleが医療のAppleになるのなら、CardiogramかAliveCorはこの分野のMicrosoftになればいい」

Appleの発表は、AliveCorにどう影響するのか? CEOのVic Gundotraは一笑に付した。彼はTechCrunchに、AliveCorのビジネスは大部分がKardiaMobileによるものでApple Watchに統合する心電計ではない、と話した。「Appleは以前からこの手のしくみをWatchに組み込むことを匂わせてきた」とGundotraは言った、「だから予測はできていた」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Airbnbのホストたちが巨大ハリケーンからの避難家族に部屋などを無償提供

ハリケーン・フローレンスが南東部沿岸に急速に接近しているため、多くの人が内陸部に避難場所を求めて当地を去りつつある。しかし避難住宅などがなかなか見つからない人びとも少なくないから、Airbnbのホストたちが、空き部屋を無料で提供し始めている

ペンシルベニア州からアラバマ州にかけての、ゆうに300あまりのホストが、AirbnbのDisaster Response Program(災害対応事業)に参加して、自然災害を逃れてやってきた人びとに部屋や別宅などを無料で提供している。彼らが得るものは、人助けをしたという満足感だけだ。

提供される部屋や別棟などはここにリストアップされている。ログインして自分の場所を提供中にしたら、“urgent accommodation”(緊急避難場所)オプションを見つける。無料ではなく有料にしてもよいが、この際それはちょっと、後ろめたいだろう。

滞在場所を探している人も、Airbnbのアカウントが必要だ。いつまで無料で居られるかなどは、ホストと交渉する。災害救助事業に便乗して、どこかにただで泊まろう、なんて卑しい根性を、この際持ってはいけない。

避難家族は膨大な数だから、300のAirbnbホストが提供するスペースは焼け石に水かもしれない。でもこれは、インターネット上のプラットホームが社会貢献もできる、ということの好例だ。Airbnbはこれまでも、多くの災害で同じことをやってきたが、それを知らない人も多いだろう。その気になった人は、これを機にユーザー登録したらどうかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa